ブリードスキル いじめられっこ覚醒! いじめられスキルで異世界でも怖くありません……

石のやっさん

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第2話 主人公で無いだれかSIDE  異世界転移前 

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いつものように俺は教室で眠っていた。

俺の家は商売をしており手伝いが多く何時も朝早くから起こされるので、どうしてもこの時間は眠くなるんだ。

昨日もうちの親父に家の手伝いを夜遅くまでさせられ、疲れているのに、今日も朝から手伝いをさせられたせいか、何時も以上に眠かった。

そのせいでどうやら熟睡していたようだ。

だが、今日はいつもと違っていた。

「早く起きろ…」

「お前で最後だから早く女神様の所にいって」

どうもクラスが騒がしい。

女神様…神?

まさか…

「えっ女神様? 何?」

訳が解らない。

俺が寝ぼけているとクラスメイトの一人工藤が説明をし始めた。

「お前が寝ている間に異世界の召喚で俺達はこの場所に呼ばれたんだ、そして今は異世界に行く前に女神イシュタス様が異世界で生きる為のジョブとスキルを皆に授けてくれているんだよ! お前もノンキに寝て無いで早く並んだ方が良いぞ」

興奮気味に工藤は俺に話してくる。

にわかに話が信じられない。

俺は周りを見渡した。 

白くて何もない空間のようだ。

本当に此処は神の世界なのか?

多分、嘘ではないな。

俺をだますためにこんな大掛かりな事は誰もしないだろう。

「それじゃ、俺は先に行くぞ、お前もジョブとスキルを貰ったら来いよ」

そういうと工藤は走って行ってしまった。

どうやら、ジョブとスキルを貰った者から先に異世界へ転移していくみたいだ。

俺は、女神様らしい女性のいる列に並んだ。

女神と言うのも頷ける。

綺麗なウエーブの掛かった金髪に綺麗な青い瞳。

凄く神々しく、そして慈愛に満ちた顔をしている。

『美しく優しく気高い女性』

それが俺から見た、女神イシュタスのイメージだった。

凄く美人だ。


次々にクラスメイトがジョブとスキルを貰っていく中、いよいよ最後に並んだ俺の番がきた。

他のクラスメイト達はもう異世界に向かったようだ。

「貴方で最後ですね…さぁジョブとスキルをどうぞ」

「ありがとうございます…それでこれはどう言ったジョブとスキルなのでしょうか?」

「うふふっそれは向こうについてからのお楽しみです…それじゃ貴方が最後です…お行きなさい…あらっ可笑しいわ」

女神様が何故、そんな事を言うのか俺には理解が出来なかった。

「あの…なにか問題が起きたのですか?」

「異世界で魔王が現れ困っている。そして一国の王族が勇者召喚をして君たちを呼ぼうとしたのよ...ここまでは理解できますか?」


まるで小説の話みたいだ。

「何となく小説とかで読んだ話に似ている気がします」

「理解は早いわね…だけど困った事が起きたのよ…」

「何でしょうか?」

「召喚対象全員にジョブとスキルを与えれば、転移される筈なのに…可笑しいな魔方陣が作動しないのよ」

「あの、女神イシュタス様?」

「ん?どうかしたの?」

「実はこのクラスの中に1人この場にいない奴がいるんですが、もしかしたらそれが原因だったりします?」

「それだわ!この魔法はクラス全員に掛かっているから、その1人が居ないから作動しないのね…そのクラスメイトは何処にいるの?」

「何処にいるのか解りません」

「ハァ~この場にいないのね。面倒くさいわね。まぁ良いわ。こちらで探すから。貴方はもうお行きなさい!」

「はい」

聖夜は此処暫く学校に来ていない。

それに、彼奴はクラスの人間と一緒と知ったら来ない筈だ。

多分、彼奴にとっては残った方がきっと幸せだ。




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