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三人目

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「ふんふふふーん」

思わず、鼻歌が出てしまうのも解るだろう。

アイシャが仲間になった時も凄く嬉しかったけど、同じ位の美女が傍に居てくれるんだ。

これが嬉しくない訳無いよな。

ブラックウイングに居た時のお子様にしか見えない美少女じゃなくて、本当の美女だ。

やはり女はこの位の歳じゃ無いとな。

一応勇者パーティだからそこそこモテるが、この世界の成人は若いから『ノーロリータ、ノータッチ』という何処かで聞いたテロップ流れてきて駄目だった。

幾ら頑張っても子供にしか見えないんだから、仕方ない。

まぁ前世の俺はJKとかJCとか駄目だったからな…

此の世界ロリコンには天国だ、あっ俺にも天国だわ。

しかし、寿命が短いせいか、前の世界よりこの世界の女性の扱いは酷いな。

『三年子無きは去れ』『石女』は普通に似た様な言葉はある。

10代後半で結婚してないと『行き遅れ』

20代でもう年増、ババァ 扱い。

酷いな。

俺からしたら『女性らしく思えるのは20代半ばから』なんだが。

プラチナブロンドのアイシャにダークブロンドのマリア。

どちらも、本物のお姫様だし、絶世の美女だ。

本当にこの世界の男は見る目が無いな。

「アイシャ、マリア、ご飯が出来たぞ」

「ふわ~あ、おはようセレス」

「アイシャ、貴方何してますの?」

「ふぇ? 何してますのって?」

「私達は奴隷なのですわ、 ご主人様であるセレスより後に起きて、食事まで作らせるなんて言語道断ですわ」

「それじゃ、マリアはお料理できるの?」

「出来ませんわ、私は王妃でしたし、その前は聖女でしたので家事は不得手でして」

「なら、私の事言えないじゃない」

「心構えの問題でしてよ」

う~ん言い争う姿まで絵になるな。

まぁ止めた方が良いだろう。

「マリア、ありがとう、だけど気にしなくて良いぞ、俺は料理は嫌いじゃないし起きるのも苦手じゃないからな」

「セレスがそう言うなら構いませんわ、ですが大した物ですわね、これ全部セレスが作りましたの?」

「まぁな」

「これ凄く美味しいですわ」

「何時食べてもセレスのご飯は美味しいわね」

「そう言ってくれるなら作ったかいがあるよ」

こんな美味しいそうに食べてくれるなら、毎日作っても苦にならないな。


◆◆◆

「それじゃ行ってきます、午後からは一緒に出掛けるから午前中はゆっくりしてて良いよ」

「いってらっしゃ」

「お帰りお待ちしてますわ」


俺は1人奴隷商に来た。

マイクさんにお礼を言う為だ。

「マイクさん、この間は情報をありがとう、無事落札出来ました」

「セレス様、本当に落札したのですか?」

「はい、美人で回復魔法の使い手、最高の仲間です」

「あはははっ、本当にセレス様は年上がお好きなんですね、幾ら元が美人でも、女奴隷としては価値は無いですね、それに犯罪奴隷ですからね、回復魔法が使えても何時殺されるか考えたら…まぁセレス様じゃなくちゃ怖くて手元に置けませんよ」

そうは見えないけど、確かに普通はそう考えるな。

今の俺は凄くついている。

魔法剣士の俺に姫騎士のアイシャ、元聖女のマリア。

贅沢を言うなら、これに『賢者』並みの魔法使いに『剣聖』並みの剣の使い手が居れば、ほぼ俺が居た時の勇者パーティと同じ構成になる。

まぁ、魔法戦士の俺がこちらに居ると考えたら『剣聖』は抜きでも構わない。

「確かにそうかも知れないですね。ここ迄来たら、年上で魔法にたけた女性がパーティに居たら最高なんですがね」

「ハァ~また年上ですか、本当にセレス様は好きですね…魔法使いですか?」

まぁそんなに都合よく見つかる訳が無い。

此処までが奇跡みたいなものだ。

「普通なら難しいですが、セレス様なら手に入る可能性はありますね」

「そんな人材がいるのですか?」

「ええっいますよ、人類の敵と呼ばれた女」

本当に俺は知らない、そんな女性が居るなんて。

「誰ですか?」

「勇者殺しのマリ」

「勇者殺し? そんな物騒な人物なのですか?」

勇者を殺したのなら流石にどうする事も出来ないんじゃないかな。

「実際には勇者を殺した訳じゃ無いのですよ『勇者すら殺せる武器』を作ろうとしたらしいのですよ」

まぁ、それでも大罪だな。

誰も助けたりしないだろうな。

下手に助けると『勇者絶対主義者』が黙っていないだろう。

「あれっ、この話はセレス様の筝線には触れませんでした?」

「いや、そうじゃないが、俺は一応勇者パーティに籍があるからな」

「そうですね、まぁ、犯罪者の中でも桁が違いますからね」

だが、少し引っかかる事も実はある。

それは『マリ』という名前だ。

この世界では滅多にない名前だ。

もしかしたら、転生者もしくはその娘かも知れない。

「そう言えば、その犯罪者はどんな姿をしているのですか?」

「確か、黒髪に黒目ですね」

間違いない、日本人じゃないか。

「それで、その犯罪者はもしかしたら買えるのですか?」

「他の方には無理ですがセレス様なら購入可能かも知れません」

なんて事は無い。

なんでもマリの祖先が『賢者』だった。

と言っても相当前の話で当人も知らなかったらしい。

だが、その事が解ると揉めに揉めた。

『勇者を殺す様な武器を作ろうとした行為』『賢者の血をひいている』

そのせめぎあいで、今現在は投獄されているそうだ。

「それで、俺だと何で購入できるのですか?」

「危なっかしい人物ですが処刑がしずらいので『誰か責任が持てる人物』の所有物にして、責任をもって管理して貰えるのが理想だそうです…ですが..」

「もしかして、誰も手を挙げない、そういう事ですか?」

「そういう事です、まぁ年齢も28歳ですしね、これで若き絶世の美少女なら、まぁそれでも難しいでしょうね?」

「それで金額は?」

「もしかして買われますか? 買って頂けるなら無料で話をつけます」

同じ日本人(俺は前世)かも知れないから、買わないと目覚めが悪くなるからな。

だけど、なんで無料なんだ。

「何だか悪いな」

「いえ、実はこの『マリ』を引き取ると逆に仲介料を先方がくれるみたいですから、それが金貨..あっ」

「あはははっ気にしないで下さい、随分と助けて貰っていますから、俺が引き取りますから、是非話を進めて下さい」

「解りました」

こうして俺は本人にも会ってないのに三人目の奴隷を決めてしまった。











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