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50 悲劇に向かうのか13
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世界連合軍が、フーカ辺境伯の城を囲んで2日目の朝になった。フーカは自分の部屋を出て、軍議をする部屋に入ると既にみんなが集まっていた。
1日目はみえない防壁により、フーカ辺境伯側には全く損害が発生しなかった。それに加え、世界連合軍は弓矢などの飛行系の武器の損失が莫大に及んだ。軍議は始まり副官の魔法師イワンがそのことを指摘した。
「1日目で、世界連合軍は弓矢などの飛行系の武器を使い果たしました。今日は見えない防壁の頂上に射手を置いて、こちらの方から攻撃を仕掛ければ戦いは我が方に大変有利に進むでしょう。」
フーカが答えた。
「私に考えがあります。今日1日、皆様は城の中で防御態勢をとってください。ほんとうに疑問に思われるのかもしれませんが、自分なりにしっかり考えた結論です。よろしくお願いします。」
軍議の場にいた全ての参加者は、彼女のことをとても信頼していたので一斉にうなづいて同意した。その後、彼女は自分の部屋に戻り甲冑を着け始めた。すると、彼女を呼ぶ声がした。
「フーカさん。フーカさん。」
天使が机の上のスマホから彼女を呼んでいた。
「ミカちゃん。今から戦いに行くわ、これまでいろいろなことを教えてくれて、ありがとうございました。心から感謝します。」
「フーカさん、最後にあなたに教えなければならないことがあります。まだ、言っていないことがありました。やはりお知らせしなければならないことでした。城を出る前に知ってほしいです。」
彼女はだまってうなづき、スマホを耳に近づけた。
天使の言うことを聞いていたが、しばらくすると彼女の顔がぱっと明るくなり、スマホを机の上に置いた。その後再び甲冑を完全に着け月の剣を腰にさし、戦いの準備を終えた。
彼女は活力に満ちあふれ、非常に穏やかな顔に変わっていた。
自分の部屋を出ようとした時、机の上のスマホに向かって彼女は言った。
「ミカちゃん。ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。」
そう言ってから満面の笑顔になって、自分の部屋を出て行った。
彼女が部屋を出て行った後、スマホの天使がしゃべった。
「フーカさん、神から絶対話してはいけないと言われても、神に逆らってもあなたに話したかったです。私に『ミカちゃん』という名前をつけてくれて、おしゃべりしてくれたあなたはとても素敵でした。………楽しかったです。神に逆らってしまった天使の私は、今、消えざるを得ません………」
「‥サヨウナラ‥」
スマホに映し出されていた天使の姿が見えにくい画像が粗い点の固まりになった後、だんだん薄くなり最後には完全に消えてしまった。
………
戦いが始まろうとしていたが、しばらくの間、両軍からは誰も出て来ようとしなかった。
そのうち、2つの影が動き出した。いずれも、見えない防壁の間の細い一本道に現われた。
一つは、世界連合軍からナオト国王が太陽の剣を腰にさし歩いていた。とても厳しい顔で何かを決意していることが感じられた。
もう一つは、城からフーカ辺境伯が月の剣を腰にさし歩いていた。決意を込めているが、びっくりするくらいとても穏やかな顔をしていた。
2人は道の途中で百メートルくらいの距離に近づくと、事前に申し合わせたように同時にそこに立ち止まった。
1日目はみえない防壁により、フーカ辺境伯側には全く損害が発生しなかった。それに加え、世界連合軍は弓矢などの飛行系の武器の損失が莫大に及んだ。軍議は始まり副官の魔法師イワンがそのことを指摘した。
「1日目で、世界連合軍は弓矢などの飛行系の武器を使い果たしました。今日は見えない防壁の頂上に射手を置いて、こちらの方から攻撃を仕掛ければ戦いは我が方に大変有利に進むでしょう。」
フーカが答えた。
「私に考えがあります。今日1日、皆様は城の中で防御態勢をとってください。ほんとうに疑問に思われるのかもしれませんが、自分なりにしっかり考えた結論です。よろしくお願いします。」
軍議の場にいた全ての参加者は、彼女のことをとても信頼していたので一斉にうなづいて同意した。その後、彼女は自分の部屋に戻り甲冑を着け始めた。すると、彼女を呼ぶ声がした。
「フーカさん。フーカさん。」
天使が机の上のスマホから彼女を呼んでいた。
「ミカちゃん。今から戦いに行くわ、これまでいろいろなことを教えてくれて、ありがとうございました。心から感謝します。」
「フーカさん、最後にあなたに教えなければならないことがあります。まだ、言っていないことがありました。やはりお知らせしなければならないことでした。城を出る前に知ってほしいです。」
彼女はだまってうなづき、スマホを耳に近づけた。
天使の言うことを聞いていたが、しばらくすると彼女の顔がぱっと明るくなり、スマホを机の上に置いた。その後再び甲冑を完全に着け月の剣を腰にさし、戦いの準備を終えた。
彼女は活力に満ちあふれ、非常に穏やかな顔に変わっていた。
自分の部屋を出ようとした時、机の上のスマホに向かって彼女は言った。
「ミカちゃん。ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。」
そう言ってから満面の笑顔になって、自分の部屋を出て行った。
彼女が部屋を出て行った後、スマホの天使がしゃべった。
「フーカさん、神から絶対話してはいけないと言われても、神に逆らってもあなたに話したかったです。私に『ミカちゃん』という名前をつけてくれて、おしゃべりしてくれたあなたはとても素敵でした。………楽しかったです。神に逆らってしまった天使の私は、今、消えざるを得ません………」
「‥サヨウナラ‥」
スマホに映し出されていた天使の姿が見えにくい画像が粗い点の固まりになった後、だんだん薄くなり最後には完全に消えてしまった。
………
戦いが始まろうとしていたが、しばらくの間、両軍からは誰も出て来ようとしなかった。
そのうち、2つの影が動き出した。いずれも、見えない防壁の間の細い一本道に現われた。
一つは、世界連合軍からナオト国王が太陽の剣を腰にさし歩いていた。とても厳しい顔で何かを決意していることが感じられた。
もう一つは、城からフーカ辺境伯が月の剣を腰にさし歩いていた。決意を込めているが、びっくりするくらいとても穏やかな顔をしていた。
2人は道の途中で百メートルくらいの距離に近づくと、事前に申し合わせたように同時にそこに立ち止まった。
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