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第50話 ロザリア

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しかし、世の中には凄い話もある物だ。

まさか、オルド商会以下の奴隷が居る場所があるとは思わなかった。

だが、奴隷の市は不定期開催でもう数年はこの場所で行われないから、こんなチャンスはもう無い。

多分今回が『化け乳女』を手に入れる最後のチャンスだったのかも知れない。

まぁ三人も見つけることが出来た。

世界中を探せばもしかしたらまだ居るかも知れないが…そこ迄する必要は無い。


それにパーティは4人までという規定がある。

俺が勇者パーティの別動隊じゃ無ければ、その上のクランを作る事も出来るが、俺にはそれが出来ない。

彼女が最後の仲間。

それで良い。

「リヒト様、準備ができましたので血液をお願いします」

汚れが酷いからか壺を割る都合のせいか、流石に完全には匂いは消えて無いが、綺麗に彼女は洗われて奴隷服を着ていた。

やはりこうして洗われた姿は綺麗だった。

身長はやや高く凛とした感じ。

壺の中に居たから身長や体型は解らなかったが想像以上だった。

奴隷服に身を包んでいても彼女は『令嬢』『お嬢様』にしか見えなかった。

「ああっお願いする」

指先を切り血を小皿に垂らして奴隷商人に渡した。

その血を使い奴隷商人は俺と彼女の奴隷契約を結んだ。

これで正式に彼女は俺の物になった事になる。

「もう後には引けませんぜ、これでこの化け乳女はお客様の物です。もう話して頂いても構いません…ですが、本当に良かったんですか?これですよ?」


「ううっ」

そう言うと奴隷商人は彼女の奴隷服の上半身をめくった。

彼女の顔が少し歪んだ様に見えた。

でかい…そして凄く綺麗な胸だ。

俗にいう円錐型、ロケット型の胸だ。

俺の記憶が正しければ、前世なら外人に凄く多い胸の形だ。

彼女の整った顔とよく合い凄くセクシーだ。

体と合わせたら、貴族令嬢以上に海外のセクシー女優に見える。

そして何より凄いと思うのが白い肌に薄いピンクの胸先。

此処迄、綺麗な物は見たことが無い。

「少し話をさせて貰っても良いですか? 勢いで買ってしまったが自己紹介とかしたい」

「はい、壺女は相手の事を全く聞かずに買ういわばギャンブル、購入後は確かにお時間は必要ですね…少しで良いならこのままこのテントをお使い下さい」

「ありがとう」

俺がお礼を言うと奴隷商はテントから出て行った。

「初めまして! 俺の名前はリヒトと申します」

俺が自己紹介をすると彼女はいきなり土下座をしながら、自己紹介を始めた。

「私の名前はロザリアと申しますわ! 姓はもうありませんわね…この度はこんなに醜い私をお買い上げ頂き有難うございましたわ。醜い上に何もできませんが頑張って仕えさせて頂きますわ!」

土下座状態なのに『ですわ』とつけて話しているせいか気高く思えるのは気のせいかな。

「まずは土下座は止めよう?ロザリアは元は、貴族令嬢だったのでしょう?」

「確かにそうですわね…ですが、殆ど母と一緒に閉じ込められていましたので、名前だけの令嬢ですわ、知識も母から教わった物しかありませんので…奴隷商の方にも屋敷の方にも『役に立たない』そう言われてましたわね…それに私(わたくし)今迄自分の事が母が可愛いという物でしたから綺麗だと思っていましたのですわ…ですが、自分程醜い存在は他には居ない位のブサイクだと外に出て初めて知りましたのですわ…奴隷商人からもお父様からも『お前程醜く価値のない人間は居ない』と言われてましたの。令嬢なんておこがましい事は充分解ってましてよ」

本当にこの世界は勿体ないな。

こんな美人で凄いスタイルの女性に全くの価値を認めないなんてな。

「そんな事は…」

「そんな事はありましてよ! 皆さまが言いますの!『私は家畜の豚よりも価値は無い』そうですわ…そんな価値のない私を買って下さったリヒト様には本当に感謝していますの!」

アイカは毛布も食事も真面に貰ってなかった。

ロザリアは壺から顔だけ出した生活、手足も壺の中だから体をかく事も出来なかったかも知れない。

アイカ以上に悲惨だったのかも知れないな。

「俺は変わり者だから、ロザリアを醜いとも思わないし価値が無いなんて思わない…まぁその辺は徐々にな…今は取り敢えず行こうか」

「はい、ついていけば宜しいのですね」

さぁ、宿に帰ってからどう説明しようかな…




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