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集団異世界召喚

異世界生活⑪

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「くっ…ここは」

「遺跡…ですかね」

転移され前をみるとそこには巨大な遺跡が建っていた。

「ゴゴゴゴゴ…」

地響きが起こり始めた。

「なんだ…!」

「ゴゴゴッ、ドカァァァン!!」

遺跡から爆発とともに飛び出してきたのは全身真っ黒の翼の生えてない10メートルほどの地竜。

「こいつは!古代遺跡に生息するメタルカイザーですよ!」

こいつは俺もみたことがある。
見たといっても王宮の禁忌の書庫にあった本でみただけだけど。

「扉はなしですか…戦うしかないみたいですね」

「あぁ、そうみたいだね」

「GURAAA!」

メタルカイザーが咆哮すると空間が振動する。

「俺は真ん中を!ノエルとカレンは左右に別れて隙をついて追撃してくれ!」

「「はい!」」

俺は今までの5倍のスピードにまだ慣れきっていない。

「うおぉっ!なんてスピードなんだ…これが古代級の武器か」

メタルカイザーが口から火弾ファイヤーボールを放ってくるが容易に避けることができる。

懐に入り込み雷神鬼剣を振るう。

「はぁっ!弧月連斬!」

信じられない威力の弧月連斬が強固な鉱石で包まれたメタルカイザーの腹を抉りとる。

「GYAA!!」

それと同時にノエルとカレンが左右から追撃する。
カレンは鉱石により刃が通らなかったがノエルの風神鬼剣はいとも容易く両断した。

「やった…のか」

「いえ、まだわかりませんよ」

「まだ息があるよ!」

カレンが犬耳から聞き取る。

「ドドドド…」

またしても地響きが鳴り響く。
だが先程とは少し大きい。

「なっ、なんだ!」

上空より巨大な影突如舞い降りてきた。

「ドゴォォォォォン!」

土煙が舞い上がり視界を遮る、その中からでてきたのはーー


「メタルドラゴンカイザー……」


禁忌の書庫に描かれていた魔物。
遺跡の中では下位の魔物とされているが一匹で街を破壊することができると言われている化け物だ。

「なんでこうなるんだっ!」

「メタルカイザーが親を呼んだ様ですね」

「万事休すですか」

メタルカイザーは瀕死で動かないが子供を殺されかけているメタルドラゴンカイザーは激怒しているようだ。

「GRAAAAAA!」

メタルカイザーとは比べ物にならない咆哮の衝撃が全身を襲う。

「ぐはぁっ!!?」
「耳が…」
「ぐっ…」

俺は衝撃に耐えられずに吹き飛び巨岩に打ち付けられてしまった。
カレンも耳が良いことが災いして耳が良く聞こえていない。

「よくもっ!ミナト様を!」

ノエルが雷神鬼剣を手にメタルドラゴンカイザーに斬り掛かるがメタルドラゴンカイザーの尻尾で薙ぎ倒されそのまま瓦礫の中に突っ込んで姿が見えなくなってしまった。

「ぐっ…かはっ」

カレンも戦おうとするが耳のせいでフラフラとしてしまっている。

「GYAAAAAA!」

メタルドラゴンカイザーは翼を羽ばたかせカレン目掛けて突進する。
カレンは避けきれずにそのまま遺跡の壁まで吹き飛びその衝撃で骨が砕けている。

「きゃぁぁぁ!ううっ…」

湊斗は数秒間の間だけだったか気を失っていた。
そして目を覚ますとそこには骨が砕かれ吐血しており片目が潰れたカレン、そして姿こそは見えないが瓦礫の中から聞こえてくる呻き声。

「ノエルとカレンになにしてんだぁぁぁ!」

湊斗は叫びながらメタルドラゴンカイザーへと剣を振るう。

「はぁっ!雷神鬼滅斬!」

雷神鬼剣の固有スキルを使いメタルドラゴンカイザーの翼を斬りつける。

だがメタルドラゴンカイザーの鱗は硬く表面を抉るのが限界だった。
メタルドラゴンカイザーは雷神鬼滅斬直後の硬直を見逃さない。

「GYAOOOO!」

ーーーバキバキッ

自分の骨と内蔵が潰れていく音が聞こえる。

「ぐわぁぁっ!!骨がぁぁ!」

俺は地面に叩きつけられ指1本として動かすことができない。

「動…け!動けよぉぉぉ!」

メタルドラゴンカイザーは俺を一瞥すると嘲笑うかのように息を吐き捨てノエルが突っ込んだ瓦礫へと向かう。

「待て…何処にいく…んだ」

メタルドラゴンカイザーは俺を見向きもしない。

「ガラガラッ、ゴリゴリゴリ!」

メタルドラゴンカイザーはノエルがいる瓦礫を踏み始める。

「ぎゃぁぁっ!ぐぅっ…あぁぁぁ!」

ノエルの悲鳴が瓦礫の中からで漏れて聞こえてくる。

「ノエル…やめ…やめろぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」


〈一定の条件を満たしました¥&#☆を解放します〉
〈これによりーーーーー〉


「なん…だ、そんなことよりノエルを…あいつを斃さなくちゃいけないんだ!……っ!?体が軽い」

淡い光が俺を包み込むと体の底から力が沸き上がってくる。

「お前は絶対に許さないっ!」

「うぉぉお!!雷神鬼滅斬!」

俺が放った雷神鬼滅斬はメタルドラゴンカイザーの翼を断ち切りメタルドラゴンカイザーの叫びが響き渡る。

「GUGAAAAA!」

「はっ!!」

俺が放つもう一撃はメタルドラゴンカイザーの脳天へと突き刺さる。

「GURAAAAAAA!」

メタルドラゴンカイザーの断末魔が遺跡を震えさせる。

「かはっ……」


ここで俺の意識は飛んだ。
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