【完結】EACH-愛を胸に眠る-

 今から少し先のもしもの未来。『AI』と呼ばれた少女は、人には持ち得ない特別な能力を持たされて生み出された子供たちの生き残りだった。共に生まれた仲間たちは、その力に身体が耐えられず次々と『AI』を残して逝ってしまった。『AI』を生み出した大人たちは、『AI』を決して普通の人間の子供として扱わない。世界でたったひとりぼっちの『AI』は、幼くして自らの死を望んでいた。早く、「みんな」と同じになりたい、と。
 そんな『AI』の前に現れた、美咲。今まで『AI』が見てきた大人と違っていた。『AI』を『アイ』と人間らしく呼んだ。普通の子供と同じように接した。美咲がいたから、『アイ』は笑おうと思えた。
 美咲がいたから、生きていようと思えた。

 美咲がいたから、『アイ』はこの世界を愛することができた。

 これは、ひとりの少女の幼いころの記憶。
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【EACH-ハジマリの旅路-】【EACH-優しさの理由-】から続く物語。
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