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第4章 婚約の行方
48.戸惑い
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周りいた人達が声にもならない声で息を飲んだ。マグノリア伯母様の言うことが本当であれば、あり得ないことだった。
「そんな、伯母様、そんなことはあり得ません。…私は昔に力を失ったのですから」
「ええ、そのはずだったのだけれど…どうやら貴方はまた聖魔法を発動させたようね」
「私が?」
伯母様の目は冗談を言っているわけではなく、真剣な面持ちだった。
ー確かにあの懐かしい感覚は私が知っているものだった
「伯母様は何故私が聖魔法をまた使えるようになったのかご存知なのですか?」
私の問いに伯母様は暫く考え込むとふっと笑って私を見た。
「長く研究をしてきましたが、こればっかりは分かりませんね。」
「え」
私は面を食らったように伯母様を見つめた。すると伯母様は私の傍に近づき、私の手をしっかりと握った。
「色々なことが起こっていますが、その前に貴方にお話ししたいことがあります。…長い話になります」
そう言うと伯母様は部屋の中にいたクロード様に声をかけ部屋の外を見張って欲しいと告げると、部屋には私と公爵様、マグノリア伯母様、カインが残っていた。
「リヒト様も目覚めたばかりですが、この話を知っているものとしてアリスの傍にいて欲しいのです。頼めますか?」
「マグノリアの頼みは昔から断れたことがないだろう」
公爵様はマグノリア伯母様を見ると観念したように笑っていた。それからというもの、私は伯母様から何故伯母様が亡くなったことになっているのか、アリアとアンリゼット侯爵家のこと、そしてティズ族の闇魔法のことも全て話された。
まるで信じられないような話だが、話の辻褄が合う思い出もあり、私はこの話を信じるほかなかった。
「…マグノリア伯母様」
私は色んな思いが錯綜してただ伯母様の名前を呼ぶことしか出来なかった。
「アリス、一度に背負わなくていいのですよ。」
「ええ」
伯母様は優しく私の手を握ってくれているが、私の頭の中は混乱をしていた。今まで辛い思いはしたが日常的で当たり前のことが実は違ったと言われるとこんなにも動揺してしまうものだと実感した。
「伯母様、カイン…それから公爵様、申し訳ないのですが一人で考える時間を与えて頂けないでしょうか?」
私はそう口にするのが精一杯でそれからのことはあまり覚えていなかった。クロード様に連れられ自室へと戻ると、エマは私の顔色を見てすぐに休む準備をしてくれた。エマにも心配を長い間かけていたというのに、何も聞かないで世話をしてくれることに改めて感謝した。
「お休みなさいませ。お嬢様」
エマがそう告げ、部屋の灯りを消して部屋を出ると私は寝台の近くにあったろうそくに火を灯した。
ー考えることが多くて眠ることができない
そう思っていた時のことだった。私の部屋の窓に蒼い鳥が舞い降りた。
「そんな、伯母様、そんなことはあり得ません。…私は昔に力を失ったのですから」
「ええ、そのはずだったのだけれど…どうやら貴方はまた聖魔法を発動させたようね」
「私が?」
伯母様の目は冗談を言っているわけではなく、真剣な面持ちだった。
ー確かにあの懐かしい感覚は私が知っているものだった
「伯母様は何故私が聖魔法をまた使えるようになったのかご存知なのですか?」
私の問いに伯母様は暫く考え込むとふっと笑って私を見た。
「長く研究をしてきましたが、こればっかりは分かりませんね。」
「え」
私は面を食らったように伯母様を見つめた。すると伯母様は私の傍に近づき、私の手をしっかりと握った。
「色々なことが起こっていますが、その前に貴方にお話ししたいことがあります。…長い話になります」
そう言うと伯母様は部屋の中にいたクロード様に声をかけ部屋の外を見張って欲しいと告げると、部屋には私と公爵様、マグノリア伯母様、カインが残っていた。
「リヒト様も目覚めたばかりですが、この話を知っているものとしてアリスの傍にいて欲しいのです。頼めますか?」
「マグノリアの頼みは昔から断れたことがないだろう」
公爵様はマグノリア伯母様を見ると観念したように笑っていた。それからというもの、私は伯母様から何故伯母様が亡くなったことになっているのか、アリアとアンリゼット侯爵家のこと、そしてティズ族の闇魔法のことも全て話された。
まるで信じられないような話だが、話の辻褄が合う思い出もあり、私はこの話を信じるほかなかった。
「…マグノリア伯母様」
私は色んな思いが錯綜してただ伯母様の名前を呼ぶことしか出来なかった。
「アリス、一度に背負わなくていいのですよ。」
「ええ」
伯母様は優しく私の手を握ってくれているが、私の頭の中は混乱をしていた。今まで辛い思いはしたが日常的で当たり前のことが実は違ったと言われるとこんなにも動揺してしまうものだと実感した。
「伯母様、カイン…それから公爵様、申し訳ないのですが一人で考える時間を与えて頂けないでしょうか?」
私はそう口にするのが精一杯でそれからのことはあまり覚えていなかった。クロード様に連れられ自室へと戻ると、エマは私の顔色を見てすぐに休む準備をしてくれた。エマにも心配を長い間かけていたというのに、何も聞かないで世話をしてくれることに改めて感謝した。
「お休みなさいませ。お嬢様」
エマがそう告げ、部屋の灯りを消して部屋を出ると私は寝台の近くにあったろうそくに火を灯した。
ー考えることが多くて眠ることができない
そう思っていた時のことだった。私の部屋の窓に蒼い鳥が舞い降りた。
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