創世の炎

凌729

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3章 続く不安と、堕天使の野望

第8話「堕天使の拠点と力」

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堕天使ベリアルに何も出来ず敗北した楓は、ベリアルに担がれてとある山の奥まで連れてこられていた。

(焔 楓視点--)

「むぅ~~(本当に不覚……。それに何処まで行くわけ……?)」

「膨れても無駄だ‼︎もうすぐ着くぞ」

堕天使ベリアルはそう言うと、ある山奥にある大きな洞窟の中へと入って行く。

「どこに連れてきたのよ?」

私は、堕天使ベリアルに担がれたまま、洞窟の更に奥へと進んで行くベリアルに問いかける。

(ストッ)

「着いたぞ、ここが堕天使の拠点だ!」

「えっ⁉︎」

私は、目の前の光景を見て驚く。
何故なら私の目の前には、洞窟の中なのに巨大な黒い城?が建っているのだった

「これは、城……?」

「堕天使城もしくは、魔王城とも呼ぶ。そんな事より進むぞ!」

私がベリアルに担がれたまま、目の前の巨大な城を見て驚いていると、ベリアルは私を担いだままその城へと入っていった。

「ただ今、戻りました……」

「戻ったか、ベリアルよ!それで例の者は?」

ベリアルが城の中に入ると、中は薄暗い感じだった。その薄暗闇の中から声が聞こえた直後その人物が姿を現した。

「ッ!!!(凄い殺気?!何、この異常な殺気の量は!)

その出てきた人物を見た瞬間私は、異常な程の殺気を感じ取った。この殺気の量は、今までの堕天使とかには感じたことのないほどの殺気の量だった。

(ドサリッ)

「うっ!」

「この者が、堕天使アザゼルを倒した人物の焔 楓です!」

私は、ベリアルに雑に床に落とされお腹を打った。その後ベリアルは、私の名を言う!

「成る程、この者がアザゼルを倒した者か・・・」

目の前の人物は、何かを考える様な感じになる。

「・・・。(この人物は危険……)」

無言のまま、私自身も目の前の人物に炎の力を少し使い、威圧をかけて見る

「やはり不死鳥フェニックスの力か・・・。おい、焔 楓とやら貴様と少し話しがしたい、着いてくるがいい!」

そう言うと、目の前の人物は歩き出した。

「早く立って、あのお方に着いて行け!」

「くっ、わかったわよ!(仕方ない、此処は言うことを聞いといた方がいいかもね。それに此処に来てからフェニックスの意思がかなり弱く感じる今もだけど炎の力は使えているのに、何故??)」

私は、そう答えながらその場から立ち上がり先ほどの人物に着いて行く。そして、私と目の前の人物は、一つの扉の前に着いた。

(ギィィィーー)

「入れ!」

目の前人物は、扉を開けるとその中へ入り私にも入るように言う。

「・・・。」

私は無言のまま、言われた通りその部屋へと入る。そして私が部屋へと入った直後--

(ギィィィーー、ガチャン‼︎)

「なっ?!」

私が部屋へと入った直後扉が勝手にしまってしまう。

「何を驚いている、そんな所にいないでもう少しこちらへ来い!」

目の前の人物は、私を見て少し怒鳴り口調でそう言う。

「話ならこの場でも出来るはずよ‼︎それとも私に何かする気?」

私は警戒をしたまま目の前の人物にそう答えを返す。

「フッ、言う事を聞けないお嬢さんだっ!!!」

突然目の前の人物はそう言いながら右手を私の方へ向けた。

「なっ!?」

すると有ろう事か私の体は目の前の人物に引き寄せられるかの如く、私の意識関係なくその人物の方へと歩いていく。

「フフフッ、やはり俺のこの力は最強だな!」

目の前の人物は不敵な笑いをしながらそう呟いている。

「・・・。」

私は警戒を怠らず無言のまま目の前の人物の側まで来てその場に立つ。

「初めましてだな、焔 楓。俺の名はルシファー!」

「?!」

目の前の人物がルシファーと名乗った直後、私は驚いた!何故ならルシファーは、元天使のはずだったからだ。つまり私達の味方だったはず。だが目の前にいるルシファーと言う男は、私達の敵だ!それだけは、明確。

「驚いているようだな。それもそうか、何故なら俺は元天使で、元お前たち天使の仲間だったからな!今は堕天使、だがな」

ルシファーは自ら自身は堕天使だと言う。それはルシファーの姿を見ればそれしか言えないだろう。何故なら翼は黒く天使の輪など無く代わりに堕天使や悪魔などの主張である角があるからだ。

「何故……?」

楓は疑問に思い、一言呟いた。

「ん?何故かだと?」

すると、楓の一言が聞こえたようで堕天使ルシファーが、反応した。

「何で堕天使になったの……?」

そして私は思った疑問をルシファーに、問い掛けた。

「お前には関係ない、だが一つ言うなら、大切な人が死んだからだ……」

堕天使ルシファーは、少し暗い顔をしながらそう答えた

「大切な人?」

私はそれを聞いてそう聞き返す。

「さっきも言った、お前には関係ないと!フフフッ、それより自分の心配をしたらどうだ?」

すると堕天使ルシファーは、笑いながらそう言う。

「何を……、っ!?」

すると、突然私の身体と意識が少しずつ何かに持って行かれるような感覚になり始めたのだ。

「始まったなみたいだな!!」

堕天使ルシファーは、そう呟きながらニヤリと笑っている。

「私の……身体に……何をした!?」

私は未だに謎の何かに持っていかれる感覚のまま、そう口にする。

「俺の力で焔 楓、お前と言う存在を操りそして堕天使の力を増加させたのだ!」

「私は、堕天使なんかじゃ……ない……」

私はギリギリで意識を維持する事に成功した。だがギリギリな為どこまで持つか分からない。最悪すぐにでも奪われるかもしれない、そんな中ルシファーにそう返す。

「何だ不死鳥フェニックス自身か、もしくはウリエルの守護者から聞いていないのか?不死鳥フェニックスは堕天使の仲間だぞ?」

「は?、えっ?!」

私は、堕天使ルシファーの言葉に困惑する。不死鳥フェニックスが堕天使の仲間?ならそのフェニックスと契約した私は??私の思考が完全に停止する。それが堕天使ルシファーの狙いだとは、今の私には分からなかった……。

「フフフッ」

堕天使ルシファーは笑っている。それが引き金になったのか、先ほどのルシファーの言葉が引き金になったのかは分からない……。

「うぁぁぁぁぁーーーーー!!!」

私は、大きな雄叫びを上げた直後、私の身体と意識は謎の何かに完全に刈り取られ奪われたのだった……。
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