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<急襲、救出>

【ジム、潜入】 刹那の銃撃

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張りつめた、緊張感の在るこの状況。

ほんの僅か、ヤツ等の視線が落ちた金貨に向く。
別に、ヤツ等も見たくて見た分けじゃ無え、条件反射ってヤツさ。
ジャコビーって野郎の眼球も僅かにピクリと動く。

今だ!

咄嗟に右下にしゃがみ込みながら、腰の後ろに差したベビー・ドラグーンを右手で抜く。
体の動きが遅え。
集中して、時が止まった様に感じられても、別に体を早く動かせるってもんでも無え。
全身、泥沼に浸かってる感覚だぜ。

で、最初に銃口を向ける相手は、ジャコビーって野郎と言いたいところだが、そんな余裕は無え。
あの小男が、ドジって引き金を引きかね無え。
まずは、奴からだ!

引き金を引いたまま、銃口を小男の眉間に合わせて、腰だめのまま、左手の親指で撃鉄を叩く。

バーーーン!
ゆっくりと動く時間の中、銃声が間延びして聞こえる。

小男をったかなんざ、確認する必要も暇も無え、次はジャコビーだ!
銃口を左に向け、陰気なヤツの顔の眉間を狙い、人差し指で撃鉄を叩く。

だが、ほぼ同時にヤツの馬鹿デカいコルト・ウォーカーの銃口が火を噴き、二つの間延びした銃声が重なる。

バーーーン!
ドゴーーーン!

それでも尚、構っちゃ居られ無え。
次は、息子のデカい面に銃口を向け、中指で撃鉄を……うっ!
左肩に衝撃が走る。
44口径の弾丸で左肩が砕かれ、左腕の神経が途切れていくのが分る。

だが未だ、ほんの刹那、動く筈。
そのまま構わず、中指で撃鉄を叩く。

バーーーン!

あと二人!

小男の右後方で拳銃を構える男に銃口を向け、薬指で撃鉄を叩く。

バーーーン!

最後に左後方の男に向け、小指で……。
チッ、左手が動か無え!
力も入ら無え!

左肩に激痛も走る!
集中が途切れる!
動き始める時の中、咄嗟に右手の親指で撃鉄を弾く。

バン!
ターン!

ベビー・ドラグーンの銃声と、最後の一人が構えるライフルの銃声が同時に轟く。

そして……。
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