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紅が散る春の渚
#10
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髪をセットしてトイレから出ると、そこに巨漢の女がしゃがみこんでる。
服のサイズが合ってないのかウエストの辺りがはち切れそうだ。
とりあえずここにいる女ならウチの客っぽいので声を掛けておこう!
「お姉さんいらっしゃーい! 遊びに来てくれたの? ウチは初めて?」
すると女が凄い勢いで振り向いて、掴みかかってきた。
やめろよ、服が伸びる!
「ねぇ、ここどこ!? 今いつなの!?」
酔っ払いか? こんな時間から?
とにかくヤバい女みたいだ、適当に躱して店で警察に……
「ナンバーイレブンの前だけど、何の冗談? エイプリルフールは終わってるよ」
「は? ナンバーイレブン!?」
「ホストクラブだよ、アンタ客じゃないの?」
「……タクヤ! タクヤに会わせて!」
「ハァ? アンタオーナーの知り合い?」
「オーナー?」
「ウチでタクヤはオーナーしかいないよ。アンタ、ホントに何なの?」
巨漢が俺を突き飛ばして、そのままブツブツと何か独り言を言っている。
俺は店の中に走って逃げ、オーナーにヤバい女がいる事を報告した。
『現代の神隠し、ホストクラブ前で失踪した女性発見』
三年前にニュースになった某IT企業の社長の一人娘の失踪事件が、予想外の解決を見せたとネットを賑わせた。
突然消えて、突然現れた事からニュースで「神隠し」と呼ばれ、オカルトフリークの間で熱く議論された。
篠田夢乃、三十四歳。
彼女は都内のホストクラブからの通報で一時警察で身柄を預かっていたが、失踪期間中の話を聞いても意味がわからない事を繰り返した。
薬物中毒を疑い検査もしたが反応なし。
程なくして現れた父親に身柄を引渡し、事なきを得た。
───────
目を覚ました時、視界に見知らぬ天井が入りました。
どうやら私はベッドに寝かされているようです。
体の状態を意識して確認すると、右腕と右足を骨折していますが治療済のようです。
あの海崖からの落下中に術を展開をして安全に着地するつもりでしたが、直前まで魔力を消費し続けていたため上手く発動できず、怪我をして気を失ってしまったようです。
怪我が右側に偏っているということは、私は右半身を強打したようです。
自分の体の状態が分かったところで、今度は状況が気になります。
今の時刻と、ここはどこでしょうか? 治療がされてる理由も気になります。
左腕を使って上体を起こし、周囲を観察しようとしました。
「き、キーちゃん! 気が付いたんだね! まだ寝てなよ!」
ベッドの傍の椅子に白い姿を確認しました。
ビャンコ様が何故?
「ここは何処ですか? 私は崖下に居たはずですが」
「バカ、病院だよ! 崖から落ちたんでしょ? 騎士団が近くの診療所まで運んでくれたんだよ」
「だとしたら、何故あなたがここに?」
「おま、仮にも心配して駆けつけた友人にそれ?」
「駆けつけ……?」
「病院に運ばれてすぐ騎士団から報告が来たんだよ、キーちゃんが突き落とされた! って。それで殿下が来ようとしたから代わりにオレが来たの」
「そうでしたか」
「現場にいた騎士は今事情聴取されてるよ、一応の見張りも兼ねてオレがいるの!」
「見張り、ですか?」
「ユメノに落とされたんでしょ? またキーちゃん殺しに来るかもしれないじゃん」
「あぁ、そういうことでしたか」
それから大体の事情を説明して頂きました。
ここは港の近くの診療所で、今は夜の九時から十時の間の時刻。
モウカハナが一番忙しい時刻ですね。
今日はお休みにするしかなさそうです。
「とりあえず、私はもう大丈夫です。ご心配お掛けしました」
私はベッドから降りようとしました。
「いやいや何してんの? 崖から突き落とされたんだよ?」
「手足が折れただけですし、治療もして頂けたのでもう歩けます。治療費は」
「良いから寝てろ!」
ビャンコ様に額を叩かれました。
一応、彼女に後頭部を連打されてるのですが。
「報告受けた時は本当にびっくりしたよ。色仕掛けの意味で襲うとは思ってたけど、まさか石で殴った上に崖から突き落とすとはね……」
「私を殺せば国から英雄視され、刑から逃れられると考えたようです」
「は? なんでそうなるの?」
「私が術士である事を明かし、彼女の術が効いていない事を告げました」
「いや、誰にも効いてないけど」
「それで彼女に興味がないのを理解してもらえればと思ったのですが、それをどう解釈したのか……それは異常だからと殴りつけてきました」
実際は違いますが、正しい話をしても色々と証明が難しいです。
「よく生きてたね」
「彼女に殺人の経験がなかったのでしょう。何度も打ち付けて見えたかも知れませんが、実際に当たったのは一発か二発ですよ」
「それもだけど、崖から落ちてなんで骨折だけ?」
「たまにパラッツォからやってるので、なんとかなると思ったのですけどね」
過去に経験があったからです、などとは言えませんが。
「まぁとにかく。殺人未遂だから、しばらくキーちゃん保護対象になると思うよ」
「それは必要ないでしょう。彼女はもうここにはいません」
「え、そうなの? 海から逃げたとか?」
私はサチ様から聞いたという前提で、異世界人が元の世界に戻る方法がある事を告げました。
崖から落ちてる時に思い出した事を併せて伝えました。
「はぁー……なるほどね。じゃあ王都爆発させてたらその時消えてたかもね」
「おそらくは。市場の時消えなかったのは、殺意がなかったからでしょう」
「じゃあもういないの?」
「落ちる直前強い光を見た後、その場から居なくなりました。駆けつけた騎士の方も見ているかと思います」
再びベッドから降りようとして、ビャンコ様に申し上げます。
「ですので、私の保護は必要ありません。それにこの程度なら入院の必要はありません」
「バカなの!? 入院二週間、全治半年だよ!」
「いえ、でも歩けますし」
「歩くな! 寝てろ!」
「イザッコが私は殺しても死なないって言っていたでしょう?」
「普通は殺されたら死ぬの!」
「しかしモウカハナの営業が」
「すんな! どうせ酒とか料理とかに保存の術掛けてんでしょ?」
「しかし、二週間寝てるだけなど暇で……」
「分かった分かった、本持ってきてやるから。寝てろ! いいな?」
困りました。
私は夜型の生活をしているので、健全な入院生活など送れる気がしません。
しかし……
「分かりました。では私の部屋の鍵を渡しますので、今から言う本を持ってきて頂けますか?」
「へいへい、その位はやってやんよ。だから大人しくしてろ」
私は骨折くらいなどと思っていましたが、誰かを心配させる程の大怪我だと思い知らされました。
正直気合いを入れれば筋肉で固定できるので、歩く事は問題ないのですが……
ビャンコ様にここまで言わせるなら、大人しくしておいた方が良さそうですね。
私が二週間ベッドの上から動けない間、彼女の殺人未遂は新聞の記事になったそうです。
その時に異世界に帰った事も伝えられ、前代未聞だと大きな騒ぎになったと聞きました。
大人しく読書をして過ごすつもりでしたが、二週間の間色んな方がお見舞いに来てくださいました。
「おう、骨折だってな。近くに入院してるってんだからコレ見舞いな! 二週間か、暇出来たら顔出すから退院する時教えてくれよ!」
ミケーノ様が果物の詰め合わせを持ってきて、食べやすいように剥いてくださります。
「ちょっと、崖から落とされたなんて! 傷残ったりしない? え、骨折? 他にもあるでしょ? 切り傷? 本当にそれだけ? 国の宝が失われるところだったのよ? ユメノがまだこの国にいたら私が殺人犯になるところだったわ!」
カーラ様、間違ってもそんな事なさらないで下さい。
「あの日からニオイに悩まされなくなりましたけど、キーノスさんが大怪我したの知って……良くないけど、本当に怪我で済んで良かったです! 次に来る時、どんな本が欲しいですか?」
メル様ご心配お掛けしました。ニオイは本当に良かったですね。
「王都では彼女の話題で持ち切りだが、君の名前は表に出てないから安心してくれ。……え? 見舞いにモウカハナの客が? ビャンコさんが教えた? ……キーノスの事心配してるんだね」
カズロ様、多分違います。本を持ってくるのが面倒だから、私を暇にさせない為かと思われます。
「入院は退屈でしょう、しかも足の骨折なら動けないですしね。お見舞いは音響効果に関する学術誌と、ウチのカタログです。モウカハナの再開、楽しみにしてますよ」
シオ様が花瓶の花を取替えて下さいます。カタログギフトと学術誌しっかり読ませて頂きます。
「本当にすみませんでした! キーノスさんに怪我をさせるつもりなんて本当になかったから……出来ることがあったら言ってください! とりあえず服と本、それから」
殿下……お心遣いは嬉しいですが、それなら退院させて欲しいです。
「フン、やっぱ殺しても死なねぇなお前は。崖から落ちて骨折るようじゃヤワな証拠だ! 退院したら訓練所へ来い、鍛えなおしてやる!」
騎士団長、では一度落ちてみては? 骨折程度で済めば良いですね。
二週間の間退屈するかと思ってましたが、お見舞いに来てくださる方が多く思いの外楽しい時間を過ごしました。
お見舞いの品も沢山頂き、どうやって返礼しようか悩むのも楽しく思えます。
サチ様の最期の言葉。
「友人と仲良く」という言葉。
もしかしたら、私はようやく実行出来るかもしれません。
随分かかってしまったから、サチ様はもう忘れてしまっているかもしれませんが。
例の彼女は元の世界にお帰りになりましたが、決して不幸な境遇に戻った訳ではないでしょう。
こちらの辺境で畑仕事を手伝ったりするより良かったのかもしれませんね。
もう会うことはないでしょうが、幸せなその後をお祈りしておきます。
私は明日退院です。
骨はほとんどくっついているので、明日からモウカハナを再開したいと考えています。
服のサイズが合ってないのかウエストの辺りがはち切れそうだ。
とりあえずここにいる女ならウチの客っぽいので声を掛けておこう!
「お姉さんいらっしゃーい! 遊びに来てくれたの? ウチは初めて?」
すると女が凄い勢いで振り向いて、掴みかかってきた。
やめろよ、服が伸びる!
「ねぇ、ここどこ!? 今いつなの!?」
酔っ払いか? こんな時間から?
とにかくヤバい女みたいだ、適当に躱して店で警察に……
「ナンバーイレブンの前だけど、何の冗談? エイプリルフールは終わってるよ」
「は? ナンバーイレブン!?」
「ホストクラブだよ、アンタ客じゃないの?」
「……タクヤ! タクヤに会わせて!」
「ハァ? アンタオーナーの知り合い?」
「オーナー?」
「ウチでタクヤはオーナーしかいないよ。アンタ、ホントに何なの?」
巨漢が俺を突き飛ばして、そのままブツブツと何か独り言を言っている。
俺は店の中に走って逃げ、オーナーにヤバい女がいる事を報告した。
『現代の神隠し、ホストクラブ前で失踪した女性発見』
三年前にニュースになった某IT企業の社長の一人娘の失踪事件が、予想外の解決を見せたとネットを賑わせた。
突然消えて、突然現れた事からニュースで「神隠し」と呼ばれ、オカルトフリークの間で熱く議論された。
篠田夢乃、三十四歳。
彼女は都内のホストクラブからの通報で一時警察で身柄を預かっていたが、失踪期間中の話を聞いても意味がわからない事を繰り返した。
薬物中毒を疑い検査もしたが反応なし。
程なくして現れた父親に身柄を引渡し、事なきを得た。
───────
目を覚ました時、視界に見知らぬ天井が入りました。
どうやら私はベッドに寝かされているようです。
体の状態を意識して確認すると、右腕と右足を骨折していますが治療済のようです。
あの海崖からの落下中に術を展開をして安全に着地するつもりでしたが、直前まで魔力を消費し続けていたため上手く発動できず、怪我をして気を失ってしまったようです。
怪我が右側に偏っているということは、私は右半身を強打したようです。
自分の体の状態が分かったところで、今度は状況が気になります。
今の時刻と、ここはどこでしょうか? 治療がされてる理由も気になります。
左腕を使って上体を起こし、周囲を観察しようとしました。
「き、キーちゃん! 気が付いたんだね! まだ寝てなよ!」
ベッドの傍の椅子に白い姿を確認しました。
ビャンコ様が何故?
「ここは何処ですか? 私は崖下に居たはずですが」
「バカ、病院だよ! 崖から落ちたんでしょ? 騎士団が近くの診療所まで運んでくれたんだよ」
「だとしたら、何故あなたがここに?」
「おま、仮にも心配して駆けつけた友人にそれ?」
「駆けつけ……?」
「病院に運ばれてすぐ騎士団から報告が来たんだよ、キーちゃんが突き落とされた! って。それで殿下が来ようとしたから代わりにオレが来たの」
「そうでしたか」
「現場にいた騎士は今事情聴取されてるよ、一応の見張りも兼ねてオレがいるの!」
「見張り、ですか?」
「ユメノに落とされたんでしょ? またキーちゃん殺しに来るかもしれないじゃん」
「あぁ、そういうことでしたか」
それから大体の事情を説明して頂きました。
ここは港の近くの診療所で、今は夜の九時から十時の間の時刻。
モウカハナが一番忙しい時刻ですね。
今日はお休みにするしかなさそうです。
「とりあえず、私はもう大丈夫です。ご心配お掛けしました」
私はベッドから降りようとしました。
「いやいや何してんの? 崖から突き落とされたんだよ?」
「手足が折れただけですし、治療もして頂けたのでもう歩けます。治療費は」
「良いから寝てろ!」
ビャンコ様に額を叩かれました。
一応、彼女に後頭部を連打されてるのですが。
「報告受けた時は本当にびっくりしたよ。色仕掛けの意味で襲うとは思ってたけど、まさか石で殴った上に崖から突き落とすとはね……」
「私を殺せば国から英雄視され、刑から逃れられると考えたようです」
「は? なんでそうなるの?」
「私が術士である事を明かし、彼女の術が効いていない事を告げました」
「いや、誰にも効いてないけど」
「それで彼女に興味がないのを理解してもらえればと思ったのですが、それをどう解釈したのか……それは異常だからと殴りつけてきました」
実際は違いますが、正しい話をしても色々と証明が難しいです。
「よく生きてたね」
「彼女に殺人の経験がなかったのでしょう。何度も打ち付けて見えたかも知れませんが、実際に当たったのは一発か二発ですよ」
「それもだけど、崖から落ちてなんで骨折だけ?」
「たまにパラッツォからやってるので、なんとかなると思ったのですけどね」
過去に経験があったからです、などとは言えませんが。
「まぁとにかく。殺人未遂だから、しばらくキーちゃん保護対象になると思うよ」
「それは必要ないでしょう。彼女はもうここにはいません」
「え、そうなの? 海から逃げたとか?」
私はサチ様から聞いたという前提で、異世界人が元の世界に戻る方法がある事を告げました。
崖から落ちてる時に思い出した事を併せて伝えました。
「はぁー……なるほどね。じゃあ王都爆発させてたらその時消えてたかもね」
「おそらくは。市場の時消えなかったのは、殺意がなかったからでしょう」
「じゃあもういないの?」
「落ちる直前強い光を見た後、その場から居なくなりました。駆けつけた騎士の方も見ているかと思います」
再びベッドから降りようとして、ビャンコ様に申し上げます。
「ですので、私の保護は必要ありません。それにこの程度なら入院の必要はありません」
「バカなの!? 入院二週間、全治半年だよ!」
「いえ、でも歩けますし」
「歩くな! 寝てろ!」
「イザッコが私は殺しても死なないって言っていたでしょう?」
「普通は殺されたら死ぬの!」
「しかしモウカハナの営業が」
「すんな! どうせ酒とか料理とかに保存の術掛けてんでしょ?」
「しかし、二週間寝てるだけなど暇で……」
「分かった分かった、本持ってきてやるから。寝てろ! いいな?」
困りました。
私は夜型の生活をしているので、健全な入院生活など送れる気がしません。
しかし……
「分かりました。では私の部屋の鍵を渡しますので、今から言う本を持ってきて頂けますか?」
「へいへい、その位はやってやんよ。だから大人しくしてろ」
私は骨折くらいなどと思っていましたが、誰かを心配させる程の大怪我だと思い知らされました。
正直気合いを入れれば筋肉で固定できるので、歩く事は問題ないのですが……
ビャンコ様にここまで言わせるなら、大人しくしておいた方が良さそうですね。
私が二週間ベッドの上から動けない間、彼女の殺人未遂は新聞の記事になったそうです。
その時に異世界に帰った事も伝えられ、前代未聞だと大きな騒ぎになったと聞きました。
大人しく読書をして過ごすつもりでしたが、二週間の間色んな方がお見舞いに来てくださいました。
「おう、骨折だってな。近くに入院してるってんだからコレ見舞いな! 二週間か、暇出来たら顔出すから退院する時教えてくれよ!」
ミケーノ様が果物の詰め合わせを持ってきて、食べやすいように剥いてくださります。
「ちょっと、崖から落とされたなんて! 傷残ったりしない? え、骨折? 他にもあるでしょ? 切り傷? 本当にそれだけ? 国の宝が失われるところだったのよ? ユメノがまだこの国にいたら私が殺人犯になるところだったわ!」
カーラ様、間違ってもそんな事なさらないで下さい。
「あの日からニオイに悩まされなくなりましたけど、キーノスさんが大怪我したの知って……良くないけど、本当に怪我で済んで良かったです! 次に来る時、どんな本が欲しいですか?」
メル様ご心配お掛けしました。ニオイは本当に良かったですね。
「王都では彼女の話題で持ち切りだが、君の名前は表に出てないから安心してくれ。……え? 見舞いにモウカハナの客が? ビャンコさんが教えた? ……キーノスの事心配してるんだね」
カズロ様、多分違います。本を持ってくるのが面倒だから、私を暇にさせない為かと思われます。
「入院は退屈でしょう、しかも足の骨折なら動けないですしね。お見舞いは音響効果に関する学術誌と、ウチのカタログです。モウカハナの再開、楽しみにしてますよ」
シオ様が花瓶の花を取替えて下さいます。カタログギフトと学術誌しっかり読ませて頂きます。
「本当にすみませんでした! キーノスさんに怪我をさせるつもりなんて本当になかったから……出来ることがあったら言ってください! とりあえず服と本、それから」
殿下……お心遣いは嬉しいですが、それなら退院させて欲しいです。
「フン、やっぱ殺しても死なねぇなお前は。崖から落ちて骨折るようじゃヤワな証拠だ! 退院したら訓練所へ来い、鍛えなおしてやる!」
騎士団長、では一度落ちてみては? 骨折程度で済めば良いですね。
二週間の間退屈するかと思ってましたが、お見舞いに来てくださる方が多く思いの外楽しい時間を過ごしました。
お見舞いの品も沢山頂き、どうやって返礼しようか悩むのも楽しく思えます。
サチ様の最期の言葉。
「友人と仲良く」という言葉。
もしかしたら、私はようやく実行出来るかもしれません。
随分かかってしまったから、サチ様はもう忘れてしまっているかもしれませんが。
例の彼女は元の世界にお帰りになりましたが、決して不幸な境遇に戻った訳ではないでしょう。
こちらの辺境で畑仕事を手伝ったりするより良かったのかもしれませんね。
もう会うことはないでしょうが、幸せなその後をお祈りしておきます。
私は明日退院です。
骨はほとんどくっついているので、明日からモウカハナを再開したいと考えています。
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