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集団異世界召喚
異世界生活⑳
しおりを挟むうちへ帰ると俺は作業場へと少し籠る。
「やっと本格的に錬成できるぞ…自分で武器を作ってやろうと思ってたんだ……」
まずはダンジョンで採ってきた鉄鉱石を錬成して一瞬にして鉄だけを取り出し、その他の鉱石も延べ棒にして保管することにした。
その中から鉄を使い剣の形を形成していく。
「おぉ、錬成だけでここまでできてしまうのか」
錬成の幅の広さに驚きながらも炉に入れ、加熱する。
鉄を取り出し、同時に鋼も取り出し鍛接する。
金床へ置き槌を打ち付けて鍛えていき、ちょうどのところで焼き入れをする。
日本にいるときにチラッとだけみたテレビに刀の制作しているところをみていたことかある。
この世界には刀というものがない。
折角なので作ってみたかったのだ。
「よし、後は焼き入れ作業だな」
焼き入れのタイミングはガランさんにも教えてもらった通りにして、これからは自分なりに調整していこう。
焼き入れると、割れることなくより強固になった。神眼のおかげでその状態が良いか悪いかをチェックすることが可能なのだ。
まだ神眼のレベルは2だがこれからも神眼のレベルは上げていくようにしよう。
最後に鏨を使い、柄との接続部分を作り上げ、そこに予め作っておいた柄を差し込む。
「よし、できた」
刀身が綺麗に光輝き、見事な刀が出来上がった。
【鉄の刀】
『腕の立つ鍛治士が造り上げた刀。
特に効果はないが切れ味は上物』
なるほど。
神眼のおかげでどういうものかは解るようになったけど更に詳細を見るにはレベルを上げていくしかないか。
「効果はないということは…魔法でも付与できるのか」
魔法を更に訓練すれば『風神鬼剣』や『雷神鬼剣』のように風属性魔法や雷属性魔法を付与することが可能になるかもしれない。
これからは魔法を中心とした戦闘をしていく方針に決めた。
「雷神鬼剣ではオーバーキルしちゃうくらいだからいつもはこの刀を使うか」
短剣に盾のセットも良いけれど色々な装備を試してみたいものだ。
ノエルやカレンにも気が進むならば武器を作ってあげよう。
「武器を作ってみたから明日はダンジョンのボスでも倒しにいこうか」
明日のボス攻略で使うのは雷神鬼剣だが、道中は刀に慣れるためにも今日作った刀を使うことにした。
アイテムボックスからピーク草などの薬草を取り出していき、調合してポーションを作っていくと前よりも出来が良く、効果が高くなってた。それは慣れてきたからなのかな?
王宮にある本にはポーションに関するスキルや、調合を更に簡略化できるスキルもあるらしい。
とても魅力的なスキルだ。
「みんな準備できたかな?じゃあ行こうか」
俺たちは前に退却したボス部屋まで転移陣を使って転移した。
「ここだな…いくぞ!」
扉を開けて中へとはいると肉が爛れ、ある部分は骨が飛び出しているゾンビがなん十体も彷徨いていた。
「な、なんだこいつら、武装しているのか?」
ゾンビの手には槍、剣に盾など多くのバリエーションが揃っていた。
「こいつら…まさか今までにここで死んだやつらのか?」
「そのようですね、あの奥を見てください」
ノエルが指すその先にには腕が何本も生えており、そのほぼ全ての手に武器が握られており、鉄で作られた防具までちゃっかり着ている。
「なんなんだよあいつは、グロいな」
「あまり見たくはないモノですね」
「こいつら臭いですぅ」
「わ、わふ…」
辺りに腐臭を漂わせて鼻も利かなくなっている。
湊斗はここで最低限の情報を得る為に神眼を使う。
【百腕腐巨人】
ステータスは不明。
ヘカトンケイルか…確かにそれほどの腕はある。
「やはりまだステータスまでは見えないか」
「こちらに気付いたようです!構えてください!」
ゾンビ達の知能は乏しく、鈍く武器を振り回すことしかしないが、ヘカトンケイルは俊敏な動きを見せておりこちらの攻撃をしっかり躱そうとするくらいだ。
「確かに負けていたかもな…だが俺は強くなった!」
「ファイヤー・トルネード!」
湊斗が放った魔法は取り巻きのゾンビもろともヘカトンケイルを包み込む。
「グォォォア」
炎の渦が消えるとゾンビの姿は灰となり消え去った、が。ヘカトンケイルは何本の腕が焼き切れているがまだ武器を持ち唸り散らしている。
「ガァァァッ!」
ヘカトンケイルは武器を前に突き出し、突進してきた。
「させません!“精霊の守り”」
ノエルの精霊魔法が結界を生成し仲間達を包んでいく。
この精霊の守りには極僅かだが、治癒効果もあるらしく切り傷などがなくなっていった。
「雷神鬼滅斬!」
雷神鬼剣から放たれた斬撃は十字にヘカトンケイルを切り裂き、肉片が四散する。
「倒した…か」
「倒したようですね」
その証拠としてヘカトンケイルが消滅すると、宝箱が現れた。
中身はなんだろう。
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