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省吾篇 家族会議

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眠っている妹を置いて僕と両親は家へと帰ってきた。
そして、今後の事を話し合う事になった。
「父さん、今日の事は事件にしないよにしようと思うんだ」

知っていたよ。どうせ父さんは大河が怖いんだよね。

「母さんもそう思うわ。祥子は女の子だから変な噂がたったら困るし」

やっぱりね。

「それは解るけど、大河の親父には言うよね謝罪くらいわ、流石にして貰うよね」
「無理言うな、俺の会社の親会社の社長だ」

ほらやっぱりね。期待なんてしてないさ。

「母さんは?」
「祥子の将来を考えたら大きくするのは何も良い事ではないわ」

やっぱり怖いんだ。
もう親なんて思わないよ。

「解ったよ。その代わりこれだけは約束して、祥子が退院したらすぐに転校させてあげて。そうだね、母さんは一緒に引っ越してそのままついて行ってあげて」

「お前、何をいいだすんだ」
「大河くんに目をつられたんだよ? 最低でもそこまでしなければ祥子の人生めちゃくちゃにされちゃうよ。まさか父さんも母さんも祥子を差し出すの?」

「省吾、貴方お父さんに謝りなさい」
「なぁに母さん? 娘も助けられないんだから、せめて祥子と一緒に逃げてよ。それとも大河くん殺してくれる?」
「省吾、いい加減にしなさい。実の母親に人を殺せって言うの、馬鹿にして」
「いや、母さん、、省吾の言うのは最もだよ。俺には子供を守る力が無いのかも知れない。ここまで自分の娘がされて仕返し一つ出来ない。なら、省吾の言う通り、娘を守るためには逃げるしかないさ。母さんだけにしたのは僕がここを離れらないからという意味だろう」

「そうなの、それならこんな嫌味ったらしく言わなくてもいいじゃない?」
「ねぇ母さん、これは本気の嫌味だよ。だって、僕が酷い目にあっても祥子が酷い目にあっても怖がって助けてくれないんでしょう? その状態でも会社にお父さんはいたいんでしょう? お母さんだって同じだ。でもね、解らなくもないんだ。父さんがその会社を辞めてしまったら生活は大変な事になるからね。だからこれは本気の嫌味、、、これ以上はもう言わないから今日だけは我慢してよ」

「言われても仕方ないよ母さん」
「そうね、」
「だから、祥子だけは何があっても逃がしてね」

「あぁ約束するよ。お前の言う通りにする」
「母さん、すぐに転校先の学校と転居先のアパートを探すわ」

「良かった、、お願いするね。」

「お前はどうするんだ」

「暫くしたら僕も転校しようかな。だけど、その前に大河武士でも殺しちゃおうかな?」

「お前、、、」

「冗談だよ」

僕は笑った。
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