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第十八話 婚約の後に ロゼ
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「数々のロゼへの陰湿な嫌がらせ。何か言う事はあるかな、マリア」
「ロゼへの嫌がらせ...身に覚えは本当にありません!」
「身に覚えが無いだと! あれ程、陰湿な事をしながら君という女は良心が全く無いのか!」
「フリード...本当に何の事か解りません、言わせて頂ければ、私はロゼに嫌われているので、妹のロゼとは交流が殆どありません、しかも、花嫁教育が本当に忙しいから社交界にも余り来ません、そんな私が何でそんな事が出来るのでしょうか?」
「ロゼ、もう庇わなくて良いんだ、無視や取り巻きを使っての嫌がらせの数々、そんな陰湿な事を繰り返すような女なんてな」
「今日この時より、フリード・ドリアークはマリア・ドレークとの婚約を破棄する!...そして、俺は、代わりにロゼ・ドレークとの婚約を宣言する」
此処までは良かったのよ...
だけど、冷静に考えたら凄く不味いと思う。
だって『たかが意地悪をした位で私とお姉ちゃんの立場が変わる』なんて起こる訳ない。
他に何か切り札がある、普通はそう思うじゃない...だけど、何も無かった。
何かお姉ちゃんの重大な過失を知っている。
そう思っていたのに...何もなかった。
そしてその結果 結果、私は自分の部屋に軟禁されています。
此処に来る時はお父さまたちに『まるで犯罪者を見る様な目』で見られて横に衛兵迄いました。
しかも、フリード様や私の言い分は全く聞いてくれません。
そしてお母さまはお怒りになり、初めて頬をぶたれました。
その後もフリード様は一生懸命弁解していましたが、その結果お母さまは更にお怒りになりました。
これからどうなるのでしょうか?
宰相様まで来られたからには、多分とんでもない事になりそうな気がします。
凄く長い時間が過ぎた気もしますが。多分実際にはそんなにはたっていないと思います。
お母さまが来てくれた。
「あのお母さま...私、何かしてしまったのですか?」
「ええっ、もう取り返しはつかないわ...いま皆で貴方とフリードの処遇を考えている所よ!」
「どうして...そんな」
「貴族の婚約は事前に形上だけど、王に許可を得るのよ、その王が許可を出し王印を押した物を勝手に反故にした、しかも王子の前で、これは私にはもうどうにもならないのよ...」
「そんな、私はこんな事になるなんて知らなかった...」
「そう...馬鹿な子、だけど、もうどうしようも無いのよ」
そう言うとお母さまは私を抱きしめ泣き始めました。
これは、どうする事も最早出来ない気がします。
私は前に『大切なお友達』を無くした時も何も出来ませんでした。
そして今度もきっとそうです。
なんで私の大切な人は...どうしてこう、後先考えないのでしょうか...
その後、フリード様が顔を出しにきましたが...
「フリード様、ご無事で何よりでした、ロゼはロゼは...」
「ロゼ、大丈夫か? 何か酷い事はされていないか」
「何時もの事です、もう慣れました」
途中からフリード様を遮りドリアーク伯爵様が話し始めました。
「ロゼ、お前と息子の婚約は成立した」
「本当ですか? 嬉しい、ありがとう御座います!」
「礼などは要らぬ、後で両家で話し合いの結果を伝える、しばし待つが良い」
「はい」
フリード様と私が婚約したなら『義理のお父さま』になる筈です...ですが憎しみが籠った目で見られた気がします。
フリード様も何だか凄くお窶れになっています。
フリード様達と一緒にお母さまは出て行ってしまいました。
「ロゼ、出来るだけの事はするつもりです、ですが...あまり期待はしないで下さい」
そう言いながら、お母さまは泣いていました。
さっきから此処にいるメイドたちの目も凄く怖いのです。
「あの...1人になりたいのですが」
「駄目でございます」
「命令します、出て行きなさい」
「それは無理でございます、今のロゼ様の命令はきかないように旦那様から言われております」
「そんな」
「....」
明かに可笑しい、今迄も嫌な目で見られた事はあったけど...今日のはそれとも違う。
本当に心から嫌う様な目...私にはメイドたちの目がまるでガラス玉の様に見えます。
もう、私には...本当に何も無い...
部屋の中には豪華なドレスや宝石はあります...普通に考えたら信じられない位沢山あります。
ですが...見せる相手が居なくなっては、何の意味もありません。
もしかして必要以上に欲しがったのが悪かったのでしょうか?
お姉ちゃんの物を根こそぎ奪ったのが悪かったのかな...
だから『お姉ちゃんには嫌われても仕方ない』のかも知れません。
立場が逆で『私がお姉ちゃんに同じ様に奪われたら』
あははははっ許せるわけないですね。
だから、今ならお姉ちゃんに嫌われるのは解ります。
だけど...なんで、なんで他の人迄、私を嫌うのでしょうか?
ロゼ派の人には親切にした覚えしか無いし...使用人にだって冷たくした覚えはありません。
社交界でも『きちんとしていた筈』です。
確かに『多少の自慢はしましたが』こんなのは貴族の子女では当たり前の事です。
だからお姉ちゃん以外に私は酷い事をした覚えはありません。
お姉ちゃん?
お姉ちゃんは別に良いのです。
だってお姉ちゃんですから『お姉ちゃんは私のお姉ちゃんです』『お姉ちゃんだから良いのです』
だって『私のお姉ちゃんですよ』「お姉ちゃんは私の者だから』『私の家族なんだから』少し位迷惑掛けても良いじゃ無いですか?
だってお姉ちゃんは家族だし...身内だし...小さい頃から一緒だし、許してくれる筈です。
多分子供の頃の様に『仕方ないなぁ』って笑顔で許してくれるよねお姉ちゃん。
私はお姉ちゃん以外に迷惑を掛けた覚えはないのに..なんでこんな事になるんでしょう。
そんな事より今は『フリード様』です。
これから先の事は不安で一杯ですが『フリード様との婚約』は正式に決まりました。
なら、大丈夫な筈です...
きっと物凄く怒られるかも知れませんが...王様絡みだから仕方ありません。
ですが...フリード様との婚約が決まったなら、多分幸せになれる気がします。
【きっと大丈夫です】
まさか、そのフリードから憎しみの目を向けられるとはこの時の私は思ってもいませんでした。
「ロゼへの嫌がらせ...身に覚えは本当にありません!」
「身に覚えが無いだと! あれ程、陰湿な事をしながら君という女は良心が全く無いのか!」
「フリード...本当に何の事か解りません、言わせて頂ければ、私はロゼに嫌われているので、妹のロゼとは交流が殆どありません、しかも、花嫁教育が本当に忙しいから社交界にも余り来ません、そんな私が何でそんな事が出来るのでしょうか?」
「ロゼ、もう庇わなくて良いんだ、無視や取り巻きを使っての嫌がらせの数々、そんな陰湿な事を繰り返すような女なんてな」
「今日この時より、フリード・ドリアークはマリア・ドレークとの婚約を破棄する!...そして、俺は、代わりにロゼ・ドレークとの婚約を宣言する」
此処までは良かったのよ...
だけど、冷静に考えたら凄く不味いと思う。
だって『たかが意地悪をした位で私とお姉ちゃんの立場が変わる』なんて起こる訳ない。
他に何か切り札がある、普通はそう思うじゃない...だけど、何も無かった。
何かお姉ちゃんの重大な過失を知っている。
そう思っていたのに...何もなかった。
そしてその結果 結果、私は自分の部屋に軟禁されています。
此処に来る時はお父さまたちに『まるで犯罪者を見る様な目』で見られて横に衛兵迄いました。
しかも、フリード様や私の言い分は全く聞いてくれません。
そしてお母さまはお怒りになり、初めて頬をぶたれました。
その後もフリード様は一生懸命弁解していましたが、その結果お母さまは更にお怒りになりました。
これからどうなるのでしょうか?
宰相様まで来られたからには、多分とんでもない事になりそうな気がします。
凄く長い時間が過ぎた気もしますが。多分実際にはそんなにはたっていないと思います。
お母さまが来てくれた。
「あのお母さま...私、何かしてしまったのですか?」
「ええっ、もう取り返しはつかないわ...いま皆で貴方とフリードの処遇を考えている所よ!」
「どうして...そんな」
「貴族の婚約は事前に形上だけど、王に許可を得るのよ、その王が許可を出し王印を押した物を勝手に反故にした、しかも王子の前で、これは私にはもうどうにもならないのよ...」
「そんな、私はこんな事になるなんて知らなかった...」
「そう...馬鹿な子、だけど、もうどうしようも無いのよ」
そう言うとお母さまは私を抱きしめ泣き始めました。
これは、どうする事も最早出来ない気がします。
私は前に『大切なお友達』を無くした時も何も出来ませんでした。
そして今度もきっとそうです。
なんで私の大切な人は...どうしてこう、後先考えないのでしょうか...
その後、フリード様が顔を出しにきましたが...
「フリード様、ご無事で何よりでした、ロゼはロゼは...」
「ロゼ、大丈夫か? 何か酷い事はされていないか」
「何時もの事です、もう慣れました」
途中からフリード様を遮りドリアーク伯爵様が話し始めました。
「ロゼ、お前と息子の婚約は成立した」
「本当ですか? 嬉しい、ありがとう御座います!」
「礼などは要らぬ、後で両家で話し合いの結果を伝える、しばし待つが良い」
「はい」
フリード様と私が婚約したなら『義理のお父さま』になる筈です...ですが憎しみが籠った目で見られた気がします。
フリード様も何だか凄くお窶れになっています。
フリード様達と一緒にお母さまは出て行ってしまいました。
「ロゼ、出来るだけの事はするつもりです、ですが...あまり期待はしないで下さい」
そう言いながら、お母さまは泣いていました。
さっきから此処にいるメイドたちの目も凄く怖いのです。
「あの...1人になりたいのですが」
「駄目でございます」
「命令します、出て行きなさい」
「それは無理でございます、今のロゼ様の命令はきかないように旦那様から言われております」
「そんな」
「....」
明かに可笑しい、今迄も嫌な目で見られた事はあったけど...今日のはそれとも違う。
本当に心から嫌う様な目...私にはメイドたちの目がまるでガラス玉の様に見えます。
もう、私には...本当に何も無い...
部屋の中には豪華なドレスや宝石はあります...普通に考えたら信じられない位沢山あります。
ですが...見せる相手が居なくなっては、何の意味もありません。
もしかして必要以上に欲しがったのが悪かったのでしょうか?
お姉ちゃんの物を根こそぎ奪ったのが悪かったのかな...
だから『お姉ちゃんには嫌われても仕方ない』のかも知れません。
立場が逆で『私がお姉ちゃんに同じ様に奪われたら』
あははははっ許せるわけないですね。
だから、今ならお姉ちゃんに嫌われるのは解ります。
だけど...なんで、なんで他の人迄、私を嫌うのでしょうか?
ロゼ派の人には親切にした覚えしか無いし...使用人にだって冷たくした覚えはありません。
社交界でも『きちんとしていた筈』です。
確かに『多少の自慢はしましたが』こんなのは貴族の子女では当たり前の事です。
だからお姉ちゃん以外に私は酷い事をした覚えはありません。
お姉ちゃん?
お姉ちゃんは別に良いのです。
だってお姉ちゃんですから『お姉ちゃんは私のお姉ちゃんです』『お姉ちゃんだから良いのです』
だって『私のお姉ちゃんですよ』「お姉ちゃんは私の者だから』『私の家族なんだから』少し位迷惑掛けても良いじゃ無いですか?
だってお姉ちゃんは家族だし...身内だし...小さい頃から一緒だし、許してくれる筈です。
多分子供の頃の様に『仕方ないなぁ』って笑顔で許してくれるよねお姉ちゃん。
私はお姉ちゃん以外に迷惑を掛けた覚えはないのに..なんでこんな事になるんでしょう。
そんな事より今は『フリード様』です。
これから先の事は不安で一杯ですが『フリード様との婚約』は正式に決まりました。
なら、大丈夫な筈です...
きっと物凄く怒られるかも知れませんが...王様絡みだから仕方ありません。
ですが...フリード様との婚約が決まったなら、多分幸せになれる気がします。
【きっと大丈夫です】
まさか、そのフリードから憎しみの目を向けられるとはこの時の私は思ってもいませんでした。
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