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第十三話 ロゼ、助けてフリード様
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最早、私には自由は無くなってしまった。
トイレ、お風呂、食事、それ以外の時間は部屋から出して貰えなくなった。
部屋に居る時間もお母さまや使用人達による『指導』という名の地獄が待っている。
今日は朝からジョルジュに貴金属の磨き方を教わっている。
「良いですか?ロゼ様...この貴金属磨きを、こちらのボロ布に付けて力を込めて一方向から磨くのです、石につくと傷がつきますのでご注意下さい」
※宝石には詳しくないので技術についてはかなり適当です、お赦し下さい。
「はい」
「ロゼ様、気をつけて下さい...万が一宝石に傷をつけたら、如何にロゼ様でも罰を受ける場合もありますから」
「解ったわ」
なんで私がこんな事をしないといけないのでしょうか?
こんな大量の貴金属を磨くなんて令嬢の仕事じゃ無いわ。
「今、宝石に貴金属磨きがつきましたよ、このまま磨くと傷がつきますから、一旦水で流して、もう一度...」
「ジョルジュいい加減にして、なんでこんな事私がしないといけないのよ? 貴方達がやれば良いじゃない!」
なんで溜息なんてつくのよ! その目はなに...
「良いですか、ロゼ様、此処の品物は、貴方自身がマリア様から取り上げた物じゃないですか? しかも書面上でも保管義務は貴方ですよ!自分の物を自分で責任管理するのは当たり前じゃ無いでしょうか?」
「そんな話は...」
「貴方のお母様であられる、ロザリー様も勿論、旦那様もしっかりと行っております、特にロザリー様は【太陽の神の目】は日に三度手に取り、少しの曇りもないように磨いています」
「そんな」
「良いですか? 素晴らしい物を手にするには責任と義務が生じます...特に国宝級の二つの品に万が一傷でもつけたら、流石のロゼ様でも大変な事になります」
ただの脅しよね...
「どうなると言うの?」
「その時にならないと解りませんが、ある家宝の皿を割ったメイドはその日のうちに手討にされました、貴族の令嬢でも片目を潰された話は聞いた事があります...旦那様はお優しいから、そんな事はしませんが、それでも鞭打ち位は覚悟しなくてはなりません」
「本当の事なの?...それは」
「はい、嘘は申しておりません」
「それじゃ、私は...そうよ家宝だけで良いのよね」
「ロゼ様...貴方の持ち物は、どれも高級な物です、全ての物に対して『手入れ』は必要です、しっかりと管理して下さい」
「そんな...それなら私は毎日、こんな事をしなくてはいけないじゃないの」
「自分から望んだ事でございます」
毎日、こんな事を2時間もやらされているのよ...ふざけているわ。
こんな手を汚すような仕事、私の仕事じゃ無いわ。
だから、お母さまに言いつけたら...
「それはロゼ、貴方の我儘よ! 貴重な品を持ったらきちんと手入れするのは当たり前じゃない...特に貴重な品の多くはその手入れを楽しむ物でもあるのよ...貴方もお父様が、パイプを磨いたり、剣を手入れしているのは見たことがある筈だわ」
確かに、見た事はある。
それより、お母さまの目は凄く冷たい様に見える。
どうして...どうしてそんな目で見るの。
それだけじゃない...今迄こんなに厳しくは無かった。
普通に笑顔で接してくれたお母さまが...
「ロゼ、そんな姿勢でなく、背筋を伸ばして歩きなさい」
「ロゼ、歩き方がなっていません」
「ロゼ、机に肘を乗せない」
何かある事に厳しく言ってくる。
何故、こんな事まで言われるのか解らない。
お父さまも会う度にお小言ばかりになった。
友達に二度と会えなくなるのに...会いにもいかせてくれない。
私は本当に悲しいのに、使用人に命じて、無理やり『勉強』をさせられた。
私にはもう会えなくなる友達を思う時間も貰えないの?
お姉ちゃんは何故か、最近優しく声を掛けてくれる。
散々『顔も見たくない』『声も聞きたくない』そんな事を言っていたのに...多分『見下したいんだ』ね。
派閥も無くなって、家族からの信頼も失った私を見て喜んでいるんだ。
なに、あの笑顔!
慈悲に満ちたような顔で私を見て来るけど、きっと裏で使用人と一緒に馬鹿にしているに違いないわ。
散々私を無視してきたんだから、私も無視する事にした。
あははははっ 悲しい顔をしているけど...『いい気味』だわ。
私は手紙を書いた『フリード様、助けて』と...
『早く助けてくれないと私は..私は駄目になってしまいそうです』
私にとってフリード様だけが唯一の希望なんだから...
トイレ、お風呂、食事、それ以外の時間は部屋から出して貰えなくなった。
部屋に居る時間もお母さまや使用人達による『指導』という名の地獄が待っている。
今日は朝からジョルジュに貴金属の磨き方を教わっている。
「良いですか?ロゼ様...この貴金属磨きを、こちらのボロ布に付けて力を込めて一方向から磨くのです、石につくと傷がつきますのでご注意下さい」
※宝石には詳しくないので技術についてはかなり適当です、お赦し下さい。
「はい」
「ロゼ様、気をつけて下さい...万が一宝石に傷をつけたら、如何にロゼ様でも罰を受ける場合もありますから」
「解ったわ」
なんで私がこんな事をしないといけないのでしょうか?
こんな大量の貴金属を磨くなんて令嬢の仕事じゃ無いわ。
「今、宝石に貴金属磨きがつきましたよ、このまま磨くと傷がつきますから、一旦水で流して、もう一度...」
「ジョルジュいい加減にして、なんでこんな事私がしないといけないのよ? 貴方達がやれば良いじゃない!」
なんで溜息なんてつくのよ! その目はなに...
「良いですか、ロゼ様、此処の品物は、貴方自身がマリア様から取り上げた物じゃないですか? しかも書面上でも保管義務は貴方ですよ!自分の物を自分で責任管理するのは当たり前じゃ無いでしょうか?」
「そんな話は...」
「貴方のお母様であられる、ロザリー様も勿論、旦那様もしっかりと行っております、特にロザリー様は【太陽の神の目】は日に三度手に取り、少しの曇りもないように磨いています」
「そんな」
「良いですか? 素晴らしい物を手にするには責任と義務が生じます...特に国宝級の二つの品に万が一傷でもつけたら、流石のロゼ様でも大変な事になります」
ただの脅しよね...
「どうなると言うの?」
「その時にならないと解りませんが、ある家宝の皿を割ったメイドはその日のうちに手討にされました、貴族の令嬢でも片目を潰された話は聞いた事があります...旦那様はお優しいから、そんな事はしませんが、それでも鞭打ち位は覚悟しなくてはなりません」
「本当の事なの?...それは」
「はい、嘘は申しておりません」
「それじゃ、私は...そうよ家宝だけで良いのよね」
「ロゼ様...貴方の持ち物は、どれも高級な物です、全ての物に対して『手入れ』は必要です、しっかりと管理して下さい」
「そんな...それなら私は毎日、こんな事をしなくてはいけないじゃないの」
「自分から望んだ事でございます」
毎日、こんな事を2時間もやらされているのよ...ふざけているわ。
こんな手を汚すような仕事、私の仕事じゃ無いわ。
だから、お母さまに言いつけたら...
「それはロゼ、貴方の我儘よ! 貴重な品を持ったらきちんと手入れするのは当たり前じゃない...特に貴重な品の多くはその手入れを楽しむ物でもあるのよ...貴方もお父様が、パイプを磨いたり、剣を手入れしているのは見たことがある筈だわ」
確かに、見た事はある。
それより、お母さまの目は凄く冷たい様に見える。
どうして...どうしてそんな目で見るの。
それだけじゃない...今迄こんなに厳しくは無かった。
普通に笑顔で接してくれたお母さまが...
「ロゼ、そんな姿勢でなく、背筋を伸ばして歩きなさい」
「ロゼ、歩き方がなっていません」
「ロゼ、机に肘を乗せない」
何かある事に厳しく言ってくる。
何故、こんな事まで言われるのか解らない。
お父さまも会う度にお小言ばかりになった。
友達に二度と会えなくなるのに...会いにもいかせてくれない。
私は本当に悲しいのに、使用人に命じて、無理やり『勉強』をさせられた。
私にはもう会えなくなる友達を思う時間も貰えないの?
お姉ちゃんは何故か、最近優しく声を掛けてくれる。
散々『顔も見たくない』『声も聞きたくない』そんな事を言っていたのに...多分『見下したいんだ』ね。
派閥も無くなって、家族からの信頼も失った私を見て喜んでいるんだ。
なに、あの笑顔!
慈悲に満ちたような顔で私を見て来るけど、きっと裏で使用人と一緒に馬鹿にしているに違いないわ。
散々私を無視してきたんだから、私も無視する事にした。
あははははっ 悲しい顔をしているけど...『いい気味』だわ。
私は手紙を書いた『フリード様、助けて』と...
『早く助けてくれないと私は..私は駄目になってしまいそうです』
私にとってフリード様だけが唯一の希望なんだから...
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