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第11話 食堂にて二人
しおりを挟む俺は一体どうすれば良いんだ。
もう、逃げる事は出来ない。
一体、俺は何をしてしまったんだ…
片思いをしているからって勢いで告白して…お風呂で裸を見て…
拒んでいるのに、あんな状況で告白を続けてしまった。
嫌われても仕方がない。
『そう…それじゃ、私は服を着るわね…リヒトくんはお風呂でさっぱりして…そうね、その後話を聞いてあげるから食堂にきなさい』
『逃げちゃだめよ』
これ詰んでいるよな。
一歩間違えたら通報されても可笑しくない。
どう考えても俺ヤバい奴じゃないかな…
◆◆◆
「来たわね…」
やっぱりルミナスさんが怒っている気がする。
「はい」
「確認するけど…本当にリヒトくんは私の事が…好きなのよね」
確かに可笑しい始まりだったけど、この気持ちに嘘はない。
振られるにしてもこれだけは曲げられない。
「はい」
「それが可笑しい事は解っているのかな? さっきも言ったけど、私、貴方のお母さんやお父さんときっと、同い年位よ! 普通に考えてもう、女として誰からも見られない、そんな齢なの…解って言っているの?」
俺のこの世界の年齢は15歳、38歳じゃない。
確かに可笑しい事だ。
「はい」
「そう…なんだ…それで、リヒトくんはどうしたいの?」
「どうしたいの?」
俺はルミナスさんをどうしたいんだろう?
最初は仲良くなってから、そう思っていた。
「私が受け入れたとして、私とどうしたいの? その男と女の関係に本当になれるの?」
「はい!」
「あのね、それはお母さんとかへの憧れじゃないのかな? たしか小さい頃にお母さんを亡くしているんでしょう? お母さんの代わりに私が欲しいんじゃないの? もしそうなら…血の繋がりは無いけど…独りは寂しいから別に構わないからね、違うのかな?」
「いえ、一人の女性として俺はルミナスさんが好きなんです」
これははっきりと言える。
「それ、きっと勘違いだよ…私おばさんだよ!リヒトくんの勘違いだよ」
「勘違いじゃありません」
「そう…きつい事聞くけど?! リヒトくんは女性経験無いでしょう?」
確かに、この世界の俺は童貞だな。
「はい…その通りです」
「やっぱりね!女経験がないから、可笑しくなっているんだよ、後で絶対後悔するよ…初めての相手って男の子はずうっと覚えているからね…おばさん相手なんて…絶対にいつか後悔するよ」
ルミナスさんとそう言う関係になったら…幸せとしか思えないな。
「そんな事は絶対に無いです!」
「あのね…今はそうかも知れないけど、その後の話。初体験の相手が母親に近い年齢のおばさんなんて後でトラウマ物だと思うわ…誰にも自慢にならないし…恥ずかしい思い出になるんじゃないかな?」
「絶対に後悔なんてしません」
「そう…本当にリヒトくんは強情だね…そこ迄言うなら仕方ないわ…一度相手してあげる」
「それじゃ、その、今夜…」
相手してくれるって…そう言う事だよな。
いきなり…それなのか…
「今夜は駄目…私は未亡人だから…そこ迄言われたら断れないよ! だけど、本当に後悔だけはしないで欲しいの…その男の子の夢とか壊したくないからね…それに恥ずかしい事なのよ…本当に…誰にも絶対に言ったら駄目だからね…本当に、仕方ないわね、それじゃ明日の夜、待っているから…夜這いの作法は知っている? 明日の夜…その待っているから」
そう、ルミナスさんは俺に伝えると恥ずかしそうな顔をしてそそくさと行ってしまった。
これ、明日なら夜這いして良いって事だよな。
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