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雪景色に踊る港の暴風
#4
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カーラ様に髪型をセットしてして頂き、私は裏方へ急ぎます。
打ち上げの裏方に制服があるのを知らず、ご迷惑を掛けております。
カーラ様に導かれるまま裏方へ向かっていると思っていたら、会場へ出てしまったようです。
壇上でミケーノ様が何か挨拶をなさっています。
「キーノスさん! その格好!!」
メル様が私を見て声をかけて下さいました。
この辺りにモウカハナの馴染みのお客様が多いのか、見知った方がいらっしゃいます。
「キーノス、時間がないから! はい、グラス持って!」
作法が分からないので言われるがままグラスを受け取ります。
「乾杯!!」
ここに居る人達が一斉に叫び、店中で声が溢れます。
どうやら、打ち上げは開始されてしまったようです。
私は裏方へ急がなければいけません。
「それでは私は失礼し」
「はいはーい! キーノスとりあえず乾杯よ!」
「いえ私は」
「はい、メルも! みんなホラ!」
「え、え? 乾杯です!」
メル様が先程私が置いたグラスに持っているグラスを当ててきます。
「そういうことか……」
「……キーノス、とりあえずグラス持って座ってくれますか?」
これも打ち上げの作法でしょうか?
裏方でも最初は乾杯するものなのでしょうか? シオ様の指示に従い、座ってグラスを持ちます。
そのグラスに、シオがグラスを軽く当ててきます。
「今年もお疲れ様です、その服すごく似合っていますね」
続いてカズロ様もグラスを当ててきます。
「お疲れ様、あと二日あるけど今年もありがとう」
続いてカーラ様とメル様がグラスを……。
「今年はキーノスさんと知り合えて本当に良かったです! ありがとうございます!」
「今年も……いえ今日は本当にありがとう。もう……っ」
カーラ様が目を潤ませております……私は何か……遅刻をしましたね……。
「本日は参加が遅れてしまい本当に申し訳ございませんでした、このような衣装をご用意していただき光栄に思います」
私は立ち上がり、精一杯の謝罪と感謝述べました。
カーラ様の涙を抑える方法が私には分かりません。
シオ様とカズロ様は微笑みながらこの様子を見ていて、メル様に至ってはカーラ様同様泣き出しそうな顔をなさっています。
「あの、本当に遅刻してしまい申し訳ありません。急ぎ業務に戻りますので、至らない点があれば、ご指摘を……」
結果だけ見れば、私は遅刻した上に華麗な装いにして頂き、未だ対応に困って業務に入れないでいる裏方です。
取り急ぎ業務に戻らなければいけません。
「はぁーー良かった、キーノス間に合ったんだな!!」
ミケーノ様がいらっしゃいました。
「キーノス、適当に飲んでってくれ!」
「え、しかしそれではここへ来た意味が」
「じゃあ片付け必要な頃に誰か倒れてるかもしれねぇし、最後に呼ぶまで楽しんでくれ!」
裏方で、呼ばれるまで……。
これは、不要との宣告を受けてしまったようです……。
先程大家さんとの乾杯で浮かれてた気分が一気に冷め、ミケーノ様への感謝をアダで返してしまった後悔が私を支配します。
全身から血の気が引きます。
私は、取り急ぎ更衣室へ戻ることにしました。
「ちょっとキーノスさん!? どこいくんです?!」
背後を通った私に、メル様が声をかけて下さいます。
「これでも裏方ですので、まずは更衣室へと……」
「更衣室じゃなくてお客様としてここにいましょうよ!」
メル様は本当にお優しいです。
恐らく理解で私の心情が分かるのでしょう。
ならなおさらこのままにしておいて頂いて構いませんのに……。
「キーノス、座ってくれ」
カズロ様からも声がかかります。
「いえ、それは……」
「良いから、そこへ座れ」
冷えた目と低い声で命令されました、逆らえない雰囲気がして素直に座ります。
「カーラ、ちゃんと説明してやれ。見てて可哀想だ」
「キーノス、とりあえず一度落ち着きましょう」
───────
カーラ様の話と皆様の推理を整理するとこうです。
最初から私を客として招くつもりだったようですが、過去の経験と私の性格を考え断られるとお考えだったそうです。
ただ私が裏方のヘルプは了承したのを見て、その場では裏方として勧誘したとの事です。
その後お二人とも忙しくモウカハナにご来店なさらなかったため、説明する機会がなかったようです。
ミケーノ様は私に招待状を送付する事で裏方という誤解を解き、カーラ様は裏方の作業など出来ないような服を私に着せることで裏方へまわさないようにするおつもりだったそうです。
計画は成功したのですが、私が理解せずただのクビ宣告と受け取ったため……この流れになったとの事です。
衣装は必要なかったのではと思いますが、先程のカーラ様の喜び様を思い出すと言うに言えません。
「ごめんねキーノス。もっとちゃんと説明すれば良かったわね……」
「私こそ理解できておらず申し訳ありません」
「もっと怒って良いんですよ?」
「私が遅刻したのも原因ですし」
「君は指定の十分前にはここに着いている。遅刻ではない」
「そうですよ! みんなでキーノスさんは来ないのかってソワソワしてたんですから!」
「こういう場にキーノスは遠慮して来ないと思ってたので、私は結構嬉しいんですよ?」
皆様が優しい言葉をかけて下さいます。
私は着席したままお辞儀をし、感謝を表します。
それを見て、皆様が安心して下ったようです。
「ここはミケーノ曰く『モウカハナテーブル』らしくて、僕達みたいな繋がりが分かりにくい客が固まってるんだって」
「モウカハナの知り合いで良いじゃないの」
「他のテーブルだと飲食店同士の横の繋がりがあるのでしょう、そうなると確かにこの場では私達は色物ですね」
「それ言われちゃうと、納得するしかないわね……特にカズロは」
「僕はまだ良いよ、この間庁舎でビャンコさんから遅れて参加するって聞いたよ」
「え、そうなの? それって大丈夫なの?」
「さぁ……ちょっと今ゴタゴタしてて忙しいから来れないとは思うけど」
「私は会ったことがないのですよね、聖獣局の局長様ですよね?」
全身の色素が薄く儚げな容姿に加え、真っ白いローブを着ているので高貴な神官のような出で立ちが特徴です。
たまに街中に現れた際に小鳥や猫が集まってくる姿は、神話で描かれる姿のようだと評判です。
「本当にキレイですよね……街中で見かけると、あの人の周りだけ空気が浄化されてますよね」
メル様さすがですね。
ユメノ様のニオイを嫌う彼が、自分の周囲に薄く結界を張っています。
「同僚だけど、あの人だけ別次元の空気あるからね。ここに来たら色物枠ってだけじゃ済まない気がするけど」
「私も同じ意見です。いくら知り合ったとはいえ、ミケーノなら分かりそうなものですけど……」
「う、う~ん、ワタシは違和感ないと思うけど……説明しにくいわね」
ソファに横になりながらメカブを手で食べ、私の事を「キーちゃん」と呼び腹を抱えて笑い転げる……。
千匹の猫の詰まったローブは本当に良い仕事をなさいます。
「まさか酒癖がすごく悪いとか……ですか?」
「いいえ、あの人きっとザルよ。飲んでも飲んでも変わらないの」
「モウカハナでしか出ないメニューか、裏メニューを頼むとか?」
「いつもジュンマイシュとメカブをご注文されます」
「メカブ……ですか? あれも美味しいですよね、僕も好きです」
「でしたら今日お持ちすれば良かったですね」
「でもそうなると、一度会えばここに居ても不思議には思わなくなる理由が想像出来ないんだけど」
千匹の猫のローブのお話をして良いものか……私は毎回幻術を張っているため言い出しにくく、カーラ様は信じてもらえないとお考えなのでしょう。
「うーん……正直に答えても、多分信じて貰えないと思うのよね……。他の誰なら良くても、あの人だと難しいわ」
「そうなのですか?」
「私もカーラ様に同意です」
「普段職場で顔合わせるけど、そもそもジュンマイシュとメカブを注文してる姿から想像できないね」
「ホントあの人メカブしか食べてなかったわよ」
しかもソファで寝ながら、ですね。
先日の事でメカブの食べ方は許可しましたが、ソファに関してはまだ許可してません。
「そうそう、この間みんなでモウカハナでお泊まり会したのよ!」
「お泊まり会??」
「みんなとは、誰とですか?」
「ワタシと、ミケーノと、キーノスとビャンコさんよ!」
「どういうメンバーそれ?」
「随分異色のメンバーですね」
「楽しそうですね、僕も次は誘ってください!」
「もちろんよ! それで、シオのお店のソファで寝たんだけど、あれすっごいわねー、うちのベットより快適に寝ちゃったわ!」
「それは何よりです。あのソファは私のこだわりが詰まってますから喜んで貰えて嬉しいですよ」
「あっそうだわ! 忘れてた」
カーラ様が私の前に灰皿を置きます。
「はい、ここタバコ吸って大丈夫よ!」
「お気遣いは嬉しいのですが、更衣室に置いてきてしまって」
「そうだったわ、やだごめんなさい! 取りに行きましょ!」
「こちらこそ準至らず申し訳ありません、荷物の中に差し入れがありますのでそちらも合わせて取りに戻れれば」
「そういう事なら、僕が行っても?」
私達のやり取りを聞いていたカズロ様が立ち上がります。
「ちょうどトイレに行きたかったんだよ。更衣室ってその奥のドアでしょ?」
「そうよ! じゃあお願いしちゃおうかしら?」
「分かった。キーノスも別に良いよね?」
「もちろん問題ありません」
私も立ち上がり同じテーブルの皆様に向け一礼して、カズロ様に続いて会場を後にしました。
打ち上げの裏方に制服があるのを知らず、ご迷惑を掛けております。
カーラ様に導かれるまま裏方へ向かっていると思っていたら、会場へ出てしまったようです。
壇上でミケーノ様が何か挨拶をなさっています。
「キーノスさん! その格好!!」
メル様が私を見て声をかけて下さいました。
この辺りにモウカハナの馴染みのお客様が多いのか、見知った方がいらっしゃいます。
「キーノス、時間がないから! はい、グラス持って!」
作法が分からないので言われるがままグラスを受け取ります。
「乾杯!!」
ここに居る人達が一斉に叫び、店中で声が溢れます。
どうやら、打ち上げは開始されてしまったようです。
私は裏方へ急がなければいけません。
「それでは私は失礼し」
「はいはーい! キーノスとりあえず乾杯よ!」
「いえ私は」
「はい、メルも! みんなホラ!」
「え、え? 乾杯です!」
メル様が先程私が置いたグラスに持っているグラスを当ててきます。
「そういうことか……」
「……キーノス、とりあえずグラス持って座ってくれますか?」
これも打ち上げの作法でしょうか?
裏方でも最初は乾杯するものなのでしょうか? シオ様の指示に従い、座ってグラスを持ちます。
そのグラスに、シオがグラスを軽く当ててきます。
「今年もお疲れ様です、その服すごく似合っていますね」
続いてカズロ様もグラスを当ててきます。
「お疲れ様、あと二日あるけど今年もありがとう」
続いてカーラ様とメル様がグラスを……。
「今年はキーノスさんと知り合えて本当に良かったです! ありがとうございます!」
「今年も……いえ今日は本当にありがとう。もう……っ」
カーラ様が目を潤ませております……私は何か……遅刻をしましたね……。
「本日は参加が遅れてしまい本当に申し訳ございませんでした、このような衣装をご用意していただき光栄に思います」
私は立ち上がり、精一杯の謝罪と感謝述べました。
カーラ様の涙を抑える方法が私には分かりません。
シオ様とカズロ様は微笑みながらこの様子を見ていて、メル様に至ってはカーラ様同様泣き出しそうな顔をなさっています。
「あの、本当に遅刻してしまい申し訳ありません。急ぎ業務に戻りますので、至らない点があれば、ご指摘を……」
結果だけ見れば、私は遅刻した上に華麗な装いにして頂き、未だ対応に困って業務に入れないでいる裏方です。
取り急ぎ業務に戻らなければいけません。
「はぁーー良かった、キーノス間に合ったんだな!!」
ミケーノ様がいらっしゃいました。
「キーノス、適当に飲んでってくれ!」
「え、しかしそれではここへ来た意味が」
「じゃあ片付け必要な頃に誰か倒れてるかもしれねぇし、最後に呼ぶまで楽しんでくれ!」
裏方で、呼ばれるまで……。
これは、不要との宣告を受けてしまったようです……。
先程大家さんとの乾杯で浮かれてた気分が一気に冷め、ミケーノ様への感謝をアダで返してしまった後悔が私を支配します。
全身から血の気が引きます。
私は、取り急ぎ更衣室へ戻ることにしました。
「ちょっとキーノスさん!? どこいくんです?!」
背後を通った私に、メル様が声をかけて下さいます。
「これでも裏方ですので、まずは更衣室へと……」
「更衣室じゃなくてお客様としてここにいましょうよ!」
メル様は本当にお優しいです。
恐らく理解で私の心情が分かるのでしょう。
ならなおさらこのままにしておいて頂いて構いませんのに……。
「キーノス、座ってくれ」
カズロ様からも声がかかります。
「いえ、それは……」
「良いから、そこへ座れ」
冷えた目と低い声で命令されました、逆らえない雰囲気がして素直に座ります。
「カーラ、ちゃんと説明してやれ。見てて可哀想だ」
「キーノス、とりあえず一度落ち着きましょう」
───────
カーラ様の話と皆様の推理を整理するとこうです。
最初から私を客として招くつもりだったようですが、過去の経験と私の性格を考え断られるとお考えだったそうです。
ただ私が裏方のヘルプは了承したのを見て、その場では裏方として勧誘したとの事です。
その後お二人とも忙しくモウカハナにご来店なさらなかったため、説明する機会がなかったようです。
ミケーノ様は私に招待状を送付する事で裏方という誤解を解き、カーラ様は裏方の作業など出来ないような服を私に着せることで裏方へまわさないようにするおつもりだったそうです。
計画は成功したのですが、私が理解せずただのクビ宣告と受け取ったため……この流れになったとの事です。
衣装は必要なかったのではと思いますが、先程のカーラ様の喜び様を思い出すと言うに言えません。
「ごめんねキーノス。もっとちゃんと説明すれば良かったわね……」
「私こそ理解できておらず申し訳ありません」
「もっと怒って良いんですよ?」
「私が遅刻したのも原因ですし」
「君は指定の十分前にはここに着いている。遅刻ではない」
「そうですよ! みんなでキーノスさんは来ないのかってソワソワしてたんですから!」
「こういう場にキーノスは遠慮して来ないと思ってたので、私は結構嬉しいんですよ?」
皆様が優しい言葉をかけて下さいます。
私は着席したままお辞儀をし、感謝を表します。
それを見て、皆様が安心して下ったようです。
「ここはミケーノ曰く『モウカハナテーブル』らしくて、僕達みたいな繋がりが分かりにくい客が固まってるんだって」
「モウカハナの知り合いで良いじゃないの」
「他のテーブルだと飲食店同士の横の繋がりがあるのでしょう、そうなると確かにこの場では私達は色物ですね」
「それ言われちゃうと、納得するしかないわね……特にカズロは」
「僕はまだ良いよ、この間庁舎でビャンコさんから遅れて参加するって聞いたよ」
「え、そうなの? それって大丈夫なの?」
「さぁ……ちょっと今ゴタゴタしてて忙しいから来れないとは思うけど」
「私は会ったことがないのですよね、聖獣局の局長様ですよね?」
全身の色素が薄く儚げな容姿に加え、真っ白いローブを着ているので高貴な神官のような出で立ちが特徴です。
たまに街中に現れた際に小鳥や猫が集まってくる姿は、神話で描かれる姿のようだと評判です。
「本当にキレイですよね……街中で見かけると、あの人の周りだけ空気が浄化されてますよね」
メル様さすがですね。
ユメノ様のニオイを嫌う彼が、自分の周囲に薄く結界を張っています。
「同僚だけど、あの人だけ別次元の空気あるからね。ここに来たら色物枠ってだけじゃ済まない気がするけど」
「私も同じ意見です。いくら知り合ったとはいえ、ミケーノなら分かりそうなものですけど……」
「う、う~ん、ワタシは違和感ないと思うけど……説明しにくいわね」
ソファに横になりながらメカブを手で食べ、私の事を「キーちゃん」と呼び腹を抱えて笑い転げる……。
千匹の猫の詰まったローブは本当に良い仕事をなさいます。
「まさか酒癖がすごく悪いとか……ですか?」
「いいえ、あの人きっとザルよ。飲んでも飲んでも変わらないの」
「モウカハナでしか出ないメニューか、裏メニューを頼むとか?」
「いつもジュンマイシュとメカブをご注文されます」
「メカブ……ですか? あれも美味しいですよね、僕も好きです」
「でしたら今日お持ちすれば良かったですね」
「でもそうなると、一度会えばここに居ても不思議には思わなくなる理由が想像出来ないんだけど」
千匹の猫のローブのお話をして良いものか……私は毎回幻術を張っているため言い出しにくく、カーラ様は信じてもらえないとお考えなのでしょう。
「うーん……正直に答えても、多分信じて貰えないと思うのよね……。他の誰なら良くても、あの人だと難しいわ」
「そうなのですか?」
「私もカーラ様に同意です」
「普段職場で顔合わせるけど、そもそもジュンマイシュとメカブを注文してる姿から想像できないね」
「ホントあの人メカブしか食べてなかったわよ」
しかもソファで寝ながら、ですね。
先日の事でメカブの食べ方は許可しましたが、ソファに関してはまだ許可してません。
「そうそう、この間みんなでモウカハナでお泊まり会したのよ!」
「お泊まり会??」
「みんなとは、誰とですか?」
「ワタシと、ミケーノと、キーノスとビャンコさんよ!」
「どういうメンバーそれ?」
「随分異色のメンバーですね」
「楽しそうですね、僕も次は誘ってください!」
「もちろんよ! それで、シオのお店のソファで寝たんだけど、あれすっごいわねー、うちのベットより快適に寝ちゃったわ!」
「それは何よりです。あのソファは私のこだわりが詰まってますから喜んで貰えて嬉しいですよ」
「あっそうだわ! 忘れてた」
カーラ様が私の前に灰皿を置きます。
「はい、ここタバコ吸って大丈夫よ!」
「お気遣いは嬉しいのですが、更衣室に置いてきてしまって」
「そうだったわ、やだごめんなさい! 取りに行きましょ!」
「こちらこそ準至らず申し訳ありません、荷物の中に差し入れがありますのでそちらも合わせて取りに戻れれば」
「そういう事なら、僕が行っても?」
私達のやり取りを聞いていたカズロ様が立ち上がります。
「ちょうどトイレに行きたかったんだよ。更衣室ってその奥のドアでしょ?」
「そうよ! じゃあお願いしちゃおうかしら?」
「分かった。キーノスも別に良いよね?」
「もちろん問題ありません」
私も立ち上がり同じテーブルの皆様に向け一礼して、カズロ様に続いて会場を後にしました。
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