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紅が散る春の渚
#6
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今日の空は生憎の雨模様。
春が訪れてからは暖かい日々が続いていましたが、降り続ける雨が青空と陽気を王都から隠してしまっています。
私は王都の噴水広場前にいます。
足早に横切る街の人たちを眺めながら、私は人を待っています。
昨日私の部屋に飛んできた伝書鳩で、庁舎に赴く事になったのです。
今日は雨で良かったです、暗い色の服を着てフードを被れば私など誰も目に留めません。
でも、私は雨の日の外出はどうしても好きになれません。
「お待たせキーノス。雨の中すまない」
傘をさしながから、カズロ様が駆け寄ってきました。
私はてっきり伝書鳩が飛んでくると思っていたので予想外です。
「まさかカズロ様がいらっしゃるとは思いませんでした」
「君と知り合いで庁舎勤務で目立たないのは僕しかいない」
「カズロ様は充分に目を引きますよ?」
「君が言うな」
私には知り合いがそもそも多くありません。
庁舎勤務ならビャンコ様、ネストレ様、殿下……
「大変申し訳ありません、お足元の悪い中ご足労まことにありがとうございます」
「別に構わないよ。とりあえず、庁舎の会議室に案内しようと思ったけど…」
カズロ様が私を足元から頭まで視線を移動し、ため息をつきます。
「その格好だと、彼女よりテロリストに見えるな……」
「申し訳ありません。王都の中心で待ち合わせと聞いて、可能な限りで目立たない格好と考えたらコレしかなくて」
「うーん……」
カズロ様がヒビの入った額に手を当て、悩んでしまっています。
「よし、カーラの店に行くぞ。あそこなら急に行っても大丈夫だろう」
私が何か言う前にスタスタと歩いて行ってしまいました。
私は慌てて後を追いますが、カズロ様は歩く速度が思いの外早いです。
「カズロ様、お願いですからその請求書私にください……」
庁舎に入ってからは、いつもの視線に晒されております。
私はカズロ様とカーラ様の手により、コートからジャケットに着替えております。
カズロ様が経費で落とすと言い、ジャケット代を支払ってくださいました。
「殿下から却下されたらモウカハナへ持っていくから安心しろ」
指定の場所に着いたのかカズロ様が扉の前で足を止め、扉の向こうへ声を張ります。
「失礼します、キーノス殿をお連れしました」
中から低く威圧的な声が返ってきました。
「入れ」
カズロ様が扉を開け、私はそれに伴い入室する事になりました。
「キーノスさん! 来てくれないかと思ってたよ!」
室内には殿下が待っておりました。
見回すと綺麗なビャンコ様と騎士団長がいらっしゃいます。
「では私はこれで失礼します」
カズロ様はそう言い、速やかに立ち去ります。
室内にいた三人はそれを頷きながら見送り、この部屋に私は残されました。
「確かに新聞の楽士の写真と一致するな」
騎士団長が私を見て言います。
ネストレ様の制服の装飾で銀の部分が金になっています。
……ここは、私から話すのが一番早そうです。
「勅令に従い参りました、キーノスと申します。ご拝命を頂けたら直ちに行動致します」
私は扉の前で頭をたれて申し上げます。
「ハッ……あの悪鬼がここまで変わるとは。時が経つのも早い」
騎士団長が感慨深そうに言います。
……本当に失礼な方です。
殿下が遮り、私へ向き直り話をはじめます。
「ユメノ嬢の処遇が決まった。そこで君に協力を願いたい」
───────
連日の尋問と調査の結果、今回のテロ未遂はユメノの狂言という結論に至った。
・目的は王太子殿下との婚姻
・噴水の破壊は脅迫、実行能力がない
・楽士とは面識なし、単独犯
テロは実行不可能と判断出来たのが大きい。
なので、既に決定した罪状で刑が決まる事になったが。
普通なら罰金刑、支払えない場合は懲役となるが、彼女にはブランカ商会という強力な後ろ盾がある。
すぐに何事も無かったように元の生活に戻るだろう。
そこでまずは勅令で、彼女の後見人のブランカ氏を呼び出した。
後見人から外れてもらうためだ。
難航するのを予想していたが……
「今回の事で、罰金刑になったらその刑は私の刑だと考えて受けるつもりでした。ですがそれで彼女の後見人としての責務は果たしたと考え、外れるつもりでいました」
と、あっさりと了承を得られた。
それどころか更に。
「彼女を野放しにする訳にはいかないでしょうから……懇意の辺境騎士に預け、王都から離す相談をしていました」
と、釈放後の段取りも考えていたらしい。
殿下はブランカ氏の考えを聞き、罰金刑を取り下げ懲役刑に変更。
彼女を辺境に送り、騎士の活動の手助けをさせることにした。
やっかいな問題はもう一つある。彼女の異能だ。
本当なら制御のために術の扱い方を教えるべきなのだが。
それが、強力な魅了でなければ。
また、確認できたのはビャンコのみだが強力な蜃気楼も使用している。
今回の事件は大事件には至らなかったものの、どう考えても危険人物が扱えるようにして良いものとは考えられない。
───────
「実は目処はたっているんですよ」
「それは何よりです」
「聞かないの? どんな方法か」
「殿下のお考えに従います」
殿下は一通り彼女の処遇を説明してくださいました。
彼女は結局、辺境へ送られることになったのですね。
私はこの部屋に入った時のまま、動かずにいます。
「私が魔獣を使って、彼女の魔力を食べて貰う事にしたのですよ」
ビャンコ様が応えました。
───────
「術を使わせないだけならできるよ、使うための魔力を魔獣に食わせ続ければ良いんだよ」
聖獣局が管理する魔獣の中に変わった寄生植物がある。
無毒でほとんど無害だが、魔力を扱える存在にとってはとてもやっかいな植物である。
寄生した対象の魔力を吸い続け、それを空気中へ無害なものとして変換・放出してしまうものだ。
「前にジャンプ力が高すぎて自死しちゃう魔獣のウサギに使った事があるよ」
脚力強化と弱い飛翔の術を使うウサギだが、着地の際に飛翔が上手く発動せず、骨折したり酷い時は転落死してしまうのだ。
試しに例の植物を寄生させたところ、寄生前のように高く飛べなくはなったが怪我をする事もなくなった。
ただ大きな問題があり、この植物は一度取り付くと除去するのが難しい。
植物その物は小さなもので、取り付いたかどうかもすぐには分からない。
「だから二度と術を使わせないつもりだったら、寄生させるのは問題ないと思うよ」
終身刑の扱いになるが、それなら確実に彼女の術を封じる事ができる。
───────
「彼女に今尋問で使用している道具を持たせるのも考えましたが、廃棄されてしまえば意味がありません。また、彼女が術の扱い方を覚えた時に悪用する可能性が高いと考えてます」
その通りかと思います。
「もっと早く使えば良かったのかもしれないけど、その魔獣を使うなら一生魔力は使えないだろうから……最終手段で考えてたんだよ」
学術書で見た事はありますが、まさか国で管理されてるとは思いませんでした。
魔力の供給さえあれば枯れる事がないと聞きます。
殿下が騎士団長の方へ向きながら話を続けます。
「それで彼女に説明したら、面談室で大暴れしてね」
「俺が無理やり押さえつけて止めたが、喚く喚く。どうしようもないから手錠をした上で椅子に縛り付けた」
フン、と分かりやすく鼻で笑います。
「俺が苦手らしくてな、強めに決定事項だと告げたら泣いて謝ってきたが遅すぎだ。俺が怖いから謝ってるだけだからあんなものは謝罪とは呼ばん」
騎士団長は屈強な姿と鋭い目付きが特徴的です。
声も低く声量も大きいため、威圧的な印象を持たれますし、実際の性格には傲慢さが加わります。
仕事には誠実で責任感も強いため、武力も合わさり今の立場にあります。
「顔を上げてくれ」
殿下に言われ、私は顔を上げます。
正直、私は困惑しています。
一通り話を聞かせて貰いましたが、その理由が分かりません。
「魔獣を使うのは決定事項だ、ユメノに拒否権はない。そこまではあの女でも理解は出来たらしい。だが頭の悪い要求をしてきた、それがお前だ。悪鬼」
「……騎士団長の言い方が悪くてすまない。魔獣を使う前にどうしても楽士に会いたいと言うんだ」
「こんな人形みたいなツラした根暗に会いたいとは、やっぱアイツ頭イカれてんな」
「騎士団長、口が過ぎるぞ」
騎士団長は小さく一礼し、一歩下がります。
私は彼の表現が正常だと思っているので気になりませんが、悪意を向けられるのは気分が良いものではありません。
「では、彼女に面会すればよろしいですか?」
「あぁ、そうなんだが……」
「あの女条件付けてきてな。二人きりで海が見える場所で~だと! っんとにバカにしやがって……!」
騎士団長は大分頭にきているようですね。
「こんな事で申し訳ないとは思うけど、彼女のワガママもこれで最後だと思う。だから一度だけで良いから、会ってあげてくれないか?」
最後……確かにそうですね。
彼女は魔獣を付けられたあの姿が露になれば、辺境から戻ってくることもしないでしょう。
それに、私には特別に拒否できる理由はありません。
「承りました」
私は再び頭を下げます。
「すまないね。今日は雨だし、騎士団を隠して配置する予定だから今すぐにとは言えない。準備が整ったら連絡するから、待っていて貰えるかな?」
私は庁舎を後にし、雨の中を少し憂鬱な気分で帰宅します。
彼女に会う事などなければ良かったのに。私はしばらく鳩に警戒しながら生活する必要がありそうです。
春が訪れてからは暖かい日々が続いていましたが、降り続ける雨が青空と陽気を王都から隠してしまっています。
私は王都の噴水広場前にいます。
足早に横切る街の人たちを眺めながら、私は人を待っています。
昨日私の部屋に飛んできた伝書鳩で、庁舎に赴く事になったのです。
今日は雨で良かったです、暗い色の服を着てフードを被れば私など誰も目に留めません。
でも、私は雨の日の外出はどうしても好きになれません。
「お待たせキーノス。雨の中すまない」
傘をさしながから、カズロ様が駆け寄ってきました。
私はてっきり伝書鳩が飛んでくると思っていたので予想外です。
「まさかカズロ様がいらっしゃるとは思いませんでした」
「君と知り合いで庁舎勤務で目立たないのは僕しかいない」
「カズロ様は充分に目を引きますよ?」
「君が言うな」
私には知り合いがそもそも多くありません。
庁舎勤務ならビャンコ様、ネストレ様、殿下……
「大変申し訳ありません、お足元の悪い中ご足労まことにありがとうございます」
「別に構わないよ。とりあえず、庁舎の会議室に案内しようと思ったけど…」
カズロ様が私を足元から頭まで視線を移動し、ため息をつきます。
「その格好だと、彼女よりテロリストに見えるな……」
「申し訳ありません。王都の中心で待ち合わせと聞いて、可能な限りで目立たない格好と考えたらコレしかなくて」
「うーん……」
カズロ様がヒビの入った額に手を当て、悩んでしまっています。
「よし、カーラの店に行くぞ。あそこなら急に行っても大丈夫だろう」
私が何か言う前にスタスタと歩いて行ってしまいました。
私は慌てて後を追いますが、カズロ様は歩く速度が思いの外早いです。
「カズロ様、お願いですからその請求書私にください……」
庁舎に入ってからは、いつもの視線に晒されております。
私はカズロ様とカーラ様の手により、コートからジャケットに着替えております。
カズロ様が経費で落とすと言い、ジャケット代を支払ってくださいました。
「殿下から却下されたらモウカハナへ持っていくから安心しろ」
指定の場所に着いたのかカズロ様が扉の前で足を止め、扉の向こうへ声を張ります。
「失礼します、キーノス殿をお連れしました」
中から低く威圧的な声が返ってきました。
「入れ」
カズロ様が扉を開け、私はそれに伴い入室する事になりました。
「キーノスさん! 来てくれないかと思ってたよ!」
室内には殿下が待っておりました。
見回すと綺麗なビャンコ様と騎士団長がいらっしゃいます。
「では私はこれで失礼します」
カズロ様はそう言い、速やかに立ち去ります。
室内にいた三人はそれを頷きながら見送り、この部屋に私は残されました。
「確かに新聞の楽士の写真と一致するな」
騎士団長が私を見て言います。
ネストレ様の制服の装飾で銀の部分が金になっています。
……ここは、私から話すのが一番早そうです。
「勅令に従い参りました、キーノスと申します。ご拝命を頂けたら直ちに行動致します」
私は扉の前で頭をたれて申し上げます。
「ハッ……あの悪鬼がここまで変わるとは。時が経つのも早い」
騎士団長が感慨深そうに言います。
……本当に失礼な方です。
殿下が遮り、私へ向き直り話をはじめます。
「ユメノ嬢の処遇が決まった。そこで君に協力を願いたい」
───────
連日の尋問と調査の結果、今回のテロ未遂はユメノの狂言という結論に至った。
・目的は王太子殿下との婚姻
・噴水の破壊は脅迫、実行能力がない
・楽士とは面識なし、単独犯
テロは実行不可能と判断出来たのが大きい。
なので、既に決定した罪状で刑が決まる事になったが。
普通なら罰金刑、支払えない場合は懲役となるが、彼女にはブランカ商会という強力な後ろ盾がある。
すぐに何事も無かったように元の生活に戻るだろう。
そこでまずは勅令で、彼女の後見人のブランカ氏を呼び出した。
後見人から外れてもらうためだ。
難航するのを予想していたが……
「今回の事で、罰金刑になったらその刑は私の刑だと考えて受けるつもりでした。ですがそれで彼女の後見人としての責務は果たしたと考え、外れるつもりでいました」
と、あっさりと了承を得られた。
それどころか更に。
「彼女を野放しにする訳にはいかないでしょうから……懇意の辺境騎士に預け、王都から離す相談をしていました」
と、釈放後の段取りも考えていたらしい。
殿下はブランカ氏の考えを聞き、罰金刑を取り下げ懲役刑に変更。
彼女を辺境に送り、騎士の活動の手助けをさせることにした。
やっかいな問題はもう一つある。彼女の異能だ。
本当なら制御のために術の扱い方を教えるべきなのだが。
それが、強力な魅了でなければ。
また、確認できたのはビャンコのみだが強力な蜃気楼も使用している。
今回の事件は大事件には至らなかったものの、どう考えても危険人物が扱えるようにして良いものとは考えられない。
───────
「実は目処はたっているんですよ」
「それは何よりです」
「聞かないの? どんな方法か」
「殿下のお考えに従います」
殿下は一通り彼女の処遇を説明してくださいました。
彼女は結局、辺境へ送られることになったのですね。
私はこの部屋に入った時のまま、動かずにいます。
「私が魔獣を使って、彼女の魔力を食べて貰う事にしたのですよ」
ビャンコ様が応えました。
───────
「術を使わせないだけならできるよ、使うための魔力を魔獣に食わせ続ければ良いんだよ」
聖獣局が管理する魔獣の中に変わった寄生植物がある。
無毒でほとんど無害だが、魔力を扱える存在にとってはとてもやっかいな植物である。
寄生した対象の魔力を吸い続け、それを空気中へ無害なものとして変換・放出してしまうものだ。
「前にジャンプ力が高すぎて自死しちゃう魔獣のウサギに使った事があるよ」
脚力強化と弱い飛翔の術を使うウサギだが、着地の際に飛翔が上手く発動せず、骨折したり酷い時は転落死してしまうのだ。
試しに例の植物を寄生させたところ、寄生前のように高く飛べなくはなったが怪我をする事もなくなった。
ただ大きな問題があり、この植物は一度取り付くと除去するのが難しい。
植物その物は小さなもので、取り付いたかどうかもすぐには分からない。
「だから二度と術を使わせないつもりだったら、寄生させるのは問題ないと思うよ」
終身刑の扱いになるが、それなら確実に彼女の術を封じる事ができる。
───────
「彼女に今尋問で使用している道具を持たせるのも考えましたが、廃棄されてしまえば意味がありません。また、彼女が術の扱い方を覚えた時に悪用する可能性が高いと考えてます」
その通りかと思います。
「もっと早く使えば良かったのかもしれないけど、その魔獣を使うなら一生魔力は使えないだろうから……最終手段で考えてたんだよ」
学術書で見た事はありますが、まさか国で管理されてるとは思いませんでした。
魔力の供給さえあれば枯れる事がないと聞きます。
殿下が騎士団長の方へ向きながら話を続けます。
「それで彼女に説明したら、面談室で大暴れしてね」
「俺が無理やり押さえつけて止めたが、喚く喚く。どうしようもないから手錠をした上で椅子に縛り付けた」
フン、と分かりやすく鼻で笑います。
「俺が苦手らしくてな、強めに決定事項だと告げたら泣いて謝ってきたが遅すぎだ。俺が怖いから謝ってるだけだからあんなものは謝罪とは呼ばん」
騎士団長は屈強な姿と鋭い目付きが特徴的です。
声も低く声量も大きいため、威圧的な印象を持たれますし、実際の性格には傲慢さが加わります。
仕事には誠実で責任感も強いため、武力も合わさり今の立場にあります。
「顔を上げてくれ」
殿下に言われ、私は顔を上げます。
正直、私は困惑しています。
一通り話を聞かせて貰いましたが、その理由が分かりません。
「魔獣を使うのは決定事項だ、ユメノに拒否権はない。そこまではあの女でも理解は出来たらしい。だが頭の悪い要求をしてきた、それがお前だ。悪鬼」
「……騎士団長の言い方が悪くてすまない。魔獣を使う前にどうしても楽士に会いたいと言うんだ」
「こんな人形みたいなツラした根暗に会いたいとは、やっぱアイツ頭イカれてんな」
「騎士団長、口が過ぎるぞ」
騎士団長は小さく一礼し、一歩下がります。
私は彼の表現が正常だと思っているので気になりませんが、悪意を向けられるのは気分が良いものではありません。
「では、彼女に面会すればよろしいですか?」
「あぁ、そうなんだが……」
「あの女条件付けてきてな。二人きりで海が見える場所で~だと! っんとにバカにしやがって……!」
騎士団長は大分頭にきているようですね。
「こんな事で申し訳ないとは思うけど、彼女のワガママもこれで最後だと思う。だから一度だけで良いから、会ってあげてくれないか?」
最後……確かにそうですね。
彼女は魔獣を付けられたあの姿が露になれば、辺境から戻ってくることもしないでしょう。
それに、私には特別に拒否できる理由はありません。
「承りました」
私は再び頭を下げます。
「すまないね。今日は雨だし、騎士団を隠して配置する予定だから今すぐにとは言えない。準備が整ったら連絡するから、待っていて貰えるかな?」
私は庁舎を後にし、雨の中を少し憂鬱な気分で帰宅します。
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