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ケダモノプレイ④
しおりを挟む若い男なら、見ずにいられない眺めだ。僕も例外ではない。
シナリオによると、まもなく日名子さんに襲いかかり、豊かな水蜜桃を鷲づかみにして、荒々しくこねまわすことになる。
サインを終えた日名子さんが、僕の視線に気がついた。日頃から、男どもの視線を不愉快に思っているのだろう。非難がましく、僕を睨みつけてくる。左腕で胸元をかばう仕草をしながら、右手で受取証とボールペンを差し出した。
僕は眼をそらしたり、照れ隠しに咳払いをしたりしない。もう一度、水蜜桃を覗き込み、いやらしい笑みを浮べる。もちろん、これは演技である。そうするように、シナリオに書かれているのだ。
日名子さんの差し出した受取証とボールペンを、僕は荒っぽく払いのけた。スニーカーを脱ぎ捨てる。日名子さんの腕を掴み、強引に引き寄せた。
「痛いっ、何するのよっ」舌足らずの悲鳴が上がる。
僕は無言で、小脇に彼女を抱きかかえると、部屋の中へと勝手に上がりこむ。日名子さんは目元を赤く染めて、息を弾ませていた。これから始まることを期待してのことだろう。
シナリオに沿って、僕は彼女を抱きかかえたまま、リビングルームに向かう。そこには、ペルシャ絨毯が敷き詰められ、変形させるとベッドになる大きなソファが横たわっていた。
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