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5 だからアバターなわけか
しおりを挟む「確かに質感も仕草も人そのものだし、会話だってきっちりこなすけど、やっぱりオートマタとするのはストレスかかるから年齢制限があって希望者のみらしいよ」
「希望者って言っても審査キビしそ~だよね~」
「で、これを使ってオナニーするワケ」
「え?! オートマタとセックス練習すんの?」
「本番はないけど、リビドールの体を見て勉強したり、愛撫実習したり。リビドールからは女子への接触もないし」
「感度と受胎率は連動しているとか言うわりにオナりすぎは駄目だし」
「本物で感じられなくちゃ意味ないから加減が難しいんだよね~、マジ拷問」
「リビドール同士のセックスを見てオナニーだからたまんないよね」
「初めて見た時は超興奮した! 体液もちゃんと出るし、喘ぎ声とかもリアルだしぃ」
「でもアレのお陰でちゃんと気持ち良くなるオナができたよね」
「初めの頃、自分で触ってもよくわかんなくて、気持ち良いって感覚わからなかったもんね。やっぱ気持ちって大事?」
「ええ~、私はわかってたよぉ。もしかして私ってば感度良好じゃん?」
「えー! ずる~い! あたし性感開発ちょぉ時間かかったのにぃ~」
「そーいえばリビドール断ったら精子提供ないってウワサマジ?」
「ちょっと前までバーチャルで精子もらえたんだよねぇ?」
「精子提供受けられればVRだろうがリビドールだろうが良くない?」
「そう言われればそっかぁ?」
「今時リビドール断る女いるのぉ?」
「セックスした事ない年増のババアでしょー、きゃははっ」
俺の存在を忘れてトークに没頭していく女たち。
もう何も言葉にならず絶句した。
女子は処女の頃からそんな学習をするんだ。
今まで無数の処女としてきたが、大体が「私初めてなの教えてね」というスタンスだった。
なのによくよく思い出せば、「そこがいい、もっと」だの言って誘導されていたし、「初めてだから下手だと思うけど……」だの言って的確に搾られていた。
女はどこをどうしても濡れるもんだとばかり思っていたが、男だって良いところと大して感じないところがある。
つまりはそういう事……全部、女共の掌の上だった訳だ。
俺は精を放ってない残りの女におざなりに済ましホテルを後にした。
それからしばらく女とヤル気が起きず、親や友人に心配されたが、精通の数日後から毎日ヤってた奴が急に止めたらそりゃ心配するよな。
それでも少しダルいで押し通した。
そしてあのセックスから3日後、玉が張って仕方なく人生2度目の献精センターに行ってみた。
俺のVCSをチェックし、ダブルだと知った受付嬢や看護師は物欲しそうにしてきたが、成人と未成年は3歳以上離れていると合意の上だろうが性行為は禁じられている。
ましてやセンター職員はプライベートでもナンパ禁止である。
説明を受けてから個室に入り鍵が掛かったかをしっかりと確認した。
ガウンに着替えてから安楽椅子に座ってオートモードを選ぶ。ここまで来てセンズリする気はない。
椅子の背からアームが伸びてきてセンサーを額に貼られ、目を閉じれば選択肢が見える。折角なのでシた事のないものにしようと思ったがあまりパッとしない。
細身・ポッチャリ・貧乳……OL・教師・学生……タイプ・職種が多少違ってもな。年上だろーが年下だろーが搾り取られるのは一緒だし。
プレイ内容はハーレムやパイズリとかが並んでいるが、ほぼ経験済みだな。痛い嗜好は俺にはないし。
ダラダラとスクロールしていると、触手やサキュバスなどファンタジー系が出てきた。さすがに経験はないが、興味もないので無視する。
前に来た時よりかなり選択肢が増えてるな。年齢や経験数によって増えるのかもしれない。
選択肢がはじめに戻ってしまったかと思ったら、アバターと言うのを見つけた。試しに選ぶと、詳細選択肢が出る代わりに、目の前に女の子が立った。まぁ普通に可愛い。手を伸ばし触れてみると、指示線が伸びカラーチャートやらの詳細選択肢が現れた。
なるほど、好みにしろって事ね。
周りに居ないタイプがいいな。
髪はプラチナでボブ、瞳の形や位置は直感でさっさと決め、色はバイオレット、華奢な感じで背や体型は標準でいいか。大人しそうな眉に、うっすらバラ色の頬と唇。
うわ、すっげー、映画のエルフみたいだ。俺の周りってゴージャス系はいるけど、可憐系ってあんまいないんだよな。
それはたぶん俺が若いからだ。俺と同世代のスレンダー系は、きっとまだ性交許可が下りていないんだと思う。
服はスクロールした時に目に付いた白のワンピース。背景はどうやら部屋のイメージを変えるだけっぽい。白基調の女の部屋でいいや。
決定すると、目には見えないが俺のモノが何かに覆われた感覚がした。
リアルでアームが精子保管器具で股間を覆ったんだろう。
キャラ作成で少し忘れかけてたけど目的は精子提供だからな。だがすぐに違和感はなくなった。
次の瞬間、部屋の真ん中のローテーブルに二人で座っていた。机の上にはタブレット端末が広がり勉強中のようだ。
「疲れたね、リュークくん。休憩しよう」
彼女が立ち上りドアに向かうのを、俺の手が勝手に動いて彼女の手首を取り引き留める。
「いいよ、ルナ。お茶ならまだある」
彼女が小さく「きゃっ」と声を上げ、俺の膝に倒れ込んでくる。サブテーブルに置かれたトレイに乗ったグラスが、カランと氷の音を立てた。
そうか、そういうシチュで進行して、この子はルナと言うのか。
抱きしめ続けると、真っ赤になったルナが膝の上で落ち着かなげにもぞもぞ動いて腕をほどこうとする。
「あの……放して……」
「やだ」
「リュークくん?」
「好きだ」
勝手に言葉が紡がれる。この台本を書くのは誰なのか。小っ恥ずかしい。
だが、好きなんて使ったことはないが不快感は感じなかった。
ピキッとルナが固まる。
首筋に顔を埋めて囁いた。ペロリと舐めるとルナは慌てて逃げ出そうとする。
舐めた肌はほんのり塩味なのに甘く思えた。体香が甘いからか?
これはすごいかも。バーチャルゲームもやるけど、人の体温や柔らかさ、匂いや味までは再現されてないと思う。
そもそもゲーム内で人肌と接触する事はまずない。ゲームによって接触度合いが定められていたはずだ。
ヤバい、この匂いめっちゃ好き。ずっと嗅いでたい。雰囲気や仕草、反応もすげーツボだ。
ああ、だから登場人物じゃなくて分身なわけか。
俺のことが好きだけど、Hには困っているルナをキスと言葉でなだめすかし、俺はルナに欲望を思うがままぶつけた。
今までで一番大量に放出した自信がある。
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