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勇者パーティSIDE 勇者パーティ死す。
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竜王ドラムキング。
その居場所はすぐに解った。
百もの竜を引き連れて移動しているのだ、目につかない理由はない。
「彼奴がドラムキングか?」
「本当の老人じゃない? 僕だけでもいけそうな気がするよ」
「あれなら私の魔法の一発で充分かもね」
「聖女の私でもいけそうだわ」
近くで見たドラムキングは背の低いボロキレを纏ったただの老人に見えた。
今迄の戦いでも竜を戦わせて自分は戦っていない。
騎士達の報告でも同じだった。
「やはり噂通りだったな、あれなら余裕だ」
「そうね、それじゃ私が火炎魔法を使って」
「僕とリヒトが斬り込む」
「私が他の竜との間に結界を張る、それで良いわね」
「それじゃ、ブラックウイング、GO」
勇者パーティはそれぞれが役目を果たし、踊り込んだ。
「ぐわぁぁぁぁぁーーっ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁーー」
竜の悲鳴が響き渡る。
「むぅ、お前達は勇者パーティだな、確かに並みの竜やドラゴンでは敵わぬようだな…これ以上眷属が殺されるのは忍びない…儂が相手になろう」
「ほう、それなら話が早い」
「僕も雑魚を殺す時間が無い分助かるわ」
「そうか、そうか、それじゃWINWINじゃな」
「結界を掛けさせて貰うわ、これを掛けたら2時間誰にも壊せない、掛けた私も同じよ、逆に外の者にはこちらも手が出せないわ、これで良いかしら?」
「ふむ、感謝する…お礼に出来るだけ苦しまずに殺してやろう」
「うん、老いぼれがーーーっ、行くぞ奥義、これが光の翼だーーっ」
可笑しいぞ、なんで此奴は笑っているんだ。
「惜しいのう、その技はもう何回も見たぞ、初見なら傷を負ったかも知れぬが、何回も見た後じゃ児戯に等しい、しかも勇者セロの方がもっと速かったぞい…弱そうだからサービスタイムじゃ、10分間防御しかせんよ!」
そう言いながら、簡単に躱された。
「僕を舐めないでね、これでも剣聖なんだからーーっ」
「ふむ、嬢ちゃんは剣聖か? 女の剣聖とは珍しい、だがジェイクに比べれば遅いのう、それに剣聖は元の力がそのまま倍化される、男と女じゃ差があるのじゃ、今の女神はアホの様じゃ、なんでこのジョブを女にやるのじゃ、それにほれ、女は脂肪の塊を二つも胸に下げておる」
「きゃぁぁぁぁーーっ、痛いーーっ」
嘘だろう、ケイトの胸のプレートを握り潰しやがった。
「僕の胸、僕の胸…大丈夫」
「大丈夫、かなり真っ赤になっているだけだよ」
「ソニア..ああ僕胸を丸出しじゃない、くそ爺許してあげない殺す」
「はぁ~何を勘違いしているんじゃ、まぁ食ったら美味しいかも知れぬが、それだけじゃな」
「駄目だケイト突っ込むな」
「遅いわ」
「えっ…」
ケイトの剣が嘘だろう、なんで宙を舞っているんだ。
「あっ僕の魔剣が…」
「これは攻撃じゃないぞ、ただ防いだだけじゃよ」
「大丈夫、もう終わったわ、これを喰らいなさい!賢者の持つ、最高呪文の一つ灼熱地獄。」
「ほほう、これが灼熱? 儂が昔戦った賢者は灼熱と極寒を併せてぶつけてきたのじゃが、この程度しか出来ぬのか?」
「そんな…」
「これで、勇者、剣聖、賢者の技は受けた、そこのお嬢ちゃんは何もしないで良いのかのう。そろそろ8分、あと2分でサービスは終わりじゃよ!」
「ほざいていなさい! 聖女が使う結界は最強の結界! その応用ホーリーウォール、どうこれは見たこと無い筈だわ。」
いける、これならいける。
聖女が作る最強の結界の壁を狭めていき潰す。
これは俺も知らない、恐らくはソニアのオリジナル。
流石に見た事無い筈だ。
「凄いのぉー、それは魔獣と戦った時に、儂は見ておらんが確かマリアという聖女が使った技じゃ。だがなその技には一つ弱点があるのじゃ、それは下、流石のマリアも土の下にまで結界は張れなかったのじゃ、お前は、同じじゃな」
嘘だろう、地中に消えたかと思ったら…結界の外に出てきやがった。
「今のは少し驚いたのぉー、聖女が3流、他の者は4流が良い所じゃ、勇者パーティとしてはまぁ3流じゃな、さてと、サービスタイムは終わりじゃ」
「貴様、何者だ!」
「儂は『竜王』竜の頂点に立つ者が他の竜より弱い理由が無かろう?そして『勇者』を狩るのが趣味の爺じゃ…お前みたいな弱者が良く『勇者』を名乗った者だ…セロもゾロスもアーサーもそれはそれは命懸けで戦いを挑んできた『敵ながら殺したくない』戦いの中で友情さえ感じた..だがお前等にはそれを感じない、どんな弱い勇者でも持っていた『何かが無い』…つまらん、だが勇者だ、儂の本当の姿を見せてくれよう…そして死ね…竜化」
嘘だろう、俺の前で老人が竜になった。
それも大きな翼を持ち、小山の様に巨大な竜、いやこの姿は伝説のドラゴンに見える。
「嘘、まさか、古代竜、それも王竜」
「故に『竜王』なのじゃよ…死ね、ファイヤーバースト」
「駄目、ホーリーウォールが砕ける、そんな」
「何処かに逃げないと、ソニア、早くこの結界を解除して」
「無理よ、2時間は解けないんだから」
「ソニア、ふざけるな! どうにかしろ!」
「どうやっても出来ないのよ..ごめんねリヒト、皆..もう終わりよ、諦めて一緒に死のう」
「ふざけるな、ふざけるな」
「まだ死にたくない、僕はまだ死にたくない」
「嫌よ、まだ死にたくない」
ホーリーウォールが砕け、信じられない程の高熱の炎が勇者パーティを襲った。
炎が消えた後には…何も残っていなかった。
結界も消えていた。
「骨も残さず消えたか」
ドラムキングはガッカリした顔をするとその場から立ち去った。
◆◆◆
距離を置き、様子を見ていた騎士団は凍り付いた。
自分達が救援に入る間も無く『勇者が負けた』事を思い知った。
しかも、それは『死』という最大の敗北を持って。
◆◆◆
勇者の死は隠蔽された。
最大の希望『勇者』を失った事による、絶望を知られないように…
そして、王は『セレス』に目をつける。
この世の中で『勇者パーティ』の次に強い存在は『セレス』だから。
次の勇者が現れるまでの5年間をしのぐために。
※勇者が死んだ後、次の勇者が神託で現れるまで5年間の期間があります。
その居場所はすぐに解った。
百もの竜を引き連れて移動しているのだ、目につかない理由はない。
「彼奴がドラムキングか?」
「本当の老人じゃない? 僕だけでもいけそうな気がするよ」
「あれなら私の魔法の一発で充分かもね」
「聖女の私でもいけそうだわ」
近くで見たドラムキングは背の低いボロキレを纏ったただの老人に見えた。
今迄の戦いでも竜を戦わせて自分は戦っていない。
騎士達の報告でも同じだった。
「やはり噂通りだったな、あれなら余裕だ」
「そうね、それじゃ私が火炎魔法を使って」
「僕とリヒトが斬り込む」
「私が他の竜との間に結界を張る、それで良いわね」
「それじゃ、ブラックウイング、GO」
勇者パーティはそれぞれが役目を果たし、踊り込んだ。
「ぐわぁぁぁぁぁーーっ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁーー」
竜の悲鳴が響き渡る。
「むぅ、お前達は勇者パーティだな、確かに並みの竜やドラゴンでは敵わぬようだな…これ以上眷属が殺されるのは忍びない…儂が相手になろう」
「ほう、それなら話が早い」
「僕も雑魚を殺す時間が無い分助かるわ」
「そうか、そうか、それじゃWINWINじゃな」
「結界を掛けさせて貰うわ、これを掛けたら2時間誰にも壊せない、掛けた私も同じよ、逆に外の者にはこちらも手が出せないわ、これで良いかしら?」
「ふむ、感謝する…お礼に出来るだけ苦しまずに殺してやろう」
「うん、老いぼれがーーーっ、行くぞ奥義、これが光の翼だーーっ」
可笑しいぞ、なんで此奴は笑っているんだ。
「惜しいのう、その技はもう何回も見たぞ、初見なら傷を負ったかも知れぬが、何回も見た後じゃ児戯に等しい、しかも勇者セロの方がもっと速かったぞい…弱そうだからサービスタイムじゃ、10分間防御しかせんよ!」
そう言いながら、簡単に躱された。
「僕を舐めないでね、これでも剣聖なんだからーーっ」
「ふむ、嬢ちゃんは剣聖か? 女の剣聖とは珍しい、だがジェイクに比べれば遅いのう、それに剣聖は元の力がそのまま倍化される、男と女じゃ差があるのじゃ、今の女神はアホの様じゃ、なんでこのジョブを女にやるのじゃ、それにほれ、女は脂肪の塊を二つも胸に下げておる」
「きゃぁぁぁぁーーっ、痛いーーっ」
嘘だろう、ケイトの胸のプレートを握り潰しやがった。
「僕の胸、僕の胸…大丈夫」
「大丈夫、かなり真っ赤になっているだけだよ」
「ソニア..ああ僕胸を丸出しじゃない、くそ爺許してあげない殺す」
「はぁ~何を勘違いしているんじゃ、まぁ食ったら美味しいかも知れぬが、それだけじゃな」
「駄目だケイト突っ込むな」
「遅いわ」
「えっ…」
ケイトの剣が嘘だろう、なんで宙を舞っているんだ。
「あっ僕の魔剣が…」
「これは攻撃じゃないぞ、ただ防いだだけじゃよ」
「大丈夫、もう終わったわ、これを喰らいなさい!賢者の持つ、最高呪文の一つ灼熱地獄。」
「ほほう、これが灼熱? 儂が昔戦った賢者は灼熱と極寒を併せてぶつけてきたのじゃが、この程度しか出来ぬのか?」
「そんな…」
「これで、勇者、剣聖、賢者の技は受けた、そこのお嬢ちゃんは何もしないで良いのかのう。そろそろ8分、あと2分でサービスは終わりじゃよ!」
「ほざいていなさい! 聖女が使う結界は最強の結界! その応用ホーリーウォール、どうこれは見たこと無い筈だわ。」
いける、これならいける。
聖女が作る最強の結界の壁を狭めていき潰す。
これは俺も知らない、恐らくはソニアのオリジナル。
流石に見た事無い筈だ。
「凄いのぉー、それは魔獣と戦った時に、儂は見ておらんが確かマリアという聖女が使った技じゃ。だがなその技には一つ弱点があるのじゃ、それは下、流石のマリアも土の下にまで結界は張れなかったのじゃ、お前は、同じじゃな」
嘘だろう、地中に消えたかと思ったら…結界の外に出てきやがった。
「今のは少し驚いたのぉー、聖女が3流、他の者は4流が良い所じゃ、勇者パーティとしてはまぁ3流じゃな、さてと、サービスタイムは終わりじゃ」
「貴様、何者だ!」
「儂は『竜王』竜の頂点に立つ者が他の竜より弱い理由が無かろう?そして『勇者』を狩るのが趣味の爺じゃ…お前みたいな弱者が良く『勇者』を名乗った者だ…セロもゾロスもアーサーもそれはそれは命懸けで戦いを挑んできた『敵ながら殺したくない』戦いの中で友情さえ感じた..だがお前等にはそれを感じない、どんな弱い勇者でも持っていた『何かが無い』…つまらん、だが勇者だ、儂の本当の姿を見せてくれよう…そして死ね…竜化」
嘘だろう、俺の前で老人が竜になった。
それも大きな翼を持ち、小山の様に巨大な竜、いやこの姿は伝説のドラゴンに見える。
「嘘、まさか、古代竜、それも王竜」
「故に『竜王』なのじゃよ…死ね、ファイヤーバースト」
「駄目、ホーリーウォールが砕ける、そんな」
「何処かに逃げないと、ソニア、早くこの結界を解除して」
「無理よ、2時間は解けないんだから」
「ソニア、ふざけるな! どうにかしろ!」
「どうやっても出来ないのよ..ごめんねリヒト、皆..もう終わりよ、諦めて一緒に死のう」
「ふざけるな、ふざけるな」
「まだ死にたくない、僕はまだ死にたくない」
「嫌よ、まだ死にたくない」
ホーリーウォールが砕け、信じられない程の高熱の炎が勇者パーティを襲った。
炎が消えた後には…何も残っていなかった。
結界も消えていた。
「骨も残さず消えたか」
ドラムキングはガッカリした顔をするとその場から立ち去った。
◆◆◆
距離を置き、様子を見ていた騎士団は凍り付いた。
自分達が救援に入る間も無く『勇者が負けた』事を思い知った。
しかも、それは『死』という最大の敗北を持って。
◆◆◆
勇者の死は隠蔽された。
最大の希望『勇者』を失った事による、絶望を知られないように…
そして、王は『セレス』に目をつける。
この世の中で『勇者パーティ』の次に強い存在は『セレス』だから。
次の勇者が現れるまでの5年間をしのぐために。
※勇者が死んだ後、次の勇者が神託で現れるまで5年間の期間があります。
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