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第13話
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ルチカからのお願い。
それは『自分と一緒に冒険者ギルドに行って、冒険者になってほしい』というものだった。
「そんな程度なら、あんな風にお願いされなくてもいくらでも協力するのに」
「いやぁ、だってね。身分証の為だけだとしても、冒険者ってそこそこ危険なお仕事だから。……それに、もしかしたら面倒ごとに巻き込んじゃうかもしれなくって」
照れたように笑いながら呟かれたルチカの言葉にふくまれていた聞き捨てならない単語に、俺は思わず顔をしかめてしまう。
「面倒ごと? もしかして、なにか良からぬことを企んでいるんじゃないだろうな?」
「いやいや、そんな訳ないじゃん。面倒ごとって言うのは、言葉の綾みたいなものだよ。この時間ならたぶんなにも起こらないだろうけど、万が一巻き込まれちゃったらごめんねってだけ」
慌てて否定するルチカだったが、彼女のその言葉に俺は嫌な予感をビンビンと感じていた。
だいたいこういった場合、そんなことを言っていると巻き込まれるものなのだ。
今からでも断ってしまおうかと考えている間にも状況は進んでいき、そして俺たちの目の前には周りよりも少しだけ立派な建物が見えてきた。
「ほら、着いたよ。ここがこの街の冒険者ギルド」
「へぇ、思ってたよりも綺麗な建物なんだな。冒険者の集まりっていうくらいだから、もっと粗野な物を想像してたよ」
「あはは、確かに冒険者ギルドの中にはそんな場所もあるけど、この街はそうでもないよ。出入りしてる冒険者も、基本的には気の良い人ばかりだから。……中には、ちょっと注意しないといけない人も居るけど」
最後に不穏なことを付け加えたルチカは、そのまま慣れた様子でギルドの中へと入っていく。
「あっ、ちょっと待ってくれよ」
慌てて彼女の背中を追うようにギルドの中へと入ると、そこにはまさに異世界といった光景が広がっていた。
そこかしこで武器を持った人たちが酒を酌み交わし、鎧を着込んだ人たちが掲示板に貼られた張り紙と睨めっこをしている。
中にはこれでもかと肌を露出した衣装を身にまとった女性も居て、まるでコスプレ会場に迷い込んでしまったような気持ちになってしまう。
そんな風にキョロキョロと辺りを見渡していると、そんな俺を見かねたルチカが傍まで戻って来てくれる。
「ほら、あんまりキョロキョロしないの。田舎者だと思われて馬鹿にされちゃうよ」
そんな風に軽く注意してくる彼女に手を引かれるようにして、俺はカウンターまで連れていかれる。
するとそこでは、ひとりの女性が俺たちに向かって笑顔を浮かべて迎えてくれた。
それは『自分と一緒に冒険者ギルドに行って、冒険者になってほしい』というものだった。
「そんな程度なら、あんな風にお願いされなくてもいくらでも協力するのに」
「いやぁ、だってね。身分証の為だけだとしても、冒険者ってそこそこ危険なお仕事だから。……それに、もしかしたら面倒ごとに巻き込んじゃうかもしれなくって」
照れたように笑いながら呟かれたルチカの言葉にふくまれていた聞き捨てならない単語に、俺は思わず顔をしかめてしまう。
「面倒ごと? もしかして、なにか良からぬことを企んでいるんじゃないだろうな?」
「いやいや、そんな訳ないじゃん。面倒ごとって言うのは、言葉の綾みたいなものだよ。この時間ならたぶんなにも起こらないだろうけど、万が一巻き込まれちゃったらごめんねってだけ」
慌てて否定するルチカだったが、彼女のその言葉に俺は嫌な予感をビンビンと感じていた。
だいたいこういった場合、そんなことを言っていると巻き込まれるものなのだ。
今からでも断ってしまおうかと考えている間にも状況は進んでいき、そして俺たちの目の前には周りよりも少しだけ立派な建物が見えてきた。
「ほら、着いたよ。ここがこの街の冒険者ギルド」
「へぇ、思ってたよりも綺麗な建物なんだな。冒険者の集まりっていうくらいだから、もっと粗野な物を想像してたよ」
「あはは、確かに冒険者ギルドの中にはそんな場所もあるけど、この街はそうでもないよ。出入りしてる冒険者も、基本的には気の良い人ばかりだから。……中には、ちょっと注意しないといけない人も居るけど」
最後に不穏なことを付け加えたルチカは、そのまま慣れた様子でギルドの中へと入っていく。
「あっ、ちょっと待ってくれよ」
慌てて彼女の背中を追うようにギルドの中へと入ると、そこにはまさに異世界といった光景が広がっていた。
そこかしこで武器を持った人たちが酒を酌み交わし、鎧を着込んだ人たちが掲示板に貼られた張り紙と睨めっこをしている。
中にはこれでもかと肌を露出した衣装を身にまとった女性も居て、まるでコスプレ会場に迷い込んでしまったような気持ちになってしまう。
そんな風にキョロキョロと辺りを見渡していると、そんな俺を見かねたルチカが傍まで戻って来てくれる。
「ほら、あんまりキョロキョロしないの。田舎者だと思われて馬鹿にされちゃうよ」
そんな風に軽く注意してくる彼女に手を引かれるようにして、俺はカウンターまで連れていかれる。
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