上 下
97 / 125

第九十話

しおりを挟む
 あれよあれよと言う間にイスに座らされた俺は、背後でスポンジを泡立てる優希の気配を感じながら頭を悩ませる。

 さて、どうしたものか。

 別に背中を現れること自体に抵抗がある訳ではない。

 それどころか、女の子に背中を洗ってもらうという夢のような展開に、俺の心はとてつもなく浮足立っている。

 しかし、問題が一つ。

 考えながら視線を落とすと、そこにはすっかり元気になっている愚息の姿。

 どれだけ落ち着かせようとしても、これはもう一度抜いてしまわないとどうしようもなさそうだ。

 それどころか、さっきまで優希の座っていたイスの温もりが俺の興奮を更に引き立てている。

 よって、絶対に優希にこれを見られる訳にはいかない。



「じゃあ、洗うよっ」

「お、おう……」

 なんてことを考えていると、スポンジを泡立て終わった優希はそう言って背中に触れる。

 ふわふわと泡立ったスポンジの温かい感触に思わずほっこりとした気持ちになってきて、なんだか今までいやらしいことを考えていた心まで洗われていくようだった。

 そして、それに比例するように俺の愚息も落ち着きを取り戻していった。

「ふぅ、気持ち良いなぁ……」

「ほんとっ? やったね」

 俺の呟きを耳聡く聞いた優希は嬉しそうに笑うと、更に俺の背中を洗う手に力を込めていく。

 ゴシゴシ、と耳元で優希が小さく呟く声を聞きながら和んでいると、その手がゆっくりと胸に回ってくる。

「よし、じゃあ次は前を洗うね」

「いや、ちょっと待って……」

 俺の制止も聞かずに、優希はスポンジで俺の胸をゴシゴシと擦る。

「待てって。前は自分で洗うから」

「駄目だよ。ボクは洗ってもらったのに、それじゃ不公平だ」

 動きを止めるように腕を掴もうとしても、するりと逃げられてしまう。



 そうしている間にもスポンジはだんだんお腹の方へと降りていき、それに合わせるように優希の素肌が俺の背中に触れる。

「あはっ、また泡だらけになっちゃった」

 そう言って楽しそうに優希が身動ぎすると、その柔らかい感触で治まっていたはずの愚息がまたムクムクと元気を取り戻していく。

 そしてついに、優希の手がスポンジ越しに俺のちんぽに触れた。

「あれ? なにこれ?」

「うおっ!?」

 予想外の感触に驚いたのか、優希はそのままスポンジを手放して泡だらけのちんぽを握る。

「優希、もうすこし優しくしてくれ……」

「え? ごめん」

 結構強く握られたからか、なんだか背筋に寒いモノが走る。

 俺の言葉に手の力は弱まったが、依然優希は俺のちんぽを握ったままだ。

「ねぇ、兄ちゃん。これってもしかして、おちんちん?」

「……そうだぞ」



 もう観念した俺は、優希の質問に素直に頷くしかない。

「へぇ、これが……」

 優希が興味深そうにギュッギュッとちんぽを刺激すると、それに合わせるように俺のちんぽも大きさを増していく。

「優希、そろそろ離して……」

「ねぇ、兄ちゃん」

 俺が制止の言葉を呟く前に、優希は俺の顔を見つめて真剣な表情を浮かべる。

「もっと、良く見せてもらってもいい?」

 そして彼女は、キラキラと輝く瞳で俺にそう言った。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

処理中です...