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<大正:英国大使館の悪魔事件 解決編>
ウェンディゴ、狂乱
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洋館の地下で、眷属と成ったチヴィントンさんが触手を二本はやしていたわ。
喰らった者の数だけ、ウェンディゴの姿に近づくと云うこと。
チヴィントンさんは地下で、数人の眷属を喰らってあの姿に……参事官はアメリカで、ナンナ族の集落54人を喰らい、そして日本でも多くの人を……。
眷属の姿でも、触手をはやし、操れることを想像すべきだったわ……。
待って!
でもそれは、参事官が眷属に変異する前のことよ。
過去に取り込んだ人達の分も、変異後の姿に影響が有るとすれば……。
こ、これは……不味いわ!
「皆さん、距離を取って!!」
参事官の体は、さらに巨大化を続ける。
でも、それだけでは無いわ。
背中や肩から無数の触手。
体を変異させながらも、その触手を振るう。
切り掛かって来る三本の触手を左右に躱しながら、後方に飛びずさる様にして、距離を取る。
パン、パン、パン、パン、パン!
取り囲んでいた皆さんが、思い出したかの様に銃撃を始める。
そして、彼らを襲う触手。
カーン、カーン、カーン、と爺のキンジャールが、曹長さんの鬼童丸が、それらの触手を弾く。
両手を合わせ、両方の手袋に魔力を流す。
勿論、セクメトの慧眼を赤く輝かせて、無数の氷柱を浴びせかける様に放つ。
威力より数を放つことが大事。
取り囲んでいる皆さんが距離を取れる様に援護ですわ。
「銃撃しつつ距離を取れ!」
諏訪さんが、そう指示を出す。
「ニャャャーーーーー!」
「にゃゃゃーーーーー!」
妖精猫達も本来の姿に変異し、向かってくる触手を、ノワールは子気味良く躱し、ブランは強固な盾で弾く。
両手を合わせ、ウェンディゴに氷柱を浴びせかけながら、諏訪さんの元まで後退する。
「諏訪さん油断しましたわ……御免なさいですわ……」
「いいえ、小町ちゃんが悪いわけじゃ無いわ。まさか眷属とは言え、参事官が触手を出すなんて……。それにしても……参事官のあの姿はどう云う事なの?既に、明治神宮で戦った公使より大きいわ。触手の数も段違い……それに、未だ大きく成って……」
「参事官は、アメリカで既に54人……いいえ、イシャイニシュスさんの話では、その後も何度もウェンディゴに成っていたという話ですから、もっとたくさんの人を……。それに日本でも」
「じゃあ、その今まで殺めた人の数だけ……と云う事……」
「とにかく、諏訪さん、私はアレの足を、何とか止めてみますわ!」
「分かったわ。援護をするわね!」
諏訪さんは弾切れに成った銃を投げ捨て、サーベルを抜刀して、自身はウェンディゴの触手の射程範囲に切り込む。
そして、襲い来るその触手をサーベルで弾き、華麗に躱して翻弄しつつ、取り囲む兵や警官に後方から援護する様に指揮を取られている。
「一班、二班は頭部、他は触手を狙って牽制!」
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン!
途切れる事無く銃撃が続く。
巨大化は止まりましたけれど、今のウェンディゴは、見上げるほど。
この様な物を、外に出すわけにはいかないわ!
でも、これ程迄の巨体を、足止めする方法は……?
猫召喚の御札が千枚揃っていれば、贄とする猫以外を使って、巨大な鉄鎖の陣で取り囲む手段を取れるのだけれど……今の手持ちの310枚では、とても触手のリーチ外から取り囲むのは無理。
そう成ると、あれを使うしかないわ。
何処まで、通用してくれるかしら……。
その為にもアレに肉薄して仕掛ける必要が有るわね。
遠距離から仕掛けて、触手に弾かれる様な事にでも成ってしまったら、打つ手が無くなるもの。
「フーー」と一つ深呼吸。
では……覚悟を決めて……。
「ノワール!ブラン!行きますわよ!」
セクメトの慧眼をさらに強く輝かせ、氷柱の弾幕を張りながら、触手の射程圏に飛び込む。
その弾幕を掻い潜り、切り掛かってくる触手を、左右にステップを踏んで軽快に捌きつつ肉薄。
軽装なノワールはともかく、重装備のブランも私の動きに付いてきてくれる。
此れなら!
刹那、近付き過ぎた為か、弾幕を避ける様に左右から二本づつ、それから真上からも一本の触手が襲い掛かってくる。
咄嗟に、真上からの触手に一瞬だけ弾幕を集中し切断に成功。
左右を護る様に付いて来てくれるケット・シー達は?
右側を護るノワールはマンゴーシュで一本を弾き、もう一本の触手を器用にレイピアで突きを放ち弾き返す。
左を護るブランはタワーシールドを跳ね上げる様にして、一本の触手を弾き上げ、跳ね上がった自らの体制を利用して、メイスを振り下ろして、もう一本の触手を地面に打ち付ける。
ケット・シー達、結構器用な戦闘するのね、感心したわ♪
でも、これ以上肉薄するのは無理そう。
第二波の触手を已む無く、バックステップで後退しつつ回避。
妖精猫達も一緒に後退。
やっぱり、避けて肉薄するのは無理そうね。
仕方有りませんわ、戦術を変えましょ。
今度は、もっとアグレッシブに参りますわよ♪
喰らった者の数だけ、ウェンディゴの姿に近づくと云うこと。
チヴィントンさんは地下で、数人の眷属を喰らってあの姿に……参事官はアメリカで、ナンナ族の集落54人を喰らい、そして日本でも多くの人を……。
眷属の姿でも、触手をはやし、操れることを想像すべきだったわ……。
待って!
でもそれは、参事官が眷属に変異する前のことよ。
過去に取り込んだ人達の分も、変異後の姿に影響が有るとすれば……。
こ、これは……不味いわ!
「皆さん、距離を取って!!」
参事官の体は、さらに巨大化を続ける。
でも、それだけでは無いわ。
背中や肩から無数の触手。
体を変異させながらも、その触手を振るう。
切り掛かって来る三本の触手を左右に躱しながら、後方に飛びずさる様にして、距離を取る。
パン、パン、パン、パン、パン!
取り囲んでいた皆さんが、思い出したかの様に銃撃を始める。
そして、彼らを襲う触手。
カーン、カーン、カーン、と爺のキンジャールが、曹長さんの鬼童丸が、それらの触手を弾く。
両手を合わせ、両方の手袋に魔力を流す。
勿論、セクメトの慧眼を赤く輝かせて、無数の氷柱を浴びせかける様に放つ。
威力より数を放つことが大事。
取り囲んでいる皆さんが距離を取れる様に援護ですわ。
「銃撃しつつ距離を取れ!」
諏訪さんが、そう指示を出す。
「ニャャャーーーーー!」
「にゃゃゃーーーーー!」
妖精猫達も本来の姿に変異し、向かってくる触手を、ノワールは子気味良く躱し、ブランは強固な盾で弾く。
両手を合わせ、ウェンディゴに氷柱を浴びせかけながら、諏訪さんの元まで後退する。
「諏訪さん油断しましたわ……御免なさいですわ……」
「いいえ、小町ちゃんが悪いわけじゃ無いわ。まさか眷属とは言え、参事官が触手を出すなんて……。それにしても……参事官のあの姿はどう云う事なの?既に、明治神宮で戦った公使より大きいわ。触手の数も段違い……それに、未だ大きく成って……」
「参事官は、アメリカで既に54人……いいえ、イシャイニシュスさんの話では、その後も何度もウェンディゴに成っていたという話ですから、もっとたくさんの人を……。それに日本でも」
「じゃあ、その今まで殺めた人の数だけ……と云う事……」
「とにかく、諏訪さん、私はアレの足を、何とか止めてみますわ!」
「分かったわ。援護をするわね!」
諏訪さんは弾切れに成った銃を投げ捨て、サーベルを抜刀して、自身はウェンディゴの触手の射程範囲に切り込む。
そして、襲い来るその触手をサーベルで弾き、華麗に躱して翻弄しつつ、取り囲む兵や警官に後方から援護する様に指揮を取られている。
「一班、二班は頭部、他は触手を狙って牽制!」
パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン!
途切れる事無く銃撃が続く。
巨大化は止まりましたけれど、今のウェンディゴは、見上げるほど。
この様な物を、外に出すわけにはいかないわ!
でも、これ程迄の巨体を、足止めする方法は……?
猫召喚の御札が千枚揃っていれば、贄とする猫以外を使って、巨大な鉄鎖の陣で取り囲む手段を取れるのだけれど……今の手持ちの310枚では、とても触手のリーチ外から取り囲むのは無理。
そう成ると、あれを使うしかないわ。
何処まで、通用してくれるかしら……。
その為にもアレに肉薄して仕掛ける必要が有るわね。
遠距離から仕掛けて、触手に弾かれる様な事にでも成ってしまったら、打つ手が無くなるもの。
「フーー」と一つ深呼吸。
では……覚悟を決めて……。
「ノワール!ブラン!行きますわよ!」
セクメトの慧眼をさらに強く輝かせ、氷柱の弾幕を張りながら、触手の射程圏に飛び込む。
その弾幕を掻い潜り、切り掛かってくる触手を、左右にステップを踏んで軽快に捌きつつ肉薄。
軽装なノワールはともかく、重装備のブランも私の動きに付いてきてくれる。
此れなら!
刹那、近付き過ぎた為か、弾幕を避ける様に左右から二本づつ、それから真上からも一本の触手が襲い掛かってくる。
咄嗟に、真上からの触手に一瞬だけ弾幕を集中し切断に成功。
左右を護る様に付いて来てくれるケット・シー達は?
右側を護るノワールはマンゴーシュで一本を弾き、もう一本の触手を器用にレイピアで突きを放ち弾き返す。
左を護るブランはタワーシールドを跳ね上げる様にして、一本の触手を弾き上げ、跳ね上がった自らの体制を利用して、メイスを振り下ろして、もう一本の触手を地面に打ち付ける。
ケット・シー達、結構器用な戦闘するのね、感心したわ♪
でも、これ以上肉薄するのは無理そう。
第二波の触手を已む無く、バックステップで後退しつつ回避。
妖精猫達も一緒に後退。
やっぱり、避けて肉薄するのは無理そうね。
仕方有りませんわ、戦術を変えましょ。
今度は、もっとアグレッシブに参りますわよ♪
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