裸のプリンス【Ｒ１８】

溺れる身体⑥

　カズと眼が合った。愛憎の入り混じった、冷ややかな眼だった。日頃は穏やかで、抑制が効いているだけに、もし切れたら何をしでかすか、想像もつかない。

　カズには、底知れぬ怖さがある。僕は抵抗の術すべをもたない以上、どんな状況でも受け入れねばならない。深呼吸をして、覚悟を決める。

　カズはテーブルの縁にペタンと腰を下ろした。彼の股間にあるものが、僕のすぐ目の前にくる。

「憧れのシュウさんに全てをさらすなんて、俺、もう興奮して、はち切れそうっすよ」

　カズの屹立したバナナは、僕以上の逞しさだった。きれいな形の先端は、既に透明な液で濡れていて、鈍い光を放っている。

「シュウさん、これは償いっすよ。心を込めて、俺のことを愛してください」

　やるしかない。思い切って、突き出されたバナナを、口いっぱいに頬張った。戸惑いながら、愛撫を開始する。口内に唾を湧かせ、舌をバナナにからませる。

　男を相手にするなんて、もちろん初めてだ。屈辱感や敗北感がないわけではない。自己嫌悪や後悔の念を含めて、今、無用なものはすべて、頭から追い出す。ただ、目の前の問題、カズを満足させることのみに集中する。

　コールボーイの経験が俺を力強く支えてくれた。どんな屈辱的な行為でも、お客様へのサービス、プレイの一環と割り切ればいい。