世にも奇妙なお話し

柳原　智

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スマホでの決断

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私は今日もいつものように会社に向かっていた。電車の中でスマホをいじって時間をつぶしていると、突然画面に赤い文字が現れた。
「あなたは今日死にます」
私は驚いてスマホを見つめた。これは何だ？ウイルスか？それとも悪戯か？でも、どうやって私のスマホに侵入したのだろうか？私はスマホを再起動しようとしたが、画面は変わらなかった。赤い文字だけがずっと点滅している。
私は不安になって周りを見回した。他の乗客は何も気づいていないようだった。私はただの被害者なのだろうか？それとも、この電車に何か危険なものがあるのだろうか？私は恐怖に震えながら、次の駅で降りることにした。
駅に着くと、私はすぐに警察に電話しようとしたが、スマホが反応しなかった。画面にはまだ赤い文字が表示されているだけだった。私はパニックになって、近くのコンビニに駆け込んだ。店員に助けを求めようとしたが、その瞬間、店内に爆発音が響いた。
私は地面に倒れ込んだ。耳が聞こえなくなり、目が見えなくなった。痛みと熱さが全身を襲った。これが死ぬということなのだろうか？私は意識を失う寸前に、スマホの画面を見た。赤い文字は消えていた。代わりに青い文字が現れた。
「あなたは今日生きます」
私は目を覚ました。病院のベッドに横たわっていた。看護師が私の顔を見て驚いた。
「あら、目が覚めましたか？奇跡ですね」
私は首を傾げた。奇跡？何のことだろう？
「あなたは先週、コンビニで爆発事故に巻き込まれて重傷を負われました。死亡宣告されていましたが、今日突然心拍が戻りました。医師も信じられないと言っています」
私は呆然とした。先週？爆発事故？死亡宣告？心拍が戻る？
「それで、あなたのスマホですが…」
看護師はテーブルの上に置かれたスマホを差し出した。
「これが事故の原因だったようです。爆発物を仕掛けられていました。でも、不思議なことに、スマホ自体は無傷でした。しかも、画面にこんなメッセージが表示されています」
私はスマホを手に取った。画面には緑色の文字が現れていた。
「あなたは今日生まれます」

私はスマホのメッセージに呆れた。生まれます？何を言っているのだろうか？私はもう生まれているし、死んだり生き返ったりもしている。このスマホは一体何なのだろうか？私はスマホを調べようとしたが、看護師に止められた。
「すみません、それは警察に引き渡さなければなりません。爆発物の証拠ですから」
私は仕方なくスマホを手放した。看護師はスマホを袋に入れて封印した。私はその様子を見て、不安になった。このスマホがなくなったら、私の運命はどうなるのだろうか？私はもう一度死ぬのだろうか？それとも、本当に生まれ変わるのだろうか？
私はしばらく考え込んでいたが、やがて眠気に負けて眠ってしまった。夢の中で、私はスマホの画面に向かって叫んだ。
「誰なんだ？何がしたいんだ？」
すると、画面に白い文字が現れた。
「あなたは選ばれました。あなたは特別です」
私は怒った。
「選ばれた？特別？何を言っているんだ？」
「あなたは新しい世界の創造者です。あなたはこの世界を変えることができます」
「新しい世界？この世界を変える？何を言っているんだ？」
「あなたは今日生まれますというメッセージは、あなたが新しい世界に移動することを意味します。あなたはそこで自由に生きることができます。あなたの願いはすべて叶います」
「そんなことができるわけがないだろう！それは嘘だ！」
「嘘ではありません。あなたにはその力があります。あなたはそれを使うことができます」
「どうやって使うんだ？」
「スマホを使ってください。スマホにあなたの願いを書き込んでください。それが現実になります」
「信じられない…」
「信じてください。あなたはすぐに新しい世界に行くことができます。ただし、一つだけ注意してください。あなたが新しい世界に行くとき、この世界から消えます。あなたの存在は忘れられます。あなたの家族や友人もあなたを覚えていません。あなたはこの世界と完全に切り離されます」
「それは…」
私は言葉に詰まった。私は新しい世界で自由に生きることができるという魅力に惹かれたが、この世界から消えるという代償に恐怖した。私はどちらを選ぶべきなのだろうか？
夢から覚めると、私は病院のベッドに横たわっていた。看護師が私の顔を見て笑った。
「お目覚めですか？良かったですね」
私は首を振った。夢だったのか？それとも…私はスマホを探したが、見当たらなかった。看護師に聞いてみた。
「すみません、スマホはどこにありますか？」
「ああ、それは警察に持って行かれましたよ。爆発物の調査のためです」
私は驚いた。夢ではなかったのか？私は本当に新しい世界に行くことができるのか？私は迷った。私はこの世界を捨てて新しい世界に行くべきなのだろうか？それとも、この世界に残って生きるべきなのだろうか？
私は決断することができなかった。私はただ、スマホのメッセージを思い出した。
「あなたは今日生まれます」

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