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〈肉まん大好き〉②
しおりを挟む「いえ、それは全然いいっす。俺は食えるものなら、何でもいいんで。ただ、どうしたら、もっと親しくなれるかな、って」
「ああ、そういうこと。そんなの簡単じゃない。『いつもおすそ分けをもらっているので、一度、ご馳走させてください』。そう言って、シンプルに誘えばいい」
「いやぁ、それ、やってみたんすけど、逆に恐縮されちゃって。『作りすぎた料理を差し上げているだけだから』って、やんわりと断られました」
「そうかぁ。山口智子さんも、肉まんくんに関心があるのかなって、そんな風に思ったんだけど」
「そんな感じじゃないっす。俺も若干期待していた部分もあるんすけど、純粋なおすそ分けだったみたいで」
「だったら、山口智子さんが恐縮しない程度にレベルダウンしたら? イタリアンじゃなくて定食屋みたいな?」
「それでも、まだ恐縮されるかも。いっそ、俺の手料理で返そうと思っているんすけど。頑張って、おせち料理に挑戦しようかと……」
「いいじゃない、男の手料理。愛情込めてつくってあげてよ。何だよ、もう自分で問題を解決してるじゃない」
「いえ、アンディさんと話して、自分の心が決まったっす」
「山口智子さんと何か進展があったら、またハガキかメールをちょうだい。僕、待ってるから」
「わかったっす。必ず、報告します。今日は本当に、あざーっす」
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