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花を愛する残暑の雷鳴
#8
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日中の気温もかなり低くなり、過ごしやすい季節が訪れました。
リモワの夏は華やかで美しい季節ですが、私は秋や春のような穏やかな気温の方を好みます。
今日の新聞の一面は王都に住む人なら誰もが喜ぶような記事が載っています。
『マルモワとの国交深まる! 関税率全面低下が決定』
どうやら一部の品目だけではなく、全体的に下がることになったようです。
私が期待していた薬草も入手しやすくなります。
今日の郵便受けには新聞だけではなく、手紙も届いていました。
手紙は殿下から私への退院祝いでした。
……今日の記事がそれに当たるというような内容でした。
更にビャンコ様からの手紙でマーゴ・フィオリトゥーラが模擬戦でケータ様と対峙した事を知り、その情報を利用して関税率低下の交渉を優位に進めたと書かれています。
……私への労いと感謝の言葉が記されています。
殿下と陛下、それにイザッコは私が手品師だと言うことを知っています。
過去に建国祭に現れたというのは、正確に言えばその前日の殿下が五歳になる誕生日会です。
陛下からの招集を断れず途方に暮れた結果、私は手品師として殿下の前で術を披露しプレゼントとしました。
一度退場しから何事もなかったように陛下と殿下にご挨拶しに行きましたが、陛下には簡単に正体に気付かれてしまいました。
その時近くで護衛をしていたイザッコにも知られました。
あの時は陛下のお気遣いで手品師がいたのが建国祭となり、私なりのプレゼントだったため師匠からの請求はありませんでした。
終始明るい様子の手紙ですが、これは返礼が出来そうな気がしません。
最後に「帰国したらまた手品を披露してください」などと書かれていますが、それも難しいです。
せめて師匠が帰国してから、秘密裏にやるしか無さそうです。
───────
秋の足音が聞こえてきたこの季節は、果実が市場の彩りに加わります。
市場の賑わいもこの時刻には落ち着きを見せ、静かに夜の帳がリモワを包みます。
今夜もバー『モウカハナ』の開店です。
入口の看板をAPERTOに切り替え、店の中でお客様を待つことにします。
今日の市場はいつもより活気に溢れていました。
関税率低下のニュースは商会を大いに喜ばせ、どの店舗でも商品価格が安くなっておりました。
秋に美味しい果実を多く購入しましたので、一部を保存できるようにしてメニューに並べる事にしましょう。
お客様のご来店まで、しばらくは果実を刻むとしましょう。
開店から二時間ほど経過した頃にカーラ様がご来店なさいました。
それから少し遅れてシオ様もご来店され、今日の関税率低下の事をお話しされています。
「殿下は流石ねー、今日嬉しくて新しいデザイン上げたのよ!」
「私もなんですよ。良質のダークオークの木材を発注する準備を進めてます」
「楽しみよね~、今まで手が届きにくかったから諦めてたから楽しくて!」
「はい、カタログギフトの中身も更新しようと思ってます」
そう言えばお二人は留学生がいらっしゃる前にも同じ話をなさっていましたね。
かく言う私も調薬で試してみたい素材があったので、お二人と近い気持ちを持っています。
「今年のマスカレードは盛り上がりそうですね」
「すごく楽しみね! そろそろどこも準備始めてるわよね」
「そうですね。私のとこは毎年屋台の設置の手伝いですが、カーラの所では何をする予定ですか?」
「それね、どうするか悩んでるのよねぇ」
「まだ決めてないのですか?」
「いえね……いつもならマスカレード向けに安めの新デザイン作るんだけど、今日のニュースあったじゃない? マルモワの素材使えるなら、フクロウの羽も使ってみたいのよね」
「フクロウですか、孔雀ならよく見ますね」
「孔雀の羽ってカマルプールからの輸入で結構手に入りやすいのよね」
当店ではカマルプール産の各種スパイスを購入しています。
「だから毎年孔雀で作ってたんだけど、そろそろ緑で作るのも辛いのよねぇ」
「あぁ、そうかもしれませんね。毎年デザインを変えていたんですか?」
「そうよ~。もちろん孔雀以外の素材でも作るけど、一番人気なのは結局孔雀なのよねぇ」
「わかる気がします、一番目を惹きますからね」
「ワタシとしては、孔雀ってどう頑張っても孔雀って言うか。いろいろ変えても孔雀なのよねぇ」
「フクロウなら違うイメージのもの作りやすそうですね」
「そう、そうなの! 物語に出てくる魔法使いみたいなのができると思うの!」
魔法使いと呼ばれるもののイメージは、フレデリカ様のイメージが一般に定着しています。
闇の使い手で、フクロウを常に連れていらっしゃるそうです。
こう考えると、筆頭術士の条件に鳥類の使役が含まれてくるように思えてきます。
フレデリカ様とは面識はありませんが、お噂通りなら私の知る二人のような使役の仕方はなさらないとは思います。
「参考までに教えて欲しいんだけど、シオって去年何着たの?」
「去年というか、毎年悪魔ですよ。ミケーノは狼男です」
「うっわ、似合いそうねアンタ達」
「ミケーノは本当に似合ってましたよ、今年も同じもので少しデザインを変えるくらいだと思います」
「うんん、ちょっともったいないわね」
「カーラは何を着るんですか?」
「毎年変えてるけど、去年は医者ね。仮面が違うって怒られたけど」
「それはメル君にですか?」
「……いいえ、兄貴によ」
「お兄さんがいたんですか」
楽しそうに会話をなさっていましたが、カーラ様に表情に突然影が落ちます。
ご注文された果汁とジンを合わせたカクテルを口にしてため息をつきます。
「毎年この時期になると兄貴から『オレの衣装を作れ』って連絡が来るのよ、しかもタダで! 要求盛り盛りで! ハァ……」
「今年もあったんですか?」
「あったわよ。なんでか知らないけど今年は二人分」
「二人分ですか、誰かご友人のものですか?」
「友達なんているとは思えないけど……身長が195センチ超えてる男物なら、彼女じゃないでしょうし」
「随分長身ですね、それなら注文しないと着れるものがなさそうですね」
「でもねぇ、あの兄貴に友達なんてありえないと思うのよね」
「何か問題があるんですか?」
一瞬不穏な数字が聞こえた気がしましたが。
それはともかく、カーラ様が元気を失くされた理由はお兄様にあるようですね。
「一言で言えば、クズの集大成ね! 『クズ』って聞いて思いつくものあるでしょ? それが全部当てはまるわ」
「それほどにですか、想像できませんね」
「『花のラウロ』って知ってるかしら? ……あそこの店長よ」
「……そうだったんですね。リモワでは有名ですね、その、色男として」
「色男ねぇ、浮気二股三股の常習なだけよあんなの」
カーラ様は氷が少し溶けて薄くなったカクテルを飲み干し、グラスをこちらに差し出してきます。
「キーノス、同じの頂戴。あとモロキュウあるかしら?」
「モロキュウとカクテルですね。承知いたしました、どちらもすぐにご用意いたします」
カーラ様のご注文に対応させていただいたあと、少しだけ元気を取り戻されたカーラ様から質問をいただきました。
「キーノスは去年のマスカレードで何着てたの?」
「特別なものは何も」
「そうなんですか?」
「混雑が見込まれる時は上のリストランテのお手伝いをさせていただく事がございます」
「あら、そうなのね。じゃあ今年はそっちに行くのかしら?」
「まだお話は来ておりませんので何とも言えません」
ほとんどの場合は大人しく部屋で過ごしていることが多いです。
今年も室内で読書をして過ごす予定です。
「じゃあ、何か着るとしたら着てみたい物はあるかしら?」
「特にございません」
「予想通りねぇ、じゃあ着て欲しいって言ったら着てくれる?」
「どういった物かにもよりますが」
「うふふ……実はね、去年キーノスが、そのアレよ」
「術士、ですか?」
「えっ」
「シオ様はご存知です」
「まぁミケーノが気付くんだから、シオが気付いてもおかしくないわね」
「その話もいずれ聞いてみたいんですけどね」
「それはその内ね。で、話戻すと、キーノスが術士って聞いた時からお願いしてみたいのがあったのよ!」
「どんな事でしょうか?」
「ねぇ、キーノスはマーゴ・フィオリトゥーラって知ってるかしら?」
鈍感と言われる私でも流石にカーラ様がこの後何を言いたいのかわかります。
シオ様も予想ができたのか、目線を逸らして笑っていらっしゃいます。
「カーラ様、そちらに関してはお断りいたします」
「えっ、ワタシまだ何も言ってないわよ?」
「マーゴ・フィオリトゥーラの服を着て欲しいと仰るのかと思いましたが」
「そうよ! 前から考えてたのよ!」
「お断りします」
「な、なんで? 随分ハッキリ断るわね」
理由はいくつかありますが、あの衣装は可能であれば出したくない代物です。
カーラ様が仮に用意してくださったとしても、それを弟子の私が着ては結局同じ事です。
今年は本物もリモワにいますし、例年通り大人しく部屋で過ごすのが良さそうです。
リモワの夏は華やかで美しい季節ですが、私は秋や春のような穏やかな気温の方を好みます。
今日の新聞の一面は王都に住む人なら誰もが喜ぶような記事が載っています。
『マルモワとの国交深まる! 関税率全面低下が決定』
どうやら一部の品目だけではなく、全体的に下がることになったようです。
私が期待していた薬草も入手しやすくなります。
今日の郵便受けには新聞だけではなく、手紙も届いていました。
手紙は殿下から私への退院祝いでした。
……今日の記事がそれに当たるというような内容でした。
更にビャンコ様からの手紙でマーゴ・フィオリトゥーラが模擬戦でケータ様と対峙した事を知り、その情報を利用して関税率低下の交渉を優位に進めたと書かれています。
……私への労いと感謝の言葉が記されています。
殿下と陛下、それにイザッコは私が手品師だと言うことを知っています。
過去に建国祭に現れたというのは、正確に言えばその前日の殿下が五歳になる誕生日会です。
陛下からの招集を断れず途方に暮れた結果、私は手品師として殿下の前で術を披露しプレゼントとしました。
一度退場しから何事もなかったように陛下と殿下にご挨拶しに行きましたが、陛下には簡単に正体に気付かれてしまいました。
その時近くで護衛をしていたイザッコにも知られました。
あの時は陛下のお気遣いで手品師がいたのが建国祭となり、私なりのプレゼントだったため師匠からの請求はありませんでした。
終始明るい様子の手紙ですが、これは返礼が出来そうな気がしません。
最後に「帰国したらまた手品を披露してください」などと書かれていますが、それも難しいです。
せめて師匠が帰国してから、秘密裏にやるしか無さそうです。
───────
秋の足音が聞こえてきたこの季節は、果実が市場の彩りに加わります。
市場の賑わいもこの時刻には落ち着きを見せ、静かに夜の帳がリモワを包みます。
今夜もバー『モウカハナ』の開店です。
入口の看板をAPERTOに切り替え、店の中でお客様を待つことにします。
今日の市場はいつもより活気に溢れていました。
関税率低下のニュースは商会を大いに喜ばせ、どの店舗でも商品価格が安くなっておりました。
秋に美味しい果実を多く購入しましたので、一部を保存できるようにしてメニューに並べる事にしましょう。
お客様のご来店まで、しばらくは果実を刻むとしましょう。
開店から二時間ほど経過した頃にカーラ様がご来店なさいました。
それから少し遅れてシオ様もご来店され、今日の関税率低下の事をお話しされています。
「殿下は流石ねー、今日嬉しくて新しいデザイン上げたのよ!」
「私もなんですよ。良質のダークオークの木材を発注する準備を進めてます」
「楽しみよね~、今まで手が届きにくかったから諦めてたから楽しくて!」
「はい、カタログギフトの中身も更新しようと思ってます」
そう言えばお二人は留学生がいらっしゃる前にも同じ話をなさっていましたね。
かく言う私も調薬で試してみたい素材があったので、お二人と近い気持ちを持っています。
「今年のマスカレードは盛り上がりそうですね」
「すごく楽しみね! そろそろどこも準備始めてるわよね」
「そうですね。私のとこは毎年屋台の設置の手伝いですが、カーラの所では何をする予定ですか?」
「それね、どうするか悩んでるのよねぇ」
「まだ決めてないのですか?」
「いえね……いつもならマスカレード向けに安めの新デザイン作るんだけど、今日のニュースあったじゃない? マルモワの素材使えるなら、フクロウの羽も使ってみたいのよね」
「フクロウですか、孔雀ならよく見ますね」
「孔雀の羽ってカマルプールからの輸入で結構手に入りやすいのよね」
当店ではカマルプール産の各種スパイスを購入しています。
「だから毎年孔雀で作ってたんだけど、そろそろ緑で作るのも辛いのよねぇ」
「あぁ、そうかもしれませんね。毎年デザインを変えていたんですか?」
「そうよ~。もちろん孔雀以外の素材でも作るけど、一番人気なのは結局孔雀なのよねぇ」
「わかる気がします、一番目を惹きますからね」
「ワタシとしては、孔雀ってどう頑張っても孔雀って言うか。いろいろ変えても孔雀なのよねぇ」
「フクロウなら違うイメージのもの作りやすそうですね」
「そう、そうなの! 物語に出てくる魔法使いみたいなのができると思うの!」
魔法使いと呼ばれるもののイメージは、フレデリカ様のイメージが一般に定着しています。
闇の使い手で、フクロウを常に連れていらっしゃるそうです。
こう考えると、筆頭術士の条件に鳥類の使役が含まれてくるように思えてきます。
フレデリカ様とは面識はありませんが、お噂通りなら私の知る二人のような使役の仕方はなさらないとは思います。
「参考までに教えて欲しいんだけど、シオって去年何着たの?」
「去年というか、毎年悪魔ですよ。ミケーノは狼男です」
「うっわ、似合いそうねアンタ達」
「ミケーノは本当に似合ってましたよ、今年も同じもので少しデザインを変えるくらいだと思います」
「うんん、ちょっともったいないわね」
「カーラは何を着るんですか?」
「毎年変えてるけど、去年は医者ね。仮面が違うって怒られたけど」
「それはメル君にですか?」
「……いいえ、兄貴によ」
「お兄さんがいたんですか」
楽しそうに会話をなさっていましたが、カーラ様に表情に突然影が落ちます。
ご注文された果汁とジンを合わせたカクテルを口にしてため息をつきます。
「毎年この時期になると兄貴から『オレの衣装を作れ』って連絡が来るのよ、しかもタダで! 要求盛り盛りで! ハァ……」
「今年もあったんですか?」
「あったわよ。なんでか知らないけど今年は二人分」
「二人分ですか、誰かご友人のものですか?」
「友達なんているとは思えないけど……身長が195センチ超えてる男物なら、彼女じゃないでしょうし」
「随分長身ですね、それなら注文しないと着れるものがなさそうですね」
「でもねぇ、あの兄貴に友達なんてありえないと思うのよね」
「何か問題があるんですか?」
一瞬不穏な数字が聞こえた気がしましたが。
それはともかく、カーラ様が元気を失くされた理由はお兄様にあるようですね。
「一言で言えば、クズの集大成ね! 『クズ』って聞いて思いつくものあるでしょ? それが全部当てはまるわ」
「それほどにですか、想像できませんね」
「『花のラウロ』って知ってるかしら? ……あそこの店長よ」
「……そうだったんですね。リモワでは有名ですね、その、色男として」
「色男ねぇ、浮気二股三股の常習なだけよあんなの」
カーラ様は氷が少し溶けて薄くなったカクテルを飲み干し、グラスをこちらに差し出してきます。
「キーノス、同じの頂戴。あとモロキュウあるかしら?」
「モロキュウとカクテルですね。承知いたしました、どちらもすぐにご用意いたします」
カーラ様のご注文に対応させていただいたあと、少しだけ元気を取り戻されたカーラ様から質問をいただきました。
「キーノスは去年のマスカレードで何着てたの?」
「特別なものは何も」
「そうなんですか?」
「混雑が見込まれる時は上のリストランテのお手伝いをさせていただく事がございます」
「あら、そうなのね。じゃあ今年はそっちに行くのかしら?」
「まだお話は来ておりませんので何とも言えません」
ほとんどの場合は大人しく部屋で過ごしていることが多いです。
今年も室内で読書をして過ごす予定です。
「じゃあ、何か着るとしたら着てみたい物はあるかしら?」
「特にございません」
「予想通りねぇ、じゃあ着て欲しいって言ったら着てくれる?」
「どういった物かにもよりますが」
「うふふ……実はね、去年キーノスが、そのアレよ」
「術士、ですか?」
「えっ」
「シオ様はご存知です」
「まぁミケーノが気付くんだから、シオが気付いてもおかしくないわね」
「その話もいずれ聞いてみたいんですけどね」
「それはその内ね。で、話戻すと、キーノスが術士って聞いた時からお願いしてみたいのがあったのよ!」
「どんな事でしょうか?」
「ねぇ、キーノスはマーゴ・フィオリトゥーラって知ってるかしら?」
鈍感と言われる私でも流石にカーラ様がこの後何を言いたいのかわかります。
シオ様も予想ができたのか、目線を逸らして笑っていらっしゃいます。
「カーラ様、そちらに関してはお断りいたします」
「えっ、ワタシまだ何も言ってないわよ?」
「マーゴ・フィオリトゥーラの服を着て欲しいと仰るのかと思いましたが」
「そうよ! 前から考えてたのよ!」
「お断りします」
「な、なんで? 随分ハッキリ断るわね」
理由はいくつかありますが、あの衣装は可能であれば出したくない代物です。
カーラ様が仮に用意してくださったとしても、それを弟子の私が着ては結局同じ事です。
今年は本物もリモワにいますし、例年通り大人しく部屋で過ごすのが良さそうです。
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