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第60話 違うだろう
しおりを挟む急にドアがけたたましく叩かれた。
ドアを開けると二人が立っていた。
「どうしたんだい? マリアンにリラ!」
一体どうしたんだ、顔を真っ赤にして…
俺は何もしてないよな?
「ごめんなさい…本当に私が悪かったわ…だから止めようよ」
「本当に悪かったよ…私達が本当に悪かったよ」
いきなり俺の部屋に押しいってきて入り、謝まりだした。
折角、何時もの営みで、パフパフしながら胸を揉んでいたのに…
もういいや…俺が可笑しな人間だという事は、街の人間は皆、知っている。
もうレイラを仲間に入れた時に『腹を括った』
俺は『巨乳好き』それを隠す事はもう止めた。
だから、様子を見られていたが気にしない。
「悪いけど、アイカとロザリアとレイラは隣に行ってくれないか? エルザは悪いけどこのまま居てくれ」
「解りました!リヒトさん、その分後で可愛がってくださいね!」
「今度は私がパフパフの番からスタートですわ」
「今日は寝かせてあげないからね…思う存分楽しみましょう」
三人は少しがっかりした様な目をして隣の部屋に移っていった。
「それじゃ、僕はと…うんしょっと…こんな感じかな?」
エルザは俺の左の腕を後ろに回し俺の左手をそのままシャツの横から滑り込まさせた。
「え~とエルザ?」
「この方がリヒトも楽しいよね?」
そういうエルザの目は…真剣な目をしていた。
「そうだな、これで良いか」
「うん、僕ら凄く仲良いんだから…これで良いんだよ」
マリアンとリラはそれを見ると目を伏せた。
まぁエルザの胸を直乳で触っているんだから、そうなるな。
「リヒト、私達が悪かったわ…土下座しろと言うなら土下座でもするし、胸が揉みたいなら…その私のを触っても良いわ、だから、その気持ち悪いの止めて!」
「気持ち悪いよ! そんな『気持ち悪い化け乳』を楽しそうに揉んで…お願いします…お願いだから、気持ち悪い事止めてよ…本当に見てて気持ち悪いよ…」
確かにこの世界の人間からしたら気持ち悪いのかも知れない。
だが、俺には『最高』だ。
だが、二人は…俺の彼女でも、なんでもないんだから関係ないだろう?
「俺が何をしようとマリアンやリラには関係ないだろう?」
俺は何故此処迄言われないといけないか理解が出来ない。
「それは私がリヒトが…その、好きだから…よ」
「私だって、リヒトが好きだから…だよ」
ハァ~呆れるな。
また、この説明か…
「前にも言ったが『それは恋じゃない』『愛でも無い』簡単に言うなら前の恋愛が酷かったから『優しい男』に甘えたいだけだ」
「そうじゃない!私はリヒトが好き!」
「私だって」
「だから違う感情だって! 俺が好きだって言うなら聞くけど?俺の誕生日はいつだ?」
「それは…えーと何時だっけ!」
「えーと、そのね」
「はい!はい!はい!僕は知っているよ!」
「エルザは黙っていような? それで、解らないのか?」
「「ううっ」」
「『ううっ』じゃないだろう? 所詮俺なんて、そんな存在なんだよ…ほらな、これで解っただろう?」
此奴らに誕生日を祝って貰ったことは無い。
まぁ当たり前だな、マリアンはガイアの彼女だしリラとはそう言う付き合いじゃない。
プレゼントをくれるのはエルザだけだ…最も焼き魚とか、松ぼっくりとか…変な物ばかりだけどな。
だから多分知らないだろうな…そう思っていたが、まさにその通りだったな。
「だったら、教えてよ! 次からはちゃんと、お祝いしてあげるから」
「うんうん」
何を言っているんだ?
「ハァ~違うだろう? 好きな相手なら言われなくても、自分から『知りたい』と思う筈だよ…それにな『好きな相手』には何かしてあげたい…そういう気持ちで一杯になる筈だぞ! 俺のは少し違うけどな! 実際にガイアには『誕生日を祝ってあげていた』し他にも色々してあげていただろう?」
「あの時はガイアと付き合っていたから…ちゃんと同じにするから」
「うん、私もちゃんとするからね」
此奴らは本当に解っていないな。
「だから…それが俺を好きじゃない証拠なんだよ!言われたからする…そんなのは『好き』でも『愛』でもない…ただ、自分に優しく、楽出来る相手を繋ぎ留めたいだけじゃ無いのか? そんな無理しなくて良いよ。もう暫くは、そんな事しなくても面倒みるから…その話はやめてくれないか?」
「リヒト…」
「そんな」
「大体、二人ともガイアの元恋人だろう? 親友の彼女だった時点でそう言う目で見られないから…もう話は終わりで良いだろう?」
「「リヒト」」
何か言いかけていたが、俺はさっさと二人を追い出した。
痛い所を突かれる前に…
『エルザは』そう言われると不味いからな。
◆◆◆
「リヒト…僕、僕ごめんなさい…僕これからちゃんとするからね…だから、だから捨てないでー-っ」
「ああっ、あれは二人への方便だからな、エルザはプレゼントもくれたし、ガイアとの関係は…まぁ気にしてないよ」
「本当? 本当に僕の事嫌ってない?」
「嫌ってないから…」
「良かった…大好きだよリヒト」
この数日後、大量の松ぼっくりを渡された…こう言うとこが残念だけど…まぁ此奴らしくて可愛いんだけどな。
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