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<現代:不思議の町の小町>
何か……ムカついて来た!
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十四歳の未成年が労働しないで済む世界♪……法律上は……。
バイオレンスとは無縁の世界♪……本来は……。
命のやり取りの無い世界♪……その筈……。
この前みたいな洒落怖イベント、そうそう起こったりしない筈よ!
まあ、とにかく……そういう世界のハズ。
「今度こそ、私の食っちゃ寝、誰にも邪魔させたりし無いんだから!!」
ハッ?!
恐る恐る布団を捲って胸元を……有った!
二十円札♪
フフフ♪無事、現代に持って来れたみたい♪
でもまだ、油断は禁物よ。
チョット寒いけど、布団から這い出て、机の上の鏡にお札をかざす……やっぱりだ!
大正でどんぐりを鏡に映した時と同じだ。
白い靄の様に映ってる。
それなら……。
「二十円札!」
鏡の中の白い靄の形が定まり、色彩を得る。
で、鏡に映っているのは、紛う事無き二十円札よ!
「よっしゃーー!!完璧よ♪」
フッフッフ♪もうこれで、お金に困って不本意な労働を強いられる事は、当面無いわ♪
当面?!
いや、違う!
お金に困れば、大正から蘆屋小町の要らない私物を持って来て、アンティークショップとかオークションサイトで売り払えば良いのよ!
なんてったって蘆屋小町は、大正では日本有数の財閥の御令嬢なんだから、無限の質草をGETした様な物よ。
一生、金欠とは無縁の人生が決定した瞬間だわ♪
「さて、どうしよっかな~♪……そうだ、売りに行くお店を調べないと」
スマホで検索。
うちの近所はド田舎……風光明媚な処だから、やっぱ東京まで行かないと、そう言うお店は無さそう。
出来るだけ高く買ってくれそうなところが良いなー……ん?!
あっ、玉藻堂だ!
住所も銀座……間違いない。
「へー、現代にも有ったんだ……」
さすがに建物は、ビルに成ってるみたい。
玉藻堂でも古銭の買取してくれる様ね。
これも、何かの縁だし……と、言うかそれ以上に、なんかチョット興味も有るのよね……。
基本的に、大正で知り合った人達って、まあ、所謂上流階級で、現代の小野小町とは無縁の人達だから、その縁者の人達と現代では会ったことが無い。
そもそも、現代には存在すらしてい無い人達も結構居そう。
と、言う事で、玉藻堂で買い取ってもらいましょう♪
まあ、買い叩かれそうなら、他の店を探せば良いだけだし。
そうそう、もう一つ検索しなくちゃいけない事が……。
一お兄様の所属する部隊。
大正では、良い様に利用された感が有るものね……何か悔しい!
現代人の英知を思い知らせてやるわ!
「東部第33部隊。検索っと♪」
なになに……。
「陸軍中野学校……フンフン……秘密戦勤務要員の養成を目的として1938年7月東京の中野に創設した学校。……偽装用の通称号は東部第33部隊」
秘密戦?
何それ?
それも、検索。
「諜報や防諜など……って、つまり……スパイって事!」
1938年7月に創設って有るから、蘆屋小町の生きる時代より、十一年と半年先の未来?の話みたいだけど……。
無関係とは思えない。
そもそも、大正と現代は歴史的に繋がっていないから、大正の世界では、現代の史実より十一年半以上前に陸軍中野学校とやらが創設されたとも考えられるし、もしかすると、その学校が創設される以前から、それに近い組織が作られていて暗躍していたとも考えられるわね。
その東部第33部隊と言うのが、秘密戦勤務要員とやらの教育機関か、それとも、諜報機関そのものかは分からないけど……。
ともかく……一お兄様はスパイって事よ!
まあ、そう考えたら色々と納得だわ。
多分、以前から英国大使館の関係者を探っていたのよ。
だから、降霊会の事とか、公使の事、参事官の事、それと、大使の密命で調査していたローレンスさんの事とか、端から分かっていた……。
で、大使館でローレンスさんが殺害されて大事に成って……でも、スパイ活動で知り得た情報を、表立って提供するわけにもいかず、あんなまどろっこしい方法で、蘆屋小町を誘導したって事よ。
何か……ムカついて来た!
一お兄様は、最初から全部分かってたって事じゃ無い!
蘆屋小町がお正月を返上して、冬休みを返上して、帝都中走り回って調査したこと全部……。
無駄にイケメンで、普段は爽やかな好青年を装っているところが、尚の事ムカつくわ!
でも、正体がある程度分かった以上、もう良い様に使われたり、しないんだから!
フフフ♪
良いわ、その内この事をを逆手に取って、今度は蘆屋小町の方が良い様に使ってやるんだから♪
バイオレンスとは無縁の世界♪……本来は……。
命のやり取りの無い世界♪……その筈……。
この前みたいな洒落怖イベント、そうそう起こったりしない筈よ!
まあ、とにかく……そういう世界のハズ。
「今度こそ、私の食っちゃ寝、誰にも邪魔させたりし無いんだから!!」
ハッ?!
恐る恐る布団を捲って胸元を……有った!
二十円札♪
フフフ♪無事、現代に持って来れたみたい♪
でもまだ、油断は禁物よ。
チョット寒いけど、布団から這い出て、机の上の鏡にお札をかざす……やっぱりだ!
大正でどんぐりを鏡に映した時と同じだ。
白い靄の様に映ってる。
それなら……。
「二十円札!」
鏡の中の白い靄の形が定まり、色彩を得る。
で、鏡に映っているのは、紛う事無き二十円札よ!
「よっしゃーー!!完璧よ♪」
フッフッフ♪もうこれで、お金に困って不本意な労働を強いられる事は、当面無いわ♪
当面?!
いや、違う!
お金に困れば、大正から蘆屋小町の要らない私物を持って来て、アンティークショップとかオークションサイトで売り払えば良いのよ!
なんてったって蘆屋小町は、大正では日本有数の財閥の御令嬢なんだから、無限の質草をGETした様な物よ。
一生、金欠とは無縁の人生が決定した瞬間だわ♪
「さて、どうしよっかな~♪……そうだ、売りに行くお店を調べないと」
スマホで検索。
うちの近所はド田舎……風光明媚な処だから、やっぱ東京まで行かないと、そう言うお店は無さそう。
出来るだけ高く買ってくれそうなところが良いなー……ん?!
あっ、玉藻堂だ!
住所も銀座……間違いない。
「へー、現代にも有ったんだ……」
さすがに建物は、ビルに成ってるみたい。
玉藻堂でも古銭の買取してくれる様ね。
これも、何かの縁だし……と、言うかそれ以上に、なんかチョット興味も有るのよね……。
基本的に、大正で知り合った人達って、まあ、所謂上流階級で、現代の小野小町とは無縁の人達だから、その縁者の人達と現代では会ったことが無い。
そもそも、現代には存在すらしてい無い人達も結構居そう。
と、言う事で、玉藻堂で買い取ってもらいましょう♪
まあ、買い叩かれそうなら、他の店を探せば良いだけだし。
そうそう、もう一つ検索しなくちゃいけない事が……。
一お兄様の所属する部隊。
大正では、良い様に利用された感が有るものね……何か悔しい!
現代人の英知を思い知らせてやるわ!
「東部第33部隊。検索っと♪」
なになに……。
「陸軍中野学校……フンフン……秘密戦勤務要員の養成を目的として1938年7月東京の中野に創設した学校。……偽装用の通称号は東部第33部隊」
秘密戦?
何それ?
それも、検索。
「諜報や防諜など……って、つまり……スパイって事!」
1938年7月に創設って有るから、蘆屋小町の生きる時代より、十一年と半年先の未来?の話みたいだけど……。
無関係とは思えない。
そもそも、大正と現代は歴史的に繋がっていないから、大正の世界では、現代の史実より十一年半以上前に陸軍中野学校とやらが創設されたとも考えられるし、もしかすると、その学校が創設される以前から、それに近い組織が作られていて暗躍していたとも考えられるわね。
その東部第33部隊と言うのが、秘密戦勤務要員とやらの教育機関か、それとも、諜報機関そのものかは分からないけど……。
ともかく……一お兄様はスパイって事よ!
まあ、そう考えたら色々と納得だわ。
多分、以前から英国大使館の関係者を探っていたのよ。
だから、降霊会の事とか、公使の事、参事官の事、それと、大使の密命で調査していたローレンスさんの事とか、端から分かっていた……。
で、大使館でローレンスさんが殺害されて大事に成って……でも、スパイ活動で知り得た情報を、表立って提供するわけにもいかず、あんなまどろっこしい方法で、蘆屋小町を誘導したって事よ。
何か……ムカついて来た!
一お兄様は、最初から全部分かってたって事じゃ無い!
蘆屋小町がお正月を返上して、冬休みを返上して、帝都中走り回って調査したこと全部……。
無駄にイケメンで、普段は爽やかな好青年を装っているところが、尚の事ムカつくわ!
でも、正体がある程度分かった以上、もう良い様に使われたり、しないんだから!
フフフ♪
良いわ、その内この事をを逆手に取って、今度は蘆屋小町の方が良い様に使ってやるんだから♪
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