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欲望の夜④

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 屈折した欲望に身体が引き裂かれそうだ。

「……お願いです。先生、やめてください」喉の奥から必死にしぼり出す。

 日名子さんは上目遣いで、ほくそ笑んでいる。僕の苦しげな表情を楽しんでいるのだ。
 いきなり、バナナを口に含まれた。クルミを触りながら、舌をからめたり吸い上げたり、思うように扱われてしまう。

「やめてください。それ以上されたら、僕は……」
「僕は、なぁに?」

 僕の中で衝動が生まれる。それは次第にふくらんでいく。

「はっきりしなさいよ。ふん、男のくせに」

 鼻で笑われたことで、衝動が急激に強くなる。破壊的な欲求をともなったそれは、自分でも抑えられなくなる。
 僕は日名子さんの両肩を力任せに突き飛ばした。

「きゃっ」

 彼女はバランスを崩して、絨毯の上に倒れこんだ。ワンピースがめくりあがり、ライトブルーのショーツが露になる。

「先生っ」

 僕は日名子さんの身体にのしかかる。荒々しく馬乗りになって、彼女の両腕を抑えこむ。

「何する気っ」身動きのとれない日名子さんは怯えた表情を見せる。「やめなさいっ。こんなことをして、ただで済むと思っているのっ」

「先生のせいです。先生がいけないんだ」

 僕はシナリオ通りのセリフを感情にのせて吐き出す。内なる衝動に任せて、豊かな水蜜桃を鷲づかみにする。
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