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第4章 婚約の行方
43.アリアとクロードの話合い 前編
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クロード・メイナードが王都に呼ばれてから早1日が過ぎていた。恐らくメイナード家に手紙が届いたことを知らせる魔鳥がやってくるだろう。そんなことを考えながら部屋の窓辺を見ると鳥がやってきた。家門の色である緑の魔鳥は私を見つけると姿を手紙へと変えた。
ーこれは、どうしたものか。
まさかアリアが一人の侍女の為にここまでするとは想定外だった。クロリに肩入れする割には従順な侍女であるサナ・エバンズを陥れたのは記憶に新しい。
ーとにかく、クロードは王都へ行くふりをしなくてはならないか
そう思い、私は綿密に計画を練ることにした。
ーーー
「え?今日から暇を取るですって?」
「ええ。今日から3日ほど暇を取り、王都のことを見て回りたいのです。私はもうすぐに別の誰かに嫁ぐ身ですから…」
「クロリ」
アリアは同情するような目をこちらに向けるとすぐに「分かったわ、楽しんできなさい」と口にした。私はアリアの部屋を後にしようとすると彼女に呼び止められた。
「クロリ」
今度は何かとアリアのほうを振り返るとアリアは私の耳元で囁いた。
ー必ず助けてあげる
そう言った彼女は何か不気味な笑みを浮かべていた。
ーーー
クロード・メイナードが王都に呼ばれ早2日ほどが経っていた。暇を取ると言った昨日から全ての荷物を整え王宮を出た。向かわせていたメイナード家の馬車と合流し身なりを整えていた。我ながら着替えたり、性別を変えたりと忙しいなと感じた。そんなことを思っていたのも束の間、今、私はアリア・アンリゼットと相まみえようとしていた。
「ああ、クロード・メイナードね。入りなさい」
中から高圧的な声が聞こえると部屋の中へと通された。彼女はお気に入りのソファの上に座りながら優雅にお茶を飲んでいた。
「この度は…」
「ああ、いいの。堅苦しい挨拶は。貴女には一言伝えてノースジブルに帰ってもらう予定だし」
アリアはそう言うと私の挨拶を遮って自分の話を続けた。
「あなた、クロリに縁談のために帰ってこいと手紙を送ったそうだけど、その件は諦めてくれないかしら?」
「はあ、そう言いましても。クロリも今回の縁談に反対はしておりませんし…」
先ほどから私を向かいのソファに座らせようとするわけでもなく、私は部屋の前で立ち尽くしたままだった。それに先ほどからこちらの顔を見ようとしないせいなのか、同一人物ということは全く勘づかれていない。
「私はクロリ・メイナードが気に入ったの。他の侍女にはないものを持っているしね。…だけど縁談などで取られてしまったら腹が立つし、それに今回は別にクロリが好いた殿方との縁談でもないのでしょう?」
アリアはそう言うと侍女を呼び寄せ何か持ってくるように言った。暫くして侍女が持ってきたものは大量の金貨だった。
「これであの子を私に下さらない?…聞けばメイナード家は家族が多くて常に金には困っているのでしょう?願ってもない申し出ではなくて?」
アリアはメイナード家を馬鹿にしたような口を叩き、私の前に不気味な笑みと共に金を差し出した。私は少し彼女を見てから直ぐに言葉を発した。
「まずはクロリのことをそれほどまでに評価して頂きありがとうございます。ですがこの話は当主代行のクロード・メイナードからはっきりとお断りを致します。」
「…え?あなた正気?なぜ!」
アリアは持っていたティーカップを机の上に勢いよく置いたのだった。
ーこれは、どうしたものか。
まさかアリアが一人の侍女の為にここまでするとは想定外だった。クロリに肩入れする割には従順な侍女であるサナ・エバンズを陥れたのは記憶に新しい。
ーとにかく、クロードは王都へ行くふりをしなくてはならないか
そう思い、私は綿密に計画を練ることにした。
ーーー
「え?今日から暇を取るですって?」
「ええ。今日から3日ほど暇を取り、王都のことを見て回りたいのです。私はもうすぐに別の誰かに嫁ぐ身ですから…」
「クロリ」
アリアは同情するような目をこちらに向けるとすぐに「分かったわ、楽しんできなさい」と口にした。私はアリアの部屋を後にしようとすると彼女に呼び止められた。
「クロリ」
今度は何かとアリアのほうを振り返るとアリアは私の耳元で囁いた。
ー必ず助けてあげる
そう言った彼女は何か不気味な笑みを浮かべていた。
ーーー
クロード・メイナードが王都に呼ばれ早2日ほどが経っていた。暇を取ると言った昨日から全ての荷物を整え王宮を出た。向かわせていたメイナード家の馬車と合流し身なりを整えていた。我ながら着替えたり、性別を変えたりと忙しいなと感じた。そんなことを思っていたのも束の間、今、私はアリア・アンリゼットと相まみえようとしていた。
「ああ、クロード・メイナードね。入りなさい」
中から高圧的な声が聞こえると部屋の中へと通された。彼女はお気に入りのソファの上に座りながら優雅にお茶を飲んでいた。
「この度は…」
「ああ、いいの。堅苦しい挨拶は。貴女には一言伝えてノースジブルに帰ってもらう予定だし」
アリアはそう言うと私の挨拶を遮って自分の話を続けた。
「あなた、クロリに縁談のために帰ってこいと手紙を送ったそうだけど、その件は諦めてくれないかしら?」
「はあ、そう言いましても。クロリも今回の縁談に反対はしておりませんし…」
先ほどから私を向かいのソファに座らせようとするわけでもなく、私は部屋の前で立ち尽くしたままだった。それに先ほどからこちらの顔を見ようとしないせいなのか、同一人物ということは全く勘づかれていない。
「私はクロリ・メイナードが気に入ったの。他の侍女にはないものを持っているしね。…だけど縁談などで取られてしまったら腹が立つし、それに今回は別にクロリが好いた殿方との縁談でもないのでしょう?」
アリアはそう言うと侍女を呼び寄せ何か持ってくるように言った。暫くして侍女が持ってきたものは大量の金貨だった。
「これであの子を私に下さらない?…聞けばメイナード家は家族が多くて常に金には困っているのでしょう?願ってもない申し出ではなくて?」
アリアはメイナード家を馬鹿にしたような口を叩き、私の前に不気味な笑みと共に金を差し出した。私は少し彼女を見てから直ぐに言葉を発した。
「まずはクロリのことをそれほどまでに評価して頂きありがとうございます。ですがこの話は当主代行のクロード・メイナードからはっきりとお断りを致します。」
「…え?あなた正気?なぜ!」
アリアは持っていたティーカップを机の上に勢いよく置いたのだった。
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