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蜜花イけ贄(18話~) 不定期更新/和風/蛇姦/ケモ耳男/男喘ぎ/その他未定につき地雷注意

蜜花イけ贄 19

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 貴人の指に核心的な肉珠を構われ、桔梗は即物的な快感に揺れた。高められ、高められ、高みへともうすぐ辿り着くとき、気紛れな貴人は手を離す。
「あぁ……」
 それは落胆にも似ていた。しかし貴人の飄々とした麗顔には何の頓着も無さそうである。
「さ、葵のところに行こう」
 彼女は首を振った。
「うん、確かに、葵は奥ゆかしいからな。たとえもう冷めた恋でも、君と契る様を見られたくないだろうねぇ。あっはっは。でもそろそろじゃないのかな」
 茉莉はその御御足おみあしで、貴人の前だというのに身体を起こせずにいる怪我人を覗き込んだ。
「どう?容態は?」
 怪我人は熱があるようだった。
「このような体勢で申し訳ありません……」
 新たな包帯から血が滲んでいる。
「その傷は治らないよ。あとは死を待つだけなの、分かってるよね?だから考えたんだよ、おれは。どうしたら葵の今までの働きに報いてやれるかな?って。もう好きじゃなくても、一度好きになった女なら抱けないことはないよね。これは愛すべき女か、抱くだけに留めた女か、もう仕分けてあるんだろう?葵。君が死ぬことになったも胤を遺すべきだね。おれもそれを望んでる」
 怪我を負い、発熱している葵は、貴人の長い話を聞いていられないようだった。最初は茉莉を捉えていた力強い瞳が溶解していくように虚ろになる。
「でも桔梗はダメだよ。悪しき子宮はらなのさ。こんなのは母親になっちゃいけない。けれど……けれど、葵。君はできるだけ多くの女に胤をつけておくべきだ。選り好みしている余裕なんてもうないんだよ。その段階はくに過ぎているんだ。葵、桔梗でいい?なに、桔梗の子供がどんな悪童でも、孫の世代になればどうにかなるさ。葵はおれの大切な家臣だからね。ガキ1匹、身体が成長するまで地下牢に置いておくなんてどうってことはないよ。忠烈だった葵の子なのだし。人狼ひとおおかみ臭い悪女の血が混ざってるのは勘弁だけれど……」
 椿の山茶さんざが大仰に髪を掻いた。
「見せるのは嫌いじゃないですが、観ているのは好きません。退席させていただきたく思いますね」
「うん、じゃあそこのげぇげぇやってるおれのかわいい子猫たちを連れていってくれる」
 椿の山茶は面倒臭がるのを隠さなかった。渋々と枸橘からたちの腕をとり、金雀枝えにしだの背を叩く。そして3人で退室していった。
 石蕗つわぶき左見右見とみこうみして、自分がどうすべきか惑っているようだった。
「君はここにいなよ」
 茉莉は機嫌が好さそうだった。
「手伝ってもらうこともあるし。葵に薬飲ませてあげた?」
「はい」
「うん、いい子だね。じゃあ、ほら、桔梗。葵の赤ん坊、孕んでね」
 拘束は解かれないまま、桔梗は抱き上げられた。
「い………やで、ございます………」
「うんうん、嫌だね。人狼と番いたい君が、人間と番いたいわけはないよね。葵だって、できることならその辺を通りかかった娘に孕ってもらいたかっただろうさ、君ではなくてね。けれども今から声をかけに行くの?」
 石蕗によって起こされた葵が、畳に置かれた彼女に崩れかかる。上体を支える力もない怪我人は、彼女胸に頭を沈めた。
「ぐ………っ、」
 傷に響くらしかった。汗と血と薬草の香りが混ざっている。
「一度はおれに黙って勝手に抱いちゃうほど想った女だよ?ほら、抱きなよ。抱け。交合ってよ。おれを楽しませて。ああ、石蕗くん、お酒くれる?飼犬2匹の交尾が、おれにとって何よりの肴だからね」
 石蕗は貴人に飲ませる酒を取りに出ていった。
「ご再考を、」
「何度も考え直したよ、おれは。毎日ね。おれは毎晩、桔梗が誰かに犯されるのを想って自涜をするんだよ。それで、誰が最も気をやれるかといえば、葵、君だよ。自分の幸せを奪った色男を恨みながら、身体は悦んでしまう。最高じゃない?山茶のデカいので孔閉まらなくなってるのもいいけどね。化物狗と交尾してるのも悪くはなかったけど、おれって女の積極的なのは好きじゃないんだよな。手籠でしか感じなくってね。自分から股を開く女って信用してないんだよ」
 すでに置かれている酒をちびちびと飲みながら貴人は歪な笑みを浮かべる。
「据膳食えよ、葵。え?おれの用意した女が食えないの?嘘でしょ、葵。君には二心があるのかい?困るなぁ、葵のことは失いたくなかったんだけど。謀反でも企んでいるってわけ?桔梗の幸せをおれのために奪ってくれた君が?一体、躑躅つつじは何のために脚を失ったのだろう?君の早計のせいで?ああ、可哀想な躑躅。葵、君も桔梗みたいな最低な人間になるんだね。最低だよ君は。葵!人非人ひとでなしだと思うよ。大怪我をしたのは不幸だった。けれども仕事に穴を空けておいて、おれの肴にもなれない、女も抱けない、次代を託そうともしないだなんて。見習って欲しいな。何も遺せるものがないから、妻も娘も妹も姪もおれにくれた家臣をさ!やる気あるの?無いでしょ。君は斬殺されておくべきだった。中途半端に生き永らえるくらいならね。民草の血税で生きるしかないのなら。だってそうだろ?斬殺されてたなら、葬儀代だけで済んだのに。身寄りのない君には、手当を払う相手もないから安上がりだったのに!これじゃあ穀潰しさ!」
 大怪我人をなじる茉莉は怒っているのかと思いきや、愉快げであった。
「どうか……ご慈悲を………」
「首を落とせ、ってこと?あっはっは。聞いた?桔梗。君を抱くのが死ぬほど嫌なんだってさ。それはそうだよね。人狼に突つかれて獣臭いおめこに誰が突っ込みたいものか。いいよ」
 茉莉は背後に置いた刀を掴んだ。そして立ち上がる。貴人の美しい拵えは煌めいて見えた。
「どっちから死にたい?殉葬してあげる相手がいなきゃあね。獣臭い女は嫌だろうけど、血税泥棒の君には相応しいと思うな」
 雪景色を思わせる白刃が抜かれた。頼りなく上体を起こした葵の眼交まなかいにきっさきが突き付けられる。彼は薄い目蓋を伏せた。
「殉葬は要りません」
「おれの顔を立ててよ、葵。君一人だけ埋めたら、おれが君を冷遇していると思われちゃうだろ?みんな、怖気付いちゃうじゃないか。家庭的な宮中を目指しているんだから、困るな、そんなのは。泥ばっか塗ってないで、たまには、ね?」
「死してなお、桔梗様とご一緒というのは………」
 身体を支えるのが大変な重労働であるらしかった。包帯は赤い部分のほうが多くなってきていた。だが鉄錆臭さは酒の匂いで掻き消えていた。
「ふぅん。じゃあ、桔梗は躑躅の殉葬用にとっておいてあげよう。君みたいなのに嵌められて、脚も失って、一緒の自由も失って、可哀想だからね。姪と姪の婿とその子供との、或いは?或いは、姪と姪との間の自分の子との輝かしい日々が、君のせいですべて夢のまた夢になったのだからね」
 貴人は血を浴びたこともなさそうな刀を回し、刃を上へと向けた。金属の弾む音が室内にやたらと大きくこだました。しかし直後に襖が開いた。石蕗は刀を抜いている貴人とその臣下を認めて、無愛想なにきび面に喫驚きっきょうする。小振りな盆にのせた徳利も戦慄する。茉莉は肝を潰す哀れな若者を見遣った。そして穏やかに微笑する。
「あっはっは。冗談だよ、石蕗くん。まったくお堅いんだから。誰に似たんだろ。上司に感化されちゃあいけないな。遊び心というものを覚えなくっちゃ」
「申し訳ございません」
「うふふ。赦してあげよう」
 麗しい刀は美しい鞘へ戻っていく。
「さ、さ、お酒、お酒」
 貴人は両腕を上空で振ってはしゃぎ、腰を下ろす。石蕗はまだ気を揉み、酒を注ぐ手が震えている。
「緊張しないでよ。おれが葵を斬るわけないよね。おれがこの手でかわいい臣下を斬るだって?君たちはよく覚えておくべきだよ。もしおれがかわいい臣下を斬ったりしたら、それは替玉だよ。偽者だ。遠慮なくそれを斬り殺していい」
 鍾甌で飲み干し、口元を拭い、貴人はふわ、と笑った。
「心得ておきます」
「葵も酷いね。石蕗くんが怯えちゃったじゃないか」
「申し訳ございません」
「いいよ。赦してあげよう」
 そして葵には、すでに身体を持ち上げていられるだけの体力はなかった。脇へと傾いて、畳に打ち付けられた。すでに包帯の白い部分はなくなりかけて、もはや赤い包帯と化していた。
「手当を……」
「それはこの後でやればいいさ。どうせすぐに汚れる」
「は、はあ……」
「寝てる場合じゃないよ、葵。桔梗のおめこが乾いちゃうでしょう。舐めてあげなきゃ」
 罵詈讒謗ばりざんぼうに気持ちが変わったのか、葵は這うようにして女体に向かっていった。彼は真っ白い顔に、昏い双眸をして、とても正気には見えなかった。畳には包帯越しの血が残っている。
「石蕗くん、桔梗を押さえてあげて」
 にきび面の若者は、桔梗の脚を大きく開き、彼女の尻を正座した膝へと乗せた。
 張りのある瑞々しい朱脣が剥き出しになる。文鳥の嘴みたいな肉珠も惜しげもない。
「ぃ………や………!」
「乾いたままぶち込まれるのがよかった?ごめんね、桔梗。でも葵は優しいね。血流良くなっちゃって、血が止まらないんだね。可哀想に。それでも獣臭いおめこを舐めてくれるだなんて」
 貴人の御手みては舐め狗と化した寵臣の髪を鷲掴んだ。
「ん、ぐ………っ、」
 大怪我人が嘔吐えづく。果たして桔梗のそこは、本当に獣臭かったのであろうか?彼女はアサガオと何の交合いもしなかったけれど。
 手負いの舐め狗は、彼女の襞という襞を舐め摩り、その狭間まで舐め拭った。首を持ち上げる姿勢が苦しいのだろう。肩を斜めに斬られ、鎖骨を断たれているらしい。とうとう、彼に巻かれた包帯に白い部分は消え失せた。
「あ………あ、あ………」
 虚ろな眼差しで、葵は麝香石竹みたいな二花弁に滲む蜜を啜り、藤の花の竜骨弁に似た肉蕊を舌先で押し捏ねた。桔梗は強い感覚に、背中を反らす。だが石蕗に固定されていた。
「あ、ああ……っ、」
「声が甘くなってきたね」
 貴人は可愛い臣下のひとりを手放すと、自分で酒を注いで飲んだ。
「玉門で気をやらなきゃ、面白くないよ。ねぇ、葵。おれは子を遺せって言ってんの。舐め狗にしたいわけじゃないの。もう身体使い物にならなかったら、宮中の女のおめこ舐め係になってもいいけど。いいじゃない。おめこ慣らすのは面倒臭いからね。重宝されるよ。君はおれの臣下たちが子作りに励む前に、おめこを舐めて慣らしておくんだよ。あっはっは。縁の下の力持ちだね、君は。相変わらず。残りの人生を、おめこを舐めるためだけに捧げればいい」
「う……ふ、ぅぅ………」
「お戯れを……」
「戯れなもんか。実際のところ、現実的な問題だと思うな。君は剣客には戻れない。その傷が腐って君も死ぬか、治って腕は不自由のまま、お荷物になるかだと思うね。自害もできずに」
 茉莉の双眸は酒気がかぎろう。御手が舐め狗の後髪を掴んだ。女肉から剥がした彼の口周りはぬとついて濡れていた。
「愚身は入水いたします……」
「ふふふ。そんなこと言わず、酒に溺れなよ」
 貴人は空いているほうの御手で徳利を握り、女酒で光る唇へと雛尖ひなさきに似た注ぎ口を捩じ込んだ。
「うぐ、……ぐ、……ふぅ………」
 強い酒臭さ、口腔を満たす濃度の高い気狂い水の熱さに葵は顔を歪めた。
「獣臭いおめこの毒を消さないとね。そのまま飲みなさい。あっはっは」
 大怪我人は喉を押さえて酒を呑んだ。肩を震わせて荒々しい呼吸をしている。
「桔梗も、ほら……人狼臭いおめこの毒を消さないと。石蕗くん。桔梗のあそこを開いてくれるかな。そう、そこだよ。艶画くらいは覧るだろう?覧ているね。君は覧ている。君は水芙蓉の無惨華艶画が好きだろう。おれは知っているんだからね。その穴こそ、君の好きなあの絵の、あの恐ろしい野盗が陽根を突っ込んでいた場所だよ。そう。そこに陽根を突き入れて、腰を振れば、君は掌を丸めて擦ったのとは比べものにならない快楽を得られるんだ」
 石蕗は目を見開き、硬直していたが、言われるがまま桔梗の陰所を左右に割り開いた。
「や………っ!」
い色だね。人狼の歯茎みたいだな。さ、おれの美酒をくぱくぱ飲みなさい」
 貴人の御手は彼女の無防備な肉門扉にも徳利を挿し込んだ。
「あ、熱い………!ああ………っ!」
 匂いさえなければ水と見紛う液体は、溢れ返って畳に流れ落ちる。御指みゆびが差す。
「葵。君の堕ちる川さ、これが。あっはっは。君の陽根が灼けるのが先か、桔梗の好さに果てるのが先か、見物だね。じゃ、交合え。交尾しろ。契れ」
 茉莉は徳利を投げ捨てた。それは鈍い音を立てて転がる。そしてこの貴人は臣下たちの飲み残した徳利に手をつけた。
「石蕗くんも一緒に観よう。そろそろ効くんじゃない?舐め犬から、牡馬になりなよ。なるんだよ。あっはっは。でも孕ませる牝を嵌め殺すのは動物失格だな」
 石蕗は女の肉体の扱い方にたじろいだ。しかし貴人が自ら、この童身の、童子の如き貞潔の若者の腕を引き寄せた。桔梗は先程の徳利よろしく畳へと転がり、木通あけびを見せていた。
 葵のほうは畳に伏せたきり、息切れを起こしていた。白いところの無くなった包帯は、血が滲みすぎて繊維で絡め取っておけなくなくっている。青白い肌には汗が浮かんでいた。
 落ち着かない石蕗の腕を掴んだまま、貴人は悪酒をちびちびやっている。
「茉莉様……!」
「ははは。獣臭いおめこに陽物突っ込むくらいなら、おれと衆道の契りでも交わそうって?嫌だよ。おれは女の臭い毛饅頭で、おれの気高い珍宝を蔑み嘲るのが好きなのさ。君も頑張って獣臭いおめこを魚臭くしてあげることだね。これは救いなんだよ。これから先、桔梗のおめこがうろじゃ可哀想だろ?哀れな女を助けてあげてよ。人非人にんぴにんの穢れた狗っころに汚されて、臭くされた愚かな女に何の咎があるというの?助けてやるのが宮の仕事さ。宮で預かるべき話なのさ、そんな迂愚な女の身柄はね」
 葵は畳を這う。まるで背に重い荷物でも乗せられているかのような鈍い動作であった。傷を覆った薄く平たい繊維は限界を迎え、赤い雫を藺草の網目に滴らせる。
「お似合いなんだよ。その鉄錆び臭さと、獣臭さはね」
 大怪我人は転がっている女体に辿り着いた。擦りつけた血の跡を残して、彼は横臥している獲物を仰向けにした。
「薬師さ………っま!」
 桔梗は酒で灼かれた弱いところを貫かれる衝撃に息ができなくなった。裂ける痛みではなかった。酒気によって炙られた感覚をふたたび呼び起こされる疼痛である。視界が白く飛ぶ。しかし目の前は陰を帯びている。葵は顔面蒼白になっていた。伏せ気味の睫毛の奥の眸子は空虚で、穿った女のことも見えていないようだった。そしてそのまま石になったみたいに静止している。
「もしかして痛くて腰振れない?」
 貴人の問いに彼は答えなかった。だが腰を引いて、叩きつける。
「ん、あ!」
「ちゃんと孕んであげてね、桔梗。嬉しいよ。おれのかわいい桔梗と、おれのかわいい葵がまた改めて交尾してくれて。報告を聞いたときに、怒り狂ったよ。なんでおれの前でしてくれなかったんだ!なんでおれはその場にいなかったんだろう?ってね。ああ、念願だよ。おれはかわいい家臣たちが妻を抱き妾を抱くその場に居合わせたいくらいなんだ。そして子供が産まれたら、言ってやりたいんだよ。君が生まれる瞬間をみたんだよってね。おれの一声で君は生まれなかったかも知れないんだ、ってね。そしてそんな不確実なところに君は生きているんだよって」
 徐々に葵は抽送を速めた。包帯からそのまま血が滝のように流れてきている。そして胸板を伝い、腹の辺りで雨漏りの如く桔梗の裸体へ降り注ぐ。
「あ、あ、あ、っああ!」
 異様な状況に頭は異常な働き方をする。悍ましいなかで、官能は尋常ではいてくれない。
「酒を飲んで、腹を割って話せないやつは信用ならないなんてよく聞くけど、あれは嘘だよ。女を抱いて腰を振る姿を見て、やっとおれは相手を信用できるね。そんな滑稽な姿を目の当たりにしたら、信じてあげないほうが恥ずかしいくらいだよ」
 貴人の尊い説法も耳に入らない。桔梗は上に据わる男の身体を押した。だが血塗れになっている傷を見てしまうと、豆腐も崩れないような力加減になった。ねちゃ、ぬちゃ、と血と汗を振り撒きながら、怪我人は腰を打つ。酒の匂い、鉄錆びの匂い、苛烈な嘲笑と哄笑、聞くに耐えないありがたい説法。すべてが頭をおかしくする。
「薬師さま……っ、あっ、んっ、あ、……」
 抗っていたはずの快感が迫ってきている。気の狂いそうな現状に、甘美な錯覚が重なりつつあった。次代のため種を放出するだけの上等な馬の、野生的な気勢に彼女は圧倒される。
「涼しい顔してばっさばっさ人を斬る雪女みたいな葵がさ、女体に猛り狂ってるんだから、おれは愉しいよ。愉しくて仕方がないよ。一切皆苦のこの世でさ、生きていてよかったと思える一瞬だね。あっはっは。雪女に珍宝が生えていたと、おれは葵を見世物小屋に売り飛ばしてやりたいよ!ねぇ!そうしようか!このまま剣術指南役にでも腰を据えようって?え?事務方に?え?君は珍宝の生えた雪女としてあちこち巡り歩くべきだね。それが衆生のためさ。金にもなる。人狼を股で咥え込んだ獣臭いおめこ女と!珍宝の生えた雪女とで、交尾を見せてあげればいいだろうね。一体君等からはどんな子供が生まれるんだろう?雪人狼かい?白い猿猴みたいなのが生まれるんだろう?薄気味悪い!石をぶつけられて、泥水を啜り、ネズミの死骸を食って、野垂れ死ぬのが精々さ!生まれないのが幸せだよ!生ませてあげるけどね!あっはっは」
 茉莉は悪酒を呷る。石蕗はその隣で、膝を忙しなくしていた。食い入る視線のその先には、激しく前後或いは上下、角度によれば左右に揺れる女の裸体がある。
「や、あんっ……あっあっあっ……!」
 熟れた果物と変わらない隘路を何度も突かれて、桔梗の臍の裏には爆ぜるべき甘い活力が漲っていた。
「女が甘い声を上げるのは、他の牡を呼んで、種の競争をさせるためらしいけど、君にその必要はないんだよ、桔梗。雪女の種を孕みなさい。人狼の毛だらけの君の子壺に収まれるのは、雪女以外にないからさ。獣臭くて子供が死ぬよ。子供はありがたいだろうな。そんな母親の元に産まれてくるくらいなら!産まれず死んだほうがマシだからさ!そうだろう?股が獣臭い母親を、どう尊敬しろって?え?」
 活塞していた種馬が動きを止めた。力強く腰を押し付け、さらに前傾姿勢となる。桔梗は接近した牡獣を恐れた。彼が身震いする。血の雨漏りの量が増えるのを腹の上で感じながら、その下で怒涛の射精を受けた。
「あ!ああ……ああああっ!」
 脈動と放精が彼女を絶頂へと押し上げる。収斂がはじまり、種汁を搾り取ろうとする。
「う、うぅ………」
 傷が開ききり、流血している牡馬は呻めき、苦悶の表情を浮かべるが、それでも生殖の本能が蜾蠃すがるめいた腰を止めさせない。
「哀しいね、葵。好きじゃなくなっちゃって、懸想も慕情も冷めた女のきつい臭いきたならしい肉孔で逝ってしまうなんて。牡雪女だよ、君は。おれは今、酒を飲んでいてよかったな。じゃなきゃ、おれも珍宝をおっ勃てて、君の精を、おれの精で洗い流してしまったかもしれないからね。桔梗、君の人狼の嫁孔に突き入れてね。でも生憎、お酒入れちゃうとおっ勃たないのさ。萎びてるんだよ。おれはつくしにはなれないのさ。それに、牡雪女と人狼姫の交尾に、気を昂めすぎて、手扱きもなく精を出してしまったかも知れないからね」
 葵は女体から身を剥がそうとした。
「で、一度出したくらいで子が孕めると思っているの?君のそのツラ、その態度からして、たった一度の抱接で、懐胎させてあげられる甲斐性があるとはおれには思えないな。山茶みたいなのなら一発でかませたんだろうけど……実際結構産ませてるし。ああ、かわいい家臣の子ならおれだって可愛がりたいからね。娼妓も町娘もおれが囲ってあげるんだよ。おれのかわいい家臣の子なんておれの子も同然だろ?なのに葵。君は娼妓の中に出さないから困るな。じゃあ誰に出してあげるの?中に出したい相手が人狼と番って、獣臭いから、絶望してるんだね?やっぱり甲斐性がないな、君は。寝取れよ。寝取りなさいよ。寝取ることに燃えないなんて、牡失格だと思うな。中に出された女の精を洗い流すことに喜びを感じなきゃ。だってそういうふうにおれたち男は作られてるんだよ?葵、できるよね。君は今までなんだって叶えてくれたじゃない。おれのために死体の山を築き上げてくれただろう?それならおれに、君の血を引く子供たちだけの村ってものも見せてくれよ。え?できるよね?」
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