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4章 フェイトオブデッドエンド
113話 約束と覚悟
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今日は俺の家でシルクと一緒に過ごしている。
シャーナさんの見せてくれた映像があってから、映っていたみんなに会いたくなっていた。
やはり、現実ではなくても死ぬ姿を見るのはつらい。
俺にとって大切な友達たちが犠牲になる未来は、絶対に避ける。その思いを強めていた。
こうしてシルクと穏やかに過ごせる時間は、これからも大切にしないとな。
「そういえば、シルクは大司教になるうえでなにか心配事はないのか?」
「問題ありません。私はリオン君の方が心配です。結局、孤児院が襲われた時にも無茶をしていましたからね」
あの時は確かに命をかけていた。だが、そのおかげで子ども達は無事で居られたし、俺もいま生きている。
死なないように気をつけるつもりはあるが、戦いから逃げ出すつもりはない。
なにせ、俺が逃げ出したら代わりに誰かが犠牲になる状況ばかりだから。
どう考えても、みんなの居ない未来になんて意味はない。だからこそ、絶望の未来を避けたいんだ。
世界ごと、みんなの命が失われるなんて許せない。その思いだけを胸に頑張りたい。
「シルクには何度も命を助けられているよな。足を向けて寝られないよ」
「感謝はありがたいですが、それよりも何よりも、リオン君には生きていてほしい。何度も言っていますが、理解してください」
「分かっている。俺だって、シルクには絶対に生きていてほしい。同じ気持ちなんだよな」
「同意します。あなたは私の大切な人。絶対に失いたくない相手。ずっと一緒に居たいんです」
「俺も同じだ。シルクとずっと一緒がいい。そのために、もっと強くなるし、みんなの力も借りるんだ」
世界の崩壊なんて、俺1人の手に負える問題じゃない。みんなの力がなくては、きっと解決できない。
悔しいが、当たり前の事実だ。シルクを戦いに巻き込んででも、乗り越えるべき課題なんだ。
「肯定します。あなたの力になりたい人は、たくさんいます。私自身も同じ。ですから、ね?」
シルクは黒い瞳を揺らしながら首を傾げている。青い髪やきれいな姿勢も相まって、強く同意したいような気分にさせてくる。
なんというか、媚びではないが、言うことを聞きたくなる魅力があるというか。
シルクに対する信頼が今の感情を生み出していることは言うまでもない。他にも、いつもはしっかりしたシルクの、珍しい弱々しさのようなものに惹きつけられる。
やっぱり美人だよな。いつもは意識していない気がする。だけど、今みたいな機会にどうしても気になってしまう。
シルクが自分の顔を理解して計算しているとは思いたくないが、効果的だよな。
「ああ。何が何でも生き延びるつもりだ。俺は大切な人のために、絶対に生きるんだからな」
絶望の未来でみんなが死ぬ。許せることではないからな。
俺の命なんてみんなと比べたら軽いものだが、世界の運命がかかっているんだ。
正直に言えば、大多数の他人なんてどうでもいい。会ったこともない人になんて興味ない。
前世でだって、どこぞの国でまともな生活を送れない人になんて、同情すらしていなかったのだから。
「絶対にですよ。リオン君の命は、あなた1人のものではない。私達のものでもある。それを心に刻んでください」
みんなのものか。悪くない気分だな。みんなに所有物として扱われるのだとしても、嫌悪感はない。
まあ、実際のところは仲間や友達という感情なのだろうが。ある意味では、体の一部のような感じというか。
俺だって、シルク達の命は個人のものだと考えていない気がするからな。俺の人生の延長線上にある感覚というか。
だから、シルクの気持ちはよく分かる。俺が死んだりしたら、自分の一部が失われたような感覚になるのだろうな。
そんな思いをシルクにさせないためにも、生きるべきではあるんだ。義務感だけではなく、大切な人の笑顔のために。
俺自身が見たいものは、みんなが幸せそうにしている姿なのだから。
「分かった。お前達のものなら、勝手に捨てられないよな」
「肯定します。あなたの命は、私達のもの。捨てる人を許しはしません。奪う人だって」
「奪う相手には、どうするんだ?」
「確信しています。どんな手を使ってでも排除すると」
「アンガーオブドゥームの結界で切り裂くのか?」
「回復魔法を利用して、癒えない傷を刻むことだってできます」
俺が知っている原作でのシルクの技だ。過剰に回復してダメージを与えるもの。
回復魔法の力だからこそ、同じ力で治すことができない。恐ろしい技だ。
今のシルクにも使うことができるんだな。だが、できれば使わせたくない。
シルクは人を癒やせる優しい人だから、その心を汚したくないんだ。
勝手な思いなのかもしれないが、どうしても消せない感情だから。
「過剰に回復して、もう二度と治せなくするんだよな」
「驚愕です。知っていましたか。ふふっ、私の力を知っていても、癒やしの力を信用される。いい気分です」
シルクを信じるなんてこと、当然過ぎて気にしたこともなかったな。
俺を傷つけようとするなんて、絶対に有り得ない。もしあるとするならば、それこそ洗脳くらいのものだろうさ。
シルクがどれだけ優しい人か。俺を気づかってくれているか。これまでどれだけ俺を癒やしてくれたことか。
その事実がある限り、疑うなんて人でなしの行動でしかないんだからな。
「当たり前のことだ。シルクを疑うなんてこと、あるわけがない」
「信頼しています。あなたが心から私を信じていることは。だからこそ、あなたのそばが心地良い」
シルクが俺のそばを心地良いと言ってくれること。俺にとってとても嬉しい言葉だ。
大切な友達の居場所になれている事実以上に嬉しいことなど、そうあるものではないよな。
俺を大切に感じてくれていること、信じてくれていること。何もかもが伝わってくる。
やはり、シルクを救うことができて良かった。エギルを生贄に捧げただけの価値はある。
シルクとエギルを選べと言われたら、何度でもシルクを選ぼう。そう思える人なんだ。
「ありがたいな。俺も、お前のそばが心地良いよ。心が落ち着くんだ」
「嬉しいです。本当に、心から。あなたの人生の一部である事実が伝わってくるようで」
当たり前のことだ。シルクがいるから、俺はいま生きている。
そうでなくとも、俺に何度も幸せを運んでくれた相手なんだからな。
何があったとしても、いなくなるなんて考えられないほどの人だ。
拒絶されない限り、絶対に一生大切にするべき友達だ。間違いない。
「そうだな。シルクが居ない人生なんて考えられない。俺の生きる理由なんだ」
「ミナ達も、ですよね。そんなあなただからこそ、友達になって良かった」
俺と同じように、シルクもミナ達を大切にしてくれていることが分かる。
紡いできた時間がある限り、これからだって絆が欠けることはない。俺達は最高の関係なんだからな。
帝国との戦争だって、これからあるかもしれない女神アルフィラとの出会いだって、みんなとなら乗り越えられるはずだ。
「ああ。俺はお前達を絶対に裏切らない。女神アルフィラに誓っても良い。俺自身にでも。何にでも誓えるよ」
「なら、ディヴァリアさんに誓ってください。そうすれば、私は信じます」
「ああ。ディヴァリアに誓うよ。俺の大切な幼馴染にな」
「ふふっ。裏切ったら、私もディヴァリアさんも、他の人達もあなたを許さない。私達から逃げることなんて、絶対にさせない。覚悟していてくださいね」
シャーナさんの見せてくれた映像があってから、映っていたみんなに会いたくなっていた。
やはり、現実ではなくても死ぬ姿を見るのはつらい。
俺にとって大切な友達たちが犠牲になる未来は、絶対に避ける。その思いを強めていた。
こうしてシルクと穏やかに過ごせる時間は、これからも大切にしないとな。
「そういえば、シルクは大司教になるうえでなにか心配事はないのか?」
「問題ありません。私はリオン君の方が心配です。結局、孤児院が襲われた時にも無茶をしていましたからね」
あの時は確かに命をかけていた。だが、そのおかげで子ども達は無事で居られたし、俺もいま生きている。
死なないように気をつけるつもりはあるが、戦いから逃げ出すつもりはない。
なにせ、俺が逃げ出したら代わりに誰かが犠牲になる状況ばかりだから。
どう考えても、みんなの居ない未来になんて意味はない。だからこそ、絶望の未来を避けたいんだ。
世界ごと、みんなの命が失われるなんて許せない。その思いだけを胸に頑張りたい。
「シルクには何度も命を助けられているよな。足を向けて寝られないよ」
「感謝はありがたいですが、それよりも何よりも、リオン君には生きていてほしい。何度も言っていますが、理解してください」
「分かっている。俺だって、シルクには絶対に生きていてほしい。同じ気持ちなんだよな」
「同意します。あなたは私の大切な人。絶対に失いたくない相手。ずっと一緒に居たいんです」
「俺も同じだ。シルクとずっと一緒がいい。そのために、もっと強くなるし、みんなの力も借りるんだ」
世界の崩壊なんて、俺1人の手に負える問題じゃない。みんなの力がなくては、きっと解決できない。
悔しいが、当たり前の事実だ。シルクを戦いに巻き込んででも、乗り越えるべき課題なんだ。
「肯定します。あなたの力になりたい人は、たくさんいます。私自身も同じ。ですから、ね?」
シルクは黒い瞳を揺らしながら首を傾げている。青い髪やきれいな姿勢も相まって、強く同意したいような気分にさせてくる。
なんというか、媚びではないが、言うことを聞きたくなる魅力があるというか。
シルクに対する信頼が今の感情を生み出していることは言うまでもない。他にも、いつもはしっかりしたシルクの、珍しい弱々しさのようなものに惹きつけられる。
やっぱり美人だよな。いつもは意識していない気がする。だけど、今みたいな機会にどうしても気になってしまう。
シルクが自分の顔を理解して計算しているとは思いたくないが、効果的だよな。
「ああ。何が何でも生き延びるつもりだ。俺は大切な人のために、絶対に生きるんだからな」
絶望の未来でみんなが死ぬ。許せることではないからな。
俺の命なんてみんなと比べたら軽いものだが、世界の運命がかかっているんだ。
正直に言えば、大多数の他人なんてどうでもいい。会ったこともない人になんて興味ない。
前世でだって、どこぞの国でまともな生活を送れない人になんて、同情すらしていなかったのだから。
「絶対にですよ。リオン君の命は、あなた1人のものではない。私達のものでもある。それを心に刻んでください」
みんなのものか。悪くない気分だな。みんなに所有物として扱われるのだとしても、嫌悪感はない。
まあ、実際のところは仲間や友達という感情なのだろうが。ある意味では、体の一部のような感じというか。
俺だって、シルク達の命は個人のものだと考えていない気がするからな。俺の人生の延長線上にある感覚というか。
だから、シルクの気持ちはよく分かる。俺が死んだりしたら、自分の一部が失われたような感覚になるのだろうな。
そんな思いをシルクにさせないためにも、生きるべきではあるんだ。義務感だけではなく、大切な人の笑顔のために。
俺自身が見たいものは、みんなが幸せそうにしている姿なのだから。
「分かった。お前達のものなら、勝手に捨てられないよな」
「肯定します。あなたの命は、私達のもの。捨てる人を許しはしません。奪う人だって」
「奪う相手には、どうするんだ?」
「確信しています。どんな手を使ってでも排除すると」
「アンガーオブドゥームの結界で切り裂くのか?」
「回復魔法を利用して、癒えない傷を刻むことだってできます」
俺が知っている原作でのシルクの技だ。過剰に回復してダメージを与えるもの。
回復魔法の力だからこそ、同じ力で治すことができない。恐ろしい技だ。
今のシルクにも使うことができるんだな。だが、できれば使わせたくない。
シルクは人を癒やせる優しい人だから、その心を汚したくないんだ。
勝手な思いなのかもしれないが、どうしても消せない感情だから。
「過剰に回復して、もう二度と治せなくするんだよな」
「驚愕です。知っていましたか。ふふっ、私の力を知っていても、癒やしの力を信用される。いい気分です」
シルクを信じるなんてこと、当然過ぎて気にしたこともなかったな。
俺を傷つけようとするなんて、絶対に有り得ない。もしあるとするならば、それこそ洗脳くらいのものだろうさ。
シルクがどれだけ優しい人か。俺を気づかってくれているか。これまでどれだけ俺を癒やしてくれたことか。
その事実がある限り、疑うなんて人でなしの行動でしかないんだからな。
「当たり前のことだ。シルクを疑うなんてこと、あるわけがない」
「信頼しています。あなたが心から私を信じていることは。だからこそ、あなたのそばが心地良い」
シルクが俺のそばを心地良いと言ってくれること。俺にとってとても嬉しい言葉だ。
大切な友達の居場所になれている事実以上に嬉しいことなど、そうあるものではないよな。
俺を大切に感じてくれていること、信じてくれていること。何もかもが伝わってくる。
やはり、シルクを救うことができて良かった。エギルを生贄に捧げただけの価値はある。
シルクとエギルを選べと言われたら、何度でもシルクを選ぼう。そう思える人なんだ。
「ありがたいな。俺も、お前のそばが心地良いよ。心が落ち着くんだ」
「嬉しいです。本当に、心から。あなたの人生の一部である事実が伝わってくるようで」
当たり前のことだ。シルクがいるから、俺はいま生きている。
そうでなくとも、俺に何度も幸せを運んでくれた相手なんだからな。
何があったとしても、いなくなるなんて考えられないほどの人だ。
拒絶されない限り、絶対に一生大切にするべき友達だ。間違いない。
「そうだな。シルクが居ない人生なんて考えられない。俺の生きる理由なんだ」
「ミナ達も、ですよね。そんなあなただからこそ、友達になって良かった」
俺と同じように、シルクもミナ達を大切にしてくれていることが分かる。
紡いできた時間がある限り、これからだって絆が欠けることはない。俺達は最高の関係なんだからな。
帝国との戦争だって、これからあるかもしれない女神アルフィラとの出会いだって、みんなとなら乗り越えられるはずだ。
「ああ。俺はお前達を絶対に裏切らない。女神アルフィラに誓っても良い。俺自身にでも。何にでも誓えるよ」
「なら、ディヴァリアさんに誓ってください。そうすれば、私は信じます」
「ああ。ディヴァリアに誓うよ。俺の大切な幼馴染にな」
「ふふっ。裏切ったら、私もディヴァリアさんも、他の人達もあなたを許さない。私達から逃げることなんて、絶対にさせない。覚悟していてくださいね」
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