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聖来篇 思ったより優しい世界
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次の日にマリアと僕の結婚式と子爵の拝任式が行われた。
リュウト四世、マリーナと王城にいる貴族のみで行われたひっそりとした物と言われたが、僕には盛大な物にしか思えない。
これ以上何かを貰わないようにしないと怖い。
ここは貴族社会、報奨には義務が付きまとう。
余りに会えないので高貴と真理について聞いてみた。
今は騎士団の1/3を引き連れてレベル上げに行っているのだそうだ。
僕も離されないように頑張らなくてはいけない。
式が終わったあとマリアと一緒に謁見室に呼ばれた。
僕は仕える者として膝磨づこうとしたが、王とマリーナに止められる。
「公式の場所以外では膝磨づかなくて良い、マリアを娶ったのだ家族とも言える」
「そうですわ、私くしの義弟とも言えますから」
なんだか、思ったより優しく感じる。
「宜しいのですか?」
「良い、しかしセレ卿はどこかで身のこなしを教わられたのか?勇者や聖女とは違うが」
「あの二人が何かやらかしましたか?」
「いや、何でもない」
僕は何か嫌な予感がした。
「所でだセレ卿、爵位として子爵の地位を与えたが今現在は魔族と戦っている最中なので安定した土地が無い、暫くは報奨金を毎月与える事で満足して頂けるか?」
「報奨を頂けるのですか? それでしたらマリアが元王族として恥じない金額だけ頂ければ充分です」
「本当にそれだけで良いのですか?」
「はい、そうだ、貴族としての義務もありますから、暫く騎士達と鍛えたら僕も遠征に出ようと思います。ただ、結婚したばかりなので暫くは近場で活動します。良い場所を教えて下さい。」
「そうか、、よく自分で考えるものだな」
「どの位稼げるか解りませんが、国に納めるのはお金と素材どちらが宜しいでしょうか? 手にした物の半分を納める。それで宜しいでしょうか?」
「あぁ、だったら素材で頼む、鑑定して一般的な買取金額の半分を貰おう」
「ありがとうございます」
「ではもう、マリアもセレ卿も下がってよい。今日はゆっくりするが良い」
「なぁマリアーナ、あの対応をどう思う?」
「勇者や聖女と違って謙虚に思います。」
「最初、王女であるマリアを望んだ時には傲慢な奴そう思っていた。だがセレ卿は馬車の中でマリアの生い立ちを聞いていたそうだ。」
「そうなのですか?」
「ならば、普通はお前を望むだろう? お前と結婚すれば次期国王が内定する」
「たしかに傲慢な者なら私くしを望むと思います」
「だが、セレ卿はお前でなくマリアを選んだ、、、それは同情からかも知れないが」
「確かに普通であれば選びませんわ、、まして事情を知っているならなおさら」
「うむ、そして今日の話じゃ、勇者や聖女のように一方的にこちらに求めるのではなくちゃんと臣下になって一歩下がり、こちらにもメリットのある話しに納めた」
「半分も納めるなんてお人よしですわね、ギルドの買い取り額は既に税金を引いた価格だと言うのに」
「その辺りは経験の問題とも取れる。」
「そうですわね、、、勇者と聖女を貰った、私くしの方が外した感じがしますわ」
「まぁ仕方ない、決めたのはお前じゃ」
「でも、それで良かったとも思いますのよ、あの子にも少しは良い事があっても良いのですわ」
「そうじゃな」
「私達王族にとって、どうしても大切なのはお父様になります。姉様は嫁いでいますから、この国で次に大切な命は私くし。これは仕方が無い事です。」
「そうじゃな、儂も同じ考えじゃ」
「そして、お父様は王様、私くしはその後を継ぐ者、そう考えたらあの子にどうしても汚れ役を押し付けるしかありませんわ」
「そうじゃな」
「私くしもお父様もあの子にはこれからも汚れ役を押し付けなくてはいけません。だけど、家族としての愛情はあるのです。少なくともお父様と自分の命の次に大切なのはあの子の命ですわ。」
「全く同じ考えじゃな」
「ならば、あの子を好きになってくれて守ってくれそうなセレ卿があの子を貰ってくれたのは良い事ですわ」
「そうだな、あの子には王として辛い思いをこれからもさせる。これ位の幸せはあっても良いだろう」
「ええっ私くしもそう思いますわ」
リュウト四世、マリーナと王城にいる貴族のみで行われたひっそりとした物と言われたが、僕には盛大な物にしか思えない。
これ以上何かを貰わないようにしないと怖い。
ここは貴族社会、報奨には義務が付きまとう。
余りに会えないので高貴と真理について聞いてみた。
今は騎士団の1/3を引き連れてレベル上げに行っているのだそうだ。
僕も離されないように頑張らなくてはいけない。
式が終わったあとマリアと一緒に謁見室に呼ばれた。
僕は仕える者として膝磨づこうとしたが、王とマリーナに止められる。
「公式の場所以外では膝磨づかなくて良い、マリアを娶ったのだ家族とも言える」
「そうですわ、私くしの義弟とも言えますから」
なんだか、思ったより優しく感じる。
「宜しいのですか?」
「良い、しかしセレ卿はどこかで身のこなしを教わられたのか?勇者や聖女とは違うが」
「あの二人が何かやらかしましたか?」
「いや、何でもない」
僕は何か嫌な予感がした。
「所でだセレ卿、爵位として子爵の地位を与えたが今現在は魔族と戦っている最中なので安定した土地が無い、暫くは報奨金を毎月与える事で満足して頂けるか?」
「報奨を頂けるのですか? それでしたらマリアが元王族として恥じない金額だけ頂ければ充分です」
「本当にそれだけで良いのですか?」
「はい、そうだ、貴族としての義務もありますから、暫く騎士達と鍛えたら僕も遠征に出ようと思います。ただ、結婚したばかりなので暫くは近場で活動します。良い場所を教えて下さい。」
「そうか、、よく自分で考えるものだな」
「どの位稼げるか解りませんが、国に納めるのはお金と素材どちらが宜しいでしょうか? 手にした物の半分を納める。それで宜しいでしょうか?」
「あぁ、だったら素材で頼む、鑑定して一般的な買取金額の半分を貰おう」
「ありがとうございます」
「ではもう、マリアもセレ卿も下がってよい。今日はゆっくりするが良い」
「なぁマリアーナ、あの対応をどう思う?」
「勇者や聖女と違って謙虚に思います。」
「最初、王女であるマリアを望んだ時には傲慢な奴そう思っていた。だがセレ卿は馬車の中でマリアの生い立ちを聞いていたそうだ。」
「そうなのですか?」
「ならば、普通はお前を望むだろう? お前と結婚すれば次期国王が内定する」
「たしかに傲慢な者なら私くしを望むと思います」
「だが、セレ卿はお前でなくマリアを選んだ、、、それは同情からかも知れないが」
「確かに普通であれば選びませんわ、、まして事情を知っているならなおさら」
「うむ、そして今日の話じゃ、勇者や聖女のように一方的にこちらに求めるのではなくちゃんと臣下になって一歩下がり、こちらにもメリットのある話しに納めた」
「半分も納めるなんてお人よしですわね、ギルドの買い取り額は既に税金を引いた価格だと言うのに」
「その辺りは経験の問題とも取れる。」
「そうですわね、、、勇者と聖女を貰った、私くしの方が外した感じがしますわ」
「まぁ仕方ない、決めたのはお前じゃ」
「でも、それで良かったとも思いますのよ、あの子にも少しは良い事があっても良いのですわ」
「そうじゃな」
「私達王族にとって、どうしても大切なのはお父様になります。姉様は嫁いでいますから、この国で次に大切な命は私くし。これは仕方が無い事です。」
「そうじゃな、儂も同じ考えじゃ」
「そして、お父様は王様、私くしはその後を継ぐ者、そう考えたらあの子にどうしても汚れ役を押し付けるしかありませんわ」
「そうじゃな」
「私くしもお父様もあの子にはこれからも汚れ役を押し付けなくてはいけません。だけど、家族としての愛情はあるのです。少なくともお父様と自分の命の次に大切なのはあの子の命ですわ。」
「全く同じ考えじゃな」
「ならば、あの子を好きになってくれて守ってくれそうなセレ卿があの子を貰ってくれたのは良い事ですわ」
「そうだな、あの子には王として辛い思いをこれからもさせる。これ位の幸せはあっても良いだろう」
「ええっ私くしもそう思いますわ」
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