52 / 58
連載
【SIDEストーリー】 シエスタの村
しおりを挟む
ラグドリアン湖に行く途中にシエスタの生まれた村があるのでついでに寄る事になった。
今では村から街になっていた。
「いらっしゃいませ、シエスタの村へようこそ!」
シエスタ絡みの村なのは知っていた。
だけど、何で門番までメイド服を着ているんだ。
「驚きましたか? 私は女騎士ですがシエスタ様のイメージ、メイド服を着ているんですよ」
「そうですか?」
「それでは皆さん、楽しんでいって下さい」
「シエスタ饅頭、シエスタ饅頭は如何ですか~」
「この先に鉱泉があるんですよ? 知っていますか? その鉱泉にシエスタ様は浸かっていたのよ、シエスタ様みたいに綺麗になれるわよ、お姉さんシエスタ様好きでしょう? 解るわ、そのメイド服に髪まで染めちゃって、中身もシエスタ様になりましょう」
「あははっ、私は本当にメイドですから、シエスタ様は関係ありません」
「何言っているんですか、ナイフ迄身に着けてもう、おばさん解っているから」
「違います、このナイフは護身用です」
「恥ずかしがらないで良いのよ、此処はシエスタの街、皆がシエスタ様を好きなんだから」
シエスタがシエスタみたいに成れるからと言われている、何ともシュールだ。
しかし、シエスタの人気は凄いな、この街は何でもシエスタだ。
「ケイン様、見てないで助けて下さい」
「そうだな、おばさんその辺で」
「あはははっそうかい、シエスタの恋人って言えば英雄ケイン様だ、彼氏もコスプレかい、似合っているよ」
「ありがとう」
「おばちゃん、間違っているよ、ケインの想い人は剣聖のケイトだよ」
「はぁ、あんたはケイトのコスプレかい? あんな空気読めない僕っこ需要ないよ」
「はぁ...おばちゃん僕嫌い」
「確かにシエスタは凄いかも知れないけどさぁ、ケインの恋人と言えば賢者のリタよ! 元婚約者なんだから」
「尻軽のリタなんてケイン様に似合わない、やはり純情可憐な乙女シエスタが一番似合っているわ」
「そうですか...」
この街では《シエスタとケインは恋人》らしい。
「ケイン様、どうやら噂では恋人らしいですよ、私と」
「そうみたいだね」
「間違っていませんよね、私は身も心もケイン様の者ですからね」
「えーと」
「本物のシエスタはケイン様の」
「はいはい、それはあくまで空想の話よね? 私、本当にケインの元カノだけど?」
「リタ様、だけど綺麗さっぱり別れたのではないでしょうか?」
「そうだよね、僕が証人、綺麗に別れていたね、僕が証人さ」
「ケイト、あなた」
「何っリタ」
「しかし、此処は何処を見てもシエスタ絡みですね、そういえばシエスタの故郷なんですよね、誰か1人位知り合いは居ないのですか?」
「メルル様、可笑しな事に知り合いが誰も居ないんです」
シエスタはその後、墓参りに行ったが、綺麗にはされていたが顔見知りはいなかった。
神父すら見知らぬ人間になっていた。
仕方なく、街を観光する事にした。
街の中央にブロンズのシエスタ像が建っていた。
「これは流石にないよ美化しすぎよ」
「あはははっ流石に私こんなカッコ良くありませんよ」
何で銅像を作る時に本物のシエスタを見たりしないんだ。
こんな物、空想上の物じゃないか。
「可笑しいです、私の故郷なのに、知っている物は何もありません」
最後に、ケインたちはシエスタが住んで居た家を見に行った。
「何で豪邸なんですか?」
「ここはシエスタ様専用の邸宅です、シエスタ様がこの街に来た時に泊って貰う為に作られました」
「あの...これで泊まらせて貰えるんですか?」
シエスタは冒険者証をおずおずと出した。
「これは、貴方様が本物のシエスタ様でしたか...それでは、英雄パーティーの方、どうぞお入り下さい、後で街長にも連絡しておきます」
確かに、凄く歓迎された。
だけど、街のお偉いさんを含み代わる代わる挨拶に来るので眠れなかった。
特にシエスタが此処に居るのを知ったファンがなだれ込んできて大変な事になった。
その結果、殆ど碌に寝ないで旅立つ事になった。
今では村から街になっていた。
「いらっしゃいませ、シエスタの村へようこそ!」
シエスタ絡みの村なのは知っていた。
だけど、何で門番までメイド服を着ているんだ。
「驚きましたか? 私は女騎士ですがシエスタ様のイメージ、メイド服を着ているんですよ」
「そうですか?」
「それでは皆さん、楽しんでいって下さい」
「シエスタ饅頭、シエスタ饅頭は如何ですか~」
「この先に鉱泉があるんですよ? 知っていますか? その鉱泉にシエスタ様は浸かっていたのよ、シエスタ様みたいに綺麗になれるわよ、お姉さんシエスタ様好きでしょう? 解るわ、そのメイド服に髪まで染めちゃって、中身もシエスタ様になりましょう」
「あははっ、私は本当にメイドですから、シエスタ様は関係ありません」
「何言っているんですか、ナイフ迄身に着けてもう、おばさん解っているから」
「違います、このナイフは護身用です」
「恥ずかしがらないで良いのよ、此処はシエスタの街、皆がシエスタ様を好きなんだから」
シエスタがシエスタみたいに成れるからと言われている、何ともシュールだ。
しかし、シエスタの人気は凄いな、この街は何でもシエスタだ。
「ケイン様、見てないで助けて下さい」
「そうだな、おばさんその辺で」
「あはははっそうかい、シエスタの恋人って言えば英雄ケイン様だ、彼氏もコスプレかい、似合っているよ」
「ありがとう」
「おばちゃん、間違っているよ、ケインの想い人は剣聖のケイトだよ」
「はぁ、あんたはケイトのコスプレかい? あんな空気読めない僕っこ需要ないよ」
「はぁ...おばちゃん僕嫌い」
「確かにシエスタは凄いかも知れないけどさぁ、ケインの恋人と言えば賢者のリタよ! 元婚約者なんだから」
「尻軽のリタなんてケイン様に似合わない、やはり純情可憐な乙女シエスタが一番似合っているわ」
「そうですか...」
この街では《シエスタとケインは恋人》らしい。
「ケイン様、どうやら噂では恋人らしいですよ、私と」
「そうみたいだね」
「間違っていませんよね、私は身も心もケイン様の者ですからね」
「えーと」
「本物のシエスタはケイン様の」
「はいはい、それはあくまで空想の話よね? 私、本当にケインの元カノだけど?」
「リタ様、だけど綺麗さっぱり別れたのではないでしょうか?」
「そうだよね、僕が証人、綺麗に別れていたね、僕が証人さ」
「ケイト、あなた」
「何っリタ」
「しかし、此処は何処を見てもシエスタ絡みですね、そういえばシエスタの故郷なんですよね、誰か1人位知り合いは居ないのですか?」
「メルル様、可笑しな事に知り合いが誰も居ないんです」
シエスタはその後、墓参りに行ったが、綺麗にはされていたが顔見知りはいなかった。
神父すら見知らぬ人間になっていた。
仕方なく、街を観光する事にした。
街の中央にブロンズのシエスタ像が建っていた。
「これは流石にないよ美化しすぎよ」
「あはははっ流石に私こんなカッコ良くありませんよ」
何で銅像を作る時に本物のシエスタを見たりしないんだ。
こんな物、空想上の物じゃないか。
「可笑しいです、私の故郷なのに、知っている物は何もありません」
最後に、ケインたちはシエスタが住んで居た家を見に行った。
「何で豪邸なんですか?」
「ここはシエスタ様専用の邸宅です、シエスタ様がこの街に来た時に泊って貰う為に作られました」
「あの...これで泊まらせて貰えるんですか?」
シエスタは冒険者証をおずおずと出した。
「これは、貴方様が本物のシエスタ様でしたか...それでは、英雄パーティーの方、どうぞお入り下さい、後で街長にも連絡しておきます」
確かに、凄く歓迎された。
だけど、街のお偉いさんを含み代わる代わる挨拶に来るので眠れなかった。
特にシエスタが此処に居るのを知ったファンがなだれ込んできて大変な事になった。
その結果、殆ど碌に寝ないで旅立つ事になった。
0
お気に入りに追加
5,799
あなたにおすすめの小説
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
パーティーを追放された落ちこぼれ死霊術士だけど、五百年前に死んだ最強の女勇者(18)に憑依されて最強になった件
九葉ユーキ
ファンタジー
クラウス・アイゼンシュタイン、二十五歳、C級冒険者。滅んだとされる死霊術士の末裔だ。
勇者パーティーに「荷物持ち」として雇われていた彼は、突然パーティーを追放されてしまう。
S級モンスターがうろつく危険な場所に取り残され、途方に暮れるクラウス。
そんな彼に救いの手を差しのべたのは、五百年前の勇者親子の霊魂だった。
五百年前に不慮の死を遂げたという勇者親子の霊は、その地で自分たちの意志を継いでくれる死霊術士を待ち続けていたのだった。
魔王討伐を手伝うという条件で、クラウスは最強の女勇者リリスをその身に憑依させることになる。
S級モンスターを瞬殺できるほどの強さを手に入れたクラウスはどうなってしまうのか!?
「凄いのは俺じゃなくて、リリスなんだけどなぁ」
落ちこぼれ死霊術士と最強の美少女勇者(幽霊)のコンビが織りなす「死霊術」ファンタジー、開幕!
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。