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第七話 アグネスの野心
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王宮にあるグロリエンの私室では、ベッドを囲む様にして三人の美女が無言で顔を突き合わせていた。
ベッドに横たわっているグロリエンは、べつに病気なわけじゃない。たんにヘルミーネのパンチで気を失っているだけだ。ちなみに彼の折れた鼻は治療済みである。
(大丈夫かしら……)とヘルミーネ。
(馬っ鹿みたぃー)とエリスティア。
(さっきの殿下は一体?)とアグネス。
三人それぞれがグロリエンに対して違う思いを巡らせている。
特にアグネスの心中は穏やかではなかった。ヘルミーネに謝罪していた時のグロリエンの様子が、明らかにいつもの王太子とは違って見えたからだ。
(まるでヘルミーネ様に嫌われたくない一心で必死に謝っている、そんなただの青年のようだった──)
あれほど余裕のない姿のグロリエンを見たのは初めてで、そんな彼の一生懸命だった態度にアグネスは言い知れない不安を覚えてしまう。
(もしかしてグロリエン殿下が心に決めた女性というのは、私ではなくヘルミーネ様のことなの?)
むろんアグネスは二人が子供の頃から親しい間柄である事を知っている。
だがそれは異性を意識した男女のものでは無いと思っていたし、社交界においてもそれが定説であった。
二人の関係は良く言えば好敵手、悪く言えば仇敵。お互い強さの頂点を競い合う者同士という認識であり、グロリエンとヘルミーネの間に恋愛感情が存在するとは誰も思っていない。
現にさっきだってヘルミーネはグロリエンの顔面を殴打したのだ。そんな事をする女性を好ましく思う男性など、常識的に考えて居るはずもないだろう。
(私の心配しすぎかしら? でも……)
アグネスの心中には拭え切れない不安と苛立ちが居座っている。
盗み見するようにしてヘルミーネに視線を向けたアグネスは、我知らず親指の爪を噛んでいた。
ところで実を言うと、グロリエンはもう気絶から目覚めていたのである。
しかし無言で自分の周りに座る美女三人の異様な圧力に臆してしまい、起きるに起きられないでいたのだ。
(えっと……この状況は何事なんだ?)
どうしたものかと困りながら寝た振りをするグロリエンは、自分の顔に鼻息がかかっている事に気がついた。どうやら誰かの顔が近づけられているらしい。
(んっ、まさか?)
その誰かがヘルミーネかもと想像してみたグロリエンは、とても幸せな気分になって僅かに頬を緩ませる。
「あやしいなぁー」
「ねえエリスン、そんなに顔を近づけて何しているの?」
「なんかぁお兄様、もう起きてるっぽい」
だが残念ながらヘルミーネではなくエリスティアであったようだ。
心の底からガッカリしたグロリエンは、もう観念して起きることにした。
「うむ、たった今目が覚めた。心配かけてすまなかったな」
「ああ良かった! よもや頭蓋骨は割れていません──」
「グロリエン殿下っ、わたくし本当に心配しましたのよ!」
目覚めたグロリエンにヘルミーネは心配の言葉伝えようとした。しかしヘルミーネの言葉を遮る様にして、アグネスが自分の言葉を被せてしまう。
しかも身体を起こしたグロリエンに大胆にも抱きつきながらだ。その行為が本気で心配した結果からなのか、それとも示威行為のためなのかは分からない。
「うわぁ、ひくわぁー」
少なくともエリスティアにはそれが示威行為に見えたようである。
方やヘルミーネはただただ衝撃を受け、目を丸くして固まっている。その様子をチラリとみたグロリエンは、もう誤解を重ねるわけにはいかないと思い定めた。
「あ、うん、アグネス。俺は大丈夫だから、ちょっと離れようか」
「無理ですわ! だって私──」
「すまないが、ヘルミーネと俺の二人だけで、少し話したい事があるんだ」
そう言って柔らかくアグネスの肩を押し戻したグロリエンは、困ったような笑顔を見せたのだった。
(どうしてそんなお顔をなさいますの? それにヘルミーネ様とのお話って!?)
思わず動揺し顔色を青くしてたアグネスは、「でも……」と弱々しく首を振る。
しかしグロリエンの態度に変化はない。アグネスの肩を押し戻す手にも力が込められたままである。
「グロリエン殿下……」
「はいはい、邪魔者は退散しょー」
グロリエンに助け船を出したのはエリスティアだった。もとより彼女はアグネスを排除する為にわざわざ茶会へとやってきたのである。この好機を見逃すわけがない。
控えていた侍女たちにも手伝わせながら、アグネスを引き摺るようにしてドアへと向かった。
「えっ、ちょっと、エリスティア殿下?」
「いいからいいからぁ、歩いて歩いてぇ」
ヘルミーネはエリスティアに引き摺られてゆくアグネスをぼんやり見ながらも、さっき言ったグロリエンの言葉を考えている。
(私と二人で話したい事って何だろう?)
それに、パンチで気絶させる前に突然謝罪してきた彼の行動も謎だった。
(ちゃんと話を聞けばよかったな……)
自分への彼の真剣な眼差しをどうして戦う意思と勘違いしてしまったのかと、ヘルミーネは今更ながらその迂闊さに後悔を覚える。だからこそ、もう一度あの謝罪の意味を聞かねばならないと思っていた。
エリスティアにはそんなヘルミーネの気持ちが丸分かりだったのかもしれない。敢えていまグロリエンと二人だけの時間を作ってくれているのも、きっとヘルミーネへの配慮なのだろう。
(ありがとうエリスン──うん、グロリエン様とちゃんと話してみるね)
ヘルミーネがエリスティアにそう感謝をし、親友の有り難みを噛みしめた時である。ドアからアグネスを押し出したエリスティアが、不意にヘルミーネへと振り返る。
そしていつになく強い視線を向けて言ったのだ。
「ねぇヘルミン、分かっているよねぇ?」
「うん、大丈夫。分かっているから!」
「分かっているならいいよぉ」
「ちゃんと話しをするね、エリスン」
「んん、話しをするぅ? 庭園の弁償代を忘れないで欲しいってことだけどぉー?」
「えっ? あっ、そっち!?」
「そっちってぇ、どっちだと思ったのぉ?」
「い、いえ、五百万。きっちり支払わせて頂きますっ!」
その返事に満足したエリスティアはニッコリと笑顔を残してドアを閉めた。
二人だけで部屋に残ったヘルミーネとグロリエンはしばし黙っていたが、やがてグロリエンが「弁償って何の事だ?」と尋ねる。
「えっと、まあ色々と。あはははは」
まさかグロリエンとアグネスにヤキモチを焼いた結果、王宮の庭園を破壊したとは答えられまい。
だからヘルミーネはとりあえず笑って誤魔化す事にしたようだ。
ところで部屋の外では追い出されたアグネスが憤慨していた。とはいえエリスティアは王女である、露骨に不満を表すわけにもいかない。
引きつった笑顔でやんわりと不満を述べるのが精一杯だ。
「エリスティア王女殿下、一体これはどういう事でしょうか?」
「どうもこうもないよぉー。お兄様がヘルミンと二人で話したいって言うからさぁ、気を利かせてあげただけぇー」
「しかしなぜ二人だけで!?」
するとエリスティアはさも興ざめしたという顔をして、「もしかしてぇ、アグネス様って鈍感系なのぉ?」と吐き捨てる。
(えっ!?)
その毒の含んだ問いかけに言葉を詰まらせたアグネスは、不吉な予感に襲われた。
しかしそれを確かめる間も無くエリスティアは、「帰ろーっと」と言って一人廊下を歩いて行ってしまう。
(……何なの? もう何なのよおーッ!)
今さら部屋に戻るわけにもいかず、かといってエリスティアを追いかける様な不敬な真似も出来ない。
このまま廊下に一人立っていても仕方がないアグネスは、この期に及び自分も帰るしかない事を覚ったのである。
◇
馬車で家路についたアグネスは、車内でイライラと親指の爪を噛んでいた。
さっきのエリスティアの態度に腹が立っていたのもあるが、この苛立ちの元凶がそれだけではない事はすでに承知している。
(もしかして……いいえ、間違いなくグロリエン殿下の心に決めた女性というのは、ヘルミーネ様の事だわ!)
ちょっと信じられない様な話であるが、もはや否定する事は出来ない。
アグネスは思い込みの強い性格ではあったが馬鹿ではない。むしろ状況変化への対処能力は優れている方である。
(でもグロリエン殿下は、ヘルミーネ様のどこをお気に召したのかしら……)
もちろんアグネスはグロリエンを諦めるつもりは毛頭なかった。彼女の性格はそんなに生易しくはないのだ。
(まあ、それならそれでやり方を変えるだけの話だわ──)
何としてでも王太子妃は自分がなるのだと、むしろ新たな野心の炎を燃やしている。
(私の加護ストーカーの力で、ヘルミーネ様の欠点を見つけ出してみせるわ。そしてグロリエン殿下に嫌われる様にと仕向けてみせましてよッ!)
そう思ったアグネスはもう親指の爪を噛んではおらず、白銀の女王らしい優雅さをその身に纏っていた。
ベッドに横たわっているグロリエンは、べつに病気なわけじゃない。たんにヘルミーネのパンチで気を失っているだけだ。ちなみに彼の折れた鼻は治療済みである。
(大丈夫かしら……)とヘルミーネ。
(馬っ鹿みたぃー)とエリスティア。
(さっきの殿下は一体?)とアグネス。
三人それぞれがグロリエンに対して違う思いを巡らせている。
特にアグネスの心中は穏やかではなかった。ヘルミーネに謝罪していた時のグロリエンの様子が、明らかにいつもの王太子とは違って見えたからだ。
(まるでヘルミーネ様に嫌われたくない一心で必死に謝っている、そんなただの青年のようだった──)
あれほど余裕のない姿のグロリエンを見たのは初めてで、そんな彼の一生懸命だった態度にアグネスは言い知れない不安を覚えてしまう。
(もしかしてグロリエン殿下が心に決めた女性というのは、私ではなくヘルミーネ様のことなの?)
むろんアグネスは二人が子供の頃から親しい間柄である事を知っている。
だがそれは異性を意識した男女のものでは無いと思っていたし、社交界においてもそれが定説であった。
二人の関係は良く言えば好敵手、悪く言えば仇敵。お互い強さの頂点を競い合う者同士という認識であり、グロリエンとヘルミーネの間に恋愛感情が存在するとは誰も思っていない。
現にさっきだってヘルミーネはグロリエンの顔面を殴打したのだ。そんな事をする女性を好ましく思う男性など、常識的に考えて居るはずもないだろう。
(私の心配しすぎかしら? でも……)
アグネスの心中には拭え切れない不安と苛立ちが居座っている。
盗み見するようにしてヘルミーネに視線を向けたアグネスは、我知らず親指の爪を噛んでいた。
ところで実を言うと、グロリエンはもう気絶から目覚めていたのである。
しかし無言で自分の周りに座る美女三人の異様な圧力に臆してしまい、起きるに起きられないでいたのだ。
(えっと……この状況は何事なんだ?)
どうしたものかと困りながら寝た振りをするグロリエンは、自分の顔に鼻息がかかっている事に気がついた。どうやら誰かの顔が近づけられているらしい。
(んっ、まさか?)
その誰かがヘルミーネかもと想像してみたグロリエンは、とても幸せな気分になって僅かに頬を緩ませる。
「あやしいなぁー」
「ねえエリスン、そんなに顔を近づけて何しているの?」
「なんかぁお兄様、もう起きてるっぽい」
だが残念ながらヘルミーネではなくエリスティアであったようだ。
心の底からガッカリしたグロリエンは、もう観念して起きることにした。
「うむ、たった今目が覚めた。心配かけてすまなかったな」
「ああ良かった! よもや頭蓋骨は割れていません──」
「グロリエン殿下っ、わたくし本当に心配しましたのよ!」
目覚めたグロリエンにヘルミーネは心配の言葉伝えようとした。しかしヘルミーネの言葉を遮る様にして、アグネスが自分の言葉を被せてしまう。
しかも身体を起こしたグロリエンに大胆にも抱きつきながらだ。その行為が本気で心配した結果からなのか、それとも示威行為のためなのかは分からない。
「うわぁ、ひくわぁー」
少なくともエリスティアにはそれが示威行為に見えたようである。
方やヘルミーネはただただ衝撃を受け、目を丸くして固まっている。その様子をチラリとみたグロリエンは、もう誤解を重ねるわけにはいかないと思い定めた。
「あ、うん、アグネス。俺は大丈夫だから、ちょっと離れようか」
「無理ですわ! だって私──」
「すまないが、ヘルミーネと俺の二人だけで、少し話したい事があるんだ」
そう言って柔らかくアグネスの肩を押し戻したグロリエンは、困ったような笑顔を見せたのだった。
(どうしてそんなお顔をなさいますの? それにヘルミーネ様とのお話って!?)
思わず動揺し顔色を青くしてたアグネスは、「でも……」と弱々しく首を振る。
しかしグロリエンの態度に変化はない。アグネスの肩を押し戻す手にも力が込められたままである。
「グロリエン殿下……」
「はいはい、邪魔者は退散しょー」
グロリエンに助け船を出したのはエリスティアだった。もとより彼女はアグネスを排除する為にわざわざ茶会へとやってきたのである。この好機を見逃すわけがない。
控えていた侍女たちにも手伝わせながら、アグネスを引き摺るようにしてドアへと向かった。
「えっ、ちょっと、エリスティア殿下?」
「いいからいいからぁ、歩いて歩いてぇ」
ヘルミーネはエリスティアに引き摺られてゆくアグネスをぼんやり見ながらも、さっき言ったグロリエンの言葉を考えている。
(私と二人で話したい事って何だろう?)
それに、パンチで気絶させる前に突然謝罪してきた彼の行動も謎だった。
(ちゃんと話を聞けばよかったな……)
自分への彼の真剣な眼差しをどうして戦う意思と勘違いしてしまったのかと、ヘルミーネは今更ながらその迂闊さに後悔を覚える。だからこそ、もう一度あの謝罪の意味を聞かねばならないと思っていた。
エリスティアにはそんなヘルミーネの気持ちが丸分かりだったのかもしれない。敢えていまグロリエンと二人だけの時間を作ってくれているのも、きっとヘルミーネへの配慮なのだろう。
(ありがとうエリスン──うん、グロリエン様とちゃんと話してみるね)
ヘルミーネがエリスティアにそう感謝をし、親友の有り難みを噛みしめた時である。ドアからアグネスを押し出したエリスティアが、不意にヘルミーネへと振り返る。
そしていつになく強い視線を向けて言ったのだ。
「ねぇヘルミン、分かっているよねぇ?」
「うん、大丈夫。分かっているから!」
「分かっているならいいよぉ」
「ちゃんと話しをするね、エリスン」
「んん、話しをするぅ? 庭園の弁償代を忘れないで欲しいってことだけどぉー?」
「えっ? あっ、そっち!?」
「そっちってぇ、どっちだと思ったのぉ?」
「い、いえ、五百万。きっちり支払わせて頂きますっ!」
その返事に満足したエリスティアはニッコリと笑顔を残してドアを閉めた。
二人だけで部屋に残ったヘルミーネとグロリエンはしばし黙っていたが、やがてグロリエンが「弁償って何の事だ?」と尋ねる。
「えっと、まあ色々と。あはははは」
まさかグロリエンとアグネスにヤキモチを焼いた結果、王宮の庭園を破壊したとは答えられまい。
だからヘルミーネはとりあえず笑って誤魔化す事にしたようだ。
ところで部屋の外では追い出されたアグネスが憤慨していた。とはいえエリスティアは王女である、露骨に不満を表すわけにもいかない。
引きつった笑顔でやんわりと不満を述べるのが精一杯だ。
「エリスティア王女殿下、一体これはどういう事でしょうか?」
「どうもこうもないよぉー。お兄様がヘルミンと二人で話したいって言うからさぁ、気を利かせてあげただけぇー」
「しかしなぜ二人だけで!?」
するとエリスティアはさも興ざめしたという顔をして、「もしかしてぇ、アグネス様って鈍感系なのぉ?」と吐き捨てる。
(えっ!?)
その毒の含んだ問いかけに言葉を詰まらせたアグネスは、不吉な予感に襲われた。
しかしそれを確かめる間も無くエリスティアは、「帰ろーっと」と言って一人廊下を歩いて行ってしまう。
(……何なの? もう何なのよおーッ!)
今さら部屋に戻るわけにもいかず、かといってエリスティアを追いかける様な不敬な真似も出来ない。
このまま廊下に一人立っていても仕方がないアグネスは、この期に及び自分も帰るしかない事を覚ったのである。
◇
馬車で家路についたアグネスは、車内でイライラと親指の爪を噛んでいた。
さっきのエリスティアの態度に腹が立っていたのもあるが、この苛立ちの元凶がそれだけではない事はすでに承知している。
(もしかして……いいえ、間違いなくグロリエン殿下の心に決めた女性というのは、ヘルミーネ様の事だわ!)
ちょっと信じられない様な話であるが、もはや否定する事は出来ない。
アグネスは思い込みの強い性格ではあったが馬鹿ではない。むしろ状況変化への対処能力は優れている方である。
(でもグロリエン殿下は、ヘルミーネ様のどこをお気に召したのかしら……)
もちろんアグネスはグロリエンを諦めるつもりは毛頭なかった。彼女の性格はそんなに生易しくはないのだ。
(まあ、それならそれでやり方を変えるだけの話だわ──)
何としてでも王太子妃は自分がなるのだと、むしろ新たな野心の炎を燃やしている。
(私の加護ストーカーの力で、ヘルミーネ様の欠点を見つけ出してみせるわ。そしてグロリエン殿下に嫌われる様にと仕向けてみせましてよッ!)
そう思ったアグネスはもう親指の爪を噛んではおらず、白銀の女王らしい優雅さをその身に纏っていた。
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