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第47話 全てミウの物...お代わりあります

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やはり魔族は強かったようだ。

王都を侵略し終えたようで堂々と凱旋している。

しかも荷車には大樹達勇者パーティと王族の死体が乗せられている。

これで終わり…そう言う事だ。

王国は魔族に負け、王族と勇者達は殺された。

ある意味良かったのかも知れない。

大樹達以外の同級生は他の貴族に引き取られていった後だ。

同級生で死んだのは大樹達4人だけ…俺にとって嫌いな奴ばかりだ。

自分の家が金持ちだからと鼻にかけ他人を馬鹿にし見下していた。

俺は巻き込まれなかったが…幾つもの虐めに関与していた。

大樹は真面だが…他の三人が絡むと可笑しくなる。

特に大河は女癖が悪いから、関わりたくなかった。

尤も、死んでしまったからもう関わる事は無い。

さて…どうするか?

他の魔族はもう滅んでいるし…此処の魔族だけどうにかすれば…もう魔族はおしまいだろう。

あの魔族は言った。

『人類は全員敵だ』と…

そして、ミウに手を挙げた。

俺もミウも死に掛かっていた…

相手から仕掛けてきたんだ…買ってやるよ!

俺は魔族の行軍している前に立った。

「人間が俺達になんのようだ…見逃してやるから…あっ…」

ただ、走って行き殴っただけで魔族の男の首は千切れた。

「悪いな…お前らが見逃そうが…俺は見逃してやらない!」

『あらっ、あの時のガキじゃない…生きていたのね』

『ゴキブリみたいにしぶといわね』

『折角生き延びたんだから…逃げれば良いのに…馬鹿ね』

この3体には恨みがある。

「ゴキブリはどっちだ? まぁ良い死ね」

ただ拳を突き出しただけで旋風がおき…大きな風が巻き起こり3体を巻き込んだ。

そして、そのまま近くの岩場に3体は直撃し…これはもう死んだな。

「人類は全員敵だ…そいつ等が言った事だ…だから魔族は皆殺しだ」

「この人間は馬鹿なのか? たかが中級魔族3体倒した位でこの数相手に勝てると…えっ…」

「雑魚の話なんて聞く必要もないな…」

俺は軽く手を挙げ…ただ言っただけだ。

「原始の炎よ目の前の敵を焼き尽くせ」

ただ、そう言っただけで物凄い大きな炎が現れ…目の前の魔族を焼き尽くした。

破壊神は俺が思った以上にヤバいのかも知れない。

ただの一言で、万にも及ぶ魔族が簡単に滅んだ。

恐らく、これでこの世界の魔族の大半は滅んでしまった筈だ。

まぁ雑魚が残っているかも知れないが…殺すのは簡単だ。

目の前の魔族たちの持ち物をで欲しい物を根こそぎ頂き…アイテム収納の魔法が掛ったカバンの中で容量が多い物を幾つか別にした。

◆◆◆

「理人…大丈夫なの!」

「うん、平気だよ! ミウって元盗賊だから死体とか大丈夫?」

「怖い…そう言えば可愛いのかも知れないけど…理人には嘘をつきたくないから…平気だよ」

「そう…それなら…」

俺は転移門を作り…王都と繋げた。

神って凄いな。

気配を探ると誰も居ない。

まぁ皆殺しにされたか逃げ出したんだな。

「王都…滅んじゃったんだ」

「多分…少なくとも今は誰も居ない…はい!」

「鞄…?」

「うん、収納の魔法が掛っているから沢山の物が入れられるよ…此処にある物から、好きな物を好きなだけ貰うと良いよ…バイキングだね」

「良いのかな…不味くないの」

「死んだ者を見つけた場合…それを弔う事で、その持ち物を自分の物に出来る…冒険者のルール。ミウが欲しい物を全部貰ったあと、此処に火を放って燃やすから…ルール通りだよ! それじゃミウ、好きなだけ…」

ミウに腕を掴まれた。

「1人で見て回るのは寂しいから理人も行こう」

「そうだね…」

2人でショッピングしてする様に王都を周り、お城の宝物庫から、商人の店まで欲しい物は全部アイテム収納に放り込んでいく。

あたりに死体が転がっているが気にしたら負けだ。

お城にはライア姫の死体とドラド6世の死体があったが、恨みを込めて服から貴金属を全部ひっぺがしてアイテム収納に放り込んだ。

ティアラをはじめ凄く豪華そうな物ばかりだからミウにあげたら喜びそうだ。

「ミウ、もう欲しい物は無いかな」

「あはははっ流石に無いよ、国にある物から好きなだけ…なんだから」

結局、1週間かけて欲しい物は全部貰った。

さぁ、火葬だ。

「原始の炎よ全て焼き尽くせ」

これで良い…王国は灰となるだろう。

「詳しくは聞かないけど…凄いね…」

「ミウ、驚くのはまだ早いよ…魔国も滅んでいる筈だから…これから魔国に行くよ…おかわりだね…」

「流石に信じられないよ…」

「まぁ、行ってのお楽しみって事で」

俺は魔国へ転移門を開いた。





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