40 / 46
7
生まれて初めて③
しおりを挟む
「…っうん、」
「今まで嬉しいとか思ったことなかったのに…こういうことかって分かるの、すごい」
「そうだよ…、これからはそういう気持ちをもっともっと…感じてほしいよ。楽しいことも、嬉しいことも全部…」
ていうか僕の方が嬉しくて、どうにかなりそうだよ。こうして、これからも憂くんと一緒にいていいんだって思ったら…
「俺さ…メンタルやられて感情も、昔のことも忘れてたはずなのに、母さんから離れようとしたり、叶羽君に一緒にいてくれって言ったの…自分でも分からなかったけど」
「うん…」
「たぶん、本能ってやつかな?心のどっかで、叶羽くんを必要としてたんだと思う」
抱きしめていた体を離して、肩に手を置くと、憂くんは僕を見上げて微笑んだ。
「ふふ、叶羽くん涙でぐしゃぐしゃだね」
「…っうん、あの、憂くん」
「ん?」
「最近元カレに言われて気付いたんだけど…その、僕ちょっと付き合うと重いらしくて…」
「重い?愛情が重いってこと?」
「そ、そう…みたい。だから、たぶん今まで元カレに振られてたんだと思うんだけど…もし重くてウザいと思ったら、振る前に言ってほし…一一一」
全部言い切る前に、僕の口は強制的に閉じられた。
憂くんの唇が…温かくて柔らかい。僕の唇に優しく触れる。
「……っん、う!!!憂くん、、?」
「叶羽くんの重い愛を独り占めできるなら、そんな幸せなことないよ?」
「…っえ」
「むしろ、俺の方が重いかも。だから叶羽くんも覚悟してね」
「!!!は、はい」
どうしよう、顔が熱い。頭まで血が登りそう…。
前は僕からほっぺにキスしたけど…今のは不意打ちだし、初めて憂くんとキスを…!
「なんで下向くの?」
「…っ、そ、その、恥ずかしくて」
「前は叶羽くんからキスしてくれたのに?」
「そっそれは!あの、ごめん…」
「謝らなくていいから、もっかい口にしてくれる?今度は叶羽くんから」
「へ!!?」
あわあわ動いて焦ってる僕を見て、憂くんは意地悪そうに笑ってる。そんな表情も全部一つ一つ拾い集めてしまって、ドキドキが止まらない。
「んー、じゃあこっちの体勢の方がいいかな?」
「うわわわ!!」
顔を上げれなくなった僕の両脇に手を入れて、座ってる憂くんの膝の上に乗せられる形になってしまった。
向かい合わせだし、跨っちゃってるし…見上げられるの余計に恥ずかしい…。
「して?」
「…っうん」
でも、キスを待ってる憂くんが可愛くて…これはなんだろう。愛しいっていうのかな。胸をくすぐられる感覚。
僕は目を閉じた憂くんの唇に、ゆっくり自分の唇を重ね合わせた。
こんな夢みたいなこと…まだ実感が湧かない。
「!!んん…一一一!」
そんなことを思っていたら、突然唇の隙間から憂くんの舌が侵入してきた。びっくりして口が開いた瞬間に、更に奥へ入ってきて、そのまま口内を侵す。
「んっ……は、ぁ、、」
くちゅくちゅと舌が混じり合う音と、2人の吐息だけが聞こえてきて、沸騰してしまいそう…。
「んぁっ、、は…」
「…っはぁ、叶羽くん」
「っはぁはぁ…、へ?」
「ごめん、俺…今もっと触りたくてしょうがない」
「あ、えっと、それって…」
つまり、そういう事だよね…?でもまさか、今日そうなるなんて思ってなかったから心の準備が…。
心の準備っていっても僕はよくて、憂くんの方が心配で…。
「え、で、でも憂くん、男初めてだよね?そ、その…いきなりは難しいんじゃないかなって…。ちょっと不安もあって…」
「…だめ?叶羽くんが辛くないように、頑張るよ」
「あ!いや、そうじゃなくて…」
「そうじゃなくて?なに?」
「その、なんていうか…今いきなりそういう事して、僕で萎えさせたらどうしようって…」
「……え?」
「だ、だから、その……うわっっ!!?」
また話を遮るかのように、今度は宙に浮いた僕の体。憂くんが、抱きしめた状態のまま僕を抱えて立ち上がった。
「ちょちょ!なにしてんのっ!!」
「今まで嬉しいとか思ったことなかったのに…こういうことかって分かるの、すごい」
「そうだよ…、これからはそういう気持ちをもっともっと…感じてほしいよ。楽しいことも、嬉しいことも全部…」
ていうか僕の方が嬉しくて、どうにかなりそうだよ。こうして、これからも憂くんと一緒にいていいんだって思ったら…
「俺さ…メンタルやられて感情も、昔のことも忘れてたはずなのに、母さんから離れようとしたり、叶羽君に一緒にいてくれって言ったの…自分でも分からなかったけど」
「うん…」
「たぶん、本能ってやつかな?心のどっかで、叶羽くんを必要としてたんだと思う」
抱きしめていた体を離して、肩に手を置くと、憂くんは僕を見上げて微笑んだ。
「ふふ、叶羽くん涙でぐしゃぐしゃだね」
「…っうん、あの、憂くん」
「ん?」
「最近元カレに言われて気付いたんだけど…その、僕ちょっと付き合うと重いらしくて…」
「重い?愛情が重いってこと?」
「そ、そう…みたい。だから、たぶん今まで元カレに振られてたんだと思うんだけど…もし重くてウザいと思ったら、振る前に言ってほし…一一一」
全部言い切る前に、僕の口は強制的に閉じられた。
憂くんの唇が…温かくて柔らかい。僕の唇に優しく触れる。
「……っん、う!!!憂くん、、?」
「叶羽くんの重い愛を独り占めできるなら、そんな幸せなことないよ?」
「…っえ」
「むしろ、俺の方が重いかも。だから叶羽くんも覚悟してね」
「!!!は、はい」
どうしよう、顔が熱い。頭まで血が登りそう…。
前は僕からほっぺにキスしたけど…今のは不意打ちだし、初めて憂くんとキスを…!
「なんで下向くの?」
「…っ、そ、その、恥ずかしくて」
「前は叶羽くんからキスしてくれたのに?」
「そっそれは!あの、ごめん…」
「謝らなくていいから、もっかい口にしてくれる?今度は叶羽くんから」
「へ!!?」
あわあわ動いて焦ってる僕を見て、憂くんは意地悪そうに笑ってる。そんな表情も全部一つ一つ拾い集めてしまって、ドキドキが止まらない。
「んー、じゃあこっちの体勢の方がいいかな?」
「うわわわ!!」
顔を上げれなくなった僕の両脇に手を入れて、座ってる憂くんの膝の上に乗せられる形になってしまった。
向かい合わせだし、跨っちゃってるし…見上げられるの余計に恥ずかしい…。
「して?」
「…っうん」
でも、キスを待ってる憂くんが可愛くて…これはなんだろう。愛しいっていうのかな。胸をくすぐられる感覚。
僕は目を閉じた憂くんの唇に、ゆっくり自分の唇を重ね合わせた。
こんな夢みたいなこと…まだ実感が湧かない。
「!!んん…一一一!」
そんなことを思っていたら、突然唇の隙間から憂くんの舌が侵入してきた。びっくりして口が開いた瞬間に、更に奥へ入ってきて、そのまま口内を侵す。
「んっ……は、ぁ、、」
くちゅくちゅと舌が混じり合う音と、2人の吐息だけが聞こえてきて、沸騰してしまいそう…。
「んぁっ、、は…」
「…っはぁ、叶羽くん」
「っはぁはぁ…、へ?」
「ごめん、俺…今もっと触りたくてしょうがない」
「あ、えっと、それって…」
つまり、そういう事だよね…?でもまさか、今日そうなるなんて思ってなかったから心の準備が…。
心の準備っていっても僕はよくて、憂くんの方が心配で…。
「え、で、でも憂くん、男初めてだよね?そ、その…いきなりは難しいんじゃないかなって…。ちょっと不安もあって…」
「…だめ?叶羽くんが辛くないように、頑張るよ」
「あ!いや、そうじゃなくて…」
「そうじゃなくて?なに?」
「その、なんていうか…今いきなりそういう事して、僕で萎えさせたらどうしようって…」
「……え?」
「だ、だから、その……うわっっ!!?」
また話を遮るかのように、今度は宙に浮いた僕の体。憂くんが、抱きしめた状態のまま僕を抱えて立ち上がった。
「ちょちょ!なにしてんのっ!!」
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
幼馴染みとアオハル恋事情
有村千代
BL
日比谷千佳、十七歳――高校二年生にして初めて迎えた春は、あっけなく終わりを告げるのだった…。
「他に気になる人ができたから」と、せっかくできた彼女に一週間でフられてしまった千佳。その恋敵が幼馴染み・瀬川明だと聞き、千佳は告白現場を目撃することに。
明はあっさりと告白を断るも、どうやら想い人がいるらしい。相手が誰なのか無性に気になって詰め寄れば、「お前が好きだって言ったらどうする?」と返されて!?
思わずどぎまぎする千佳だったが、冗談だと明かされた途端にショックを受けてしまう。しかし気づいてしまった――明のことが好きなのだと。そして、すでに失恋しているのだと…。
アオハル、そして「性」春!? 両片思いの幼馴染みが織りなす、じれじれ甘々王道ラブ!
【一途なクールモテ男×天真爛漫な平凡男子(幼馴染み/高校生)】
※『★』マークがついている章は性的な描写が含まれています
※全70回程度(本編9話+番外編2話)、毎日更新予定
※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】
□ショートストーリー
https://privatter.net/p/9716586
□イラスト&漫画
https://poipiku.com/401008/">https://poipiku.com/401008/
⇒いずれも不定期に更新していきます
年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
旦那様と僕
三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。
縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。
本編完結済。
『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
わがまま子息は七回目のタイムリープで今度こそ有能執事と結ばれる! ……かな?
大波小波
BL
上流階級・藤原家の子息である、藤原 昴(ふじわら すばる)は、社交界の人気者だ。
美貌に教養、優れた美的センスの持ち主で、多彩な才覚を持っている。
甘やかされ、ちやほやされて育った昴は、わがまま子息として華やかに暮らしていた。
ただ一つ問題があるとすれば、それは彼がすでに故人だということだ。
第二性がオメガである昴は、親が勝手に決めた相手との結婚を強いられた。
その屋敷へと向かう道中で、自動車事故に遭い短い人生を終えたのだ。
しかし昴には、どうしても諦めきれない心残りがあった。
それが、彼の専属執事・柏 暁斗(かしわ あきと)だ。
凛々しく、寡黙で、美しく、有能。
そして、第二性がアルファの暁斗は、昴のわがままが通らない唯一の人間だった。
少年以上・青年未満の、多感な年頃の昴は、暁斗の存在が以前から気になっていた。
昴の、暁斗への想いは、タイムリープを繰り返すたびに募る。
何とかして、何としてでも、彼と結ばれたい!
強い想いは、最後の死に戻りを実現させる。
ただ、この七回目がラストチャンス。
これで暁斗との恋を成就できなければ、昴は永遠に人間へ転生できないのだ。
果たして、昴は暁斗との愛を育み、死亡ルートを回避できるのか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる