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第21話 治療とミウの過去
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俺は宿に戻るとミウの服を脱がした。
既にミウは気絶していた。
酷いな…
左側は顔から胸にかけて火傷をしており、まるで怪談に出てくる幽霊の様に崩れていた。
更に足も、何者かに噛まれたようで肉がえぐれていた。
他にも火傷…怪我が山ほどある。
俺は手を擦り、手が温まったらそのまま顔に手をあてがう。
「手当」
すると手が触れた場所の火傷が少しずつ消えていく。
勝った。
つい彼女を連れてきてしまったが、上手くいくかどうかは賭けだった。
俺の治療法は『手当』だ。
つまり手が触れてなければ治せない。
時間を掛けて手で頭からつま先まで触りまくった。
体の火傷が治り、眠っている美少女の体を触りまくるのは少し背徳感があるが仕方ない。
俺の『手当』は触らなければ治せない。
あとは、念の為…持っていたポーションを振りかけて治療は終わり。
恐らくこれで大丈夫だ。
まだ眠っているな。
まぁ、あの状態じゃ仕方がない。
まだ、汚いけど、それでも凄い美少女である事は間違いない。
あとは…
俺が買ってきても良いが目を覚ました時に俺が居た方が良いだろう。
良く考えた末、折角高い宿に泊まっているからコンセルジュに相談した。
「それなら別に金額は掛かりますが、衣服の手配となにか消化に良い物をご用意しますか?」
「それじゃお願いします…あとそれに加えて果物や果汁水もお願いします」
「畏まりました」
流石、高級宿。
直ぐに女性が来て、採寸すると出て行った。
俺は彼女に触れて汚くなった手を見ると…仕方がない。
体も洗ってやるべきだよな。
お湯を沸かし、華奢なミウを担いで風呂場で寝かせた。
シャボンを手に付け髪の毛を洗いに掛る。
凄いなシャボンは茶色くなり流すと最早ドブの水みたいだ。
良く見ると虫も寄生している…まぁ良いや。
ダニとかじゃないみたいでお湯で洗い流すと全部死んでいく。
あとはタオルにシャボンをつけ体をまんべんなく洗う。
さっきの『手当』で慣れたのか、どうにか意識しないで体を洗い終わった。
ふぅ~どうにか綺麗になったな。
しかし、スレンダーな中々の…いやよく見るのは良くない。
高級な宿は凄い…俺がミウを洗っている間にしっかりとベッドメイキングがしてある。
俺は毛布をはがしてミウをそのまま寝かせた。
◆◆◆
少し用事があり1人出かけて帰ると、仲間が全員殺されていた。
盗賊の最後なんてあっけない物だよね。
殺しても良い存在だし、殺されても文句は言えない。
それが盗賊なんだもん…仕方が無いよ。
「誰かいるのか?」
不味い、こちらに気がつかれた。
「あはははっ怖い顔しないでよ?!偶々通っただけだよ…直ぐに立ち去るから」
兵士の男が私をジロジロ見ている。
「此奴ガキだけど、ちゃんと人相書きに載っていやがる…『腹裂きのミウ』じゃねーか?」
ヤバい、勘づかれているのかな?
「違うよ…そんなの知らない」
「嘘をつくな」
ヤバいな…手を取られた。
仕方がない…私は兵士の腹をナイフで刺し…逃げ出した。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁーーっ」
「バーカ、バーカ…じゃあねーーっ」
逃げないと殺されちゃう。
だから仕方がない。
「あのガキやはり賞金首だ…殺せーーっ」
「俺に任せろ!ファイヤーボール」
嘘、魔法なんて…
「きゃぁぁぁぁーー」
髪の毛に火がついた顔が、顔が熱い…
だけど、止まったら殺される…逃げないと。
火を消す暇もないよ。
「熱い、熱いよーーーっ」
顔が焼けて肉を焼いた臭いがする。
だけど、止まったら殺されちゃう…
走らないと…
「あのガキ頭から燃えているぜ」
「すぐに死ぬだろうが追いかけろーーっ」
「「「ハッ」」」
逃げないと…少しでも遠くに…
「なんだ、此奴、死んでいるよ」
「ファイヤーボールを頭に食らったんだ、そりゃそうだ」
まだ、生きている…だけど死んだと思っているなら…都合が良い…
痛いのも熱いのも我慢してそのまま死んだふりを続けた。
運よく私はそのまま放置された。
暫くしたら周りには誰も居なくなっていた…
逃げなくちゃ…
近くの池で顔を冷やした…
池に映った私の顔は…
あははははっこの顔、化け物だ。
もう笑顔を振りまきながら油断を誘って殺すなんて出来ないな。
それより、私は一生この醜い顔で暮らさないといけないんだ。
どう考えても人生終わった…
気がつくと私はスラムに流れて来た。
この顔だから犯されないのが救いだけど…
◆◆◆
もう何日食べていないか解らない…顔は焼ける様に痛いし、動けない
「化け物――っ」
「化け物…キモイんだよ」
「石ぶつけろーーっ」
もう動けないよ…子供から親まで石をぶつけてくる…
暫く我慢したら…楽になれるのかな…
既にミウは気絶していた。
酷いな…
左側は顔から胸にかけて火傷をしており、まるで怪談に出てくる幽霊の様に崩れていた。
更に足も、何者かに噛まれたようで肉がえぐれていた。
他にも火傷…怪我が山ほどある。
俺は手を擦り、手が温まったらそのまま顔に手をあてがう。
「手当」
すると手が触れた場所の火傷が少しずつ消えていく。
勝った。
つい彼女を連れてきてしまったが、上手くいくかどうかは賭けだった。
俺の治療法は『手当』だ。
つまり手が触れてなければ治せない。
時間を掛けて手で頭からつま先まで触りまくった。
体の火傷が治り、眠っている美少女の体を触りまくるのは少し背徳感があるが仕方ない。
俺の『手当』は触らなければ治せない。
あとは、念の為…持っていたポーションを振りかけて治療は終わり。
恐らくこれで大丈夫だ。
まだ眠っているな。
まぁ、あの状態じゃ仕方がない。
まだ、汚いけど、それでも凄い美少女である事は間違いない。
あとは…
俺が買ってきても良いが目を覚ました時に俺が居た方が良いだろう。
良く考えた末、折角高い宿に泊まっているからコンセルジュに相談した。
「それなら別に金額は掛かりますが、衣服の手配となにか消化に良い物をご用意しますか?」
「それじゃお願いします…あとそれに加えて果物や果汁水もお願いします」
「畏まりました」
流石、高級宿。
直ぐに女性が来て、採寸すると出て行った。
俺は彼女に触れて汚くなった手を見ると…仕方がない。
体も洗ってやるべきだよな。
お湯を沸かし、華奢なミウを担いで風呂場で寝かせた。
シャボンを手に付け髪の毛を洗いに掛る。
凄いなシャボンは茶色くなり流すと最早ドブの水みたいだ。
良く見ると虫も寄生している…まぁ良いや。
ダニとかじゃないみたいでお湯で洗い流すと全部死んでいく。
あとはタオルにシャボンをつけ体をまんべんなく洗う。
さっきの『手当』で慣れたのか、どうにか意識しないで体を洗い終わった。
ふぅ~どうにか綺麗になったな。
しかし、スレンダーな中々の…いやよく見るのは良くない。
高級な宿は凄い…俺がミウを洗っている間にしっかりとベッドメイキングがしてある。
俺は毛布をはがしてミウをそのまま寝かせた。
◆◆◆
少し用事があり1人出かけて帰ると、仲間が全員殺されていた。
盗賊の最後なんてあっけない物だよね。
殺しても良い存在だし、殺されても文句は言えない。
それが盗賊なんだもん…仕方が無いよ。
「誰かいるのか?」
不味い、こちらに気がつかれた。
「あはははっ怖い顔しないでよ?!偶々通っただけだよ…直ぐに立ち去るから」
兵士の男が私をジロジロ見ている。
「此奴ガキだけど、ちゃんと人相書きに載っていやがる…『腹裂きのミウ』じゃねーか?」
ヤバい、勘づかれているのかな?
「違うよ…そんなの知らない」
「嘘をつくな」
ヤバいな…手を取られた。
仕方がない…私は兵士の腹をナイフで刺し…逃げ出した。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁーーっ」
「バーカ、バーカ…じゃあねーーっ」
逃げないと殺されちゃう。
だから仕方がない。
「あのガキやはり賞金首だ…殺せーーっ」
「俺に任せろ!ファイヤーボール」
嘘、魔法なんて…
「きゃぁぁぁぁーー」
髪の毛に火がついた顔が、顔が熱い…
だけど、止まったら殺される…逃げないと。
火を消す暇もないよ。
「熱い、熱いよーーーっ」
顔が焼けて肉を焼いた臭いがする。
だけど、止まったら殺されちゃう…
走らないと…
「あのガキ頭から燃えているぜ」
「すぐに死ぬだろうが追いかけろーーっ」
「「「ハッ」」」
逃げないと…少しでも遠くに…
「なんだ、此奴、死んでいるよ」
「ファイヤーボールを頭に食らったんだ、そりゃそうだ」
まだ、生きている…だけど死んだと思っているなら…都合が良い…
痛いのも熱いのも我慢してそのまま死んだふりを続けた。
運よく私はそのまま放置された。
暫くしたら周りには誰も居なくなっていた…
逃げなくちゃ…
近くの池で顔を冷やした…
池に映った私の顔は…
あははははっこの顔、化け物だ。
もう笑顔を振りまきながら油断を誘って殺すなんて出来ないな。
それより、私は一生この醜い顔で暮らさないといけないんだ。
どう考えても人生終わった…
気がつくと私はスラムに流れて来た。
この顔だから犯されないのが救いだけど…
◆◆◆
もう何日食べていないか解らない…顔は焼ける様に痛いし、動けない
「化け物――っ」
「化け物…キモイんだよ」
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もう動けないよ…子供から親まで石をぶつけてくる…
暫く我慢したら…楽になれるのかな…
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