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夏の湖畔と惨劇の館
#2
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海岸に広い港を構えるリモワの夏は、他の国と比べて早く始まりを感じさせます。
春の木漏れ日の温かさは肌を射す熱さに変わり、肌を撫でる風は湿度を帯びた熱風へと変わります。
最近は海を目当てにした観光客の人数も増えてきております。
暑さと比例して増える賑わいとは逆に私の外出の頻度は低くなるので、日中の様子は分かりませんが。
マルモワから留学生を迎えて三ヶ月が過ぎようとしています。
雪国出身の彼らには辛い季節かもしれませんね。
いや、ケータ様の氷柱で涼しい思いをなさっているでしょうか?
そんな事を思いながら、タバコに火をつけ涼しい部屋で読書を楽しみます。
本日は普段はあまり手にすることがない推理小説を読んでおります。
あまり実用性のないものは好まないのですが、シオ様からご招待された別荘での事件の話に触発されて興味を抱きました。
───────
「エテルノ教の末路という事件をご存知ですか?」
「知らねぇな」
「あ、オレ知ってる。あの腐った腹立つ事件でしょ?」
「有名なのか?」
「どうだろ、有名かどうかは分かんないね」
確か過去にサチ様とビャンコ様が関わったと記憶しています。
犯罪史の中ではかなり有名な事件です。
「その事件の後に建てられた別荘が、私の購入したものになります」
「よく買ったね、誰も行かないでしょあんなとこ」
「周囲に住居は一切ありませんでしたね。だからこそ静かに過ごせますし、多少騒がしくしても誰も文句は言わないと思いまして」
「ま、そうだね。オレ前にあの辺調査に行ってて。確か湖から夜な夜な死体が現れる~とかの噂だったかな」
「物騒だな、それがシオの別荘の幽霊なのか?」
「違うと思うよ、オレ全部返したし」
「返すって何だ?」
「うーん、オレ死んだことないから分かんないけど、死ぬと扉が見えてそこに入らなきゃならんくなるらしくて。入ったら死後の世界に行くとか……それを精霊さんは『返す』って言うんよね」
「よく分からんが、つまり湖にいた幽霊はもういないってことか?」
「オレが確認した範囲ではね。沈んでた白骨も全部血縁者の墓に埋葬したし」
「ビャンコさんは本当にお忙しい方ですね」
「でしょー? もっと褒めてほしいわ、ねぇキーちゃん?」
「そのようで」
当時日帰りで湖底の人骨を探しては湖面に上げたのは誰かお忘れでしょうか?
「だから幽霊なんていないはずだし、その時別荘なんてなかったと思うけど」
「その話が本当なら、エテルノ教の末路ともう一つの怪談は無関係そうですね」
「まだなんかあんの?」
「デムーロ領では他にも未報告の失踪が多いと有名なんですよ」
「何それ、初めて聞いたけど」
「有名と言っても湖畔近くでの怪談としてですけどね。原因は家出や駆け落ちだとか、実際に調査はしていないようですが」
「随分と物騒な場所だな……」
「この辺りの事情は別荘でポルターガイストにあってから調べた結果です。私としてはポルターガイストをなんとか出来ればと思いまして、キーノスに相談していたところです」
「そしたらキーノスがビャンコさんならなんとか出来るって言ってな、そのタイミングで来たから驚いだぞ」
「へぇ、キーちゃんが」
ビャンコ様がチラリとこちらを見ます。
「ま、いーよ。それなんとかしても」
「本当ですか? その、頼むのが畏れ多いと言いますか」
「たまにはキーちゃんに恩売らないとね、こないだの事まだ怒ってんでしょ?」
「……当前でしょう」
「いつ行くとか決まってんの?」
「いえ、まだ誰に声を掛けようか悩んでたところでした。今いる三人と、あとはカズロとカーラかメル君に声を掛けようかと思ってますので、予定の合う日程を相談出来ればと」
「りょーかい、一旦庁舎の予定確認してくるわ」
「オレも店の予約とか見てシオに言えば良いか?」
「私は事前に日程が分かれば融通が効きます」
「ありがとうございます、では他の方にも聞いて日程決めますね。それと……」
シオ様がミケーノ様に視線を向け話を続けます。
「先程怒って見せたのは嘘なので忘れてください」
「え?」
「別荘にキーノスをどう誘うか考えてたので、利用させてもらいました。ごめんなさい」
「なるほどな、おかしいわけだ。別にかまわねぇよ、楽しみにしてるぞ別荘」
「はい、できるか限りの饗をさせていただきます。キーノスも、ごめんなさい」
「お気になさらないで下さい」
───────
エテルノ教の事件とデムーロ領での失踪に関係性があるかは不明ですが、あの湖畔で発見した人骨はかなりの数でした。
それにシオ様が見たポルターガイストを考えると、別荘そのものにも何かある可能性はあります。
ポルターガイスト、物を動くあれだと思いますが……メル様が参加されるなら、辛いかもしれませんね。
今読んでいる小説も幽霊絡みの題材を取り扱っている内容です。
最後まで読むつもりですが、やはり私には学術書のようなものの方が合っています。
これを読み終わる頃には夕刻でしょう。
少しだけ涼しくなった市場で、本日使う食材を探しに行きましょう。
───────
街を刺した日光が沈んだあとに残る暑さを、月の光が包みこもうとしています。
静かな夜の訪れと共にバー『モウカハナ』は開店します。
最近はこの辺りに宿泊している観光客の方々がご来店される事も多く、開店から日付が変わる少し前まではお席が埋まることも珍しくありません。
今日は世間的に休日明けに当たりますので、昨日よりお客様が少ないかとは思いますが。
店を開けて店内に戻ってからは調理場にこもり、料理に使える薬草の下準備をします。
自室では術に便利な物を作っていますが、料理に関するものなら店で作った方が早いです。
先日購入した花は甘味を増す効果があり、これを上手く使えればカキゴオリの新しいシロップにすることができるかもしれません。
お客様のご来店までは調理場にこもっていても問題ないでしょう。
しばらく集中していた時、来店を告げるベルが鳴りました。
私は手を洗い、店内に出ます。
「いらっしゃいませ、メル様」
「お久しぶりです! いつもの席で良いですか?」
「構いません、お好きな席へどうぞ」
メル様にタオルをお渡しし、ご注文されたカクテルをお作りします。
最近はあまり頼まれませんでしたグラスホッパーです。
「珍しいですね、何かありましたか?」
「久しぶりにあぁいうニオイかいじゃいまして。もらった飴でなんとかなったんですけど、キーノスさんのお酒が飲みたくなったんです」
「それは嬉しいですね」
あぁいうニオイというのは、術特有のものの事でしょう。
この辺りで元となりそうなのはケータ様でしょうね。
「飴の予備がいくつかありますが、持っていかれますか?」
「良いんですか? すごく嬉しいです!」
私は会話をしながら制作したカクテルをメル様にお出しします。
メル様は口になさった後で小さくため息をつきます。
「はぁ……やっぱ残ってたみたいです。多分あの留学してきた人のだと思うんですが、あのバラよりは弱いけどなんだか粉っぽいというか……鼻に残るんですよね」
「ビャンコ様も同じことを仰ってました」
「そうなんですね。僕だけじゃなくて安心しました」
暑いから服の中に氷を忍ばせているのでしょうか。
街中で使えば、メル様が感知してしまうものになるでしょう。
「そう言えば、シオ様から別荘へのご招待はとどきましたか?」
「はい! 僕は店長に無理言っても参加します、すごく楽しみなんです!」
「それは嬉しいですね、私も参加予定ですのでよろしくお願いします」
「はい! 僕『セルジ兄妹の推理』のシリーズが大好きで、不謹慎ですけど似た場所を舞台にした話があるので楽しみなんです!」
「その……私はセルジ様ご兄妹の話は存じ上げないのですが、デムーロ領での話があるのですか?」
「デムーロとは書いてなかったんですけど、湖畔の別荘での事件があるんです。シオさんからお話聞いた時すぐ頭に浮かんで! キーノスさん読んだことないですか?」
「初めて聞きます、最近の推理小説はあまり読んでおりませんでした」
「そうなんですね、どんなの読むんですか?」
「私が持っているものですと『夜一夜の白昼夢』のような有名な物ばかりですね」
「さすが、渋いの読みますね」
八十近く歳が離れているのですから、そう思われても仕方ありません。
「良かったらメル様が愛読されているお話を教えて頂けますか?」
「はい! キーノスさんには合わないかもしれませんが、それでも良いですか?」
「大丈夫かと思います、あまり物語に詳しくないので是非お願いします」
「分かりました!」
『セルジ兄妹の推理』
静かな湖畔の荒波注意報!? 今日もきゅんハラ大冒険!
……という、タイトルだそうです。
ご兄妹のアンジェロ様とアンジェラ様は、旅に出たまま戻らない父親を探しているそうです。
とある教団がある湖へ訪れたお二人は、湖畔に建てられた洋館で見知らぬ誰かの絞殺死体を発見します。
……という謎を解く物語だそうです。
「オチは教えてあげませんよ、お貸しするので読んでください!」
「……その、聞いておきながら恐縮ですが」
「はい?」
「犯人は猟師……ではないですよね?」
「え! 知ってたんですか!?」
「いえ、お話を聞いてもしや……と思いまして」
「とりあえずお貸しするので読んでみてください! 今度持ってきます!」
「ありがとうございます、拝読します」
触れたことがない類のものですので、お借りできるなら試してみるのは良いかもしれません。
シオ様の別荘の事件のヒントになるかもしれませんし、知識を得るのは悪い事ではありません。
シリーズ全てを読むかどうかは別の問題として、ですが。
春の木漏れ日の温かさは肌を射す熱さに変わり、肌を撫でる風は湿度を帯びた熱風へと変わります。
最近は海を目当てにした観光客の人数も増えてきております。
暑さと比例して増える賑わいとは逆に私の外出の頻度は低くなるので、日中の様子は分かりませんが。
マルモワから留学生を迎えて三ヶ月が過ぎようとしています。
雪国出身の彼らには辛い季節かもしれませんね。
いや、ケータ様の氷柱で涼しい思いをなさっているでしょうか?
そんな事を思いながら、タバコに火をつけ涼しい部屋で読書を楽しみます。
本日は普段はあまり手にすることがない推理小説を読んでおります。
あまり実用性のないものは好まないのですが、シオ様からご招待された別荘での事件の話に触発されて興味を抱きました。
───────
「エテルノ教の末路という事件をご存知ですか?」
「知らねぇな」
「あ、オレ知ってる。あの腐った腹立つ事件でしょ?」
「有名なのか?」
「どうだろ、有名かどうかは分かんないね」
確か過去にサチ様とビャンコ様が関わったと記憶しています。
犯罪史の中ではかなり有名な事件です。
「その事件の後に建てられた別荘が、私の購入したものになります」
「よく買ったね、誰も行かないでしょあんなとこ」
「周囲に住居は一切ありませんでしたね。だからこそ静かに過ごせますし、多少騒がしくしても誰も文句は言わないと思いまして」
「ま、そうだね。オレ前にあの辺調査に行ってて。確か湖から夜な夜な死体が現れる~とかの噂だったかな」
「物騒だな、それがシオの別荘の幽霊なのか?」
「違うと思うよ、オレ全部返したし」
「返すって何だ?」
「うーん、オレ死んだことないから分かんないけど、死ぬと扉が見えてそこに入らなきゃならんくなるらしくて。入ったら死後の世界に行くとか……それを精霊さんは『返す』って言うんよね」
「よく分からんが、つまり湖にいた幽霊はもういないってことか?」
「オレが確認した範囲ではね。沈んでた白骨も全部血縁者の墓に埋葬したし」
「ビャンコさんは本当にお忙しい方ですね」
「でしょー? もっと褒めてほしいわ、ねぇキーちゃん?」
「そのようで」
当時日帰りで湖底の人骨を探しては湖面に上げたのは誰かお忘れでしょうか?
「だから幽霊なんていないはずだし、その時別荘なんてなかったと思うけど」
「その話が本当なら、エテルノ教の末路ともう一つの怪談は無関係そうですね」
「まだなんかあんの?」
「デムーロ領では他にも未報告の失踪が多いと有名なんですよ」
「何それ、初めて聞いたけど」
「有名と言っても湖畔近くでの怪談としてですけどね。原因は家出や駆け落ちだとか、実際に調査はしていないようですが」
「随分と物騒な場所だな……」
「この辺りの事情は別荘でポルターガイストにあってから調べた結果です。私としてはポルターガイストをなんとか出来ればと思いまして、キーノスに相談していたところです」
「そしたらキーノスがビャンコさんならなんとか出来るって言ってな、そのタイミングで来たから驚いだぞ」
「へぇ、キーちゃんが」
ビャンコ様がチラリとこちらを見ます。
「ま、いーよ。それなんとかしても」
「本当ですか? その、頼むのが畏れ多いと言いますか」
「たまにはキーちゃんに恩売らないとね、こないだの事まだ怒ってんでしょ?」
「……当前でしょう」
「いつ行くとか決まってんの?」
「いえ、まだ誰に声を掛けようか悩んでたところでした。今いる三人と、あとはカズロとカーラかメル君に声を掛けようかと思ってますので、予定の合う日程を相談出来ればと」
「りょーかい、一旦庁舎の予定確認してくるわ」
「オレも店の予約とか見てシオに言えば良いか?」
「私は事前に日程が分かれば融通が効きます」
「ありがとうございます、では他の方にも聞いて日程決めますね。それと……」
シオ様がミケーノ様に視線を向け話を続けます。
「先程怒って見せたのは嘘なので忘れてください」
「え?」
「別荘にキーノスをどう誘うか考えてたので、利用させてもらいました。ごめんなさい」
「なるほどな、おかしいわけだ。別にかまわねぇよ、楽しみにしてるぞ別荘」
「はい、できるか限りの饗をさせていただきます。キーノスも、ごめんなさい」
「お気になさらないで下さい」
───────
エテルノ教の事件とデムーロ領での失踪に関係性があるかは不明ですが、あの湖畔で発見した人骨はかなりの数でした。
それにシオ様が見たポルターガイストを考えると、別荘そのものにも何かある可能性はあります。
ポルターガイスト、物を動くあれだと思いますが……メル様が参加されるなら、辛いかもしれませんね。
今読んでいる小説も幽霊絡みの題材を取り扱っている内容です。
最後まで読むつもりですが、やはり私には学術書のようなものの方が合っています。
これを読み終わる頃には夕刻でしょう。
少しだけ涼しくなった市場で、本日使う食材を探しに行きましょう。
───────
街を刺した日光が沈んだあとに残る暑さを、月の光が包みこもうとしています。
静かな夜の訪れと共にバー『モウカハナ』は開店します。
最近はこの辺りに宿泊している観光客の方々がご来店される事も多く、開店から日付が変わる少し前まではお席が埋まることも珍しくありません。
今日は世間的に休日明けに当たりますので、昨日よりお客様が少ないかとは思いますが。
店を開けて店内に戻ってからは調理場にこもり、料理に使える薬草の下準備をします。
自室では術に便利な物を作っていますが、料理に関するものなら店で作った方が早いです。
先日購入した花は甘味を増す効果があり、これを上手く使えればカキゴオリの新しいシロップにすることができるかもしれません。
お客様のご来店までは調理場にこもっていても問題ないでしょう。
しばらく集中していた時、来店を告げるベルが鳴りました。
私は手を洗い、店内に出ます。
「いらっしゃいませ、メル様」
「お久しぶりです! いつもの席で良いですか?」
「構いません、お好きな席へどうぞ」
メル様にタオルをお渡しし、ご注文されたカクテルをお作りします。
最近はあまり頼まれませんでしたグラスホッパーです。
「珍しいですね、何かありましたか?」
「久しぶりにあぁいうニオイかいじゃいまして。もらった飴でなんとかなったんですけど、キーノスさんのお酒が飲みたくなったんです」
「それは嬉しいですね」
あぁいうニオイというのは、術特有のものの事でしょう。
この辺りで元となりそうなのはケータ様でしょうね。
「飴の予備がいくつかありますが、持っていかれますか?」
「良いんですか? すごく嬉しいです!」
私は会話をしながら制作したカクテルをメル様にお出しします。
メル様は口になさった後で小さくため息をつきます。
「はぁ……やっぱ残ってたみたいです。多分あの留学してきた人のだと思うんですが、あのバラよりは弱いけどなんだか粉っぽいというか……鼻に残るんですよね」
「ビャンコ様も同じことを仰ってました」
「そうなんですね。僕だけじゃなくて安心しました」
暑いから服の中に氷を忍ばせているのでしょうか。
街中で使えば、メル様が感知してしまうものになるでしょう。
「そう言えば、シオ様から別荘へのご招待はとどきましたか?」
「はい! 僕は店長に無理言っても参加します、すごく楽しみなんです!」
「それは嬉しいですね、私も参加予定ですのでよろしくお願いします」
「はい! 僕『セルジ兄妹の推理』のシリーズが大好きで、不謹慎ですけど似た場所を舞台にした話があるので楽しみなんです!」
「その……私はセルジ様ご兄妹の話は存じ上げないのですが、デムーロ領での話があるのですか?」
「デムーロとは書いてなかったんですけど、湖畔の別荘での事件があるんです。シオさんからお話聞いた時すぐ頭に浮かんで! キーノスさん読んだことないですか?」
「初めて聞きます、最近の推理小説はあまり読んでおりませんでした」
「そうなんですね、どんなの読むんですか?」
「私が持っているものですと『夜一夜の白昼夢』のような有名な物ばかりですね」
「さすが、渋いの読みますね」
八十近く歳が離れているのですから、そう思われても仕方ありません。
「良かったらメル様が愛読されているお話を教えて頂けますか?」
「はい! キーノスさんには合わないかもしれませんが、それでも良いですか?」
「大丈夫かと思います、あまり物語に詳しくないので是非お願いします」
「分かりました!」
『セルジ兄妹の推理』
静かな湖畔の荒波注意報!? 今日もきゅんハラ大冒険!
……という、タイトルだそうです。
ご兄妹のアンジェロ様とアンジェラ様は、旅に出たまま戻らない父親を探しているそうです。
とある教団がある湖へ訪れたお二人は、湖畔に建てられた洋館で見知らぬ誰かの絞殺死体を発見します。
……という謎を解く物語だそうです。
「オチは教えてあげませんよ、お貸しするので読んでください!」
「……その、聞いておきながら恐縮ですが」
「はい?」
「犯人は猟師……ではないですよね?」
「え! 知ってたんですか!?」
「いえ、お話を聞いてもしや……と思いまして」
「とりあえずお貸しするので読んでみてください! 今度持ってきます!」
「ありがとうございます、拝読します」
触れたことがない類のものですので、お借りできるなら試してみるのは良いかもしれません。
シオ様の別荘の事件のヒントになるかもしれませんし、知識を得るのは悪い事ではありません。
シリーズ全てを読むかどうかは別の問題として、ですが。
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