上 下
104 / 125

第九十七話

しおりを挟む
「杏里ちゃん、本当に良いの?」

「はい。その、約束しちゃったし」

 俺の前で恥ずかしそうに俯いている杏里ちゃんは、そう言って小さく頷いた。

 杏里ちゃんにしてみればほとんど無理やり頷かされてしまったようなものだから無視しても良いだろうけど、真面目な性格が災いしてそれもできないのだろう。

 恥ずかしそうに俺と優希を交互に見つめる杏里ちゃんとは対象に、優希は興味津々といった様子で俺たちを見ている。

「ねぇ、ねぇ。早くセックスして見せてよ!」

「落ち着けって。杏里ちゃんだって恥ずかしいんだから」

「はーい。ごめんね、杏里ちゃん」

「だっ、大丈夫、だよ……」



 優希の謝罪に戸惑いながらも微笑んだ杏里ちゃんは、そのまま俺を見上げてくる。

 どうやら、どうすれば良いか分からないらしい。

「じゃあ、服を脱いでくれるかな?」

「はいっ……」

 今日の杏里ちゃんの服装は脱ぎやすそうなワンピースで、それを一気に捲り上げると薄い黄色のショーツが顔を覗かせた。

 相変わらずブラジャーはしていないが、どうやらパンツは履いていたらしい。

「えっと、そんなに見られると、恥ずかしいな……」

 パンツ一枚の姿になってしまった杏里ちゃんは胸を隠しながら抗議すると、優希は「えへへ」と誤魔化すように笑う。

「ごめんね。おっぱい大きかったから、つい見ちゃった」

「ふえっ!?」

 優希の言葉に固まってしまった杏里ちゃんの顔は、見る見るうちに真っ赤になってしまう。

 それでも無意識なのかもじもじと太ももを動かしているのは、露出狂ゆえの哀しい性なのかもしれない。

 まぁ、そんなことはどうでも良いか。



 杏里ちゃんが動かない今がチャンスと俺も服を脱ぐと、全裸で杏里ちゃんを抱きしめる。

「ひゃあッ!? ……もう、お兄さんってば」

 驚いた杏里ちゃんが大きな声を上げるけど、すぐに抱きしめられたことが分かったようで俺に身を任せてくる。

 そのまま見つめ合うと、俺たちはちゅっと軽いキスを交わした。

「じゃあ、布団に行こうか」

「はい……」

 杏里ちゃんを抱っこして布団にまで運ぶと、どうやらもう彼女の目には俺しか入っていないらしく大胆に足を開いて俺を待っている。



 隣では優希が見ていると言うのにと苦笑しながらも、緊張してしまうよりもマシだと思うことにした。

 そんな杏里ちゃんのおまんこは、もう前戯の必要がないくらいに濡れてしまっている。

 本当なら今すぐぶち込んでしまいたいのだけど、今日の目的は優希に正しいセックスを教える事だ。

 小学生とセックスしている時点ですでに正しくはないが、それでも行為の順番くらいはちゃんとしよう。

 熱っぽい視線を向けながら俺と杏里ちゃんの姿を黙って見つめている優希にチラッと視線を向けながら、俺は待ち侘びるようにモジモジと身体を揺らす杏里ちゃんの元へゆっくりとにじり寄っていった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イタズラ温泉

釧路太郎
大衆娯楽
当店はキャストに対する福利厚生の一環として月に一度温泉に入りに行きます。 ルールその一 移動中に寝ている人を目的地に着いたからと言って起こしてはいけません。なぜなら、温泉も確かに疲れを取りますが、睡眠の方がはるかに回復効果が高いからなのです。 ルールその二 せっかくの温泉ですから恥ずかしがらずに楽しみましょう。タオルを湯船につけるのはマナー違反ですから気を付けるんですよ。ただし、股間を丸出しにするのは恥じらいが無さ過ぎるので隠しましょうね。 ルールその三 話しかけられたらちゃんとその人の相手をしましょう。裸の付き合いをした人はお店に来てくれるかもしれません。トークと裸で誘惑してもいいんですよ。 ルールその四 喧嘩はせずに最後まで楽しく過ごしましょう。どんな理由でも喧嘩両成敗ですからね。不服がある時はこっそりマネージャーか店長に相談しましょう。 以上のルールを守って楽しく温泉を楽しみましょうね。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」に投稿しております

ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?

望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。 ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。 転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを―― そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。 その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。 ――そして、セイフィーラは見てしまった。 目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を―― ※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。 ※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)

二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです

矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。 それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。 本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。 しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。 『シャロンと申します、お姉様』 彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。 家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。 自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。 『……今更見つかるなんて……』 ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。  これ以上、傷つくのは嫌だから……。 けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。 ――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。 ◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _) ※感想欄のネタバレ配慮はありません。 ※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m

💚マインドコントロールされたハーレムとの毎日の生活 ✅

XD
恋愛
❎第1巻 第1章 前編 私が催眠術の最高の力を手に入れ、地上に淫らな快楽の楽園を築き、私を大いに傷つけ、しかし今では多くの喜びを与えてくれるようになるずっと前❣、私の最後の大きな獲物であるヴィクトリアを手に入れる旅がどのようなものであったかを私は覚えている......彼女の前には、私の肉棒を味わった他の多くの質の高い女性たちがいた......❣。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

箱入り悪役令息は兄達から激重執着されている事に気づいていません!

なつさ
BL
『悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように』の続編シリーズ 今回は前作エヴァの息子達が主人公に! エヴァの息子として生まれたユキは、兄達に蝶よ花よと持て囃されたせいで正真正銘わがまま悪役令息に。 しかし、世間知らずなせいでド天然なユキは、ユキに恋情を抱くヤンデレ兄達から激重執着を抱かれてることに気づかず・・・ 「僕は完璧だから皆から崇め称えられて当然なんだ!ん?どうしたの兄さん。えっどうしてそんなとこ触るの?んっ・・・僕が可愛いから?あっ…♡ん…そっかぁ・・・それなら仕方ないのかぁ・・・」

もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ

中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。 ※ 作品 「男装バレてイケメンに~」 「灼熱の砂丘」 「イケメンはずんどうぽっちゃり…」 こちらの作品を先にお読みください。 各、作品のファン様へ。 こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。 故に、本作品のイメージが崩れた!とか。 あのキャラにこんなことさせないで!とか。 その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)

【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥ 財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。 ”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。 財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。 財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!! 青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!! 関連物語 『お嬢様は“いけないコト”がしたい』 『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中 『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位 『好き好き大好きの嘘』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位 『約束したでしょ?忘れちゃった?』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位 ※表紙イラスト Bu-cha作

処理中です...