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<大正:英国大使館の悪魔事件 後編>
第三形態
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「小町ちゃん、この魔法陣は……」
「何かを閉じ込める為の、結界を張っている様ですわ。中のモノを外に出したく無いのですわね」
「では、この中に?」
「ええ恐らく、諏訪さんの想像通りのモノが居ると思いますわ。ですけれど……問題は何体居るか、ですわね」
扉に手を触れて、結界の中を探る……中は結構広そう、多分さっきの礼拝堂よりもかなり広いわ。
そして……見つけましたわ!
公使や眷属達と同じ種類の魔力を持ったモノ達が居るわ。
さほど強い魔力を持った個体が居ないところを見ると、全て眷属かしら。
数は、ひい、ふう、みい……。
「結界越しですので、あまり正確では有りませんけれど、恐らく十体前後の眷属が中に閉じ込められていますわ」
「それは、厄介な事に成ったわね。隊員全員で掛かれば、眷属程度なら制圧可能だとは思うのだけど、此方の被害も甚大な事に成るわ……」
そうね、此方に被害を出さない為にも、やはり少数精鋭で対処、と言うスタンスは変えない方が良いわ。
「そうですわね……お一人で二体をお相手すると言うのでは、如何かしら?」
「工場や玉藻堂に居た程度の相手なら、どうにか出来るとは思うけれど……。栗林さんを呼んだとしても、此方の人数が足りないわ。伍長では眷属の相手は務まらないし、他の隊員も同じよ」
「いいえ、爺を呼ぶ必要は有りませんし、他の隊員の方も呼ぶ必要も有りませんわ。強力な助っ人を二体、召喚すれば良いのですわ」
「助っ人を召喚?良いわ、小町ちゃんには何か奥の手が有るのね」
「曹長さんはいかがかしら?」
「ハッ、鬼童丸を振るえる空間さえ有れば何とか」
「それでしたら問題ありませんわ。中は結構広そうですもの。では、暫くお時間を頂きますわ」
二つ結ひのリボンをほどいて、飾りのカメオを手に取り、刀印を結んで魔力を流す。
カメオが白く発光し、形を変え二匹の子猫に。
「ニャー♪」
「にゃー♪」
「この子達って工場で使役していた子達ね。でも、こんな小っちゃくて可愛い子達が助っ人なの?」
「ええ、この黒い子がノワールで、白い子がブランと申しますの。ですけれど、このままでは戦力には成りませんわ。この子達の本当の姿を解放しなくては」
本当は、いきなり実践投入じゃなく、事前に試しておきたかったのだけれど……仕方が無いわ。
さあ、始めましょ。
ノワールとブランの小さな頭に手を添え、魔力を流し込む。
二匹は、お座りの恰好で、シッポと毛を逆立たせ、震えながら、流れ込む魔力に耐えているわ。
二匹とも、もう少し我慢して………………もうそろそろ……限界かしら。
頭に添えていた手を放す。
後は封印を解除するだけだわ。
右手で結んだ刀印をノワールの額に、左手で結んだ刀印をブランの額に。
「さあ、ノワール、ブラン、アナタ達の本当の姿を見せて頂戴♪封印解除!」
「ニャーーー♪」
「にゃーーー♪」
二匹の体が再び白く発光し、形を変えながら、大きく、身長130センチ程の人型へと……。
パーンと、包む白い光がはじけ飛び、中から本来の精霊の姿に成ったノワールとブランが現れる。
ノワールは、黒い毛並みに金色の大きな瞳は変わらないけれど、二本の足で立ち、皮のブーツに皮鎧、腰にはレイピアとマンゴーシュを差し、黒いマントを羽織って、羽飾りの付いた三角帽子を被った姿。
ブランも、白いふかふかの毛並みとエメラルドグリーンの瞳は変わらないけれど、白銀のプレートアーマーに身を包み、白いマントを羽織って、左手にタワーシールド、右手にメイスを持って、同じく二本足で立っている。
この子達の装備は、錬金術を応用して、魔力から一時的に具現化した物。
ノワールとブランで微妙に異なる魔法陣を使用したのは、この為よ。
「こ、小町ちゃん、これは……いったい……」
「この子達の本当の姿ですわ。この子達は妖精猫ですのよ」
お爺様のあの部屋で、この子達の黒と白の精霊結晶を初めて見つけた時から、この日が来るのを待ち望んだわ。
「以前から、研究に研究を重ねて、試行錯誤を繰り返して、やっと昨日召喚する事が出来ましたの。この子達なら、十二分に眷属のお相手を務める事が出来ますわ」
「妖精猫なんて……童話で読んだ事は有るけど、まさか実際に目にするなんて……。こ、小町ちゃん……そ、その……こんな時に何なんだけど……触っても……良いかしら?」
なんか……諏訪さんが挙動不審ですわ。
以前から何と無く、猫派だとは気づいていましたけれど、本物の妖精猫を目の前にすれば……まあ、お気持ちはお察ししますわ♪
「ええ、勿論構いませんわ♪」
「うふふふ♪うへへへ♪」
何時もの、凛とした諏訪さんは何処かへ行ってしまわれたわ。
デレッとノワールとブランの喉を、なでなでしていますわ。
「ハッ!コッホン!」
さすがに、我に返って、今の状況を思い出されたみたいだわ。
咳払いを一つして、何時もの諏訪さんに。
「分かったわ。小町ちゃんがそこ迄言うのだから、この子達は可愛いだけじゃ無いと言う事ね」
「ええ、勿論ですわ♪」
「それで、小町ちゃん、この結界はどうすれば良いのかしら?魔法陣を剥がせば中に入れるのかしら?」
「この魔法陣は、内側に閉じ込める事に特化した結界。ですから、外から結界を破るのは簡単ですけれど、単に魔法陣を剥がすだけでは駄目ですわ。魔法陣に込められている魔力と、正反対の波長の魔力を流して打ち消す必要が有りますわ」
「つまり、小町ちゃんは結界を破れるのね?」
波長を合わせて魔力を流すやり方は、お爺様の部屋のセキュリティや、公使の金庫のカギを開けるのとコツは同じ。
「ええ、容易いですわ」
「じゃあ、小町ちゃんお願い出来るかしら?」
「では、諏訪さん、曹長さん、それと、ノワールにブランも、準備は良いかしら」
右手を、扉の魔法陣の上に置いて、込められた魔力を探る、そして、それとは正反対の波長の魔力を……。
ピーンと、張りつめた糸が切れる様に、結界が消え去り、そして……地獄の門が開いていきますわ。
「何かを閉じ込める為の、結界を張っている様ですわ。中のモノを外に出したく無いのですわね」
「では、この中に?」
「ええ恐らく、諏訪さんの想像通りのモノが居ると思いますわ。ですけれど……問題は何体居るか、ですわね」
扉に手を触れて、結界の中を探る……中は結構広そう、多分さっきの礼拝堂よりもかなり広いわ。
そして……見つけましたわ!
公使や眷属達と同じ種類の魔力を持ったモノ達が居るわ。
さほど強い魔力を持った個体が居ないところを見ると、全て眷属かしら。
数は、ひい、ふう、みい……。
「結界越しですので、あまり正確では有りませんけれど、恐らく十体前後の眷属が中に閉じ込められていますわ」
「それは、厄介な事に成ったわね。隊員全員で掛かれば、眷属程度なら制圧可能だとは思うのだけど、此方の被害も甚大な事に成るわ……」
そうね、此方に被害を出さない為にも、やはり少数精鋭で対処、と言うスタンスは変えない方が良いわ。
「そうですわね……お一人で二体をお相手すると言うのでは、如何かしら?」
「工場や玉藻堂に居た程度の相手なら、どうにか出来るとは思うけれど……。栗林さんを呼んだとしても、此方の人数が足りないわ。伍長では眷属の相手は務まらないし、他の隊員も同じよ」
「いいえ、爺を呼ぶ必要は有りませんし、他の隊員の方も呼ぶ必要も有りませんわ。強力な助っ人を二体、召喚すれば良いのですわ」
「助っ人を召喚?良いわ、小町ちゃんには何か奥の手が有るのね」
「曹長さんはいかがかしら?」
「ハッ、鬼童丸を振るえる空間さえ有れば何とか」
「それでしたら問題ありませんわ。中は結構広そうですもの。では、暫くお時間を頂きますわ」
二つ結ひのリボンをほどいて、飾りのカメオを手に取り、刀印を結んで魔力を流す。
カメオが白く発光し、形を変え二匹の子猫に。
「ニャー♪」
「にゃー♪」
「この子達って工場で使役していた子達ね。でも、こんな小っちゃくて可愛い子達が助っ人なの?」
「ええ、この黒い子がノワールで、白い子がブランと申しますの。ですけれど、このままでは戦力には成りませんわ。この子達の本当の姿を解放しなくては」
本当は、いきなり実践投入じゃなく、事前に試しておきたかったのだけれど……仕方が無いわ。
さあ、始めましょ。
ノワールとブランの小さな頭に手を添え、魔力を流し込む。
二匹は、お座りの恰好で、シッポと毛を逆立たせ、震えながら、流れ込む魔力に耐えているわ。
二匹とも、もう少し我慢して………………もうそろそろ……限界かしら。
頭に添えていた手を放す。
後は封印を解除するだけだわ。
右手で結んだ刀印をノワールの額に、左手で結んだ刀印をブランの額に。
「さあ、ノワール、ブラン、アナタ達の本当の姿を見せて頂戴♪封印解除!」
「ニャーーー♪」
「にゃーーー♪」
二匹の体が再び白く発光し、形を変えながら、大きく、身長130センチ程の人型へと……。
パーンと、包む白い光がはじけ飛び、中から本来の精霊の姿に成ったノワールとブランが現れる。
ノワールは、黒い毛並みに金色の大きな瞳は変わらないけれど、二本の足で立ち、皮のブーツに皮鎧、腰にはレイピアとマンゴーシュを差し、黒いマントを羽織って、羽飾りの付いた三角帽子を被った姿。
ブランも、白いふかふかの毛並みとエメラルドグリーンの瞳は変わらないけれど、白銀のプレートアーマーに身を包み、白いマントを羽織って、左手にタワーシールド、右手にメイスを持って、同じく二本足で立っている。
この子達の装備は、錬金術を応用して、魔力から一時的に具現化した物。
ノワールとブランで微妙に異なる魔法陣を使用したのは、この為よ。
「こ、小町ちゃん、これは……いったい……」
「この子達の本当の姿ですわ。この子達は妖精猫ですのよ」
お爺様のあの部屋で、この子達の黒と白の精霊結晶を初めて見つけた時から、この日が来るのを待ち望んだわ。
「以前から、研究に研究を重ねて、試行錯誤を繰り返して、やっと昨日召喚する事が出来ましたの。この子達なら、十二分に眷属のお相手を務める事が出来ますわ」
「妖精猫なんて……童話で読んだ事は有るけど、まさか実際に目にするなんて……。こ、小町ちゃん……そ、その……こんな時に何なんだけど……触っても……良いかしら?」
なんか……諏訪さんが挙動不審ですわ。
以前から何と無く、猫派だとは気づいていましたけれど、本物の妖精猫を目の前にすれば……まあ、お気持ちはお察ししますわ♪
「ええ、勿論構いませんわ♪」
「うふふふ♪うへへへ♪」
何時もの、凛とした諏訪さんは何処かへ行ってしまわれたわ。
デレッとノワールとブランの喉を、なでなでしていますわ。
「ハッ!コッホン!」
さすがに、我に返って、今の状況を思い出されたみたいだわ。
咳払いを一つして、何時もの諏訪さんに。
「分かったわ。小町ちゃんがそこ迄言うのだから、この子達は可愛いだけじゃ無いと言う事ね」
「ええ、勿論ですわ♪」
「それで、小町ちゃん、この結界はどうすれば良いのかしら?魔法陣を剥がせば中に入れるのかしら?」
「この魔法陣は、内側に閉じ込める事に特化した結界。ですから、外から結界を破るのは簡単ですけれど、単に魔法陣を剥がすだけでは駄目ですわ。魔法陣に込められている魔力と、正反対の波長の魔力を流して打ち消す必要が有りますわ」
「つまり、小町ちゃんは結界を破れるのね?」
波長を合わせて魔力を流すやり方は、お爺様の部屋のセキュリティや、公使の金庫のカギを開けるのとコツは同じ。
「ええ、容易いですわ」
「じゃあ、小町ちゃんお願い出来るかしら?」
「では、諏訪さん、曹長さん、それと、ノワールにブランも、準備は良いかしら」
右手を、扉の魔法陣の上に置いて、込められた魔力を探る、そして、それとは正反対の波長の魔力を……。
ピーンと、張りつめた糸が切れる様に、結界が消え去り、そして……地獄の門が開いていきますわ。
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