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悩める局長の受難
#4
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シャンパーニュを軽く口にし、皆様人心地つかれたようです。
「今日のユメノの名言は『食堂ごときで予約!?』かな、俺は」
「私は『異世界人だから優秀』ですかね」
「『部長レベルじゃ動かせない!』もなかなか悪くないわよ?」
「じゃあ僕は『新聞社に訴えてやる!』だな…」
え? という顔をして、カズロ様以外の三名がカズロ様を見ます。
それに対し「あ」と小さく言い、軽くため息をつかれました。
「食堂で彼女をどうやって移動させたかと言うとね……」
───────
このまま居座りそうなので、とにかく彼女を早くテーブルから移動させようと考えた。
「君の言い分はよく分かった、今すぐ書類を総務課へ届けるように」
「えー! 今お昼休みですよー!? なんで働かなくちゃいけないんですか!? これパワハラですよ!?」
「……」
「ひどーーい! 異世界人にパワハラするなんて! 新聞社に訴えてやるんだから!」
埒が明かない。
すでに昼休憩も十五分は過ぎている。
その時、ふとカズロに名案が浮かんだ。
「今提出に行けば、総務課は昼休みで誰もいないんじゃないのか?」
「えっ? それが何だって言うんですか!?」
「『前もって提出済だった、そちらの確認ミスだ』と言えるかもしれないぞ?」
「はぁっ!? ……え、あぁ! そうか!」
怒りを顕にした表情が、天啓を得たかのか表情をコロッと笑顔に変える。
「さすがカズロさんですね! 前から超イケメンだと思ってたんですぅ~!」
「は? イケ……?」
「すぐ出してきますね! カズロさんありがとう!!」
ガタッと大きな音を立てて立ち上がると、案内役やカズロを突き飛ばしながら食堂内を走って去っていった。
「俺、サチ様とは面識あるんだよ実は」
嵐の後に、ネストレが呟く。
「異世界の人は礼儀正しいって考え方は改めた方がいいな……」
───────
「やはり策士ですね、カズロは」
「名言、ネストレさんのそれで決まりだな」
二枚目の紳士の甘言に、あっさり陥落した訳ですね。
「その場はそれで収まったし、本当ならこれで全て解決したはずなんだ。それなのに夕方くらいかな、彼女が僕のデスクに来たんだ」
───────
午前中の問題が片付いたと思っていたカズロは、普段放置しているような雑務を片付けていた。
そこへけたたましく頭痛の種が現れた。
「カズロさーん! コレにハンコお願いしまーす!」
鼻先に書類を突き出され、カズロは少し鼻白む。
「今日提出しないとヤバいんで、今すぐ! お願いします!」
「いや確認しないとハンコは」
「とりあえずハンコ押してくれれば良いんで!」
「押すわけないだろう、とりあえず書類を見せてくれ」
ユメノはふんっとため息をつき、書類を机の上に軽く叩きつけた。
その書類には「今期査定に置ける自己評価申告書」と書かれていた。
まだ出してなかったのか!
てっきりカズロの甘言通り、昼休み中にこっそり出したものだと思っていが……
しかし、昼休憩からの今だ。むしろ統計局長以外の局長の方が良いのでは?
「私に、コレを出すのか?」
「はぁ~い、カズロさんなら正しく私を見てくれると思って!」
色んな疑問が頭を巡ったが、とりあえず書類の中身を読んでみた。
みんなの声を代弁して「税金を下げろ!」と言いました。
そしたら「異世界人に払う分をカットしろ」っていう酷い話になって! 許せないのでアタシは移動を決意しました。
騎士団に入ったので、ネストレ様に挨拶したいと言ったのに止められちゃって。仕方なくこっそり会いに行こうとしたら騎士の人に捕まっちゃったんです!
だから大暴れしてアタシの戦力を示しました。アタシには戦う力があります!
経済局では後輩にいっぱいアドバイスしてあげました! その実力を買われて秘書にランクアップ! すぐに実力行使で関税をいっぱいあげた書類を内政局に届けました、これで税金問題も解決です!
聖獣局で、グリフォン達と仲良くなろうとがんばりました!
統計局ではアイドルとして目の保養に務めました!
アタシの活躍やここでの事を新聞記者に話して、ほんの少しだけ記事にしてもらえました!
「一応確認するが、これは自己評価申告書で合ってるよな?」
「カズロさんもそんな事言うんですか~?」
「半年より前の内容も含まれているようだが」
「あーそれー! 聖獣局で同じ内容出したら全部書き直さられちゃったんですー!」
「だろうな……」
「全部ナシにされて『聖獣に友好的に接した』だけになったんですよぉ? 酷くないですか?」
あぁ、聖獣局長。あなたの優しさは彼女には伝わらなかったようです。
嘆きながら、今日のこの「ユメノの自己評価申告書」にまつわる流れでカズロの中にふつふつと怒りが込み上げていた。
ふとある事に気づき、悪魔的な打算が浮かび上がった。
笑顔を浮かべ、カズロはユメノに告げた。
「よく分かった、書類作成お疲れ様。これ、僕がそのまま総務課に出しても良いかな? ハンコは押しておくから」
「ホントですか!? カズロさんありがとうございます!」
「今日は残りの仕事もないだろうし、帰っても良いよ」
「やったぁ! お疲れ様でした!」
ユメノはそのまま踵を返し、統計局を後にした。
扉から出ていった後しばらく、戻ってこないのを確信して、カズロはその書類に赤いインクで付け加えた。
『統計局にはアイドルはいません』
追記した書類を持ってユメノの席に行き、提出されていないであろう局員の書類もまとめて出そうと提出ボックスを見たが、中身は空。
どうやらユメノは他局員の分は提出してくれていたようだ。
その足で総務課へ、ちょうど入口に近い位置に総務課長がいた。
「お疲れ様です、お手を煩わせましたが統計局の残りの書類を提出に参りました」
「あぁっカズロ様! 申し訳ありませんこんなところまで!」
「いえ、こちらがご迷惑をおかけしておりますので出向くのは当然の事です」
カズロはユメノの書類を渡した。
総務課長は受け取り、確認した。
「……とりあえず、提出物としては問題ないかと」
何か含みのある言い方だが、受理してもらえるようだった。
「これで統計局員の書類はそろいましたか?」
「は、はい! これで全部です!」
「それは何よりです。もしかして他の局員の分も未提出かと思い……一応統計局の提出ボックス内は確認しましたが、何もなかったので大丈夫かとは思いましたが」
「そちらに関しては私が……」
「え?」
総務課長が気まずそうに目をそらす。
「いえ、いつも締切当日の正午きっかりに届けてくれるはずが今回は届かなかったので、どうしたのかな? と」
「いつもは私が昼休憩のついでに提出していたので、その差でしょう」
「その……締切の日の定時頃、こっそり統計局の提出ボックス見たら……中にたくさんの書類があって」
「……え?」
「失礼かとは思いましたが、書類を改めまして」
嫌な予感がする。
あの日締切の書類は自己評価申告書しかない。
締切前のものはあるが、そちらは私に提出するはずで……
「ユメノ様以外の方の書類はあったので、そのまま持って帰り受理しました。ユメノ様は別で提出されたのかと思っていたので……」
「お手を煩わせてしまい、本当に申し訳ありません!」
カズロはただ平謝りするしかなかった。
いくらなんでも……
書類を届けるくらいの事はしてくれていると思ってた。
自身の認識の甘さを反省し、総務課を後にした。
───────
「なぁにそれ、じゃあ結局彼女何もしてなかったの?」
「うっ……そこは僕も反省しなきゃいけないところだね」
「総務課長はお優しい方なんですね」
「そうだね。最近は迷惑ばかりかけてて本当に頭が下がるよ」
すっかり空になったシャンパーニュのグラスを回しながら、ミケーノ様が楽しそうに言います。
「何か考えがあるのか? どんな策なんだ?」
「まだ仕込みが必要だからね、結果が分かったらまた話すよ」
「ほぉー、それは楽しみだな!」
大分中身の減ったシャンパーニュを飲みながら、シオ様が頷きました。
「それにしても、移動させられた経緯が垣間見えましたね」
「本人にはあぁ見えてたんだなぁと感心したよ」
「まだ裏があるのかよ」
「うーん、話すと長いし……仮にもまだ局員だから、その辺は言えないんだけど」
カズロ様は苦笑いなさるだけで、それ以上は答えようとはないさいません。
「これからな話が多そうだが、今日は災難だったなカズロ!」
「正直ここには本当に癒されるよ、ギリギリ怒鳴らずに済んでるし」
「ワタシ達もカズロの話楽しんでるからお互いサマね」
「新聞では見えない話が多くて興味深いです」
皆様、すっかり良い気分になられたようで。
カズロ様もご来店の時より表情が明るくなっております。
「さて、明日も朝から仕込みがあるから俺はこの辺で!」
「あらミケーノも帰るの? ワタシも美容のためにそろそろ帰って寝なきゃって」
ミケーノ様とカーラ様が帰る準備を始め、お会計を始めます。
「カズロ、作戦の結果を話す時は私がいる時にしてくださいね? 楽しみです」
「もちろん! ……多分その時には移動の経緯も話せるかもしれないよ」
「ほぉ、それはそれは。益々気になりますね」
この後シオ様、カズロ様もお店を後になさいました。
私は皆様の使われた食器を片付けつつ、次のお客様を迎える準備を致します。
ちょうど日付が変わる時刻。当店は日が昇るまで営業しておりますので、皆様気軽にお立ち寄り下さい。
「今日のユメノの名言は『食堂ごときで予約!?』かな、俺は」
「私は『異世界人だから優秀』ですかね」
「『部長レベルじゃ動かせない!』もなかなか悪くないわよ?」
「じゃあ僕は『新聞社に訴えてやる!』だな…」
え? という顔をして、カズロ様以外の三名がカズロ様を見ます。
それに対し「あ」と小さく言い、軽くため息をつかれました。
「食堂で彼女をどうやって移動させたかと言うとね……」
───────
このまま居座りそうなので、とにかく彼女を早くテーブルから移動させようと考えた。
「君の言い分はよく分かった、今すぐ書類を総務課へ届けるように」
「えー! 今お昼休みですよー!? なんで働かなくちゃいけないんですか!? これパワハラですよ!?」
「……」
「ひどーーい! 異世界人にパワハラするなんて! 新聞社に訴えてやるんだから!」
埒が明かない。
すでに昼休憩も十五分は過ぎている。
その時、ふとカズロに名案が浮かんだ。
「今提出に行けば、総務課は昼休みで誰もいないんじゃないのか?」
「えっ? それが何だって言うんですか!?」
「『前もって提出済だった、そちらの確認ミスだ』と言えるかもしれないぞ?」
「はぁっ!? ……え、あぁ! そうか!」
怒りを顕にした表情が、天啓を得たかのか表情をコロッと笑顔に変える。
「さすがカズロさんですね! 前から超イケメンだと思ってたんですぅ~!」
「は? イケ……?」
「すぐ出してきますね! カズロさんありがとう!!」
ガタッと大きな音を立てて立ち上がると、案内役やカズロを突き飛ばしながら食堂内を走って去っていった。
「俺、サチ様とは面識あるんだよ実は」
嵐の後に、ネストレが呟く。
「異世界の人は礼儀正しいって考え方は改めた方がいいな……」
───────
「やはり策士ですね、カズロは」
「名言、ネストレさんのそれで決まりだな」
二枚目の紳士の甘言に、あっさり陥落した訳ですね。
「その場はそれで収まったし、本当ならこれで全て解決したはずなんだ。それなのに夕方くらいかな、彼女が僕のデスクに来たんだ」
───────
午前中の問題が片付いたと思っていたカズロは、普段放置しているような雑務を片付けていた。
そこへけたたましく頭痛の種が現れた。
「カズロさーん! コレにハンコお願いしまーす!」
鼻先に書類を突き出され、カズロは少し鼻白む。
「今日提出しないとヤバいんで、今すぐ! お願いします!」
「いや確認しないとハンコは」
「とりあえずハンコ押してくれれば良いんで!」
「押すわけないだろう、とりあえず書類を見せてくれ」
ユメノはふんっとため息をつき、書類を机の上に軽く叩きつけた。
その書類には「今期査定に置ける自己評価申告書」と書かれていた。
まだ出してなかったのか!
てっきりカズロの甘言通り、昼休み中にこっそり出したものだと思っていが……
しかし、昼休憩からの今だ。むしろ統計局長以外の局長の方が良いのでは?
「私に、コレを出すのか?」
「はぁ~い、カズロさんなら正しく私を見てくれると思って!」
色んな疑問が頭を巡ったが、とりあえず書類の中身を読んでみた。
みんなの声を代弁して「税金を下げろ!」と言いました。
そしたら「異世界人に払う分をカットしろ」っていう酷い話になって! 許せないのでアタシは移動を決意しました。
騎士団に入ったので、ネストレ様に挨拶したいと言ったのに止められちゃって。仕方なくこっそり会いに行こうとしたら騎士の人に捕まっちゃったんです!
だから大暴れしてアタシの戦力を示しました。アタシには戦う力があります!
経済局では後輩にいっぱいアドバイスしてあげました! その実力を買われて秘書にランクアップ! すぐに実力行使で関税をいっぱいあげた書類を内政局に届けました、これで税金問題も解決です!
聖獣局で、グリフォン達と仲良くなろうとがんばりました!
統計局ではアイドルとして目の保養に務めました!
アタシの活躍やここでの事を新聞記者に話して、ほんの少しだけ記事にしてもらえました!
「一応確認するが、これは自己評価申告書で合ってるよな?」
「カズロさんもそんな事言うんですか~?」
「半年より前の内容も含まれているようだが」
「あーそれー! 聖獣局で同じ内容出したら全部書き直さられちゃったんですー!」
「だろうな……」
「全部ナシにされて『聖獣に友好的に接した』だけになったんですよぉ? 酷くないですか?」
あぁ、聖獣局長。あなたの優しさは彼女には伝わらなかったようです。
嘆きながら、今日のこの「ユメノの自己評価申告書」にまつわる流れでカズロの中にふつふつと怒りが込み上げていた。
ふとある事に気づき、悪魔的な打算が浮かび上がった。
笑顔を浮かべ、カズロはユメノに告げた。
「よく分かった、書類作成お疲れ様。これ、僕がそのまま総務課に出しても良いかな? ハンコは押しておくから」
「ホントですか!? カズロさんありがとうございます!」
「今日は残りの仕事もないだろうし、帰っても良いよ」
「やったぁ! お疲れ様でした!」
ユメノはそのまま踵を返し、統計局を後にした。
扉から出ていった後しばらく、戻ってこないのを確信して、カズロはその書類に赤いインクで付け加えた。
『統計局にはアイドルはいません』
追記した書類を持ってユメノの席に行き、提出されていないであろう局員の書類もまとめて出そうと提出ボックスを見たが、中身は空。
どうやらユメノは他局員の分は提出してくれていたようだ。
その足で総務課へ、ちょうど入口に近い位置に総務課長がいた。
「お疲れ様です、お手を煩わせましたが統計局の残りの書類を提出に参りました」
「あぁっカズロ様! 申し訳ありませんこんなところまで!」
「いえ、こちらがご迷惑をおかけしておりますので出向くのは当然の事です」
カズロはユメノの書類を渡した。
総務課長は受け取り、確認した。
「……とりあえず、提出物としては問題ないかと」
何か含みのある言い方だが、受理してもらえるようだった。
「これで統計局員の書類はそろいましたか?」
「は、はい! これで全部です!」
「それは何よりです。もしかして他の局員の分も未提出かと思い……一応統計局の提出ボックス内は確認しましたが、何もなかったので大丈夫かとは思いましたが」
「そちらに関しては私が……」
「え?」
総務課長が気まずそうに目をそらす。
「いえ、いつも締切当日の正午きっかりに届けてくれるはずが今回は届かなかったので、どうしたのかな? と」
「いつもは私が昼休憩のついでに提出していたので、その差でしょう」
「その……締切の日の定時頃、こっそり統計局の提出ボックス見たら……中にたくさんの書類があって」
「……え?」
「失礼かとは思いましたが、書類を改めまして」
嫌な予感がする。
あの日締切の書類は自己評価申告書しかない。
締切前のものはあるが、そちらは私に提出するはずで……
「ユメノ様以外の方の書類はあったので、そのまま持って帰り受理しました。ユメノ様は別で提出されたのかと思っていたので……」
「お手を煩わせてしまい、本当に申し訳ありません!」
カズロはただ平謝りするしかなかった。
いくらなんでも……
書類を届けるくらいの事はしてくれていると思ってた。
自身の認識の甘さを反省し、総務課を後にした。
───────
「なぁにそれ、じゃあ結局彼女何もしてなかったの?」
「うっ……そこは僕も反省しなきゃいけないところだね」
「総務課長はお優しい方なんですね」
「そうだね。最近は迷惑ばかりかけてて本当に頭が下がるよ」
すっかり空になったシャンパーニュのグラスを回しながら、ミケーノ様が楽しそうに言います。
「何か考えがあるのか? どんな策なんだ?」
「まだ仕込みが必要だからね、結果が分かったらまた話すよ」
「ほぉー、それは楽しみだな!」
大分中身の減ったシャンパーニュを飲みながら、シオ様が頷きました。
「それにしても、移動させられた経緯が垣間見えましたね」
「本人にはあぁ見えてたんだなぁと感心したよ」
「まだ裏があるのかよ」
「うーん、話すと長いし……仮にもまだ局員だから、その辺は言えないんだけど」
カズロ様は苦笑いなさるだけで、それ以上は答えようとはないさいません。
「これからな話が多そうだが、今日は災難だったなカズロ!」
「正直ここには本当に癒されるよ、ギリギリ怒鳴らずに済んでるし」
「ワタシ達もカズロの話楽しんでるからお互いサマね」
「新聞では見えない話が多くて興味深いです」
皆様、すっかり良い気分になられたようで。
カズロ様もご来店の時より表情が明るくなっております。
「さて、明日も朝から仕込みがあるから俺はこの辺で!」
「あらミケーノも帰るの? ワタシも美容のためにそろそろ帰って寝なきゃって」
ミケーノ様とカーラ様が帰る準備を始め、お会計を始めます。
「カズロ、作戦の結果を話す時は私がいる時にしてくださいね? 楽しみです」
「もちろん! ……多分その時には移動の経緯も話せるかもしれないよ」
「ほぉ、それはそれは。益々気になりますね」
この後シオ様、カズロ様もお店を後になさいました。
私は皆様の使われた食器を片付けつつ、次のお客様を迎える準備を致します。
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