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プロローグ
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この世界はユグドラシル。
「プティア、オルタイル、ラスタリア、アルカディア、シャングリア、ヒューラ、トリトーン」
この7つの大陸でできている。
ある日の朝、林の中からなにかが聞こえる。
「あぅぅ、あぁーぅー」
赤ん坊の泣き声だ。そこをたまたま
通りがかった老婆が聞きつけ見つける。
「おやおや、まぁ…」
「ジン=アトリュプス…か」
赤ん坊が入っていた籠の中には一枚の紙が入っていた。
~10年後~
「ジン―?ジンはどこだい?」
この人はジュリアおばあちゃん、俺がちっちゃいときから育ててくれた。俺を実の孫のように可愛がってくれている。
「ここだよ、おばあちゃん」
そう言ってジンは小屋からでる。
「あぁ、小屋にいたのかい。これからちょっと訓練でもするかい?」
こうみえてもジュリアおばあちゃんは
アルカディアという王国の元英雄騎士団の一人の賢者だったらしい。
「もちろん!俺ももっと強くなりたい!」
「そのいきだよ!」
おばあちゃんは賢者でありながら剣術も使えた。
「よし、形は悪くないねぇ。これからすぐそこの林にホーンラビットという魔物がおるはずだからちょいと倒してきてみな」
「ホ、ホーンラビット!」
「なぁに、いまのあんたなら楽に倒せるだろう、剣術もそうだけどジンには魔法の才能もあるみたいだしねぇ」
そうだ、俺には魔法の才能があった。
「わ、わかった!おばあちゃんがそういうなら…」
そういい俺は小屋から片手剣を手に取り林に向かった。
「…少し歩いただろうか」
すると目の前の草が大きく揺れた。
「…ガサガサ、キュ?」
おばあちゃんに聞いていた通りの魔物だ。
「こいつか…はぁぁっ!!!」
ゆっくりと忍寄り一気に飛びかかる。
「キュ、キュィィ…」
見事にホーンラビットを切り裂いた。
すると背後から…
「ガサガサ…キュ…」
2匹目だ。さっきは剣で仕留めた。次は魔法だ。ホーンラビット程度なら初級魔法でも倒すことができる、とおばあちゃんがいっていた。よし、つかってみるか。
「サンダーボルト!!」
「キュキュギュゥゥ…」
仕留めた!回収するために近づくとそこには二匹のホーンラビットが倒れていた。
『サンダーボルト』は範囲はすごく小さいが近くにいるものにも攻撃が及ぶ。
これはラッキーだ。そうしてジンは3匹のホーンラビットを手に取りすぐさま血抜きをして持って帰る。血抜きは大切だとジュリアに教えこまれていたのだ。
「ジュリアおばあちゃん!みてみて!3匹も倒したよー!」
「おぉ、さすがジンだねぇ」
「へへへ、こんなの朝飯前さ!」
「だけどね、ジン。油断はしちゃいけないよ」
急に真剣な眼差しになる。なにせジュリアおばあちゃんは…左目が見えないのだ。
「前にも話したけどこれはある魔物…ドラゴンにつけられた傷でねぇ…回復魔法でも治らなかったんだよ…」
おばあちゃんは強い、それは傷を受けたいまでもだ。そのおばあちゃんでもこうなるとは…。
「わ、わかってる!」
∇∇∇∇∇
あれからどれだけの魔物を倒してきたのだろうか。数えるのもすっかりわすれてしまった。
「レッドベアーも苦もなく倒せるようになってきたな…一旦帰るか」
「ジン…今日はどうだった、ゴホッ…」
「ばあちゃん…無理はしないでくれ、ゆっくりしてて…」
最近ばあちゃんの体調が優れない。
「もうレッドベアーも簡単に倒せるようになったよ」
「そうかい…レッドベアーが倒せれば十分だねぇ」
そういいのこしてばあちゃんは次の日の夜に息を引き取った。
「ばあちゃん…いままでありがとう」
ジンの目からは涙が溢れていた。
押さえようとしても止まらない。
ジンは数日するとある決断をした。
「アルカディアとやらにでもいくか…」
そうだ、ばあちゃんは死ぬ前に自分が死んだらアルカディアに行ってみるといい、新しい経験ができるだろうと言い残したのだ。
明日にはここをでよう、いつまでもうじうじはしていられない。
そして次の日…。
「んん…確かこっちに行くと森を出れるんだよな?」
道中魔物がでてくるが今となっては敵ではない。
すると一本の一際目立つ大きな巨木があった。
「なんだ…??」
なんと巨木の幹が開いていき中には人らしきものが倒れていた。それもとびきりの美少女だ。
「俺と同じくらいか…?」
年齢はジンと同じくらい、今のジンは17才だ。
とりあえず放っておくわけにもいかないので背に抱えながら森の抜け道を探す。
「今日はここらへんで野宿でもするか」
美女はいつになっても起きない。いつになったら起きるのかと思いつつ道中にいたホーンラビットの肉を焼いていく。
すると
「んんっ…いい匂い」
目が覚めたようだ。
「わっ、…あなたは??」
「俺はジン=アトリュプスだ。ジンと呼んでくれ、君は??」
「わからない…名前もわからない…」
これは困ったなぁと困惑していると…
「ジ、ジン…名前つけてくれる??」
「名前か…わかった」
そうして少し考えた後
「アリス…はどうだ?」
「アリス…いい名前だ思う」
気に入ったようで何よりだ。
「ぎゅるるる、ぐるる」
ものすごい音が鳴り響いた。
「腹減ってるんだろう、あげるよそれ」
アリスは耳まで真っ赤にしながら俯く。
「ありが…と」
そういうとどんどん肉を食べていった。
「これからはどうする?俺はアルカディアという王国にいこうと思ってる」
「ジンについてく…」
ちょっとだけ照れながらいってくる。美女なだけあって可愛い。
「プティア、オルタイル、ラスタリア、アルカディア、シャングリア、ヒューラ、トリトーン」
この7つの大陸でできている。
ある日の朝、林の中からなにかが聞こえる。
「あぅぅ、あぁーぅー」
赤ん坊の泣き声だ。そこをたまたま
通りがかった老婆が聞きつけ見つける。
「おやおや、まぁ…」
「ジン=アトリュプス…か」
赤ん坊が入っていた籠の中には一枚の紙が入っていた。
~10年後~
「ジン―?ジンはどこだい?」
この人はジュリアおばあちゃん、俺がちっちゃいときから育ててくれた。俺を実の孫のように可愛がってくれている。
「ここだよ、おばあちゃん」
そう言ってジンは小屋からでる。
「あぁ、小屋にいたのかい。これからちょっと訓練でもするかい?」
こうみえてもジュリアおばあちゃんは
アルカディアという王国の元英雄騎士団の一人の賢者だったらしい。
「もちろん!俺ももっと強くなりたい!」
「そのいきだよ!」
おばあちゃんは賢者でありながら剣術も使えた。
「よし、形は悪くないねぇ。これからすぐそこの林にホーンラビットという魔物がおるはずだからちょいと倒してきてみな」
「ホ、ホーンラビット!」
「なぁに、いまのあんたなら楽に倒せるだろう、剣術もそうだけどジンには魔法の才能もあるみたいだしねぇ」
そうだ、俺には魔法の才能があった。
「わ、わかった!おばあちゃんがそういうなら…」
そういい俺は小屋から片手剣を手に取り林に向かった。
「…少し歩いただろうか」
すると目の前の草が大きく揺れた。
「…ガサガサ、キュ?」
おばあちゃんに聞いていた通りの魔物だ。
「こいつか…はぁぁっ!!!」
ゆっくりと忍寄り一気に飛びかかる。
「キュ、キュィィ…」
見事にホーンラビットを切り裂いた。
すると背後から…
「ガサガサ…キュ…」
2匹目だ。さっきは剣で仕留めた。次は魔法だ。ホーンラビット程度なら初級魔法でも倒すことができる、とおばあちゃんがいっていた。よし、つかってみるか。
「サンダーボルト!!」
「キュキュギュゥゥ…」
仕留めた!回収するために近づくとそこには二匹のホーンラビットが倒れていた。
『サンダーボルト』は範囲はすごく小さいが近くにいるものにも攻撃が及ぶ。
これはラッキーだ。そうしてジンは3匹のホーンラビットを手に取りすぐさま血抜きをして持って帰る。血抜きは大切だとジュリアに教えこまれていたのだ。
「ジュリアおばあちゃん!みてみて!3匹も倒したよー!」
「おぉ、さすがジンだねぇ」
「へへへ、こんなの朝飯前さ!」
「だけどね、ジン。油断はしちゃいけないよ」
急に真剣な眼差しになる。なにせジュリアおばあちゃんは…左目が見えないのだ。
「前にも話したけどこれはある魔物…ドラゴンにつけられた傷でねぇ…回復魔法でも治らなかったんだよ…」
おばあちゃんは強い、それは傷を受けたいまでもだ。そのおばあちゃんでもこうなるとは…。
「わ、わかってる!」
∇∇∇∇∇
あれからどれだけの魔物を倒してきたのだろうか。数えるのもすっかりわすれてしまった。
「レッドベアーも苦もなく倒せるようになってきたな…一旦帰るか」
「ジン…今日はどうだった、ゴホッ…」
「ばあちゃん…無理はしないでくれ、ゆっくりしてて…」
最近ばあちゃんの体調が優れない。
「もうレッドベアーも簡単に倒せるようになったよ」
「そうかい…レッドベアーが倒せれば十分だねぇ」
そういいのこしてばあちゃんは次の日の夜に息を引き取った。
「ばあちゃん…いままでありがとう」
ジンの目からは涙が溢れていた。
押さえようとしても止まらない。
ジンは数日するとある決断をした。
「アルカディアとやらにでもいくか…」
そうだ、ばあちゃんは死ぬ前に自分が死んだらアルカディアに行ってみるといい、新しい経験ができるだろうと言い残したのだ。
明日にはここをでよう、いつまでもうじうじはしていられない。
そして次の日…。
「んん…確かこっちに行くと森を出れるんだよな?」
道中魔物がでてくるが今となっては敵ではない。
すると一本の一際目立つ大きな巨木があった。
「なんだ…??」
なんと巨木の幹が開いていき中には人らしきものが倒れていた。それもとびきりの美少女だ。
「俺と同じくらいか…?」
年齢はジンと同じくらい、今のジンは17才だ。
とりあえず放っておくわけにもいかないので背に抱えながら森の抜け道を探す。
「今日はここらへんで野宿でもするか」
美女はいつになっても起きない。いつになったら起きるのかと思いつつ道中にいたホーンラビットの肉を焼いていく。
すると
「んんっ…いい匂い」
目が覚めたようだ。
「わっ、…あなたは??」
「俺はジン=アトリュプスだ。ジンと呼んでくれ、君は??」
「わからない…名前もわからない…」
これは困ったなぁと困惑していると…
「ジ、ジン…名前つけてくれる??」
「名前か…わかった」
そうして少し考えた後
「アリス…はどうだ?」
「アリス…いい名前だ思う」
気に入ったようで何よりだ。
「ぎゅるるる、ぐるる」
ものすごい音が鳴り響いた。
「腹減ってるんだろう、あげるよそれ」
アリスは耳まで真っ赤にしながら俯く。
「ありが…と」
そういうとどんどん肉を食べていった。
「これからはどうする?俺はアルカディアという王国にいこうと思ってる」
「ジンについてく…」
ちょっとだけ照れながらいってくる。美女なだけあって可愛い。
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