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王様の裏の顔④
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今だって、くだらない自慢話をするか、私をけなして人格を否定するか、不毛な言葉を垂れ流しているだけだ。真面目に聞く価値がないので、私は右から左へと聞き流す。
テレビカメラがあったとしても、大して変わらない。あれこれとカッコつけて、笑顔を振りまきながら、もっともらしいコメントを紡ぎ出すだけ。
一言でいえば、エゴまるだしのナルシスト。それが、王様,速水誠の本質である。
「この野郎、ボケッとしやがって、寝ぼけてんじゃねぇぞ」
手加減なしで頭部をはたかれた。私はバランスを崩して床に倒れ込む。現実逃避の睡魔に襲われる。このまま眠ってしまいたいが、髪の毛を引っ張られて乱暴に引き起こされる。
「眠気覚ましが必要みたいだな」
速水さんが煙草をくわえて、火をつける。胸の奥が凍りつき、一気に眠気が冷めた。
700度を超えるという煙草の火が容赦なく、私のお腹を焼く。激痛に視界がゆれるが、唇を噛みしめて必死に耐える。肉の焦げる臭いには、決して慣れることはない。
逃げ出すことは何度も考えた。だが、私には逃げ場がない。家族とは、とっくに縁が切れている。頼れる友達は一人もいない。
だから、ひたすら耐え忍ぶしかない。
テレビカメラがあったとしても、大して変わらない。あれこれとカッコつけて、笑顔を振りまきながら、もっともらしいコメントを紡ぎ出すだけ。
一言でいえば、エゴまるだしのナルシスト。それが、王様,速水誠の本質である。
「この野郎、ボケッとしやがって、寝ぼけてんじゃねぇぞ」
手加減なしで頭部をはたかれた。私はバランスを崩して床に倒れ込む。現実逃避の睡魔に襲われる。このまま眠ってしまいたいが、髪の毛を引っ張られて乱暴に引き起こされる。
「眠気覚ましが必要みたいだな」
速水さんが煙草をくわえて、火をつける。胸の奥が凍りつき、一気に眠気が冷めた。
700度を超えるという煙草の火が容赦なく、私のお腹を焼く。激痛に視界がゆれるが、唇を噛みしめて必死に耐える。肉の焦げる臭いには、決して慣れることはない。
逃げ出すことは何度も考えた。だが、私には逃げ場がない。家族とは、とっくに縁が切れている。頼れる友達は一人もいない。
だから、ひたすら耐え忍ぶしかない。
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