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無自覚②
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「夕真…」
「えっなになに、2人知り合いなの?」
「白井先輩…、叶羽は俺の元カレです」
「えええ!?そうだったの?!マジ!?」
別れてから元カレの夕真とは偶然会うこともなかったから、本当に久しぶりに顔を見た。
白井先輩と知り合いだって知らなかったし、先輩も話してなかったんだろう。夕真の言葉を聞いてすごく驚いてる。
「あ…、はい。2人が知り合いなんて知らなかったです」
「いやほんと最近、サークル繋がりで知り合ったんだよ!叶ちゃんの元カレだとは知らなかったけど!」
「…叶羽、久しぶりだね」
「うん…」
夕真の雰囲気は変わってないけど、やっぱり少しだけ僕を見る目が気まずさを感じてる。あまり長居せずに早めに去ろう。
「あ、じゃあ先輩、僕急いでるのでこれで…」
「あ、待って待って!そういえばさ、叶ちゃんって憂くんって子と友達だったよね?」
「え!そ、それは…はい、そうですけど」
「なんか、クラブ仲間から噂聞いたんだけど、その子、最近治安悪い奴らによく絡まれてるらしいよ」
「えっ…」
絡まれてる…?治安悪い奴らって…まさか、あの時みたいなクラブ関係の?
もしかして、また行き始めたとかじゃないよな…?
「先輩、それほんとですか!?どこでですか?憂くん最近どこにいるか知ってますか!?」
「ちょ、落ち着いて!俺も聞いただけだから詳しくは分からないよ!今クラブには来てないみたいだけど、前来てた時は目立ってたから、それ気に食わない奴らが最近絡みに行ってるって噂。何も聞いてない?」
「…っは、はい」
よかったけど、よくはない。クラブに行ってはないことは安心したけど、前のような感じで一方的に絡まれているんだろう。
「前は、あの飲み屋街の〇〇町で絡まれてるの見たって人がいたみたい。でも俺あの子のこと知らないし、叶ちゃんが前友達になったって言ってたから、一応伝えとこうと思って」
まさか僕と会ってないうちに、そんなことになってたなんて…。
「教えてくれてありがとうございます!僕ちょっと行ってみます!」
「うん!そうしてあげてー!じゃあ俺行くね!夕真くんもまた!伝達通りにサークルの件よろしくね~」
「あ、はい。分かりました」
白井先輩はそれだけ告げると、僕と夕真を置いて軽やかに去っていった。
「じゃあ、僕も行くね」
「…あっ、叶羽!」
夕真に背を向けて歩き出そうとした時、後ろから腕を掴まれる感触がした。呼び止められると思わなくて、ビク!と肩が跳ねる。
「なに…?離して、」
「ごめん…。あの時は、ごめん。一方的にLINEで別れてくれなんて言って…無理やり別れた形になってしまって」
「…もういいよ、終わったことなんだし」
「後から落ち着いてみて、いくらあの時別れたかったとは言え、酷い事をしたって気付いたんだ。だから会えたら謝りたかった。ごめん」
夕真は、少し俯いてメガネの奥で目を伏せた。仮にも付き合っていたから分かる。本当に今まで気にしてたんだろうって。
「うん、僕もごめん。確かにショックだったけど、こっちもなにか至らない所があったと思うから…だからもう気にしないで」
「…うん、ありがとう」
まさかこんな感じで、また話せるなんて思ってなかったけど、少し胸の奥がスッキリした気分だ。
「あ、あと…さっきの話、クラブの子がどうのって」
「え、うん」
「もしかして…その子のこと好きなのか?」
「えっなんで…」
「いや何となく、叶羽の必死な顔と目を見てたらそうなのかなって」
顔でバレるとか…夕真だからっていうのを除いても、どれだけ分かりやすいんだ、僕は。
でも、それだけ本気ってことだから。
「…うん、今その人のことが好き。どうなるか分かんないけど」
「そっか…」
そう言うと、夕真は僕の肩をポンポンと叩いてから背中を向けた。
「叶羽のその愛情、全部受け止められたらよかったけど…俺じゃダメだった」
「…あ、愛情?ってなにそれ」
「やっぱり自覚なし?まあそれも叶羽っぽいけど。ちょっと重いくらいの愛情を叶羽はいつもくれてたよ。でも俺には受け止めれなかったし合わなかったんだと思う」
「え…」
「でもいつか、それを全身で喜んで受け止めてくれる人と叶羽が出会えたらいいなと思ってるよ」
「えっなになに、2人知り合いなの?」
「白井先輩…、叶羽は俺の元カレです」
「えええ!?そうだったの?!マジ!?」
別れてから元カレの夕真とは偶然会うこともなかったから、本当に久しぶりに顔を見た。
白井先輩と知り合いだって知らなかったし、先輩も話してなかったんだろう。夕真の言葉を聞いてすごく驚いてる。
「あ…、はい。2人が知り合いなんて知らなかったです」
「いやほんと最近、サークル繋がりで知り合ったんだよ!叶ちゃんの元カレだとは知らなかったけど!」
「…叶羽、久しぶりだね」
「うん…」
夕真の雰囲気は変わってないけど、やっぱり少しだけ僕を見る目が気まずさを感じてる。あまり長居せずに早めに去ろう。
「あ、じゃあ先輩、僕急いでるのでこれで…」
「あ、待って待って!そういえばさ、叶ちゃんって憂くんって子と友達だったよね?」
「え!そ、それは…はい、そうですけど」
「なんか、クラブ仲間から噂聞いたんだけど、その子、最近治安悪い奴らによく絡まれてるらしいよ」
「えっ…」
絡まれてる…?治安悪い奴らって…まさか、あの時みたいなクラブ関係の?
もしかして、また行き始めたとかじゃないよな…?
「先輩、それほんとですか!?どこでですか?憂くん最近どこにいるか知ってますか!?」
「ちょ、落ち着いて!俺も聞いただけだから詳しくは分からないよ!今クラブには来てないみたいだけど、前来てた時は目立ってたから、それ気に食わない奴らが最近絡みに行ってるって噂。何も聞いてない?」
「…っは、はい」
よかったけど、よくはない。クラブに行ってはないことは安心したけど、前のような感じで一方的に絡まれているんだろう。
「前は、あの飲み屋街の〇〇町で絡まれてるの見たって人がいたみたい。でも俺あの子のこと知らないし、叶ちゃんが前友達になったって言ってたから、一応伝えとこうと思って」
まさか僕と会ってないうちに、そんなことになってたなんて…。
「教えてくれてありがとうございます!僕ちょっと行ってみます!」
「うん!そうしてあげてー!じゃあ俺行くね!夕真くんもまた!伝達通りにサークルの件よろしくね~」
「あ、はい。分かりました」
白井先輩はそれだけ告げると、僕と夕真を置いて軽やかに去っていった。
「じゃあ、僕も行くね」
「…あっ、叶羽!」
夕真に背を向けて歩き出そうとした時、後ろから腕を掴まれる感触がした。呼び止められると思わなくて、ビク!と肩が跳ねる。
「なに…?離して、」
「ごめん…。あの時は、ごめん。一方的にLINEで別れてくれなんて言って…無理やり別れた形になってしまって」
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「後から落ち着いてみて、いくらあの時別れたかったとは言え、酷い事をしたって気付いたんだ。だから会えたら謝りたかった。ごめん」
夕真は、少し俯いてメガネの奥で目を伏せた。仮にも付き合っていたから分かる。本当に今まで気にしてたんだろうって。
「うん、僕もごめん。確かにショックだったけど、こっちもなにか至らない所があったと思うから…だからもう気にしないで」
「…うん、ありがとう」
まさかこんな感じで、また話せるなんて思ってなかったけど、少し胸の奥がスッキリした気分だ。
「あ、あと…さっきの話、クラブの子がどうのって」
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「やっぱり自覚なし?まあそれも叶羽っぽいけど。ちょっと重いくらいの愛情を叶羽はいつもくれてたよ。でも俺には受け止めれなかったし合わなかったんだと思う」
「え…」
「でもいつか、それを全身で喜んで受け止めてくれる人と叶羽が出会えたらいいなと思ってるよ」
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