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ペナルティブランド~愛のご褒美~
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「男栄えて国滅ぶ」
ヴィーナスパレスでご主女さまがポツリと言った諺です。
昔、男性が我侭になり、女性を軽んじて見下すようになった頃があったそうです。
男達は結婚もしなくなり、街から子供が消えて国が滅びかけたっていいます。
男が女の人を見下すなんて信じられません。
だって、男は女の人に敵わないのに。
当時の女の人って、そんなに弱かったの?
そんなはずはありません。
当時だって、女性の能力の方がずっと上だったはずです。
当時の女性は夫をきちんと調教していなかったっていいます。
それを見ていた息子達がさらに我侭になり、悪循環になっていたのでしょう。
男を甘やかしていたんだ。
悪い男にはきちんと罰を与えて、調教するべきです。
そして、この間のボクにも。
『夫は妻を主女として敬い、よく従うべし』
あの時のボクは、ご主女さまを軽んじて、我侭にも自分のことしか見えていませんでした。
妻を常に敬い、従順であることは夫にとってとっても大切なこと。
それを見失っていたボクは大変な罪人です。
『ボクを罰してください、ご主女さま』
ボクはあの時、ご主女さまの前に跪いてこう言いました。
ボクは自分に対する罰を考えてみました。
ペナルティブランド・・・焼印による罰です。
夫の証であるお尻に押される家紋の焼印は男性の誇りであり、大変名誉あるものですが、ペナルティブランドはその名のとおり、罰として内ももに押されるもの。
内ももの柔らかい敏感な肌に押されるそれは、お尻の焼印と比べるべくもない、強烈な痛みだといいます。
大抵の男は泣き出して失禁するそうですが、ボクは決してそんなことにはなりません。
絶対に耐えて見せます。
そして、押された男性はパーフェクトスレイブかと見紛うばかりに、主女に対して大変従順になるともいいます。
ボクもそうなりたい。
痛み以外にも実は欠点があって、パーフェクトスレイブの称号を得る資格がなくなること。
気品と知性、そしてなにより従順さを備えた、完璧な男性。
まさに男のなかの男で、全男性の憧れであるパーフェクトスレイブって、ボクの夢でしたが、これは諦めるしかありません。
他にもいくつかありますが、そんなことはどうでもいいことです。
大切なのは、ボクがご主女さまに全てを捧げるってこと。
そしてそれをご主女さまに受け止めてもらいたい。
取引先の社長ご婦夫(ふうふ)を自宅にご招待したとき、ボクは一計を案じました。
ボクは、ご主女さまの前に跪いて両手を交差して差し出しました。
「ボクを罰してください、ご主女さま。ボクに罪の焼印を押してください」
夫から妻への正式な請願です。
社長ご婦夫という立派な立会人もいますので、ヴィーナスパレスの広場でのようにウヤムヤにはできません。
「ウゥム」
ご主女さまは苦しそうに頷きました。
「しゅー、しゅー」
シンプルな「×」の印がついた焼き鏝が炎の中で赤白く輝いています。
大変な高熱なのでしょう、熱気が伝わってきます。
『怖い』
なんだか、少し後悔してきました。お尻に押してもらった時と違って、今回は正面から全ての工程が目に入ってきます。
これは恐怖心がいやでも煽られます。
この焼印の罰にはこの恐怖も含まれているのでしょう。
「ジュゥ!」
押された瞬間は一瞬何も感じませんでした。が、一拍遅れて強烈な熱さと痛み。
「アヅイー、ウグゥ、イダイィ!」
拘束されたボクの体は身動きがとれないのに、必死になんとか逃げ出そうともがきます。
目から涙が溢れて止まりません。
いつの間にかお漏らしまで。
でもなんとか耐え切りました。
拘束を解かれたボクは、床に崩れ落ちながらも、這いつくばってなんとかご主女さまのおみ足にキスしました。
「ボクは、ご主女さまに愛と貞節と服従を誓います」
ご主女さまはやさしくボクの頭を踏みつけました。
「お前は永遠に私のものよ。愛しているわ、操夫(ミサオ)」
ご主女さまはボクの心を受け止めてくださいました。
そのうえ本来、儀式で使わない「愛」の言葉。
本当だったら、侮蔑の言葉でも冷たく言い放つところです。
ご主女さまは床に屈んで、ボクをやさしく包み込むように抱きかかえてくれます。
もはやこれは罰ではありません、ボクへの愛のご褒美です。
「はい、ご主女さま、ボクは永遠にご主女さまのものです。愛してます、愛してます、愛してます、愛してます、愛してます・・・」
ボクは泣きながら何度も愛を誓いました。
【ペナルティブランド】
貞操義務を破った夫や、妻への重大な裏切りがあったときに、夫が受ける最大の罰として内ももに押される焼印ものです
男性が罪を反省し、自分からつけてもらうこともまれにあります。
【請願のポーズ】
ご主女さまにお願いするときの正式な姿勢です。
彼の前に跪いて両手を交差して前にさし出すポーズです。
法的に有効にするためには、複数の立会人(女男各1名以上)が必要です。
ヴィーナスパレスでご主女さまがポツリと言った諺です。
昔、男性が我侭になり、女性を軽んじて見下すようになった頃があったそうです。
男達は結婚もしなくなり、街から子供が消えて国が滅びかけたっていいます。
男が女の人を見下すなんて信じられません。
だって、男は女の人に敵わないのに。
当時の女の人って、そんなに弱かったの?
そんなはずはありません。
当時だって、女性の能力の方がずっと上だったはずです。
当時の女性は夫をきちんと調教していなかったっていいます。
それを見ていた息子達がさらに我侭になり、悪循環になっていたのでしょう。
男を甘やかしていたんだ。
悪い男にはきちんと罰を与えて、調教するべきです。
そして、この間のボクにも。
『夫は妻を主女として敬い、よく従うべし』
あの時のボクは、ご主女さまを軽んじて、我侭にも自分のことしか見えていませんでした。
妻を常に敬い、従順であることは夫にとってとっても大切なこと。
それを見失っていたボクは大変な罪人です。
『ボクを罰してください、ご主女さま』
ボクはあの時、ご主女さまの前に跪いてこう言いました。
ボクは自分に対する罰を考えてみました。
ペナルティブランド・・・焼印による罰です。
夫の証であるお尻に押される家紋の焼印は男性の誇りであり、大変名誉あるものですが、ペナルティブランドはその名のとおり、罰として内ももに押されるもの。
内ももの柔らかい敏感な肌に押されるそれは、お尻の焼印と比べるべくもない、強烈な痛みだといいます。
大抵の男は泣き出して失禁するそうですが、ボクは決してそんなことにはなりません。
絶対に耐えて見せます。
そして、押された男性はパーフェクトスレイブかと見紛うばかりに、主女に対して大変従順になるともいいます。
ボクもそうなりたい。
痛み以外にも実は欠点があって、パーフェクトスレイブの称号を得る資格がなくなること。
気品と知性、そしてなにより従順さを備えた、完璧な男性。
まさに男のなかの男で、全男性の憧れであるパーフェクトスレイブって、ボクの夢でしたが、これは諦めるしかありません。
他にもいくつかありますが、そんなことはどうでもいいことです。
大切なのは、ボクがご主女さまに全てを捧げるってこと。
そしてそれをご主女さまに受け止めてもらいたい。
取引先の社長ご婦夫(ふうふ)を自宅にご招待したとき、ボクは一計を案じました。
ボクは、ご主女さまの前に跪いて両手を交差して差し出しました。
「ボクを罰してください、ご主女さま。ボクに罪の焼印を押してください」
夫から妻への正式な請願です。
社長ご婦夫という立派な立会人もいますので、ヴィーナスパレスの広場でのようにウヤムヤにはできません。
「ウゥム」
ご主女さまは苦しそうに頷きました。
「しゅー、しゅー」
シンプルな「×」の印がついた焼き鏝が炎の中で赤白く輝いています。
大変な高熱なのでしょう、熱気が伝わってきます。
『怖い』
なんだか、少し後悔してきました。お尻に押してもらった時と違って、今回は正面から全ての工程が目に入ってきます。
これは恐怖心がいやでも煽られます。
この焼印の罰にはこの恐怖も含まれているのでしょう。
「ジュゥ!」
押された瞬間は一瞬何も感じませんでした。が、一拍遅れて強烈な熱さと痛み。
「アヅイー、ウグゥ、イダイィ!」
拘束されたボクの体は身動きがとれないのに、必死になんとか逃げ出そうともがきます。
目から涙が溢れて止まりません。
いつの間にかお漏らしまで。
でもなんとか耐え切りました。
拘束を解かれたボクは、床に崩れ落ちながらも、這いつくばってなんとかご主女さまのおみ足にキスしました。
「ボクは、ご主女さまに愛と貞節と服従を誓います」
ご主女さまはやさしくボクの頭を踏みつけました。
「お前は永遠に私のものよ。愛しているわ、操夫(ミサオ)」
ご主女さまはボクの心を受け止めてくださいました。
そのうえ本来、儀式で使わない「愛」の言葉。
本当だったら、侮蔑の言葉でも冷たく言い放つところです。
ご主女さまは床に屈んで、ボクをやさしく包み込むように抱きかかえてくれます。
もはやこれは罰ではありません、ボクへの愛のご褒美です。
「はい、ご主女さま、ボクは永遠にご主女さまのものです。愛してます、愛してます、愛してます、愛してます、愛してます・・・」
ボクは泣きながら何度も愛を誓いました。
【ペナルティブランド】
貞操義務を破った夫や、妻への重大な裏切りがあったときに、夫が受ける最大の罰として内ももに押される焼印ものです
男性が罪を反省し、自分からつけてもらうこともまれにあります。
【請願のポーズ】
ご主女さまにお願いするときの正式な姿勢です。
彼の前に跪いて両手を交差して前にさし出すポーズです。
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