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<大正:英国大使館の悪魔事件 前編>
ティル・ナ・ノーグの林檎の種
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「ダーナ神族と言うと、確かケルト神話のですか?」
「ええ、そうですわ」
「書かれているお話は一般的にケルト神話で語られている、いたって平凡なものよ。ダーナ神族がミレー族との戦いに敗れ、故郷を捨て常若の国へ至る話。それと先ほど、この本にだけ魔力が宿っていると申しましたが、実はこの本自体には魔力は宿ってはおりませんの」
最後のページを開いて見せる。
「重要なのはこの最後のページに縫い込まれた魔法陣と、その魔法陣の中央に貼り付けられた種ですわ」
そのページには、魔法陣の書かれた羊皮紙が縫い込まれていて、さらに魔法陣の中央には2センチ角程のガーゼの様な布が縫い込まれている。
そして、その布と魔法陣に挟まれて種の様な物が固定されている。
「この布の中に有るのは種なのですか?確かに、触ればそれららしきものが有るのは分かるのですが……」
そう言いながら、ストーカーさんは布の部分を指で触っている。
「ええ、此方にオガム文字でティル・ナ・ノーグの林檎の種と書かれていますわ」
欄外にメモの様に描かれた文字を指さす。
「この本自体は結構年代物の様ですけれど、魔法陣の羊皮紙や布は新しい物みたいですから、この魔法陣は後で縫い付けられたものですわね。その錬金術師さんが作った物なのかしら?だとすると、かなり凄腕の錬金術師ね、お爺様に匹敵するかそれ以上の」
「それ程にですか……」
さすがに驚いているようね。
「恐らく、リンゴの種を発芽させる為の魔法陣だと思うのですけれど……とても高度なもので、私には再現不可能ですわ」
「それにしても、ロマンを感じませんこと。ティル・ナ・ノーグの林檎って、どんなお味なのかしら?」
「食感や香りも気に成るわね。お料理したらどうかしら?」
「焼き林檎や林檎ジャム、それに、アップルパイやアップルティーなんかも、夢が広がりますわ!」
「ハハハハ、小町も年相応の娘さんだと、少し安心しました」
ストーカーさんに笑われてしまいましたわ。
ついお嬢様モードがOFFに成るとこでしたわ、自重しなくては。
「では、こうしよう、小町が今回の事件を解決して、ローレンスの無念を晴らしてくれたなら、その本を差し上げましょう」
「えっ?本当に宜しいの?お爺様から頂いた大切な形見では有りませんの?」
「ええ、構いませんよ、そもそも大切な形見なら、此処には置きません、自室に保管しますよ」
それもそうね。
「実を言うと、持ち余していましてね、それでこの書庫に保管していたのですよ。祖父は錬金術師からこの本を受け取ったとき、こう云う予言をされたそうです。この本は必ず正しい持ち主の手に渡る、例え燃え尽き灰に成ろうとも、そう謂う因果にある。とね、もし小町が正しい持ち主であるならば、今回の事件を解決してくれる……そう信じていますよ」
もし、その因果が私と繋がっているのなら、事件は解決されると言う事ね。
ん?
まさか、その因果を利用して事件を解決しようとしてるとか……。
やっぱり、侮れませんわね、この男。
「そう言う事でしたら、必ず事件を解決に導いてみせますわ」
「ええ是非、期待しています」
美味しかった紅茶の礼を言って書庫を後にする。
そのあとは、ステラちゃんの部屋に遊びに行ったり、昼食を御呼ばれしたり、大使館の中や外も見て回ったけれど、結局成果なし。
出来れば、関係者の自室や執務室とかも見て観たかったけれど、流石にやんわりと断られてしまいましたわ。
まあ、仕方有りませんわ。
そして、日も暮れてきたので、今日のところはお暇することに成り、大使夫妻やステラちゃんに挨拶を済ませ駐車場に向かうと、良く見知った燕尾服の男性が立っていた。
物凄い殺気を放って……。
曹長さんが咄嗟に私を庇う様にして立ち、ファイティングポーズをとる。
上村さんは……なんか隣で震えてる。
「はぁー、まったくもう、何を考えてるのかしら……」
「曹長さん大丈夫ですわ、上村さんも御免なさいね、家の者ですの」
「えっ、ヤクザの親分とか殺し屋とかじゃ……?」
まあ、上村さんがそう言いたい気持ちも分からなくは無いわね。
曹長さんに引けを取らない程の体格で、タダでもかなり人相が悪いのに、額の右から左頬にかけて走る刀傷だもの。
「ヤクザの親分は燕尾服なんか着ませんし、殺し屋でも有りませんわ」
「爺も、そう言うイタズラはおよしに成って!」
爺から殺気が消えと、曹長さんもゆっくりファイティングポーズを下ろす。
「申し訳ございません、お嬢様、お迎えに参りました。奥様から、ボディーガードの者を試す様にと仰せつかりましたもので。お二方にも失礼致しました。蘆屋家の執事をしております、栗林と申します」
「そうでしたか、私はてっきり……肝を冷やしました。それにしても、物凄いお顔ですな……あっ、こりゃ失敬」
「お気に為さらないで上村さん、爺は我が家の顔面凶器と呼ばれておりますの」
曹長さんは……未だなんか爺を睨んでるわね。
「さっき俺を試すと言っていたが?」
「まあ、そうですな、及第点と言うところですかな。いささか、気付くのが遅う御座いますな」
なかなか手厳しい爺である。
「ではお嬢様、お車の方に」
「それでは上村さん、曹長さん、失礼致しますわ」
「ええ、ではまた明日、小町ちゃん」
「ハッ、特務少尉」
ど、二人と挨拶を交わして蘆屋家の自家用車へ向かう。
我が家の車は、黒くてクラシカルな車体、そして……屋根は有るのよ、屋根は……。
でも、窓が無いわ。
雨には濡れないかもだけど、横から風がもろに吹き込んで来るのよね……。
取り合えず後部座席に乗り込む。
「それでは、お嬢様、お車を出します」
車はゆっくりと走り出し、手を振る上村さんと、啓礼する曹長さんを後に大使館の正門を抜ける。
窓のない両サイドから走行風が吹き込んでくる。
「にゃー」と鳴くウルタールを抱きしめるが、やっぱり寒いわ……。
「ええ、そうですわ」
「書かれているお話は一般的にケルト神話で語られている、いたって平凡なものよ。ダーナ神族がミレー族との戦いに敗れ、故郷を捨て常若の国へ至る話。それと先ほど、この本にだけ魔力が宿っていると申しましたが、実はこの本自体には魔力は宿ってはおりませんの」
最後のページを開いて見せる。
「重要なのはこの最後のページに縫い込まれた魔法陣と、その魔法陣の中央に貼り付けられた種ですわ」
そのページには、魔法陣の書かれた羊皮紙が縫い込まれていて、さらに魔法陣の中央には2センチ角程のガーゼの様な布が縫い込まれている。
そして、その布と魔法陣に挟まれて種の様な物が固定されている。
「この布の中に有るのは種なのですか?確かに、触ればそれららしきものが有るのは分かるのですが……」
そう言いながら、ストーカーさんは布の部分を指で触っている。
「ええ、此方にオガム文字でティル・ナ・ノーグの林檎の種と書かれていますわ」
欄外にメモの様に描かれた文字を指さす。
「この本自体は結構年代物の様ですけれど、魔法陣の羊皮紙や布は新しい物みたいですから、この魔法陣は後で縫い付けられたものですわね。その錬金術師さんが作った物なのかしら?だとすると、かなり凄腕の錬金術師ね、お爺様に匹敵するかそれ以上の」
「それ程にですか……」
さすがに驚いているようね。
「恐らく、リンゴの種を発芽させる為の魔法陣だと思うのですけれど……とても高度なもので、私には再現不可能ですわ」
「それにしても、ロマンを感じませんこと。ティル・ナ・ノーグの林檎って、どんなお味なのかしら?」
「食感や香りも気に成るわね。お料理したらどうかしら?」
「焼き林檎や林檎ジャム、それに、アップルパイやアップルティーなんかも、夢が広がりますわ!」
「ハハハハ、小町も年相応の娘さんだと、少し安心しました」
ストーカーさんに笑われてしまいましたわ。
ついお嬢様モードがOFFに成るとこでしたわ、自重しなくては。
「では、こうしよう、小町が今回の事件を解決して、ローレンスの無念を晴らしてくれたなら、その本を差し上げましょう」
「えっ?本当に宜しいの?お爺様から頂いた大切な形見では有りませんの?」
「ええ、構いませんよ、そもそも大切な形見なら、此処には置きません、自室に保管しますよ」
それもそうね。
「実を言うと、持ち余していましてね、それでこの書庫に保管していたのですよ。祖父は錬金術師からこの本を受け取ったとき、こう云う予言をされたそうです。この本は必ず正しい持ち主の手に渡る、例え燃え尽き灰に成ろうとも、そう謂う因果にある。とね、もし小町が正しい持ち主であるならば、今回の事件を解決してくれる……そう信じていますよ」
もし、その因果が私と繋がっているのなら、事件は解決されると言う事ね。
ん?
まさか、その因果を利用して事件を解決しようとしてるとか……。
やっぱり、侮れませんわね、この男。
「そう言う事でしたら、必ず事件を解決に導いてみせますわ」
「ええ是非、期待しています」
美味しかった紅茶の礼を言って書庫を後にする。
そのあとは、ステラちゃんの部屋に遊びに行ったり、昼食を御呼ばれしたり、大使館の中や外も見て回ったけれど、結局成果なし。
出来れば、関係者の自室や執務室とかも見て観たかったけれど、流石にやんわりと断られてしまいましたわ。
まあ、仕方有りませんわ。
そして、日も暮れてきたので、今日のところはお暇することに成り、大使夫妻やステラちゃんに挨拶を済ませ駐車場に向かうと、良く見知った燕尾服の男性が立っていた。
物凄い殺気を放って……。
曹長さんが咄嗟に私を庇う様にして立ち、ファイティングポーズをとる。
上村さんは……なんか隣で震えてる。
「はぁー、まったくもう、何を考えてるのかしら……」
「曹長さん大丈夫ですわ、上村さんも御免なさいね、家の者ですの」
「えっ、ヤクザの親分とか殺し屋とかじゃ……?」
まあ、上村さんがそう言いたい気持ちも分からなくは無いわね。
曹長さんに引けを取らない程の体格で、タダでもかなり人相が悪いのに、額の右から左頬にかけて走る刀傷だもの。
「ヤクザの親分は燕尾服なんか着ませんし、殺し屋でも有りませんわ」
「爺も、そう言うイタズラはおよしに成って!」
爺から殺気が消えと、曹長さんもゆっくりファイティングポーズを下ろす。
「申し訳ございません、お嬢様、お迎えに参りました。奥様から、ボディーガードの者を試す様にと仰せつかりましたもので。お二方にも失礼致しました。蘆屋家の執事をしております、栗林と申します」
「そうでしたか、私はてっきり……肝を冷やしました。それにしても、物凄いお顔ですな……あっ、こりゃ失敬」
「お気に為さらないで上村さん、爺は我が家の顔面凶器と呼ばれておりますの」
曹長さんは……未だなんか爺を睨んでるわね。
「さっき俺を試すと言っていたが?」
「まあ、そうですな、及第点と言うところですかな。いささか、気付くのが遅う御座いますな」
なかなか手厳しい爺である。
「ではお嬢様、お車の方に」
「それでは上村さん、曹長さん、失礼致しますわ」
「ええ、ではまた明日、小町ちゃん」
「ハッ、特務少尉」
ど、二人と挨拶を交わして蘆屋家の自家用車へ向かう。
我が家の車は、黒くてクラシカルな車体、そして……屋根は有るのよ、屋根は……。
でも、窓が無いわ。
雨には濡れないかもだけど、横から風がもろに吹き込んで来るのよね……。
取り合えず後部座席に乗り込む。
「それでは、お嬢様、お車を出します」
車はゆっくりと走り出し、手を振る上村さんと、啓礼する曹長さんを後に大使館の正門を抜ける。
窓のない両サイドから走行風が吹き込んでくる。
「にゃー」と鳴くウルタールを抱きしめるが、やっぱり寒いわ……。
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