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夏の湖畔と惨劇の館
#8
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屋外での焼肉大会の後、順番にシャワーを浴びる事になりました。
昨日の反省を活かしてビャンコ様が一番最初に浴び、私は最後です。
私は軽食とお酒をリビングに運び、新たな寝室の準備をしているシオ様とシャワー中のミケーノ様を除いた三人がリビングにいます。
「で、キーちゃん。謎解けた?」
「八割程は」
「どんな事件だったんですか? 気になります!」
「……話しても良いが、その前に幽霊を解決させたい」
「解決すれば幽霊もいなくなるんじゃないんですか?」
今回の事件の概要は大体見えています。
ただ、それを話してもここの幽霊は消えるどころか悪化するように思えます。
事件の概要を話すなら、彼にはここから退場してもらたほうが良さそうです。
「そういうなら返すけど、何言えば良い?」
「『お前が誰かは分かっている、国に報告されるか諦めるか選べ』とか、そういう内容を伝えてくれ」
「ふーん? ま、ちょっとやってくるわ」
ビャンコ様はそう言ってから二階へと向かわれました。
「幽霊って犯人じゃないんですよね?」
「おそらくは。それに手記の著者でもない。指輪の持ち主の元旦那だろう」
「じゃあ、奥さん殺した犯人知りたいから……」
「方向性は間違ってないが、とりあえずこれでここへ来た目的は達成だろう」
「あ、そうでした! 幽霊退治でしたね!」
ビャンコ様が生霊を返すことができれば、シオ様からの依頼は達成したと考えて良いでしょう。
話の発端に戻せば、私の手品師疑惑をマルモワの兵士から背けるために協力していただいた事へのお礼です。
カズロ様が参加できなかったのは残念ですが、ビャンコ様への貸しもあったことを考えれば私としては大きくプラスです。
シオ様へのお礼のはずですが、楽しく過ごせたことを考えるとあまりお礼として妥当とは思えません。
ミケーノ様とカズロ様へのものと併せて、何か改めて方法を考えた方が良さそうに思えます。
───────
リビングで晩酌が始まり、シオ様がトランプをカットしています。
各々好きなお酒をグラスに注ぎ、私は今日も作っていただけたマリネを頂いております。
ミケーノ様にレシピをお伺いしたいですが、リストランテのレシピを簡単に教えてもらえるでしょうか?
思案している内にカードが配られたので、手札を確認します。
「幽霊はもういないと先ほど聞きましたが、本当ですか?」
「うん、もういないよ」
「見たかったなそれ」
「うーん、執念深いおっさんのグダグダした話聞くだけだから面白くないよ?」
「なんか、夢がないですね……」
「そんなもんよ? 幽霊退治ってなんか削られるんだよね、こういう方向に」
配られた手札の内、揃ったカードを場に出します。
私はシオ様から引き、メル様が私の手札を引きます。
最初はミケーノ様からスタートです。
「それで、結局何だったんだ?」
「全て推測になるが……あえて言えば家出か失踪だ。その手助けをしていた女性がこの手記の著者だ」
「え、じゃあ殺人事件じゃなかったんですか?」
「そういった描写は一切ない」
全て推測でしかありませんが、手記には殺人が行われたような内容は全くありませんでした。
「じゃあ髪の毛って殺された誰かのものとかじゃないんですか?」
「髪質に関して描写が専門的で細かいから、髪の毛を商品に扱う仕事をしてると考えた方が近いと思う」
「指輪はどうなんだ?」
「失踪者のものだろう。手記の日数より指輪の数が少ないようだから全員分でもないのだろう」
髪質と指輪だけでは誰かまでは特定できませんが……
「そうなりますと、あの謎掛けの品はもしかして……」
「金がない相手への対価か身元の証明だったのではないかと思う。直接的な表現にしなかった理由までは分からないが」
そこへ謎掛けの品が加われば、見る人が見れば個人を特定できるものものに思えます。
思い出の品のような書き方をされていましたが、嫌な想像をさせるような記述が多く見られました。
「残りの二か所の土地名とニュースは、それぞれ日付の差が馬車での移動にかかる時間と大体一致している。これらの情報を合わせて考えると……」
「名前が書いてなくても、知ってる人が見たら誰が何処に移動したか分かるってこと?」
「おそらくは。それでこの手記は失踪者の名簿のようなものかと」
手札を引いたミケーノ様が次のビャンコ様へ手札を向けます。
「探してる奴が見れば誰が何処に行ったか分かる程度、ってことか?」
「例を出すと、カメオのペンダントを大事にしている赤く細い巻き毛で長髪の既婚女性が、デムーロの中心地からこの日に失踪……となれば、特定はできるように思う」
「あー確かに。探してる人からしたら分かるかもね」
ビャンコ様は引いた手札で揃ったのかペアのカードを場に出し、シオ様へ手札を向けます。
「そうなると、その謎掛けの品もこの別荘にあったりするのか?」
「ないだろう。おそらく手記の著者の手元にある」
シオ様が手札を引き、少し笑顔を見せます。
そのままこちらへ向き直り、私へ手札を引くように促します。
手札を選ぶ私の目を見て、シオ様が質問なさいます。
「キーノスはどう思います?」
「手記の著者は既に亡くなっていて、対価の品々はその時処分されたのではないかと」
私は手札を選び引こうとしますが、手札を見たシオ様がにーっこり笑います。
その反応を見て、私は隣の手札を引きました。
……ジョーカーです。
シオ様はいつもの柔和な笑みに戻っています。
「さ、次はメル君の番ですよ?」
「今引いたのはジョーカーだ」
「わぁ、緊張しますね」
メル様が真剣な顔で私の手札を選んでいます。
「そう言えばさっきキーノスさん『幽霊の正体は指輪の持ち主の旦那さん』って言ってませんでした? 僕はてっきり殺された恨みで幽霊になったかと思ったんですが、違いますよね」
「同じ幽霊でも生霊だ。未だに指輪の持ち主に執着しているのだと思う」
「生霊? ってなんだ?」
「生きている人間の強い意志や思いが形を成したものだ。今回の場合は他の指輪に付いていた意識も引っ張られたようだが」
「生きてるは合ってると思うよ、『国にお前のこと言うぞ~』って言ったら文句言いながら消えたし。死んでたら怖くないもんね、そんなの」
「……国に?」
失踪の可能性が強くなってから、幽霊の発言に疑問を抱きました。
「一番最初『なんでこんな場所に』とか『どこにいる~』とか言ってたわ」
「……それはもう少し早く教えてくれ」
「ま、良いじゃん」
「その元旦那が嫁さんはもう死んでると思い込んでて、死因とかを知りたかったんじゃねぇか?」
「それなら国に失踪者として相談すれば良い」
「あーそうか、そうだ。俺の嫁さんはそうだった、国に相談すれば失踪はすぐ見つかるな」
「失踪された理由に後ろめたさがあるんだろう。指輪の持ち主も仲介人を頼って失踪する辺り、大変な状況にあったと考えられる」
全ては推測ですが、失踪した人間が発見されなかった例がオランディで過去に少なかったのは事実です。
それだけにデムーロ領での失踪の多さが「噂」として広まったのも仕方がないと思います。
「あぁ、それで国に言うのが脅しになるのか」
「もしかして先にオレに返させた理由って、この話聞かせないため?」
「もし今の話を生霊が聞いたら悪化する可能性が高いと思う、それだと当初の目的の幽霊退治にならないだろう」
「……あー確かに」
最初にあっさり指輪から陶器のクマに移動できた段階で、生霊であるとは思っていました。
この別荘が建つ前から指輪に憑いていたはずです、何年も失踪者が見つからない状況であることを考えれば国に報告をしていないのでしょう。
理由までは分かりませんが、後ろめたい何かがあると考えました。
「でも、なぜこんな事を? マルモワの方がオランディに建てた別荘に隠す意味がわかりません」
「それは分からない。ただ手記の著者に関してなら、今ある情報でも特定も難しくないだろう」
事件の真相はまだはっきりしておりませんが、目的の幽霊退治は達成できているので問題ないでしょう。
これで怪奇現象は起きないと思いますので、カーラ様のような幽霊が嫌いな方でも安心して遊びに来ることができます。
幽霊退治が済んだところで、私は昨晩から気になっている事があります。
大したことではありませんが、本題の幽霊退治も済みましたので聞いてみることにします。
「ババ抜きも良いが、ポーカーには興味はないのか?」
良い年した男性が五人いるならババ抜きよりポーカーの方が好まれるように思います。
かつて術の師匠からもそのような話を聞いたことがあり、不思議に思っていました。
「却下ですね」
シオ様にあっさりと否定されてしまいました。
「理由を聞いても?」
「それに関してはまずはババ抜きでの結果を見てからまた相談しましょう」
却下された理由は不明ですが、ババ抜きも楽しいので問題はありません。
夜のゲームはまだまだ続きそうですが、別荘で過ごすのはこれが最後です。
楽しい休暇を終え、明日の夜にはモウカハナの営業を再開したいと考えております。
昨日の反省を活かしてビャンコ様が一番最初に浴び、私は最後です。
私は軽食とお酒をリビングに運び、新たな寝室の準備をしているシオ様とシャワー中のミケーノ様を除いた三人がリビングにいます。
「で、キーちゃん。謎解けた?」
「八割程は」
「どんな事件だったんですか? 気になります!」
「……話しても良いが、その前に幽霊を解決させたい」
「解決すれば幽霊もいなくなるんじゃないんですか?」
今回の事件の概要は大体見えています。
ただ、それを話してもここの幽霊は消えるどころか悪化するように思えます。
事件の概要を話すなら、彼にはここから退場してもらたほうが良さそうです。
「そういうなら返すけど、何言えば良い?」
「『お前が誰かは分かっている、国に報告されるか諦めるか選べ』とか、そういう内容を伝えてくれ」
「ふーん? ま、ちょっとやってくるわ」
ビャンコ様はそう言ってから二階へと向かわれました。
「幽霊って犯人じゃないんですよね?」
「おそらくは。それに手記の著者でもない。指輪の持ち主の元旦那だろう」
「じゃあ、奥さん殺した犯人知りたいから……」
「方向性は間違ってないが、とりあえずこれでここへ来た目的は達成だろう」
「あ、そうでした! 幽霊退治でしたね!」
ビャンコ様が生霊を返すことができれば、シオ様からの依頼は達成したと考えて良いでしょう。
話の発端に戻せば、私の手品師疑惑をマルモワの兵士から背けるために協力していただいた事へのお礼です。
カズロ様が参加できなかったのは残念ですが、ビャンコ様への貸しもあったことを考えれば私としては大きくプラスです。
シオ様へのお礼のはずですが、楽しく過ごせたことを考えるとあまりお礼として妥当とは思えません。
ミケーノ様とカズロ様へのものと併せて、何か改めて方法を考えた方が良さそうに思えます。
───────
リビングで晩酌が始まり、シオ様がトランプをカットしています。
各々好きなお酒をグラスに注ぎ、私は今日も作っていただけたマリネを頂いております。
ミケーノ様にレシピをお伺いしたいですが、リストランテのレシピを簡単に教えてもらえるでしょうか?
思案している内にカードが配られたので、手札を確認します。
「幽霊はもういないと先ほど聞きましたが、本当ですか?」
「うん、もういないよ」
「見たかったなそれ」
「うーん、執念深いおっさんのグダグダした話聞くだけだから面白くないよ?」
「なんか、夢がないですね……」
「そんなもんよ? 幽霊退治ってなんか削られるんだよね、こういう方向に」
配られた手札の内、揃ったカードを場に出します。
私はシオ様から引き、メル様が私の手札を引きます。
最初はミケーノ様からスタートです。
「それで、結局何だったんだ?」
「全て推測になるが……あえて言えば家出か失踪だ。その手助けをしていた女性がこの手記の著者だ」
「え、じゃあ殺人事件じゃなかったんですか?」
「そういった描写は一切ない」
全て推測でしかありませんが、手記には殺人が行われたような内容は全くありませんでした。
「じゃあ髪の毛って殺された誰かのものとかじゃないんですか?」
「髪質に関して描写が専門的で細かいから、髪の毛を商品に扱う仕事をしてると考えた方が近いと思う」
「指輪はどうなんだ?」
「失踪者のものだろう。手記の日数より指輪の数が少ないようだから全員分でもないのだろう」
髪質と指輪だけでは誰かまでは特定できませんが……
「そうなりますと、あの謎掛けの品はもしかして……」
「金がない相手への対価か身元の証明だったのではないかと思う。直接的な表現にしなかった理由までは分からないが」
そこへ謎掛けの品が加われば、見る人が見れば個人を特定できるものものに思えます。
思い出の品のような書き方をされていましたが、嫌な想像をさせるような記述が多く見られました。
「残りの二か所の土地名とニュースは、それぞれ日付の差が馬車での移動にかかる時間と大体一致している。これらの情報を合わせて考えると……」
「名前が書いてなくても、知ってる人が見たら誰が何処に移動したか分かるってこと?」
「おそらくは。それでこの手記は失踪者の名簿のようなものかと」
手札を引いたミケーノ様が次のビャンコ様へ手札を向けます。
「探してる奴が見れば誰が何処に行ったか分かる程度、ってことか?」
「例を出すと、カメオのペンダントを大事にしている赤く細い巻き毛で長髪の既婚女性が、デムーロの中心地からこの日に失踪……となれば、特定はできるように思う」
「あー確かに。探してる人からしたら分かるかもね」
ビャンコ様は引いた手札で揃ったのかペアのカードを場に出し、シオ様へ手札を向けます。
「そうなると、その謎掛けの品もこの別荘にあったりするのか?」
「ないだろう。おそらく手記の著者の手元にある」
シオ様が手札を引き、少し笑顔を見せます。
そのままこちらへ向き直り、私へ手札を引くように促します。
手札を選ぶ私の目を見て、シオ様が質問なさいます。
「キーノスはどう思います?」
「手記の著者は既に亡くなっていて、対価の品々はその時処分されたのではないかと」
私は手札を選び引こうとしますが、手札を見たシオ様がにーっこり笑います。
その反応を見て、私は隣の手札を引きました。
……ジョーカーです。
シオ様はいつもの柔和な笑みに戻っています。
「さ、次はメル君の番ですよ?」
「今引いたのはジョーカーだ」
「わぁ、緊張しますね」
メル様が真剣な顔で私の手札を選んでいます。
「そう言えばさっきキーノスさん『幽霊の正体は指輪の持ち主の旦那さん』って言ってませんでした? 僕はてっきり殺された恨みで幽霊になったかと思ったんですが、違いますよね」
「同じ幽霊でも生霊だ。未だに指輪の持ち主に執着しているのだと思う」
「生霊? ってなんだ?」
「生きている人間の強い意志や思いが形を成したものだ。今回の場合は他の指輪に付いていた意識も引っ張られたようだが」
「生きてるは合ってると思うよ、『国にお前のこと言うぞ~』って言ったら文句言いながら消えたし。死んでたら怖くないもんね、そんなの」
「……国に?」
失踪の可能性が強くなってから、幽霊の発言に疑問を抱きました。
「一番最初『なんでこんな場所に』とか『どこにいる~』とか言ってたわ」
「……それはもう少し早く教えてくれ」
「ま、良いじゃん」
「その元旦那が嫁さんはもう死んでると思い込んでて、死因とかを知りたかったんじゃねぇか?」
「それなら国に失踪者として相談すれば良い」
「あーそうか、そうだ。俺の嫁さんはそうだった、国に相談すれば失踪はすぐ見つかるな」
「失踪された理由に後ろめたさがあるんだろう。指輪の持ち主も仲介人を頼って失踪する辺り、大変な状況にあったと考えられる」
全ては推測ですが、失踪した人間が発見されなかった例がオランディで過去に少なかったのは事実です。
それだけにデムーロ領での失踪の多さが「噂」として広まったのも仕方がないと思います。
「あぁ、それで国に言うのが脅しになるのか」
「もしかして先にオレに返させた理由って、この話聞かせないため?」
「もし今の話を生霊が聞いたら悪化する可能性が高いと思う、それだと当初の目的の幽霊退治にならないだろう」
「……あー確かに」
最初にあっさり指輪から陶器のクマに移動できた段階で、生霊であるとは思っていました。
この別荘が建つ前から指輪に憑いていたはずです、何年も失踪者が見つからない状況であることを考えれば国に報告をしていないのでしょう。
理由までは分かりませんが、後ろめたい何かがあると考えました。
「でも、なぜこんな事を? マルモワの方がオランディに建てた別荘に隠す意味がわかりません」
「それは分からない。ただ手記の著者に関してなら、今ある情報でも特定も難しくないだろう」
事件の真相はまだはっきりしておりませんが、目的の幽霊退治は達成できているので問題ないでしょう。
これで怪奇現象は起きないと思いますので、カーラ様のような幽霊が嫌いな方でも安心して遊びに来ることができます。
幽霊退治が済んだところで、私は昨晩から気になっている事があります。
大したことではありませんが、本題の幽霊退治も済みましたので聞いてみることにします。
「ババ抜きも良いが、ポーカーには興味はないのか?」
良い年した男性が五人いるならババ抜きよりポーカーの方が好まれるように思います。
かつて術の師匠からもそのような話を聞いたことがあり、不思議に思っていました。
「却下ですね」
シオ様にあっさりと否定されてしまいました。
「理由を聞いても?」
「それに関してはまずはババ抜きでの結果を見てからまた相談しましょう」
却下された理由は不明ですが、ババ抜きも楽しいので問題はありません。
夜のゲームはまだまだ続きそうですが、別荘で過ごすのはこれが最後です。
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