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第百三話
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「んっ…、くすぐったいよ」
優希の頬を流れる涙をそっと拭うと、彼女はそう呟いてに身を捩った。
そんな彼女を優しく抱きしめると、一瞬だけ強張った身体はすぐにダランと力が抜けて俺に全身を預けてくれる。
そんな優希の顔を覗き込むと、不安そうな瞳と目が合った。
「兄ちゃん……、その……」
「大丈夫。優しくするから、俺に全部任せて」
「……うん」
俺の言葉に安心したのか、俺を見つめる瞳をそっと閉じた優希はほんの少しだけ唇を突き出した。
そのまま俺を待つ彼女がとてもいじらしく思え、その期待に応えるように俺はそっと優希の唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…、ちゅっ……」
突然触れた唇に一度ビクッと震えた優希だったけど、すぐに舌を俺の口の中へと侵入させてくる。
どうやらさっきの杏里ちゃんとのキスの見よう見まねらしく、初々しい舌の動きはお世辞にも上手いとは言えない。
だけど必死に俺を求めてきているのが分かるその動きは、さっき射精したばかりの俺の愚息を奮い立たせるには十分すぎる光景だった。
勃起をしたちんぽは座る俺にもたれ掛かるようにして抱き着いている優希のお腹に押し当てる形になって、それに気付いた彼女は俺を見てにんまりと笑う。
「兄ちゃん、おっきくなってる」
「……それは、優希が可愛いからだよ」
「んなっ!?」
カウンター気味に発した俺の言葉で、優希の顔は見る見るうちに真っ赤になっていく。
「は、恥ずかしいよぉ……」
そして小さく呟かれた言葉に、俺は苦笑いを浮かべた。
「優希、可愛いよ」
「んにゃあっ!?」
からかうように耳元で囁くと、奇声を上げながら暴れる優希。
その身体を抱きしめて押さえながら、俺は何度も耳元で「可愛い」と囁き続けた。
そうすると、やがてジタバタと暴れていた手足から力が抜けていき、へにゃっと全身を脱力させて優希は俺にしなだれかかってくる。
「ありゃ? どうしたの?」
「うぅ……、兄ちゃんがイジメる」
「イジメたつもりはないんだけどなぁ」
だけど、このままじゃ優希がまた泣いてしまうかもしれない。
仕方なく彼女を解放すると、今度は優希の方から俺に抱き着いて耳元に顔を寄せてくる。
「兄ちゃん、大好き……」
そうして吐息と共に囁かれた言葉が耳に当たると、なんとも言えないゾクゾクとした快感が背筋を走る。
「……これは、ヤバいね」
「へへっ、でしょっ。にーぃちゃんっ! だ・い・す・きっ!」
仕返しとばかりに耳元で囁き続ける優希に、俺は抵抗することもできずされるがままになるしかない。
そうしてしばらく奇妙な快感に耐えていると、満足した様子の優希は俺を抱きしめていた腕の力を緩めた。
その優希を引き離すと、俺たちは向かい合うように布団に座る。
「兄ちゃん……」
俺を見つめて呟く優希に、俺たちはもう一度だけそっと口付けを交わした。
優希の頬を流れる涙をそっと拭うと、彼女はそう呟いてに身を捩った。
そんな彼女を優しく抱きしめると、一瞬だけ強張った身体はすぐにダランと力が抜けて俺に全身を預けてくれる。
そんな優希の顔を覗き込むと、不安そうな瞳と目が合った。
「兄ちゃん……、その……」
「大丈夫。優しくするから、俺に全部任せて」
「……うん」
俺の言葉に安心したのか、俺を見つめる瞳をそっと閉じた優希はほんの少しだけ唇を突き出した。
そのまま俺を待つ彼女がとてもいじらしく思え、その期待に応えるように俺はそっと優希の唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…、ちゅっ……」
突然触れた唇に一度ビクッと震えた優希だったけど、すぐに舌を俺の口の中へと侵入させてくる。
どうやらさっきの杏里ちゃんとのキスの見よう見まねらしく、初々しい舌の動きはお世辞にも上手いとは言えない。
だけど必死に俺を求めてきているのが分かるその動きは、さっき射精したばかりの俺の愚息を奮い立たせるには十分すぎる光景だった。
勃起をしたちんぽは座る俺にもたれ掛かるようにして抱き着いている優希のお腹に押し当てる形になって、それに気付いた彼女は俺を見てにんまりと笑う。
「兄ちゃん、おっきくなってる」
「……それは、優希が可愛いからだよ」
「んなっ!?」
カウンター気味に発した俺の言葉で、優希の顔は見る見るうちに真っ赤になっていく。
「は、恥ずかしいよぉ……」
そして小さく呟かれた言葉に、俺は苦笑いを浮かべた。
「優希、可愛いよ」
「んにゃあっ!?」
からかうように耳元で囁くと、奇声を上げながら暴れる優希。
その身体を抱きしめて押さえながら、俺は何度も耳元で「可愛い」と囁き続けた。
そうすると、やがてジタバタと暴れていた手足から力が抜けていき、へにゃっと全身を脱力させて優希は俺にしなだれかかってくる。
「ありゃ? どうしたの?」
「うぅ……、兄ちゃんがイジメる」
「イジメたつもりはないんだけどなぁ」
だけど、このままじゃ優希がまた泣いてしまうかもしれない。
仕方なく彼女を解放すると、今度は優希の方から俺に抱き着いて耳元に顔を寄せてくる。
「兄ちゃん、大好き……」
そうして吐息と共に囁かれた言葉が耳に当たると、なんとも言えないゾクゾクとした快感が背筋を走る。
「……これは、ヤバいね」
「へへっ、でしょっ。にーぃちゃんっ! だ・い・す・きっ!」
仕返しとばかりに耳元で囁き続ける優希に、俺は抵抗することもできずされるがままになるしかない。
そうしてしばらく奇妙な快感に耐えていると、満足した様子の優希は俺を抱きしめていた腕の力を緩めた。
その優希を引き離すと、俺たちは向かい合うように布団に座る。
「兄ちゃん……」
俺を見つめて呟く優希に、俺たちはもう一度だけそっと口付けを交わした。
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